2008年4月11日金曜日

控えめな花たち 1
   カエデ Acer palmatum
    

   
花といえばその植物がその特徴を一番アピールする器官ではなかろうか。
       
それが何の植物なのか花を見ると一番分かりやすいというケースが多い。
何故 目立つ のか?
   
これは自分の雄しべにある花粉をハチやチョウなどの運び屋に雌しべまで運んでもらうために、「ここに美味いものがありますよぉ」と色や形でアピールしているのだと思われる。
こうやってムシに花粉を運んでもらう花たちを 虫媒花 という。
ムシを惹きつけるために色、蜜、匂いなどで誘う。
    
これに対して風に花粉を運んでもらうのが 風媒花 というもの。
風に運んでもらうので別に色、蜜、匂いなどのムシたちへの御褒美はいらない。よってかなり地味な色、サイズ、形になっている。
花粉が飛ぶ・・・、そう、花粉症の人には恨めしいスギも風媒花を咲かせる代表格だ。
    
このカエデも風媒花であって、今咲いているのだけど気付いていましたか?
黄緑に芽吹いた新芽の下に束になってぶら下がっている。
    
僕もこれほど真剣にカメラを向けたのは初めてで、そのおびただしい花の数に圧倒された。
     
カエデが一番人の目をひくのは秋の紅葉の季節。
    
花がどんなものなのか知らない人も多いのでは?
今日のブログで 「カエデの花ってこんななのね。今度散歩のときに見てみようっと。」 という人が一人でもいればそれは花咲ジジイ冥利に尽きる。
    
カエデとモミジどう違うの?
という声も聞こえてきそうだが、植物学的にはどちらも Acer palmatum で一緒。300種類以上の園芸品種があるといわれていて、それらの中で適宜分けているようだ。
葉の切れ目が浅いのがカエデ、深いのがモミジという分け方もあるようだが定かではない。
       
因みに palmatum はラテン語で 手のひら を意味する。英語でも手のひらは palm だし。
ホラ葉っぱは手のひらのカタチをしてるでしょ。
  
まだカエデについては語ることがあるけど、それは秋の紅葉が赤く染まったころにしよう。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

子供の手がもみじのようだったのはいつの日か..あっという間に大きくなってしまいます。新緑がまぶしい季節。目を凝らしてみるといろんなものがあるんですね。勉強になりました。

匿名 さんのコメント...

かえでは秋の植物というイメージでした。(童謡にもありますよね、「秋を彩るかえでやツタの・・・」)。春にこんな可憐な花が咲くとは知りませんでした。探してじっくり見てみたいけれど、秋にならないとかえでやモミジに気がつかないという、自然にうとい都会人です。