2008年7月31日木曜日

花咲ジジイ的マンゴーの食し方
 

 
説明が分かりにくかったかと反省しております。
今朝の説明と、この図を重ねてイメージを膨らませてください。
 
そして、もしマンゴーを食べる機会がありましたら、豪快にこの手法で食べてみてください。
きっと美味しいハズ!
マンゴー Mangifera indica
   
  
ナント7月も今日で終わりである。
この調子だと、アッという間に暮れなんてことになりかねない。
  
今日はマンゴーのお話。
  
最近は宮崎ブームとかで、一個ン千円という高級マンゴーが注目されたりしたので、このマンゴーという果物を知っている方が増えたと思う。
  
これは宮崎産ではないが、たまたまさる方から頂いたもので、うやうやしくネットに入っていた。
  
確かにうまい。
ヨーグルトと混ぜて食べて、ちょっとブルジョアな朝食を気取ってみた。
  
私、花咲ジジイはプロフィールにも書きましたが、実はその昔インドに住んでおりました。
もう果物と言えばマンゴーである。
別に珍しくもなんともない。腹減ったといえばマンゴー、甘いものが食いたいといえばマンゴー、もうとにもかくにもマンゴー、マンゴーなのである。 ちょっと大袈裟か。
  
学校から帰ると台所へいってマンゴーを良く食べた。
皆さん食べるときには魚を3枚におろすようにマンゴーをタテに切ると思う。
  
僕はもっとワイルドに、ヨコ方向に胴体に切れ目を入れて下半分と上半分をタオルを絞るようにひねる。
するとカパッとタネを残して一方が外れる。
外れたほうをスプーンでしゃくって食べて、タネが残った半分は露出したタネにかぶりつく。
タネの果肉を食べたところで、その種と残った実をまたひねって種と残り半分を分ける。
  
またタネにかぶりついて、最後に残った半分をスプーンでしゃくって食べる。
  
という、言葉にするととても伝えにくいが、そんな食べ方でいつも食べていた。
今はちょっと時間がないので、また今度図解しよう。
  
マンゴーはウルシ科の植物なので痒くなる人がいる。
お気を付けください。
  
  

2008年7月30日水曜日

キキョウ Platycodon grandiflorus
   
  
昨晩は、更新しようと焦りながら何度も何度もやってみたのだけど、エラー表示が出るだけで結局諦めてしまった。
本当にままならないですね。
  
さて気を取り直して、今日は予告通りキキョウです。
  
この青と紫の中間というか、なんとも涼しげな色が目をひく。
  
もとは山で自生していたものだが、園芸品種も改良されて鉢植えなどでもよく見かけるようになった。
  
このキキョウでオモシロイの雄性先熟というもの。
   
植物は子孫を残すためにアレコレと知恵を絞っている。
そして出来ることなら強い子孫を残したい というのは人間、動物、植物に共通した考えというか本能である。
  
そこで考えるのが自家受粉他家受粉ということ。
自家受粉はひとつの花の中の雄しべから雌しべに花粉が受粉されることで、ひとつの中で受粉が完結している。
他家受粉は、他の花の雄しべの花粉を受粉するしくみのこと。
  
なんでもそうだが、他と交わったほうが強い子孫ができる
  
花は幾つかの仕組みで自家受粉を避けて、他家受粉をしようとしている。
その内のひとつがキキョウのもつ雄性先熟という仕組みだ。
  
  
キキョウの雄しべと雌しべは、熟す時期がそれぞれ違っている
雄しべが先に熟し、花粉を生産して(写真左)、それが終ると雌しべが熟してくる(写真右)。
これによってひとつの花の中で雄しべの花粉が雌しべにつくことがない、というクレバーな仕組みだ。
  
右の写真の雌しべの先を見ると5つに分かれて花粉が付きやすくなっているのが分かる。
どうです。スゲーでしょ。
  
これ以外にも雌しべが雄しべより先に熟す逆パターン、
雌しべと雄しべの位置に高低差があって物理的に花粉がつかないようになっているパターン、
自家不和合性といって他の花粉でないと受精しないなんてパターンなどがある。
  
皆色々考えてるんだね。
  

2008年7月29日火曜日

正解発表
 
さっきから本日分のブログをアップすべく何度もトライしているのだけど、写真をアップしようとするとどうしてもエラーになってしまう。
 
ちょっとおいてから書いてみようと思う。
 
その間に、この前7月26日に地下足袋について書いたときに、写真に間違いがあると申し上げた。
お分かりになりましたでしょうか?
 
実はこの脚絆を左右逆に履いてしまったのですね。
 
何かやりにくいなぁと思っていたら、カメラマンをお願いした親方が、「それ逆だぞ」とスルドイ指摘をしてくれた。
本当だったら、やり直すべきだったけど、既に片っ方は履いていたし、それをわざわざ脱ぐのも面倒になってしまった。なんていったって、この写真を撮るためだけに履いたのだから。
  
そんな訳で正解は「左右の脚絆を履き間違えた」でした。
 
それでは、ブログの調子が戻り次第、書きます。
一応予告しておくと「キキョウ」についてアレコレと書くつもりです。

2008年7月28日月曜日

肥料
   
  
昨日のニンニクのラベルの表示をみて化成肥料を使っていることが分かった。
そこでもうちょっと化成肥料について考えてみようと思う。
  
植物が育つのに必要な3大栄養素といわれているものがある。
  
それは窒素(N)リン酸(P)カリウム(K)の3つで、いわば植物必要三兄弟といったところか。
脂肪、糖分、塩分の余分三兄弟とは訳が違う。
  
窒素は茎や葉の成長を促して、みずみずしく健康な植物を育てる。
リン酸は花を咲かせ、実をつかせる。
カリウムは根が育つため、そして暑さや寒さそして病気などに対して強くなる。
  
では、この3大栄養素をあげておけば大丈夫なのか?
  
