2008年5月31日土曜日

アゲハ
  
  
今日はちょっと趣をかえてアゲハで。
  
昨日ミカンの木の横の松の木で息絶え絶えになっていた。
  
この「ミカンの木の横」ってのがミソで、アゲハの幼虫はミカン、オレンジなどのミカン科の植物につく。
見たことをある人もいると思うが、色は黄緑色をしていて、かなりデカい。
  
別に刺したりはしないけど ビジュアル的に受け付けないという人も多いのではないだろうか。
  
チャドクはツバキ科を食い、アゲハの幼虫はミカン科を食う。
すみわけがシッカリしているのも興味深い。
  
えっ、これだけ??
そうです。今日はちょっとアッサリめにこれだけです。
  
今日で5月も終わり。
明日から6月ってことで、一年の折り返しも間近。
  
皆様のお蔭で5月も毎日更新できました。
6月もヨロシクお願いします。
  

2008年5月30日金曜日

宝モノ、そして商売道具
  
   
予め申し上げておくけど、僕は植木職人ではない
ではないけど、ときおり懇意にしている植木屋の親方の手伝いをしている。
  
いわばパートタイム植木屋
  
この親方とのお付き合いはかれこれ10年ほどになる。
  
会社を辞めて園芸の右も左も分からなかった僕に親切丁寧に教えてくれた。
この親方は根っからの職人で、仕事は確実で手が早い。すなわち「デキる」植木屋というわけだ。
僕は本当にこの親方を尊敬していて、ある意味憧れてもいる。
  
10年前のある日、英国に出発する数ヶ月前に親方が自分の使っていた植木ハサミをプレゼントしてくれた。
  
これには大いに感激した。
  
なにせ尊敬する憧れの親方のハサミだ。
それはそれは興奮した。
  
まずその年季のはいったハサミの風格が違う。
そして植木を切るときにハサミの刃と刃が合うときに出る音が、その辺の安物とは違っていた。
  
そんな訳で時折出しては眺めて悦に入っていたものだ。
英国滞在中はあまり出番がなかったけど、帰国してから親方の仕事を再びときどき手伝うようになって使う場面が増えた。
  
そして数日前のこと。
気が付いてみると上の写真のようにハサミの柄がポッキリと折れてしまっていたのに気付いた。
ショック。
いつどうやって折れたのか、まったく覚えがない。
  
こうなるともう使えない。
しばらく粘って使ってみたのだけど手が痛くなってダメだった。
そこで、やむなく新調することにした。
  
それが下の写真。
  
ご覧の通りまだピカピカだ。
切れ味も良い。
  
でも何かが足りない・・・。
 
 

2008年5月29日木曜日

ドクダミ Houttuynia cordata
  

  
小学生だったころ、「草むしりしたらお小遣いをあげる」と母に言われたのが、ドクダミの最初の思い出だろうか。
印象はとにかく 臭い につきる。
  
当時素手でむしったものだから、手にニオイがこびりついて暫くとれなかった。
以来、ちょっと距離を置いて付き合うようになった。
  
そして、園芸に向き合うようになって、自然にはいろんなニオイがあるものだとカラダで感じて、一般にクサイと言われているものも、「良いニオイ」と思えるようになってきた。
牛糞や馬糞を鋤き込んだ腐葉土のニオイ、土のニオイ、この前書いたシイの花のニオイ、新緑のニオイなど、どれも魅了的なニオイだと思う。
  
逆に以前使っていた、香水の類は臭いと思うようになった。
自分勝手なものである。
  
じゃぁこのドクダミは良いニオイなのか?と言われてしまうと、身にまといたい良いニオイ ではないが、草むしりするときとしては許せるニオイだと思えるようになった。
  
このニオイのもとはデカノイルアセトアルデヒドという舌をかみそうになるものだが、太陽のもとにさらして乾燥させるとそのニオイがなくなる、らしい。
なので、ドクダミ茶があったり、地方によってはドクダミ料理があるのだろう。
  
その花はちょっとユニークなカタチをしているし、カワイイものだ。
4枚ある白い花びらのようなものは総苞片といって花びらではない。
中心部にタテに並んだ小さいやつらが花ということになる。
これは以前書いたハナミズキと同じ理屈。
  
ちょっとビックリなのはこのドクダミは単為生殖といって、花粉が雄しべから雌しべに移らなくとも種を作るということ。ということは安定的にバンバン増えるということ。
おまけに彼らは地下茎を張り、そこからも枝分かれして増える。
  
増える仕組みがシッカリできている。
道理でそこら中にはびこる訳である。
  
品種によっては黄色や赤の斑入りのものがあって、ヨーロッパではガーデンセンターなどにいくと鉢に入って売っている。
それを買っていく人がいる。
それを庭に植える人がいる。
  
普段仕事として、四つん這いになってドクダミを抜いている自分からすると、大丈夫か?と心配になる。
ところ変われば・・・ってやつである。
   

2008年5月28日水曜日

フジ Wisteria
  
   
えー、ただいま5月28日午後11時30分を既に過ぎております。
日付が変わるまであと30分無い。
   
昨日と今日が交わる時間・・・ クロスオーバーイレブン というFM番組が昔あった。
ナレーターは津嘉山正種ではなかったか?
古き良き「らじを」の想い出だ。
  
今日は早朝から出掛けて帰宅したのが今である。
別に誰に強制されているわけではないのだけれど、一応この花咲ブログは毎日更新を旨としている。
なので、帰宅して着替えもせずに今日の分をしたためている。
  
お気付きでしょうか、ちょっと植物本来の話題とは別にスペースを埋めようとしていますね。
これはイカン。姑息な手段である。
  
フジは正直言って既にちょっと前に花の時期は過ぎてしまった。
でも花盛りの時期にちょっと珍しい ピンクのフジ を撮ったので早く紹介せねばと思いつつ時が過ぎてしまった。
  
フジはマメ科に属し、その証(あかし)として花のカタチはチョウのような左右相称花である。そしてマメ科の最大の特徴である サヤに種(マメ)が納まっている。 今後もうちょっと他のマメ科の植物をここで御紹介しようと思うけど、それら全て左右相称花、サヤ状の実が特徴となっている。
  
ちょっと慌てて書いてしまい、クオリティに御不満の方もいらっしゃると思いますが、今日はこんなカンジで・・・。
  
ではまた明日。
  

2008年5月27日火曜日

日本一・・・
 


 
突然ですが 「日本で一番しいたげられている、悲しい野菜はなんでしょう?」と問われたらなら、アナタは何と答えるだろうか?
 
