2008年4月13日日曜日

控えめな花たち 2
 アオキ Aucuba japonica
   


   
このアオキは花が控えめ、というよりも全体的に地味。
      
常緑の潅木で斑入りのものも多く、「緑でとりあえず埋めておきたい」というむきにオススメである。
日陰にも強いなんてこともあって、庭の北側で日当たりの悪い場所でも活躍している。
そんな性格もあって、昔はトイレの外に植られていたと聞いたことがある。
昔のトイレってホラ下のところに横長の引き戸が小さくついていたでしょ。アレを外側から隠すのに使われたらしい。人によってはアオキを指して「ああ、便所の木ね」なんてことを言う。
   
便所の木とひと括りにされてしまうのはツライ。かわいそう。
   
そんな憂き目にあってきたアオキ君だけど、海外ではちょっとした人気者である。
ステキな庭にステキに使われている例を沢山見た。
   
赤い実がなるので、斑入りの葉っぱ と合わせて、そのバリエーションの多さでウケているのではないかなと思う。
さて申し上げたようにアオキというと、葉っぱと赤い実が頭に浮かぶのだが、その花はどういうものか?
    
花はこの時期に咲き、ご覧の通り地味な色とサイズである。
    
オモシロイというか覚えておかねばならないのは、この青木は雌雄異株ということ。
      
これは何かというと、オスの木、メスの木が分かれていてオスの木になる花には雄しべしかないし、メスの木には雌しべしかない。よって赤い実がなるのはメスの木のみということになる。
   
よく園芸相談などで「ウチのアオキに実がならないんですけど、どうしてでしょう?」なんてのがあるけど、理由は明快、それはオスの木だからデス。
   
この雌雄異株はイチョウなどもそう。ギンナンのなるイチョウとそうでないのがあるでしょ。ギンナンのなるのがメスの木。
   
左がオスの花。黄色いぽっちが4つ見えるのが雄しべ。
右がメスの花。花の真ん中に雌しべがひとつ見える。
      
花といってもそんなに目立たず、良いニオイがするでもなし。
でもそんなウンチクがこのアオキに隠されているのであった。

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