答えはである。
土の中にはこの3要素以外にもミネラル微生物に溢れている。
あるいは落ち葉や死んだ昆虫が腐ったりして土をさらに豊かなものにしている。
  
これがいわゆるオーガニック野菜とそうでない野菜の味に違いとなって表れるのだとおもう。
いわゆる自然の隠し味というもので、それは化学肥料では補っても補えない何かがあるものなのだ。
  
化学肥料は即効性はあるかもしれない。
でも、それは雨などですぐに流れ出してしまう。
人間もビタミン剤や栄養ドリンクに頼って、しっかりとした自然の恵みを口にしなければ、どんどんオカシイことになっていくのではないだろうか。
  
自分で農薬や化学肥料を使わないで育てたトマトと、スーパーで安売りしているトマトを食べ比べてみて欲しい。絶対に味が違うから。
ビックリするぞ。
  

  

2008年7月27日日曜日

ニンニク  Allium sativum
  
  
ニンニクを買いに近所のスーパーマーケットに行った。
   
青森産、1個300円
中国産 3個100円
  
このは一体なんだ?
   
同じニンニクのはずなのに。
  
しばし思案したのち、中国産を手にとってレジに並んだ。
  
マスコミに流されるわけではないが、例のギョウザ事件以来、中国産の食に対する信頼は確かに揺らいだ。国産とて偽装が横行する昨今、決して万全ではない。
  
こうなると自分で作るのがベストだろう。
  
家に帰って早速ニンニクを使って、ガーリックライスを作った。
・・・確かに、皮を剥くときの感触、刻んでいるときの香り、炒めたときの香りなど全て今ひとつという印象を持った。香りという点では、あまり香らないのだ。
  
ニンニクが入っているネットにはラベルがついていて色んなことが書いてあった。
   
特別栽培農産物
認証番号 XXXXXXX
[農林水産省新ガイドラインによる表示]
農薬:当地比5割減(使用回数)
化学肥料:当地比5割減(窒素成分)
栽培責任者:YYYYYY
住所:yyyyyyyy
連絡先:yyyyyyy
確認責任者:ZZZZZZZ
住所:zzzzzz
連絡先:zzzzzz
輸入者:AAAAAA
住所:aaaaaa
連絡先:aaaaaa
販売者:BBBBBB
住所:bbbbbb
連絡先:bbbbbb
[化学肥料及び化学合成農薬の使用状況]
化学肥料:元肥・追肥:窒素17.1kg/10a
ホキシム:殺虫:1回
  
ホキシムって何だ?
  
ホキシムは、日本では農薬登録されていないので農薬としての使用はされていないが、木材防虫剤、防蟻剤等の殺虫剤として使用されている。外国では穀物貯蔵庫、サイロ、船倉などの害虫駆除、家庭での衛生害虫駆除、穀物、わた、とうもろこしなどで土壌害虫駆除を目的として使われている(「最新農薬の残留分析法」 第489頁-第490頁、農薬残留分析法研究班編集 中央法規出版)
  
日本では農薬登録されていないってのがちょっと気になったけど、農林水産省のガイドラインによって表示されているくらいだから大丈夫なのだろう。たぶん。
  
更に気になるのは1回って回数だけの表示で、それがどの濃度でどのボリュームなのかが分からないこと。
農薬当地比5割減(使用回数)って書いてある。回数は確かに1回でしょうけど・・・。
当地比ってのもビミョーなカンジだ。
  
ウチではこれが当たり前ヨ なんて言ってスゴイ量の農薬を使っていて、それの半分が我々の基準のン倍ってこともあるかもしれない。
  
ウーン、疑いだしたらキリがないので、気にせずに美味しく食べるほうがシアワセというものなのかもしれない・・・。
  
  

2008年7月26日土曜日

地下足袋ストーリー
      
    
この前、地下足袋について書いた。
力王がもっともポピュラーであると。
    
そんな話をした矢先、自分の地下足袋のつま先を見るとが開いていた。
良く見ると地下足袋の脇も穴が開いている。
    
僕は季節労働者というか、パートタイム植木屋なので、1年365日地下足袋を履いているわけではないので、本格的植木屋さんと比べれば僕の地下足袋はかなりもっているほうだと思う。
大体半年くらいもつだろうか。
   
地下足袋に開いた穴をみて、これは換え時だと判断した。
これまでいつも買っていた力王の地下足袋ではなく、今回は きねやの地下足袋にすることにした。
   
きねやの地下足袋は力王ほどの大量生産ではないが、の植木屋さんでは愛好家が多いと聞いていた。藍染め が特徴で、なんともいえない風合いがある。
  
これを求めに浅草まで繰り出した。
   
買ったのは きねや無敵地下足袋 手縫い底 総二重縫 5枚こはぜ 28センチ というシロモノである。
無敵ってあたりが、この業界のガテン的風習を踏襲しているように思えた。
  
これまでは12枚こはぜだったのだけど、この夏の暑さを幾らかでも和らげたいという思いから5枚にしてみた。バスケットシューズのハイカットとローカットみたいなもんだろうか。
ちょっと気になったのは28センチってところで、僕の足はそんなに大きくはないと思うのだけど、実際に試着してみたら27では小さいし、29では大きいという消去法的チョイスだった。
   