僕はこの前トンカツ定食を食べ終えた自分の皿を見てフト思った。
このポツンとお皿に残されたパセリ、何かかわいそう、と。
 
他のパセリ的な場面としては、新幹線で買うサンドイッチに色を添える、というものがあろう。
 
そう、パセリに課せられた任務は、この「色を添える」ということなのではないだろうか。
色を添えるとお役御免で、皆様のお口に入ることもない。
 
オレ本当にパセリ大好物なんだ!って人にも会ったことがないし。
 
一説によるとビタミンCが豊富だとのことで、一時これを一生懸命食べたことがあるけど、決してウマイものではなかった。
 
色を添えて後は捨てらる運命。
ああ、なんて悲しいのだろう。こんなにしいたげられている野菜がこの日本に他にあるだろうか?
あえて日本で、と言ったのは世界は広いのでパセリを主食にしている国があるかも知れず迂闊なことは言えない。
 
刻んでホワイトシチューにトッピングくらいはするけど、もうちょっと何とかしてあげたいと思った。
 
因みにこれは学名では Petroselium crispum といってセリ科に属す。
日本語でパセリ、英語でParsley。
 
この英語がクセモノで「R」と「L」が見事に混在している。
イギリス人から「Parsley」って言ってみ、と言われ何度も何度もダメ出しされた結果、今はなんとか言えるようになったように思う。 パセリと言うたびに「違う」と言われ、首を傾げられ、本当に泣きたくなった。というか、カチンときた。
 


しいたげられた野菜に関する忌まわしい想い出である。
 

2008年5月26日月曜日

アグロステンマ Agrostemma githago
  

   
5月25日付の新聞によりますと、「荒川の砂町水辺公園でアグロステンマの花が咲き乱れ、訪れるヒトを楽しませている」とあった。
  
「なんじゃ?そのアグロステンマって?」と思われた方も多いと思う。
  
アグロステンマとはナデシコ科の植物でご覧のようなカワイイ花を咲かせる。
言われてみるとちょっとナデシコに似ている。
  
これはヨーロッパでは結構良く見かける花で、そんなに珍しいものではない。
和名は ムギナデシコ といって麦畑でよく見かける花だったようだ。
   
で、この写真は新聞記事を見てわざわざ砂町までいったかというと、そうではない。
この前手入れをしたお宅の庭の片隅にちょこんとはえていたので、ちょっと珍しいと思ってシャッターを切ったもの。
  
こうやって 本日のお題 となってちゃんと役に立っている。
  
この砂町水辺公園では約650㎡にわたってこの花が咲き乱れているのだそうで、一見の価値ありカモ。
  

2008年5月25日日曜日

痒い季節
   
   
庭仕事をする場合、僕は冬場が好きだ。
寒いといったって、一旦身体を動かし始めればスグに暖かくなり寒さはそれほど気にならない。
ムシもほとんどなりを潜めている。
   
その点、夏はキビシイ
暑さは殺人的だし、脱ぐったって限界があるし、冷房があるわけでもなし。
このブログで何度か取り上げたチャドクガの幼虫など、「敵」も多い。
  
5月はその冬と夏のほぼ中間で、外働きも気持ちの良い季節・・・のハズだった。
ところが、この前「なんか首のまわりが痒いなぁ」と思っていたら蚊に刺されていた。
   
もう蚊がいるのか!? とちょっとオドロキだったけど、まぁ温暖化を取り出すまでもなく、蚊がいてもおかしくない5月後半である。
   
日本で植木屋仕事、庭仕事をしていると、夏場は肌を極力隠す というのが一般的だ。
足元は地下足袋、長ズボン、長袖シャツ、帽子、軍手といったいでたち。
暑いけど、ムシに刺されるよりも良いし、強い紫外線に長時間さらされているとロクなことはない。
   
一方、英国では事情が全く違った。
足元は登山靴のような格好の安全靴ブーツ、短パン、半袖ティーシャツもしくはタンクトップ、帽子、サングラスといったところか。
  
とにかく肌を露出して体感温度を下げようという発想だ。
この発想が可能なのは蚊をはじめ、刺すタイプのケムシなどがいないことが理由として挙げられる。
植物園では決められた植物園のロゴ入りのティーシャツやポロシャツの着用が義務付けられていたけど、一歩外にでると道路工事のお兄さんたちなんかは、短パンイッチョで上半身裸で働いていたりする。
  
初めて見たときはちょっと驚いたけど、夏場ではどこへいっても当たり前の光景だった。
  
植物園でも裏方の来園者の目につかないセクションでは上半身裸のやつが結構いて、それが植物園の上層部の目に留まり、「園内では何人もすべからくシャツを着るべし」なんて通達がでて、それに反発するスタッフとの間でちょっとした騒ぎになったこともあった。
  
この日英、もしくは日本とそれ以外の外国の園芸をめぐる服装問題は面白いので今後もうちょっとゆっくり話してみようと思う。
  
とりあえず今日のところは蚊が出てきましたよ、という御報告でした。
  

2008年5月24日土曜日

都会のローズガーデン
   

  
昨日はお日柄もヨロシく、六本木アークヒルズで23、24日の2日間限定公開の ローズガーデンを見てきた。一年でたった2日間の公開でしかも10:00~13:00の僅か3時間だけ。庭がどうの、というよりもそのレア感に煽られて足を運んでしまったカタチだ。
  
実は昨年もこの公開を知っていてわざわざ行ったのだが、日にちを間違えていて入れなかったという間抜けな体験をしたので、今回はダブルチェックをしての出陣だ。
  
行ってみると ARK HILLS Rose Festival 2008 と銘打ってバラの鉢花の販売などやっていて結構な人出である。
  
ビルの屋上部分に作り上げた庭空間で、出来上がってから時間がそこそこ経っているためか、かなり自然な雰囲気に馴染んだ庭だった。
でも辺りを見回すとそこは大都会のド真ん中で、ビルの谷間といった風情だ。
  
都会の真ん中にありながら、これだけ緑に溢れるというのはある意味素晴らしい。
植物にとってシアワセなのかは分からないけど。
広場ではサラリーマン、OLがほど良い風に吹かれながらカフェ形式でお昼をとっていた。
  
