2008年3月31日月曜日

木登り
   

木登りをしたことがありますか? 最後に木に登ったのはいつですか?
    
子供のころ誰もが一度は木に登ったことがあるのではないだろうか。
    
小さいころよく行った公園に ガジュマルの木 があって、複雑に入り組んだ幹や気根にしがみついて木に登った。結構な大木で木に空洞があって 基地 を提供してくれたりもした。
     
それ以降木に登るなんてことはサッパリなくなったのだけど、イイ大人になった今、園芸の勉強の一環として木登りがあったし、最近では植木屋の仕事をするときに木に登る。
   
それは結構新鮮な感覚だ。
      
愉しみで登るのではなく 仕事 で登るのでやや趣が違うのだけど、登るにつれ見えてくる景色が違ってきたりして子供のときのようにワクワクする。
       
園芸の道を進むようになって花を植えたりするときに土に触れるのだけど、その土に触れたときのヒンヤリとした感覚を子供のときに味わったなぁとしばし思い出にふけるのと同時にその感触の良さにしばし恍惚としてしまうのと似ている。
      
地下足袋は靴底が薄くて柔らかいので素足感覚で、足の置いてある枝が強いのか弱いのかといった繊細な感覚が伝わってくる。足は枝先に置かずに極力幹に近い枝の元に置くこと。でないと枝が折れて転落する。
       
日本ではフリークライミングのように軽装備でスルスルと自分の力で登って、必要に応じて 安全帯 などで安全を確保するのが一般的のようだ。
      
一方、英国ではあご紐付きのヘルメット、ハーネス、命綱、安全靴といった万全の重装備で無理なく安全に登っていく。もうこれは文化の違いと言ってしまえばそれまでだけど、同じ木登りでも随分違いがあるものだ。
       
英国式の装備とまどろっこしさにときどき嫌気がさしたけど、安全を考えればとても理に叶っている。
     
ちょっと前に友人の紹介で 空師 といって高木の剪定・伐採を専門にやっている職人集団の手伝いをしたことがある。そこの親方は本当にプロフェッショナルで足元は地下足袋ながらもヘルメット、ハーネス、命綱を使って高木に挑んでいた。日本にもこういう人がいるのか、と興奮したことを憶えている。
     
ただ、仕事内容によっては自らをクレーンに括りつけ数十メートルの高さにイッキに登っていく様子を見て、足がすくんだものだ。
  
      
話が散漫になってしまった。
      
木登りも泥遊びも子供のころやった。
     
広い意味での園芸はこういった忘れかけていた何かを思い出すきっかけにもなるのではないかな、と。
     
もし子供がいたら 危ない と頭ごなしに禁じるのではなく一緒にやってみたらどうだろう。
子供も ここからは危ない といったことは本能的に察知できるはずだし、「意外とお父さんやるじゃない」なんて会話が弾むカモ。家にこもってテレビゲームのバーチャルな世界に浸るよりも健康的だと思うのだけど。
        
ただ、どの木でも登って良いというわけではない ので、公園や植物園に 木登りの木 というのがあると良いと思うのだがいかがだろうか?

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