この地下足袋は2800円ほどして、力王の地下足袋が2足買えてしまう
でも一応話のタネというか、ブログのネタと思って買ってみた。
  
これを手に入れてサッサと帰るつもりだったのだけど、店の中を興味に駆られて見て回っていたら、手拭い、鯉口というシャツのようなものなどかなり魅かれるアイティムが沢山あった。
その中で目に留まったのが 脚絆(きゃはん)というものだった。
   
これは脛の部分に巻く布で、5枚こはぜの地下足袋とはもはやセットのようなものである。
ちょっと興奮していたせいか、これもついでに購入してしまった。勢いというのは怖いものである。
  
で、親方の手伝いをした日に、このNEW地下足袋のデビューとなった。
   
試着したときにも感じたのだけど、日本人の足のカタチを意識してか、かなり幅広にできている。
大袈裟にいうとドナルドダックのようなカンジである。
  
同じ地下足袋でもこんなに履き心地が違うのか、というくらいに違った。
違ったと言っているのであって、良かったとは言っていない。かといって悪かったとも言っていない。ともあれ違った、と。
  
脚絆はこの夏のクソ暑いときにする意味が全くないので、実際に装着するのはもうちょっと涼しくなってからだけど、ブログのため、そして何よりも嬉しかったのでお昼休みに試しに履いてみた。
  
  
カッチョ良い!確かに。
ただ問題点は、僕の足が細いからか、脚絆についているこはぜを一番狭いところで留めてもややズルズル余ってしまうことである。
  
そして、最後に。
藍染めだけあって、色落ちしやすいらしく、お昼休みにちょっと遊んだだけで手はご覧のように青く藍色に染まった。
  
徐々にディープな植木屋の世界に踏み込んでいくような気がしないわけでもない・・・。
  
************
こうやって自分の腕の色を写真で見ると、小学生並みに黒いというのはあながちウソではない気がしてきた。
  
さて、ここで間違いさがし問題です。
上の脚絆を装着する4枚の写真に重大な過ちがあります。それは何でしょうか?
  
花咲ジジイ、お前なんか違うゾ」と言われる前に、クイズ式にして先制しておこうという魂胆です。お分かりになった方はビシバシとコメント欄に書き込んで下さい。正解先着1名の方には何かステキなものを考えます。
  
  

2008年7月25日金曜日

水 Water



朝からセミが元気に鳴いている。
もう夏休みなのだろう、既に真っ黒に日に焼けた小学生達が水着の入ったバッグを肩からかけて元気に通り過ぎた。 セミも子供も元気である

僕も外仕事が多いので腕と首周りだけエラく日に焼けてしまった。
そこの黒さは小学生にも負けていない。

これだけ暑いと、こまめに水分補給しないと本当に取り返しのつかないことになりかねない。

水分が必要なのは僕らだけではない。
植物達にとってもまさに死活問題だ。

われわれは喉が渇けば、水道水を飲んだり、コンビニに行けばよい。
植物達はそうもいかず、「我々に頼る」か「雨に頼る」しかない。
こんなに大切なことが人任せになっているのだ。さぞや不安な日々を過ごしているに違いない。

そこで今日は 水遣り というとてもシンプルながら深い内容について書いてみよう。

一言で水遣りといっても、「何故水遣りが必要なのか」「やらないとどうなるのか」「いつ、どのくらいやればいいのか」などなど、網羅すべきことはヤマほどある。
とてもこの場で全部は無理というもの。

そこで今日はポイントだけ。

よく、「花咲さん、水遣りはどのくらいやれば良いんですかねぇ?」なんて質問を受ける。
答えに困る質問である。

何故かと言えば、植物は生き物であるからして「必要に応じて」としか本当は言えないのではないかと僕は考えるからだ。車のガソリンのようにメーターが付いていて「そろそろ入れ時」「これだけ入れたら満タン」などと明快なものではないのだ。

植物によっては乾燥を好む湿気を好む、などの特性が違うし、たとえ同じ種類の植物であってもその成長段階で小さいやつ大きいやつ といったサイズの違いもある。さらにそれが乾きやすい土に植わっているのか、粘土質の水分を含みやすい土に植わっているのか、地植え なのか、鉢植え なのか、ベランダなのか、なのか、南向き なのか、北向き なのか、日向か、日陰か、季節はなのか、なのか、気温湿度などの気象条件はどうなのか、などなど、それはもうありとあらゆる条件を複合的に判断してベストの水遣りができる訳である。

水遣り3年とか5年とか10年とか言うように、とにかく奥が深いのだ。

そこで鉢植えの植物に水をどうやってやるかを 花咲ジジイ流 に書いておこう。

まず時間は、朝もしくは夕方が良いだろう。真夏に昼時に水を遣ってもすぐにお湯になってしまい、植物に負担が掛かる。



そして「遣るべきか、まだ大丈夫か」という判断について。
まず目で植物を見る。みずみずしく張りがあれば大丈夫。上の可哀相なマリーゴールドのように葉がしおれているようなら事は急を要す。これはあくまでも初期段階のお話で、上のマリーゴールドは気の毒だが手遅れだ。

次に鉢の土を見る。どれだけ乾いているのか、あるいは湿っているのか?ここで乾いているからといって焦ってはいけない。指でチョイチョイと2~3センチ掘ってみよう。するとそこはまだ湿っているかもしれない。植物は根から水分を摂るので、表面が乾いていようが、濡れていようがそれはあまり重要ではないのだ。