この前の西武ドームであったガーデニングショーとほぼ同様の客層(?)が集まっていたのは興味深い。やはり女性達の園芸熱はかなり熱いと見た。
   

2008年5月23日金曜日

銀座のヒマワリ
   

   
銀座ソニービルの前にガーベラが大集合していると4月8日に御紹介したが、今回はヒマワリが集結して気勢をあげている。
   
ひと足早く、銀座に夏をお届けします。2008」 と称して3000本のヒマワリが展示されている。
花壇の中には小道があってベンチに座ってヒマワリに囲まれて写真を撮る人もいる。
  
昨日の暑さは「ひと足早い」本格的な夏到来といったカンジだった。この調子でいくと7月8月なんて一体どうなるのか、外働きが基本の花咲ジジイとしては今から戦々恐々である。
昨年も本当に生命の危機を感じながら外で働いた。
  
このヒマワリの展示は25日まで
天気予報によるとこの週末は天気が崩れるそうなので、見たい方は銀座に急ぐべし。
   
ヒマワリ Helianthus annuus キク科に属し、この前銀座にあったガーベラと同じファミリーだ。
上の写真は例によってヒマワリを接写したもの。
お分かりのように頭状花序といって、小さな花が寄せ集まってできている・・・、なんて硬いことは抜きで今回は純粋にヒマワリを楽しもうではないの。
  
僕が真剣な面持ちでシャッターを切る横で、涼しい顔をして携帯カメラのシャッターを切る涼しげなお姉さんがいた。この後にも色んな人がとっかえひっかえ写真を撮っていった。
「皆、結構好きなんだねぇ。僕だけじゃなくて良かった。」と変に納得して帰ってきた。
  
ヒマワリは銀座にひと足早い夏と涼しげな風をもたらしていた。
  

2008年5月22日木曜日

シイの花
   
  
昨日 「シイの花に近づけるのはこれが限界」 ということを書いた。
書いたあとで、そういえばアソコにあったのは確かシイの木ではなかったか と思い出していってみた。
  
それは、千代田区一番町英国大使館前
   
以前自転車で走っていて、傾斜の関係で割りと低いところに花があったような気がしたのを思い出したのだ。
  
行ってみてごらんのような写真を苦もなく撮ることができた。
思ったとおり、花としては特に美しいわけでもなく、鼻を近づけるとあの甘いような臭いようなビミョーなニオイがした。
  
と、ここまで書くとなんてことはないのだけど、実はちょっとなんてことがあったのだ。
  
このシイの木は英国大使館前にあったのだけど、前も前。
大使館正面の門の真ん前にあるのだ。
  
自転車でそこに一直線に向かい、やおら大型メッセンジャーバッグの中からカメラを取り出し、何回もシャッターを木に接近して押して、そのあとニオイを嗅ぐ・・・ということを、警備にあたっていた警官の前でやらかした。
  
その一部始終を警戒して見ていたその警官に当然声を掛けられた。
見方によっては、僕は治安を脅かす恐れのある、まがうことなき不審者である。

  
「何をしてるのですか?」
「ええ、写真をちょっと・・・」
「珍しいんですか、これ?」
「えぇ、この高さで花が見れるのは」
「はぁ?そうなんですか。カメラマンさんですか?」
「いいえ」
じゃぁ趣味かなんか?」
「まあ趣味と仕事半々って感じです」
 
などとトボけたやりとりをしてその場を去った。
  
以前、新宿を歩いていて職務質問を受けたことがある。
やましいことは一切なくても、警官と話すというのはなんとなくドキドキするものである。
  

2008年5月21日水曜日

シイ Castanopsis
     
    
小学生の頃、「行ってきまーす」と元気に家から飛び出して、モワッとむせるほどの甘いニオイに包まれた記憶がある。それは甘くていい香りとも言えるし、なんかクサくて変なニオイともいえるビミョーなニオイだった。
   
そのニオイが一体どこからくるものなのか、知る由もなかったし、そんなの知ったことじゃぁなかった。
   
ちょっと大人になってからも、春のこの時期になるとやはりこのニオイがして、子供の頃をフト思い出してちょっとしたノスタルジーに耽ったりもした。
でも相変わらずニオイの元は特定できず、「いわゆるひとつの新緑の香りってやつだな」などと思って特に気にも留めなかった。
   
そして今
これはシイの花のニオイだと知るに至る。
   
シイの花は風媒花ということで、とくに目だったものではない。
シイの木を見上げて花を探すのだけど、シイの木の上の方は花が満開でシイ全体が黄金色に輝いているように見えるのに、どういうわけか目の高さでは花はひとつも見られなかった。
  
不思議なもんである。
   
花にグッとよった写真を撮りたかったのだけど、下の写真が精一杯だった。
あとは木に登って撮るしかないけど、道端や公園ではそれもちょっとマズい。
   
自分で想像するに、これは風媒花なので風に花粉を乗せて飛ばさないといけない。なので花粉の離陸時に既に高い場所にあればそれだけ遠くに花粉が飛ぶ。なので目の高さに花が咲かないのではないか?
どうだろう?結構良い線をついていると思うのだけど。
   

2008年5月20日火曜日

十六茶 vs 十七茶
   

最近は天気が良いと気温は20度を越える。

まことに気持ちがヨロシイ。
   
そんなときは外でお弁当を広げるものヨロシイ。
  
お弁当のお供にお茶を飲んでいて、そのラベルに目が留まった。
   
十六茶
  
別に最近になって発売されたものでもないのだけど、これまでまじまじとラベルなんか見たことはなかった。そこには何が16も入っているのかが書いてある。それによると・・・
   
(五穀)
 ハトムギ
 大麦
 玄米
 黒豆
 ゴマ
(三漢)
 霊芝
 ハブ茶
 ミカンの皮
(八葉)
 ビワの葉
 熊笹
 アマチャヅル
 桑の葉
 昆布
 柿の葉
 杜仲葉
 シソの葉
・・・・らしい。
   