ここである程度の判断はできるが、もし自信がなかったらその鉢を抱えて持ってみよう。どの程度の重さが手に伝わるか。その重さによって土がどの程度乾いているのかが分かる。

そして水遣りをすると決めたら、植物の特性によって「沢山あげる」か「チョットあげる」か判断し行動する。遣りすぎると根腐れ を起こすやつもいる。
沢山あげようとした場合、鉢全体に行き渡ったかを判断するヒントは、鉢の底に開いた穴にある。ここから余分な水が染み出してくるようなら、一応全体に行き渡ったという目安にはなる。

とまあ、こんなカンジだ。
何度か失敗を繰り返してコツを掴むしかないだろう。
こんなエラそうなことを言って、実は水遣りで大失敗して数百鉢を枯らしてしまい青ざめたことがある。

芝生はどうか。
芝生も日中の暑い時間帯は避けて、朝か夕方に遣ると良いだろう。
ここでのポイントは 細く長く ということ。
ホースでさーっと水を遣ったつもりでも、それは土の表面をちょっと濡らしただけに過ぎない。
水を吸い上げる肝心の根に届いていないのだ。

土の粒と粒の間を水が染み渡っていくように、スプリンクラーなどを使って水を少しづつちょっと長めにやるというのがコツだと思う。

うーん、水遣りは本当に奥が深く、この程度ではないのだけど、一応問題提議したということで、今後はコメント欄などに御意見、御質問など書き込んでいただいて、それを元に考えていきたいと思う。

では、今日も暑いので水分補給を忘れずに。

2008年7月24日木曜日

カンナ 追加情報
  


  
この前カンナについて書いたのだけど、ついノスタルジックなことを書いて肝心なことをお伝えするのを忘れてしまった。
  
カンナの花はオモシロイ。
  
上の写真で赤い花びらのようなものは、実は雄しべが変形したものだ といわれている。
  
分かりにくいと思うので図を描いてみた。
なんともアナログだけど、その方が手っ取り早い。
  
まず根元に3枚のガクがある。
そしてその隣に細い爪のように伸びているのが3枚の花びら だ。
  
で、赤くヒラヒラと花びらのようなものは3枚の雄しべ が変形したもの。
花の中心部にゴニョゴニョとあるのを良く見ると、雄しべ2本雌しべ1本が見えるはずである。
この花びらみたいなカタチをしたものを「これは雄しべが変形したものだ」と発見した人は本当にエライというかスゴイと思う。
植物学者ってかなりオタクというか、そのことばかり考えているようだ。
  
でも宿帳なんかの職業欄に「植物学者」なんて書いたらカッコ良いと思うのは僕だけだろうか?
ほかに「海洋学者」とか「天文学者」とか・・・・
   
話が横に逸れてしまった。もしカンナを見かけたら、手で花をめくって詳しく見てみよう。
不思議な花だよね。
  

2008年7月23日水曜日

ヤマモモ Myrica rubra
  
  
    
この前、お昼のお弁当を公園で食べていた。
すると頭に何か落ちてきた。
  
見ると何やら丸くて赤い。
  
それはヤマモモの実だった。
   
ヤマモモはヤマモモ科に属し、メスの木とオスの木が別といういわゆる雌雄異株の植物だ。
  
実が落ちてくるということは、どうやら僕はメスの木の下に座ってお弁当を広げていたようだ。
  
ヤマモモは街路樹などでよく見かけるけど、その実は食べられる。
甘くて結構美味だ。
   
ただこの実は日持ちしないし傷みやすいので果物屋さんの店頭に置かれるということはない。
木に登って手当たり次第に頬張るのがベストの味わい方だ。
     
イギリスにいた頃はキイチゴの実を仕事の最中に夢中で頬張り、桑の実を木に登って手を真っ赤に染めながら食べ、サクランボウの実を鳥と奪い合って口にした。
  
幼かったころは、日本でも柿を近所のオヤジに怒られながら失敬したり、「すみませーん、ボールとらせてください」なんて言って他人の家の庭に入ってビワの実をついばんだりした。
採れたての美味しさ をホンのちょっと味わう余裕が世間にはあった。
  
最近はどうだろう?
  
どうやらそういった自由もあまり行使できなくなってきた気がする
行使しようものなら通報されたりしかねない。
  
そんなことを思って、お弁当の最中にヤマモモの実を口に放り込んだ。
  
  
・・・とある都内の高校の横を通ったとき、何やら楽しげな歓声が聞こえたので何かと思って見てみた。数人の男子高校生がフェンスの上に乗ってしきりに何かを口にしていた。
  
それは、サクランボウだった。
   
なんともシアワセそうな光景で見ているこちらがほのぼのしたし、こういう無邪気な高校生を見てちょっとホッとした。
  
彼らもオジサンになったころ、「ウチの高校のサクランボウ美味かったよな」なんて思い出話に花が咲くのであればそれはステキなことだと思った。
  
  

2008年7月22日火曜日

カンナ Canna
    

  
今日も暑かった。
普段から どかた焼け なのだけど、今日は更に上乗せして日に焼けてしまった。
  
ただ、昨年よりも暑さに対する抵抗力が増しているような気がしております。
  
そこで、というわけでもありませんが、今日は夏らしい花です。
  
カンナ
  
 
  
海沿いの道路脇などでよく咲いているのを見かけるのではないだろうか。
色もご覧のように赤と黄などがあり、葉も緑一色もあれば、赤銅色の葉脈に模様の入った園芸品種など、バリエーションが豊富だ。
  
「ウチの庭に何を植えたらいいでしょうか?」
という相談を受けたとしたら、僕はひそかにこのカンナを推す。
  
最近の日本は夏は蒸し暑いし、冬も凍えるほどでもない。
となると、カンナやブーゲンビリア、はたまたハイビスカスなんて南方系の植物が十分平和に育つのである。
  
この前フィリピン大使館の脇を歩いていたら、バナナの木が植わっていた。
さすがフィリピンである。
  
カンナはショウガの遠い親戚である。
もし植えてあるショウガを見る機会があれば比べて欲しい。似ているから。
  
カンナで思い出すのは、松任谷由実の カンナ8号線 という歌だろうか。
高校生の頃、カンナとは何なのか、それが植物とも知らずにこの歌を繰り返し聴いたものである。
  
知り合いの自転車屋さん、あしびな のオーナーが朝顔市に行かれたようで、琉球朝顔という珍しい朝顔について書いていらっしゃいます。どうぞのぞいて見てください。

2008年7月21日月曜日

花咲ジジイ的連休考

3連休だったという方も多かったことだろう。
いつの間にやら世の中は夏休みに突入していた。

ちょっと感じた花咲ジジイ的、ブログを通して見える世相について。

いつもこの花咲ブログは1日あたり平均50~60人くらいの方にご覧頂いている。
本当に有難いことである。

そしてその数が土曜、日曜になると30人チョットに下がる。

これから何が見てとれるかといえば、恐らく会社で昼休みなどにこのブログを見ていただいている方が多いのではないかということ。
よって週末はやや数字が下がる傾向があるのではないかと読んでいた。

ところがこの3連休の週末は大きく数字が下がることなく、多くの人にご覧頂いたようだった。

新聞では「ガソリン高騰につき、近場で済ませる人が多い」なんて記事も目にしたけど、どうやら「出掛けるのも高いし、面倒だから花咲ジジイのブログでも見とくか」なんて人が結構いたのかななんて想像している。

更に最近の新聞記事では「中央省庁で、勤務時間中に仕事と関係ないネット閲覧が横行!」なんて記事もあって、花咲ブログ離れ をホンのちょっと懸念したりしたものである。

とにもかくにも、皆様あっての花咲ブログでございますので、忙しいときも、ヒマなときも今後ともどうぞ花咲ジジイを御贔屓にお願い申し上げます。

ジギタリス Digitalis purpurea
   

  
今日はちょっと趣を変えて。
   
これはゴマノハグサ科ジギタリスといわれるもので、背の高さが150センチくらいになるだろうか。
雰囲気としてはこの前御紹介した タチアオイ にスッと直立したカンジが似ていなくもない。
  
英国の庭では頻繁に見掛ける花で、一部野生化して道端に生えていたりもした。
  
接写に気をとられて全体の姿をお見せできるような一枚を忘れてしまった。
  
英名ではこれを fox glove といって、日本名では キツネの手袋 という。
それはその花のカタチに由来するものだと思うけど、この花を見て「キツネの手袋」という名前にしようという発想がスバラシイと思うのだけどいかがだろう。
  
このジギタリスの成分は強心作用があって、不整脈やうっ血性心不全の薬として使われるという一面も持っているらしい。
  
僕のジギタリスの思い出は、ゴマノハグサ科のラテン語 SCROPHLARIACEAE というのを覚えるのに腕が折れるほど何度も何度も紙に書いたことだろうか。
あれだけ書いて覚えたのだから忘れない・・・、と言いたいところだけど、さっき試しに書いてみたらちょっと怪しかった。
  
人間の記憶力とは、かくもはかないものである。
いと悲し。
  

2008年7月20日日曜日

朝顔市
   

  
先週ほおずき市に行ったと書いたあとに、この朝顔市のことを書くと宣言した手前、行って参りました、朝顔市。
  
なんでそんな腰が引けた表現になっているかといえば、それは日中の酷暑にある。
行くべきか、やめとくか、しばらく悩んだ。それほど今日も暑かった。
  
行った時間は午後1時を回った頃。暑さもピークだった。
朝顔と言うだけあって、そんな午後の暑い盛りにはほぼ全ての花がくたびれて、へたっていた。
しばらく歩いてようやく被写体となったかろうじて元気な朝顔を発見した。
  
ちょいちょいと写真を数枚撮って早々に家路についた。
  
東京の夏の風物詩である「浅草のほおずき市」「入谷の朝顔市」の両方を制して、花咲ブログ的には一応満足している。
  
朝顔という花にもっとフォーカスすべきだと思うけど、それはまた次の機会に譲って、今日のところは公約を果たしてきたよ、という御報告でお茶をにごしてしまおう。
  
でもただで転ばないのが花咲ジジイである。
数多くある出店の中で「アサガオを選ぶ上手なポイント」という張り紙をした親切なお店があった。そこにあった5カ条とは・・・
  
1 茎が太くつぼみの多いもの
2 苗木が4本以上あるもの
3 葉が極力少なめのもの
4 葉が初々しく艶があるもの
5 早咲きと遅咲き両方植えてるもの
  
ナルホド、というものもあるけど、3の葉が極力少なめというのは理由が良く分からないし、5の早咲きと遅咲き両方植えてるものというのはそれだけ花期が長くて楽しめるということだろうけど、それをどうやって見分けたらいいのだろう。
  
分からないことは店の人に聞いてみよう。
  
  
  