これの計算式を示すと
5+3+8=16 となる。
植物大活躍である。
   
そういえば小さかった頃、祖父が庭に生えていた柿の木から葉っぱをとってきて、オレンジなどと一緒にジューサーにかけて飲んでいたのを思いだした。
    
以前、韓国に行ったときに飲んだお茶のラベルに 十七茶 とあった。
写真がないのが残念だが、これは本当の話。
一体これに何をひとつ足したのか、スゴク気になる。
   

2008年5月19日月曜日

カタバミ その2
    
昨日に引き続き カタバミ のお話。

とにかくその生命力は特筆モノだといったけど、それはホントにそう。
もうイヤになるくらい強い。

仮に水をしばらくやらずに、枯れたように見えてもその根に生命力を蓄えておいて、雨が降ったりして復活の要件が整うとまた生き返る。
  

   
昨日も根が長いというのを分かってもらいたいという写真を載せたのだけど、これはもっとスゴイ。
右側でモコモコ小さく見えるのが地上に生えている部分。
その下がこんなに長い。ヤクルトの入れ物と比べていただきたい。

なんでヤクルトなのか? それは言えない。

これだけ深く伸びていると、仮に土の表面が乾いていても地中のどこかから水分を調達できることだろう。

根の写真の横が の写真。
この上を向いた小さなロケットのような果実の中に無数の種が入っていて、熟すとはじけて飛び散る。
恐るべし。

カタバミはムラサキカタバミアカカタバミカタバミイモカタバミなど色んな種類がある。
花の色も黄色とピンクが主で、それなりにキレイといえばキレイだ。カタバミを許せる気持ちさえあれば。

花に惹かれて、園芸用にわざわざ植える人もいる。
来る日も来る日もカタバミむしりをしていた人にとっては信じ難いことではある。

そういえば、日本では厄介な雑草である ドクダミ がヨーロッパでは斑入りの園芸品種などができてオシャレな植物として珍重されていることがある。
来る日も来る日もドクダミむしりをしていた人にとっては信じ難いことではある。

    

2008年5月18日日曜日

アカカタバミ Oxalis corniculata
  

今日の写真を見て 「おっ、クローバー見っけ!」と思った方、チョット待ってください。
  
気持ちは分かるのだけど、これは カタバミというもので、クローバーではない。
カタバミカタバミ科に属し、花もご覧のように放射相称花を咲かせ、クローバーマメ科に属し左右相称花を咲かせる。
クローバーはとても興味深い植物なので、また今度ゆっくり取り上げよう。
   

 
   
このカタバミで強調したいのがその驚くべき生命力だ。
   
まず花を咲かせて、実を結ぶとその中から無数の種をはじき飛ばして増える。
そして、茎からは匍匐枝をだして増える。
更に根っこがとてつも長く深く地中にもぐり(写真下)、かつ根が太く そこに養分などを蓄え(写真中)、仮に地上の目に見える部分を取り除いても、スグに再生してくる。生き返るのだ
  
なのでコイツを駆除するのはかなり厄介なのである。
   
まさに根こそぎ取り除くしかない。
何事もそうだけど、早期発見、駆除が鍵を握る。
まだ小さいうちであれば、根もさほど深くもぐっていないので そーっと慎重に根が切れないように引っぱれば駆除ができるかもしれない。
  
植物園である友人が 「オクサリス、ゴキブリ、そして蟻は地球に原子爆弾が投下されても生き残るな」とぼやいていたのを思い出す。
  
今日の写真は葉が赤いというか紫っぽいので アカカタバミ
葉が緑色のものもあってそれは単に カタバミ というようである。
  
そこら中にはえているから見てみよう。
晴れた日中に花を開き、それ以外はクルクルと巻き込むように花が閉じる。
例えるなら傘をたたんで丸める感じ。
  
本日のカタバミのお話はここまで。
続きはまた明日。
  

2008年5月17日土曜日

ムラサキツユクサ Tradescantia ohiensis
   
  
紫はその昔、高貴な色とされていた。
   
このムラサキツユクサの紫色も、チョイと高貴な雰囲気を醸しだしているように見えるのは僕だけだろうか?
高貴なクセにその辺に雑草の如くはえているというそのギャップが面白い。
   
もし許されるのであれば、ひとつ摘んできて一輪挿しにでも活ければとても絵になる。
  
花をじっくり見てみると、雄しべが6つ、花びら3枚、がく3枚、とチューリップのとき同様、3の倍数の法則を持っている。
   
下の写真では、ミツバチではなくアブのようなムシが飛んでいるのが見える。
色んな花粉の運び屋がいるものである。
   

2008年5月16日金曜日

Simple is the best
    
    
この前食べにいったイタリアンレストランで食後にプリンを頼んだら、プリンの脇にチョコンと小さなミントが添えてあった。
   
花咲ブログは食べ物ではなく植物と向き合うブログ。
   
そこでちょっと解説すると、ミント Mentha シソ科に属する。
ガム、キャンディ、歯磨き粉など、ミントはすごく身近にある。
   
更にこのシソ科の植物も身の回りに沢山あって、お刺し身のツマであるホジソ、ラベンダー、ローズマリーなど馴染みのあるものが多い。
   
特徴としては、葉は対生し、茎の断面は四角のように角ばって、細かい毛が生えていて、花は左右相称花で・・・・。
眠くなりました?
   
そんなときはこのミントでリフレッシュしてはいかがだろうか?
ミントティーは巷では ミントの葉数枚にお湯を注いだもの が基本になっているようだけど、
僕が「ウマイなぁ、これは」と思ったのは今日の写真のこれ。
   
なんてことはない、ディーバックの紅茶にミントの葉、そして砂糖が入っていただけ。
ディーバッグなんか、まだプカプカと浮いているのが見える。

これはイスラエルのエルサレムのバザールで見かけた屋台で飲んだものだ。
かなり歩いて疲れたときに、このミントティーの爽やかさと適度な甘さで元気がでた。
これまで飲んだミントティーのなかで一番ウマイかも、と感激してこんな写真を撮った。
   
ベランダなどでもミントは育てやすいので、ミントティーを飲むたびにフレッシュな葉を数枚摘んで楽しむなんてのはかなり贅沢カモ。
   

2008年5月15日木曜日

熱気ムンムン
   
    
気温が全く上がらないサエない1日。
今日(14日)から始まった 第10回国際バラとガーデニングショウ を見てきた。
   
19日までの6日間、西武ドームで開催されるのだが、開催期間中25万人の来場を見込んでいるそうで、足元が悪いにもかかわらず押すな押すなの大盛況。
サエない天気とは裏腹に熱気ムンムンである。
   