2008年7月19日土曜日

オクラ Abelmoschus esculentus

あるTV番組でそうめんを使った料理を紹介していて、それがエラく美味しそうだったので自分で作ってみた。
.
簡単に言うと、そうめん、ちりめんじゃこ、オクラ、にんにく、をごま油であえて食べるというようなカンジで、これが結構イケた。
.
オクラを軽く茹でて、輪切りにした。
見事な五角形、種もちゃんと5個並んでいた。
.
独特の粘り が特徴で、これが最近の健康ブームでは「血液サラサラ」云々と伝えられている。
いいじゃないの、美味しければ」と言いたい。
.
オクラは英語でも Okura で日本語と同じだ。
オクラは外来語ってことか?
Abelmoschus ってことは図鑑の掲載順はこの前書いたアベリアの次くらいになるのではなかろうか、と思って見てみると「第3番目」でした。
.
オクラはアオイ科に属する。
この前御紹介した タチアオイ と同じ科だ。
.
実はこのブログを書くために確認したら、アオイ科だと分かった次第で、直感的には「ナス科」だと思っていた。
まだまだ修行が足りない花咲ジジイでありました。
.
さて、入谷のアサガオ市も盛況のようで、明日都合がつけば冷やかしに行ってこようと思う。
関東は梅雨明けしたとのことで、それにしても暑いのでちょっとためらっちゃうけど。
.
では、良い3連休を。
.

2008年7月18日金曜日

名を名乗れ
    


   
昨日は、お店の看板に色んな植物の名前がついているもんだ、という話をした。
   
今日は、植物に付いている名札のお話。
   
まずはじめに、どの植物にも名札が付いているわけではない。
どうも公園や街路樹など、地方公共団体が管理している樹についているケースが多いようだ。
   
その内容もマチマチで、単に名前だけというもの、学名を付してあるもの、特徴などワンポイントで書いてあるもの、写真付きのものなど色んなタイプがある。
   
やはり記載すべきは「和名・通称名」「学名=科、属、種」であろう。
これを抑えたうえで、原産地、開花時期、その他の情報をつけると良いと思う。
   
名札があると何が良いか?
それは自分で勉強になっちゃうことである。
   
僕が1日1枚何かしらの植物の写真を載せてそれについてアレコレと無責任に書いても、それには限度があるし、この前も書いたように、植物を学ぶには写真は理想的とは言い難い。
そんな時、街を散歩していて植物それぞれに名札が付いていると、親しみやすさ も違うってもんだろう。
   
ホホウ、これがスズカケノキってのか・・・なんてホンのちょっとでも記憶に留まれば大きな前進だと思う。
本を読んでいても、あるいは図鑑を眺めていても、実物を見たのとそうでないのとでは頭に入ってくるスピードが違う。
   
かれこれ10年前、会社を辞めて植木屋さんのお手伝いから、園芸の道を歩み始めた僕は親方の勧めもあって近所の公園に通った。
そこに植えてある木には全て名札が付いていたのである。
   
あまり凝った名札では長続きしないので、ほどほどのやつをもっと普及させるような運動があれば良いのにと思うよ。
  
名前が分かってくると、俄然植物の愉しさが増すものだ。
  
(ただいま7月18日午前1時を回ったところ。実はチョット前、ビールを飲みながらパソコンで仕事をしていた。あろう事かそのビールをひっくり返して、パソコンに掛かってしまった。もう真っ青である。最近はサボってあまりバックアップも取らずにいたし。慌てて、頭の上にパソコンを天地逆に抱え、それ以上ビールが内部に入らないようにして出来る限り拭った。そして今、何となくきしむ感じのするキーボードを叩きながらこれを書いている。これを書けるだけ、有難いということだろうか。よくある失敗のお話として知っていたけど、まさか自分がやらかすとは。最近、ブログを毎日更新しようとこだわっていたのだけど、もはやこれまで、万事休すかと思った。神に感謝しつつ、今後はくれぐれも気をつけたい。「気をつけたい」程度で「飲むまい」と誓わないのは「ながら仕事」をやめる自信がないからデス。ともあれ皆さんも気をつけて。)

2008年7月17日木曜日

植物大人気!?
    


 
 
植物が人気があるのは何もその実物だけではない。
そのネーミングがチャーミングなためか、お店の名前なんかにもよく使われているのを見掛ける。
 
左上 酒処亭 (Zelkoba serrata
右上 安心して飲める店ラベンダー (Lavandula
左下 LARCHLarch)・・・何の店か不明。ただし意味はカラマツ
右下 柴又コーヒースタンドさくら Prunus
 
というように、ここでも、そこでも、あそこでも植物のオンパレードだ。
学名もチャンとある。
 
オオっ、こんなところにも!!といって看板にカメラを向ける僕は相当怪しかったに違いない。
 
店の名前というのは、やはり親しみやすい名前をつけるものだろう。
遺伝子組換え」などというに飲食店を聞いたことがないし。
 
そういう意味においても(どういう意味?)我々の身近にあるものなのだ。
 
 
 

2008年7月16日水曜日

グロリオサ Gloriosa
        
   
ややっ、こんな時期にこんな所に マンジュシャゲが!? なんて思ったら、それはグロリオサだった。
   
冷静に見てみると全くの別物だ。
   
グロリオサはお花屋さんで売られているのを良く見掛けるのではないだろうか。
フラワーアレンジメントなんかでよく使われる、派手な花である。
   
これはユリ科に属するのだが、単子葉ってやつで 3の倍数の法則 を守っているのが分かる。
6枚の花びらは波打って、ソックリ反っている。
雄しべが6つ、雌しべは1本だが先っちょが3つに割れている・・・ っネ「3」か「6」でしょ。
  
オモシロイなぁと思ったのは、全ての花の雌しべが生えているキワから直角に折れ曲がっていることだ。
例外なく皆曲がっていた。
なんか理由があるはずだけど、ちょっと調べたところでは分からなかった。
   
ムムム、謎深い花、グロリオサである。
  

2008年7月15日火曜日

アベリア Abelia x grandiflora
     
   
イヤイヤ本格的な夏に突入の兆しですね。
外で体を動かして労働していると、滝のように汗がでてきて、その量に自分でもビックリする。
  
でも 汗をかくのって気持ち良い と思って楽しんでやっている。今のところは・・・。
というのはこれ以上暑くなって気温が35度を超えたような日に炎天下で働いていると、本当に生命の危機を感じる。
  
水筒を持っていって、こまめに水分補給である。
  
さて、今日の花はアベリアである。
いまの時期に釣鐘のようなカタチをした白やピンクの小さい花が咲いて、ミツバチやチョウが蜜を集めているのを見かけると思う。
  
これから11月くらいまで、長い花期で楽しませてくれる。
ただ、伸びるのも早くてまっすぐな枝がピョ―ンと伸びてすぐにボサボサになってしまう。
  
皇居周りにもこれが結構植わっていて、最低でも年2回はバリカンで刈り込んでいる。
  
  
植木屋的に言うと、何でも切ったらば切った枝がその木のどこかに引っかかっているのは、「仕上げが雑」ということでマズイ。
そこで、そういった引っかかった枝を手で取るのだけど、このアベリアは本当によく引っかかる木で、仕上げのたびにゲッソリする。
  
ちょっと話題を変えてみよう。
僕が受験生だったころ、「試験にでる英単語」という本がベストセラーだった。
猫も杓子もこの でる単を持って「よーし、この本を全て記憶する!!」などとこぶしを固めたものである。
  
「では、第1ページから。なになに、最初は abandon = 諦める ね。 よしよし楽勝。次っ・・・・」
なんてやっていつも数ページでくじけた。
  
「では気をとりなおして再び第1ページから。おっーと最初はお馴染み abandon です・・・・」
てな調子でボキャブラリーは一向に増えなかったけど、結局この本のおかげで abandon だけは頭に染み付いた。
  
この話とアベリアがどのように関係があるのか?
それは、世の中に英語もしくはラテン語で書かれた植物辞典/図鑑が沢山あるけど、そのほとんどがアベリアで始まっているはずだ という点。
それはスペルを見ていただければ分かると思う。
  
手元にある encyclopedia of garden plants という本もアベリアから始まっている。
  
  
因みにこの植物辞典は厚さが6.5センチあって、重さも数キロあって、日本に持って帰ってくるのをかなりためらったシロモノだ。
  
一応「植物辞典/図鑑の定番」のような評判があって買った。定価は55ポンドだったのでおよそ13000円ほどか。でもこれを安売りショップを何件も見て回り20ポンドくらいで買ったように記憶している。
日本では18000円くらいで売られている模様だ。
  
買っておいてなんだけど、植物辞典/図鑑を買うならこれは避けたほうがいい。
高いからではない。重いからでもない。
 
写真がメインなのだ。
 
写真じゃダメなのか?
それは個人の好みもあるかもしれないけど、植物辞典/図鑑は写真ではなくて で描いたもののほうが植物そのものの特徴をキチンと捉えていて、分かりやすいと僕は信じる。
  
日本の植物学の父といわれる牧野富太郎博士日本植物図鑑 などのようにイラストの方が間違いがない。これホント。
  
  

2008年7月14日月曜日

危ない! リュウゼツラン
         
     

5月14日に紹介した、テキーラの原料となるリュウゼツラン
  
それぞれの葉の先に鋭いトゲがある。
    
これは本当に鋭くて、硬くて、チョイと目でも突こうものならエラいことになる。
   
海外の植物園では、まず柵の中にいれてあって直接触れない場所に展示してあるか、柵が無い場合はその先端のトゲを大きな爪切りのようなもので切り落としてしまっている、というのを見たことがある。
   
で、今日の写真と相成る。
    
歩道脇の植え込みに、ご覧のように立派なリュウゼツランが育っていた。
良く見るとそれぞれの葉っぱの先にオレンジ色のネットがかぶせてある。
これは、誤ってトゲで怪我をしないようにしてあるのだろう。
   
しかし、なんでこんな往来に危なっかしいものを植えたのだろう。
    
植える人の責任というのが、今後は議論になるかもしれない。
例えば、これによって大怪我をした人から過失傷害で損害賠償請求を受けるとか。
危ない植物って結構あるものだ。
   
危ない植物とはちょとニュアンスが違うけど、大麻草など違法なものに関しては植える人の責任が問われて新聞沙汰になったりする。
   
新聞沙汰で思い出したけど、最近のニュースで日本人観光客がイタリアの世界遺産に落書きをしてきたといって大騒ぎになったことがあった。
  
このリュウゼツランも落書き被害を受ける植物のベスト10に入ると思われる。
  
この緑色の硬い葉の表面を削って落書きがしてあったのを何度か見たことがある。
   
それらは日本語ではなく、イタリア語やスペイン語であったように見えた。
  
行った先に自分を足跡を残すという行為は万国共通なのかもしれない。
モチロン、花咲ジジイはそれを肯定するものではない。
  
世界遺産のような貴重な文化財に落書きするのも相当な罪だが、リュウゼツランのような生き物に落書きするのもかなり罪深い。
   
  