単純計算で1日あたり4万人チョイの来場者となるわけだ。
スゲー。
   
来ている人を観察してみると、概ね30~70代の女性で占めているようだった。
女性は本当にパワーがあるね。
   
でもこうやって熱心に交通費を払って、入場料を払って、時間を掛けてはるばる色んなところから人が集まるっていうのを見て、改めて皆の植物や庭に対する関心の高さをヒシヒシと感じた。
   
この熱気からすると、もうちょっと僕にも仕事があってもいいはずなのに、実際ちょっとヒマだぞ、と独り呟く。
   
会場ではハンギングバスケットやデザイナーが作ったショーガーデン、更には花や園芸用品の販売などもやっている。
   
そういえば、世界最大のフラワーショーと言われるロンドンで開かれる チェルシーフラワーショー は毎年5月20日頃だったと思い出した。今年は5月20日から24日までのようだ。
   
フラワーショー花盛りで本格的春ってのを感じちゃうね。
   
チェルシーフラワーショーでは、ストロベリーとPimm's という飲み物が名物なのだけど、所沢西武スタジアムで見かけたのがコレ。
当店のオススメ品 ガーデニング弁当 900円也 だ。
   
   
ちょっと高くて手がでなかったけど、一応一枚写真を撮ってみた。
午前11時ですでに売り切れの表示が。
   
まさに押すな押すな、大盛況のガーデニングショウ。
   

2008年5月14日水曜日

アミーゴ!!
    
   
散歩していてスゴイやつを発見した。
   
その名も リュウゼツラン Agave americana
漢字をあてると竜舌蘭となるらしい。
   
幅2~3メートル、高さも2メートルをゆうに超える。デカい。
葉っぱひとつひとつは肉厚で小さい写真の左のように鋭いトゲがはえている。
葉の先端は黒く硬く尖っていて、これで目など突こうものなら失明は免れない。
植物園で来園者の手の届くところにある場合はこの先端のトゲは爪きりみたいなもので切り落としてある。
   
そのおどろおどろしさは、まさに竜の舌のようだ。
   


       
名前に蘭とついているけど、蘭とはなんら関係ない。
花は一生に一度だけ
花を咲かすと枯れていってしまう。
この花を咲かすのに要する時間が数十年とも言われていて、100年に一度花を咲かせる と例えられセンチュリー・プラント(Century Plant)と呼ばれる。
   
イギリスの植物園で、丁度これが花を咲かせるということで、地元のテレビ、ラジオ局と新聞社が押しかけて大騒ぎになったことがある。
花を咲かせる茎は高さ4~5メートルくらいにはなる。
    
想像つきますでしょうか?
    
なんだかとても珍しい植物のようだが、スペインに行くとそこら中にこれがあった。
メキシコ原産なので、恐らくメキシコにも沢山あるのだろう。
   
なので、今日の題名をアミーゴにしてみた。
    
このリュウゼツランのなかでテキラリュウゼツラン Agave teauilana はかのテキーラの原料になる。
   
そんな南米っぽい植物が、東京の街中に植わっているというのも不思議なものである。
しかもちゃんと適応していて、それなりにハッピーに育っているようである。
    
この写真は団地というか集合住宅地の外溝斜面で撮ったもので、植栽した人は 防犯 という主旨で植えたのではないかと想像できる。
    
でも近所の方々は特に気付く様子もなく淡々と通り過ぎる。
なので、「珍しいのよ、コレ」とちょっとスポットライトを浴びせてみた次第である。
   

2008年5月13日火曜日

チョット悔しい イチョウ
   
 
イチョウもスッカリと青々してきた。
葉っぱも大人びて、イッチョ前のイチョウである。
  
注意して見てみると、イチョウの木の下に白いモサモサしたゴミが大量に落ちているのに気付いた人はいるだろうか?
これはイチョウの花が落ちたもの。
  
イチョウの花といってイメージが明確に湧く人はかなりのである。
  
今日の写真はイチョウのその地味な花。
   
実はこれはイチョウのオスの花で、ここから花粉が風に乗ってメスのイチョウの花に移って受粉する。
それは分かっていた。分かっていて、「そうだ、この花咲ブログで皆にイチョウのオスとメスの花を披露ししよう!」と意気揚々とカメラを手に散歩に出掛けた。
それなのに、ああそれなのに・・・。お恥ずかしながらどんなに目を凝らしてもメスのイチョウの花を見つけることが出来なかった。
   
更に告白すると、これまでイチョウの花にそれほど目を向けたことはなかった。
花咲ジジイ一生の不覚。「植物ならまかせろ、何でもお答えしちゃうゼ」的な雰囲気を漂わせながら、結局はこのテイタラクである。お恥ずかしい。
  
理屈的にはこのイチョウは雌雄異株なのでオスの木にはオスの花、メスの木にはメスの花がつくはずで、木の下に大量のオスの花が落ちている木はオスの木と判断し、メスの木に狙いを定めてかなりしつこく何本もイチョウを見てまわったのだが・・・。
僕を見かけた人は、怪しいヤツと思ったに違いない。
  
結局2日以上かけてイチョウのメスの花探しをしたのだが空振りに終った。
どなたかイチョウのメスの花を見かけた方はいないか?
  
秋にあれだけ銀杏(銀杏はメスの木にしかなりません)がなるのだから、メスの花がないわけがないのに・・・。
   
ちょっと悔しいゾ。
   
   

2008年5月12日月曜日

空飛ぶバラ・・・
    
    昨晩のテレビ番組 素敵な宇宙船地球号 見ましたか?
題名は 空飛ぶバラ っていうことで遥かケニアから空輸されてくるバラとその背後にある環境問題を取り扱う示唆に富んだ番組内容でした。
   
これを見て、手前味噌ですが 「おおっ、これはまさに数日前に奇しくも花咲ジジイが独り言のようにつぶやいた内容とほぼ同じではないか」と、ひょっとしてこの花咲ジジイは先見の明があるのでは、などと思ってしまいました。
    
番組によると気候的にも地質的にも生産コスト(賃金)的にもバラ栽培に適した場所でここ十数年で一気に盛んになった。
一方で、栽培所から出る排水が垂れ流しになったり、バラ栽培に従事する労働者により人口が一気に膨れ上がったのに対しインフラがついていかず、生活排水が垂れ流しになるなどの問題が出てきた。
一番深刻なのは、バラ栽培に必要な水を湖に頼っているため水位がどんどん下がり、生態系をも壊している・・・・、といった内容だった。
    
それでも日本国産のバラよりも11000キロ空輸されてきたほうが二酸化炭素排出量は少ないという矛盾。
    
こんなテキトーなブログで語れる内容ではとてもない。
奥底にある問題はとても深く、そして重い。
     
フェアトレードや、番組でもあったMPSなどさまざまな仕組みや制度が出来てそういった問題をバックアップするようになってきたけど、まだまだ十分ではない。
一番大切なのは、我々一人一人の意識だと思う。
   
今日の写真はロンドンの花屋で撮った一枚。
ここに色んな花があるけど、この何%が海外から来たものだろうか?
そういった目で花屋に並ぶ花を見るのもアリだろう。
   
ちょっとマジメな花咲ブログでありました。
   

2008年5月11日日曜日

ボタン その後
         

今日も肌寒いですねぇ。
まぁスグに暑くて暑くてイヤになっちゃうという日がくると思うので、今のうちに涼しさを満喫しておこうと思う。
     
さて、季節の移りがいかに早いかというお話。
ついこのまえ大型の花を咲かせていて、本ブログで4月29日に御紹介したボタンだが今はご覧の通り。
   
花びら はすっかり落ちて、受粉→受精を順調に終えて立派なをつけるに至っている。僅か10日かそこらでこの違いだ。ある意味スゴイ。

これというのも御紹介したミツバチ君の活躍の賜物といえよう。
        
上の写真はまだボタンのおもかげを留めているけど、下の写真はもはやベツモノの風情である。
もし、以前の姿を知らずに街でこれを見かけたら何と思うでしょう?
        
このまま、もうチョイ成長して、熟したころ実が裂けて種がこぼれることになる。
   
しばし注目していこうではありませんか。
    

   

2008年5月10日土曜日

ブラシノキ Callistemon speciosus
        
   
いやいや一日の早いこと。
   
気づいてみれば、すでに夜。いかんいかん、今日の分の情報をまだ発信していなかった。
   
それにしても今日は季節が逆戻りのような肌寒さだった。 
電車の中でマフラーをしている人を見かけてサスガにそれはやり過ぎなのでは?と心配になった。
    
そこで今日はちょっと南国風と申しますか、暖かい雰囲気の異国情緒溢れる植物を御紹介しよう。
      
その名もブラシノキ
   
赤い花が咲くとその花序があたかもブラシのようななのでこの名前なのだろう。
   
もともとはオーストラリア原産で、カラッカラに乾いた日差しの強い場所で育っていたと思われる。
   
葉はやや肉厚で光を反射して暑さから身を守るために細かい毛が生えている。
   
これはまだ蕾の状態だ。
    
オーストラリアで撮ってきたわけではなくて、浦安に行ったときにマンションの外溝域に植わっていたもの。この前のブルーベリーといい、身の回りにはバラエティに富んだ植物で溢れているものだ。
    

2008年5月9日金曜日

つけたし的思いつき

カーネーションは海外から入ってくるものと、国産のものがあるといったのだけど、その後散歩していてフト思った。

今やエコ論議が花盛りで、フードマイレージなんて言葉をよく聞く。

これは何もフード(=食料)に限ったことではないのではないのかな、と。
いわばプラントマイレージ、あるいはフラワーマイレージなんてのもアリだろう。

オランダなどのヨーロッパから運ばれた場合、輸送に関して、その消費燃料たるやかなりのものだろう。

一方、国産とて温室を一定温度に保つために化石燃料を燃やしていたらそれも燃料を使って二酸化炭素を排出していることになる。

ムムム、どっちもマズイな。

こうなったら外来の植物にたよらず、地産地消 ではないが、在来種にもっとスポットライトを浴びせてエコなプランント・ライフを目指すべきカモ
母の日
    
   
季節感のある植物をタイムリーに扱うことを身上としている花咲ジジイブログとしては、これは見逃せません。
  
カーネーション Dianthus caryophyllus 
   
一年のカーネーションの売り上げのうち、何パーセントがこの時期に売れるのだろうか?
40%くらいか? もっとか?
   
いずれにしても、母の日にはカーネーションを贈りましょうということになっているので、皆がパブロフの犬のごとくカーネーションを買い求める。
ここに需要と供給の市場原理が働くため、いつもよりも幾らか高いカーネーションを買うことになる。
   
イベントに振り回される(?)のは日本人の国民性なのだと思う。
クリスマスにケーキ、バレンタインにチョコ、ホワイトデーにお返し・・・ その他にもボスの日を作ってネクタイを買わせようとしたり、良く思いつくなぁと感心する。
   
お母さんに感謝の意を伝えるのに別にカーネーションじゃぁなくてヒマワリでも良いと思うのだけど。
   
東京あたりに出回るカーネーションは海外から空輸されてくるものが多いと思われるが、九州などの国産のものもかなりあると聞く。
でも最近の原油高の影響で、温室を暖める重油の値段が上がり、加えて輸送コストも上がってかなり厳しいビジネスを強いられているようだ。
   
ゴハンを一粒でも残すと 「お百姓さんの苦労を考えなさい」 などと言われたものだが、花を活けるにも 「丹精込めて、厳しい経営環境をやりくりして農家の方が作った」 と思うとムゲには出来ないね。

   

2008年5月8日木曜日

誰の仕業?
    
    
散歩をしていて、おっハナミズキ、あっシャクナゲ、やっジャスミンなどと楽しいのだけど、一旦足を止めてジーっと目を凝らすと他にも色んなものが見えてくる。
   
写真はタンポポの葉っぱ。
   
ご覧のように 一筆書き でウネウネと絵が描いてある。
このタンポポに限らず、そこらじゅうに絵が。
   
これは誰の仕業だ?
まさかミニ宇宙人が舞い降りてきて ナスカの地上絵 よろしく一枚一枚丁寧に描いていったわけでもあるまい。
    
答えはですね、 ハモグリムシ というハモグリバエもしくはハモグリガの幼虫が葉の表と裏の丁度間の組織をムシャムシャと食べていった跡なのですね。
   
ハモグリムシのことを英語では Leafminer という。 leaf は葉っぱ、 miner は鉱夫ってことで、葉っぱを鉱山に見立てて、頭にヘルメットと懐中電灯を点けてつるはしでガンガン掘るムシの姿がディズニー・アニメのように想像される。・・・されないか。
    
ハモグリムシの別名をエカキムシとも言うらしい。
漢字あてると絵描き虫となり、これもそれなりにロマンチック。
上野公園に向かう階段で似顔絵を描く絵描きさんを思い出す。・・・ださないか。
  

2008年5月7日水曜日

健康志向
    

    
さて突然ですが問題です。
上の写真は何の花でしょうか?
   