2008年7月13日日曜日

クチナシ Gardenia jasminoides
   
  
前クチナシについて書いたのは2月12日だった。
  
そのときはちょっと変わったカタチの実についてとりあげた。
  
それから半年経って、花の御紹介と相成った。
   
早春のジンチョウゲ、秋のキンモクセイなど、強力に自己主張するニオイを持った花があるが、このクチナシもそのひとつかもしれない。
   
甘~いニオイがあたりに漂う。
学名の jasminoides からもわかるように、ジャスミンのような香りだ。
   
花はもっとスッキリしたものもあるのだけど、これは八重なのだろう。
なんとなくティッシュをクシャクシャに丸めたような格好だ。
   
ニオイとは裏腹にカタチ的にはそれほどエキサイティングなものではない。
特にしおれた白い花が色を薄茶色に変えて、枝に引っかっかっている様子には無常を感じてしまう。
  

2008年7月12日土曜日

アガパンサス Agapanthus africanus
     
 
昨日は暑かった。
  
僕は都内にいたのだけど、ナント今年初の セミ の声を聞いた!
梅雨も明けていないのに、もう着々と夏である。
今日は更に暑くなるというので御用心。
   
さて、そんな暑さの中で涼しげに咲いているのが、アガパンサスだ。
何故涼しげかと言えば、ちょっとこじつけだけど、その花の色が淡いブルーだから。
赤い暖色の花よりも、青い寒色の花のほうが視覚的に涼しげだ。
  
花が茎の周りをぐるりと取り囲むように咲く。
葉の位置は地面から70~100センチほどの場所と、結構高いので今の季節目立つ花である。
   
もし、アナタが男性だとして、アナタの口から「アガパンサス」なんていう単語が出てくると、響き的に「花を知っているイイ男」と印象をいだく人も多いのではないだろうか?
  
いないか。
    
少なくとも「イイチコ」もしくは「カツカレー」・・・よりは「アガパンサス」のほうがロマンチストってカンジがするというのは偏見だろうか?
     
発音的にはアガパンサスのサスは sus もしくはsas でなくthus なので 舌を前歯で軽く噛むように発音すべし。
  
  

2008年7月11日金曜日

御神木
 

  
ほおずき市のついでというわけではないけど、浅草の浅草寺本堂の脇にそれはそれは立派なイチョウの木があった。
  
そびえていた、と言いたいところだけど、幹の太さに比べるとその高さは意外なほど低い。
  
幹の直径が2メートルをゆうに超えるほどで、高さは本来30~40メートルあってもおかしくない。
  
なぜか?
  
このイチョウの脇に説明の看板があった。
   
それによると、源頼朝が浅草寺を参拝したときに挿した枝から発芽したのだそうだ。
ところが昭和20年3月に戦災で焼けてしまって、今のカタチが残ったのだという。
源頼朝っていうと鎌倉時代・・・。
日本史に弱い僕でも知っている。となると樹齢816年っていうことか。
  
スゴイ。
  
古木というのは、しょってる歴史の重みが漂っていて、物凄い威厳を感じてしまう。
味があるというのか、とにかく存在そのものに説得力があって、ひたすら頷いてしまう。
  
コンパクト・カメラしか持ち合わせていなかったので、イマイチそのスゴさをお伝えできないのが残念である。
  

2008年7月10日木曜日

ほおずき市
     

     
浅草の夏の風物詩、ほおずき市に行ってまいりました。
      
・・・夏なんスね、もう。
    
現地に着いたのは諸事情があって夜9時近かったのですが、なんのまだまだ結構な人出である。
凛々しい祭りルックに身を包んだ、お兄さん、お姉さん、おじさん、おばさんたちが元気良くほおずきを売っている。
    
おびたただしい鉢の数で、一体どこでつくっているのか気になったので聞いたみた。
お兄さんの言うことには、「茨城県」からきているらしい。
出店の脇に積まれた箱には「JA全農おおいた」とあって大分県からも大量にきているようだ。
    
屋台が沢山出ていて、お好み焼き、やきそば、ベビーカステラ、大阪焼き、鮎の塩焼きなどなど美味しそうなニオイがたちこめていて、更に金魚すくいなんかもあって、「イヤー、日本の夏、キンチョーの夏ってやつですなぁ」などと古いことを口ずさみながら、なんとなく懐かしい気持ちになった。
浴衣姿のお姉さんなどを見かけると、なおさらである。
    
   
ところで、花咲ブログなのでちょっとほおずきのことに触れておこう。
ホオズキ Physalis alkekengi はこの前、当ブログで毒のある仲間として特集したナス科に属す。
   
あのオレンジ色をした実のようなものは、なんとガクである。
花が咲いて、実をつけるとそれまで花を支えていたガクがソロソロと伸びていってしまいには実を包み込む。そして熟すとオレンジ色になるということらしい。
   
フーフー吹いて遊ぶ部分が実で、それを包んでいるオレンジ色の殻はガクというわけ。
これは、実を守るためにガクが発達したのではないかと考えられている。
   
植物ウンチクとしてはそんなところで、あとはお値段。
   
鉢はほおずき市では¥2500の統一価格だ。
これが高いのか、安いのかとてもビミョーなところだが、浅草の古くから伝わる粋な雰囲気に流されてか結構な売れ行きである。
   
かく言う僕も一鉢買ってしまった。
   
「なんかいいな、日本の夏」と思いながらほろ酔いで家路についた。
   
来週は入谷の朝顔市だ。
忙しいゾ。