シンキングタイム・・・
   
答えは
ブルーベリー Vaccinium corymbosum でした。
   
ここで、オッなんか見たことあるぞ と思った方はスルドイ。
この花咲ジジイブログでご紹介したドウダンツツジ(4月7日)、アセビ(4月16日)と花の形がソックリではないか。
それもそのはず、このブルーベリーも含めて全て ツツジ科 ERICACEAE なのです。
   
彼らは酸性の土壌を好むなんてこともかつて書いたけど、このブルーベリーの育て方も調べてみるとやはり土を酸性に保つように、とある。

   
こうやって同じ科では同じ特性をもつことが分かるとすれば、植物の名前を正確に覚える、すなわち学名(ラテン語)を意識する、ということがとても意味のあることだと言えるのではないだろうか。
   
ブルーベリーを有名にしているのは、最近の健康ブームで目によろしいらしい という理由からだろう。
この健康志向というか、健康ブームのパワーは物凄く、それだけで皆がアントシアニンがどうだ、ポリフェノールがどうだ、カテキンがどうだ、と一億総化学者のように専門用語が飛び交うようになる。
もっと根源的なところで いいの、美味しければ という泰然とした姿勢で愉しんでもバチはあたるまい。
   
因みにこのブルーベリーは近所のビルの植え込みに植えてあったもので、案外色んな植物が都会にもあるものである。
   

2008年5月6日火曜日

壁面緑化
     

   
枯れ木に花を咲かせましょう が花咲ジジイだとすればこれは何だろう?
パネルにミドリを植えましょう と ミドリのオッサンか?
   
建設現場の外壁の一時的な壁にもご覧のようにホンモノのミドリが植えられるのを最近よく見るようなった。
昔は金属の寒々しい板が剥き出しだったのが、そこに色が塗られるようになり、更にアイビーやツタのような柄の入ったパネルが使われるようになって、視覚的になんとなく自然っぽい雰囲気に進化を遂げてきていたのは知っていた。
そしてついにホンモノのミドリの登場だ。
   
これを間近でみると、小さなポットが幾つもこの壁に埋め込めるようになっているパターンか、もしくは壁一面巨大なオアシス(フラワーアレンジメントで使うアレですな)になっているパターンがあるようだ。
こうなると水遣りや剪定なんていういっぱしの手間が掛かってくる。
よくよく見るとちゃんと雑草も生えているし。


更によく見るとひとつひとつのミドリは水平ではなく垂直に、すなわち上に向かって育っている。横向きに植えられているのにもめげずに。

当たり前か。

 
壁全面には予算的にも手間的にも重量的にも厳しいので、かのように間を置いて何枚かの緑化に留まっているのだと思う。
   

緑化はトレンドなのだろうけど、まあホンモノのミドリが増えるっていうのは悪いことじゃないよね。
   

2008年5月5日月曜日

連休
   

    
世の中お休みモードですね。
皆どこかへ行っちゃったのかなぁ。
この花咲ジジイのブログを見ていただいているは、会社のPCから休み時間などに閲覧している、というパターンが多いのかな、などと想像しております。
    
この連休は後半天気は良さそうです、なんて当初の予報を裏切ってなんともハッキリしない天気の毎日。
雨が降ると植物は嬉しいのでしょうね。誰かが水をくれる状況にある場合を除いては雨頼りなわけですから。
ミドリ色の雨に濡れるとその鮮やかさかが増すのは気のせいではないだろう。
     
そして写真を撮るときにも、チョイと雫の一滴でもあったほうがアーティスティックに撮れるような気がする。
ミズキの類を一枚撮ってみた。
    
これはこの前ハナミズキとして御紹介したのとはちょっと違うミズキのように見える。
花がまだ硬い蕾だし、苞(この4枚は花びらではなく苞)も小さめだし、苞のカタチもやや先端が尖っていて、全体に細身だし、色も淡いグリーンということで微妙に違う。
    
子供の日の一枚としてそんなチョット違うミズキをちょっとアーティスティックに。
    

2008年5月4日日曜日

これはヒドイ・・・。

   
今やアブラムシの勢力は拡大の一途。
どうも樹の種類によって、彼らの好みがあるらしい。
  
バラ、ウメなどはかなり好きな部類だが、このトウカエデも大好物のようだ。
   
このトウカエデは街路樹として植えられているので、街を歩けば通り一本トウカエデ・ストリートなんてのもあるかもしれない。
そこにおびただしい数のアブラムシがついて、片っ端から樹液を吸っていっせいに余分な糖質の体液をププププとお尻の2本の角から吐き出す。
この下を歩くとどうなるか?
   
「アラ天気雨かしら?」などとは知らぬが仏である。
でもこのブログを読んだ人はイヤになっちゃうかもしれない。
僕もこの写真を撮っていてイヤ~な水気が上から降ってくるのを感じた。
  

   
よく見るとまず葉っぱが何となくツヤツヤと光っている。なんか濡れているようなカンジ
これは濡れているんじゃなくて、その糖質の体液がついたもの。試しに触ってみると結構ベタベタする。
  
そして左の写真を見て欲しい。
若葉がくるりんとカールしているというか、チリチリに縮んでいたりしている のを見つけるかもしれない。これはアブラムシが樹液を吸うので起きる。こうなるともう治らないだろうなぁ。
ここにアブラムシがいるというサインなので、ここから先をハサミで切って捨てるくらいしか手はなさそうだ。
    
おいおい話すけど、害虫と一言でいっても「吸うタイプ」「咬むタイプ」「舐めるタイプ」などがあって、それぞれカテゴリーがハッキリ分かれている。
なので食害にあった植物を見て、誰の仕業なのかすぐに分かるようになる。
   
それはそうと今日の植物 トウカエデ Acer buergerianum は漢字では唐楓となるようで中国原産らしい。僕はアブラムシがこれだけつくので  ではなく  だと思っていた。
甘いカエデといえばメープルシロップをつくるカエデがあったはずで、アレはトウカエデではなかったか?と調べてみたら、サトウカエデ Acer saccharum だった。
   
このトウカエデは街路樹でよく使われるし、樹の幹が一番上の写真のように特徴があるので見分けがつきやすいので探してみよう。
    
樹の幹とか葉っぱとかで見分けるのではなくて、「なんか降ってくるなぁ」という感覚で見分けられたりして・・・。
    

2008年5月3日土曜日

ゴールデンなウイーク
   
     
ゴールデンウイークも後半だろうか。
そんなの関係ねぇとバリバリ働いている人もいるだろうし、毎日がゴールデンウィーク状態で特に有難くもない、という僕のような困った人もいるだろう。
   
そういえば「このゴールデンウイークというのは和製英語で海外では通じません」と習ったことがあるのだけど、昨日赤坂を歩いていてエラくアメリカ訛りの英語を喋る、恐らくアメリカ人2人がこれからカレンダー通りに休むのでしょう 「Have a nice Goldenweek」と挨拶していたのをハッキリと聞いた。
   
なーんだゴールデンウイークって言ってんじゃん」って思いました。
多分日本滞在も長くなって、郷に入って郷に従ったのでしょうが僕としては興味深かったな。
   
そんな休み気分の平日の昨日、六本木ヒルズでやっていた J-wave のフリーマーケットを覗いてきた。
   
このゴールデンウイークのJ-waveのフリマはかつて天王洲でやっていたときによく行った。もう15年くらい前だろうか。
当時500円で買った黒いラコステのポロシャツもいまだに活躍している。
そんなフリマの想い出はさておき、会場でゴーヤの種をもらった。
   
普段からラジオを聴いていて知っていたのだけど、今J-waveでは Grow Green Project 2008 という「皆でゴーヤを育てて緑のカーテンを作ろう!」というキャンペーンをやっていて、ラジオ番組のナビゲーターなんかも実際にゴーヤを育てているらしい。
    
以前TBSのイベントに古着を寄付しに行ったときにもバジルの栽培キットを貰って種から育ててカプレーゼとして我家の食卓を飾った経緯は本ブログでも書いた通り。
ラジオ、テレビなどでこういった緑化を訴えるキャンペーンがあると、皆の意識がミドリに向くのでどんどんやったら良いと思う。
    
早速種をまいて・・・といきたいところだが、ちょっとした事情があってこの種は今年はまくことができない。来年、もしこの種が活きていたらと願ってソッと引き出しにしまった。
   

 

2008年5月2日金曜日

控えめな花たち 3
    カイズカイブキ Juniperus chinensis
   
     
もう題名で書いちゃったけど、これが何なのか上の写真だけで分かった人はかなりの通と言えよう。
   
カイズカイブキといって生垣でよく使われる常緑針葉樹である。
    
この針葉樹の花はあまり目だ立たないので、これに気付く人はまれであろう。
気付いたとしてこれが花だとはなかなか思えないのではないだろうか?
     
別に赤やピンクといった派手な色をしているでもなし、良いニオイがするでもなし。
サイズもかなり控えめだ。
彼らはミツバチなどのムシに頼らない、風媒花を咲かせる。そしてその花がこれだ。
     
カイズカイブキは、もともとはイブキというやつの変種を園芸用に改良して出来たもの。
どういうことかというと、イブキの葉っぱは幼い頃(幼葉)は針のような葉(針葉)で、成長とともに鱗片状の葉になっていく。
この鱗片状の葉を選抜してできたのがこのカイヅカイブキというわけだ。
    
このカイズカイブキは放っておくと高さが6~8メートルくらいになり、枝もねじれてあたかものように見えなくもない。ゴッホの絵画のよう、と言えば分かりやすいだろうか。
    
 
    
    
で、剪定が不可欠なのだけど、これが結構難しい。
何故なら強剪定すると 先祖がえり といって2番目の写真で分かるように淡い色のチクチクした針葉が生えてきて、もとに戻ることはまずない。
   
となると手で新芽を摘んでいくということになるけど、実際はそれは無理というもの。
   
なので先祖がえりしたら、そこを元からチョンと切ってやるしかない。
     
なんで先祖がえりするのか?
それはまだ解明されていないようだけど、僕が思うに強剪定という刺激がストレスとなって先祖がえりというカタチで表れるのだろう。もともとそうある姿だったものを、選抜して押さえ込んできたので刺激があるとビヨーンともとのカタチに戻っちゃうのじゃないか?
    
今は亡き祖父母の家にこのカイズカイブキの生垣があって、「刈り込んだら小遣いをやる」と言われてせっせと植木屋の真似事のようなことをしたのが、僕の園芸の原体験ではなかったかな、と思う。
   
カイズカなどの針葉樹にはテルペン類の精油が含まれていて独特の香りがする。
剪定するとあたりに香りがただようのだけど、その度に祖父に頼まれてチョキチョキやった日のことを想い出す。

2008年5月1日木曜日

ポピー/ヒナゲシ/虞美人草  Papaver
  

    
♪おっかの上ヒナゲシの花でえぇ~♪ とアグネスも歌っていた、あのヒナゲシです。

車の排気ガスにも負けず、道路わきで頑張っている。
   
薄い4枚の花びらは繊細な紙細工のようだ。
    
花の中には無数の雄しべと、真ん中に構えるデカい雌しべ。
花が終って、花びらと雄しべが落ちて、この雌しべだけが残って熟する。
熟すと先チョがパカッと開いて中から無数の種がこぼれ落ちる。
     
熟してパカッと開く前にその部分(Seed Head=花頭)を取って振ってみると、カサカサって種が一杯詰まっている音がするよ。
  
アンパンなどでゴマではなく、小さくて香ばしいツブツブがついていることがあるでしょ。
あれはケシの実であることが多い。
  
アヘンのもととなるケシとは種類が違うのでこれは育てても問題はない。
   
このブログを書くときに、自分の知識をベースとしつつも、ウソを書いてはイカン、いい加減なことを書いてはイカンということでちょっと調べたりすることがあるのだけど、虞美人草のことがポピーのことだというのは今日の今日まで知らなかったことを正直に告白しよう。
   
夏目漱石の作品に虞美人草というのがあるのは知っていたけど、それがポピーのことだとは・・・。
そうならそうともっと早く言ってよ、夏目ちゃん、ってカンジでしょうか。
    
イヤイヤ勉強になっちゃうなぁ。