2009年1月31日土曜日

松の腹巻
   

  
松に何やら腹巻を巻いてあるのをよく見かけないだろうか?
   
冬は寒いので、腹巻を巻いての寒さ対策か??
  
そうではない。
これは こも巻き という。
   
   
松につく代表的な害虫であるマツカレハという虫の幼虫が冬の間は地面に降りてきて枯葉の影に隠れてヌクヌクと越冬する性質に目を付けた人が、秋の頃から翌春までこれを松の幹に巻いておいて、春になったらこれを外して燃やしてしまうという駆除方法を思いついた。
   
地面まで降りなくても、こもの中で十分ヌクヌク越冬するだろう、ということと、地面に至るまでに必ずこのこもを通る、という素晴らしいアイディアである。
   
どうやら江戸時代の頃から行われてきたらしいので歴史もあるトラディショナル・ジャパニーズの知恵である。
    

ナント賢い!
まさに一網打尽である。
     
これで良いのダ! めでたし、めでたし・・・
   
ではなかった。 残念ながら。
   
どうやら最近になって、このこも巻きに捕獲される虫は、本来狙っている害虫であるマツカレハの幼虫はほとんど捕まっておらず、マツカレハを捕食するクモやカメムシなどの益虫を多く捕まえているという驚愕の事実が判明したというのだ。
    
そんなことは最近分かったことで、これまでは肝心の害虫がほとんど捕まっていなくて、守らねばならない益虫をふんだんに捕らえたコモを嬉々として焼いていたというのだから、人間は賢いんだか、そうでないんだか、よく分からない。
     
一方で、こも巻きの効果を疑って調べた人がいるってわけで、常識を疑え なんていう最近の本屋のビジネスコーナーで見かける惹句を地でいっているなぁと感心してしまう。

でも、じゃぁマツカレハの幼虫はどこにいっちゃったの? どこで越冬してるの? こも巻きはスルーしちゃったの?? という次なる疑問が出てくるのだが、その辺はどうなってんだろう?
    
今日覚えておいていただきたいのは、松の腹巻はこも巻きという名前であること本来害虫を捕まえる目的だったが最近の調べでほとんど効果がないことが分かった、という2点である。

   
でも、殺虫剤に頼らずに害虫を駆除するというオーガニックな発想は素晴らしいし、この江戸時代から伝わるエコ魂・エコ精神を受け継いでいきたいものである。
    
    

2009年1月30日金曜日

キャベツ Brassica oleacea var.capitata
     

  
昨日、ハボタンのことを書いたばかりで、今日の夜偶然にもトンカツを食べに行った。
   
「オマエ、狙ってんナ!?」 なんて言われそうだけど本当に偶然。
   
そのトンカツ屋さんの壁に張り紙があった。
   
ゴハン、キャベツの御かわり自由です。従業員にお申し出ください。
   
なんというか、太っ腹である。
  
キャベツの季節で豊作の年はいいけど、季節はずれだったり、凶作の年はヘタすると豚肉よりもキャベツが高いなんてことになって、トンカツ屋さんは泣きをみる。
いくらなんでもキャベツは豚肉より高くはならないか。
   
おかわり自由と言われると、おかわりせずにはいられない貧乏性な性格なので、ゴハンもキャベツもおかわりした。
   
このお店ではキャベツはご覧のような小さなドンブリのような容器に入ってでてくる。
  
僕はトンカツにソースをたっぶりかけて食べるが、キャベツにソースを掛けるのはあまり好きではない。
ドレッシングが置いてあるような店であればそれを掛けるが、なければキャベツをそのままムシャムシャと頬張る。
   
そうやってキャベツに何もつけずに良く噛んで食べて改めて気付くのは、キャベツは甘い ということだ。
キャベツはどうしても料理の脇役のようで、あまり表に出てきて自己主張することがないので気付きにくいが、美味しいキャベツは瑞々しくてほのかに甘いものだ、と知る。
   
昨日紹介したハボタンがいかなる味か試したことがないが、ウマイという評判も聞かないので期待しないほうが良いだろう。
  
学名を比較していただければ分かるが、ハボタンとキャベツの違いは var. capitata というのが最後についているかどうかだ。
var は変種名というか、園芸品種という意味がある。
すなわちキャベツは食用に品種改良されてこうなった、と名前がそれを示している。
    
そんなことを考えながら、おかわりしたキャベツをパチリと一枚撮ってムシャムシャと頬張った。
  

   

2009年1月29日木曜日

ハボタン Brassica oleracea



別に意識したわけではないけど、最近の記事は新聞記事をもとにしたりしてなんとなく 社会派・花咲ブログっぽくなっていた。

悪いことではないのだけど、ちょっと植物達がやきもち を焼いているとイケナイので、今日は原点に立ち返って。

冬の花の少ないこの時期に活躍するのが、花ではなくて葉っぱでみせる植物、実でみせる植物、枝でみせる植物たちだろう。

ハボタンはその名の通り、葉っぱがボタンの花のようにみえるのでその名がついたものと思われる。
英語では Ornamental Cabbage という。オーナメンタル・キャベッジ、すなわち鑑賞用のキャベツという。
ウマイこと言う。

見ると確かにキャベツのようだ。

それもそのはず、キャベツもハボタンも同じアブラナ科
科のみならず、属もラテン語では Brassica で一緒だ。

このハボタンも放っておくと、春になって葉っぱのかたまりの真ん中あたりからスルスルっと茎が伸びて、花びらが4枚アブラナ科の最大の特徴)の黄色い花を咲かせる。

そんな訳でキャベツとハボタンは見た目に共通点が多いが、実はキャベツ同様食べれるらしい。
味の保証はないが、災害時などイザ行き詰ったら緊急の食料として役に立つかもしれない。

2009年1月28日水曜日

羽沢ガーデン
     
   
広尾界隈をちょいと散歩していたら、羽沢ガーデンの横に出た。
   
おおっ、懐かしいゾ。
   
花咲ジジイはここにあったビアガーデンのようなところにビールを飲みに行ったことがある。なんかミョーに薄暗いビアガーデンだったように記憶している。
   
それからかれこれ15年ぶりくらいだろうか。
   
なんと今はもう羽沢ガーデンは閉鎖されていて、マンションが建とうとしている様子だった。
   
オマエは浦島太郎かっ? と突っ込まれそうだが本当に今こんな風になっているとは知らなかったのだ。
   
で、辺りを見回すと「マンション建設反対!」 「羽沢ガーデンの緑を守れ!」と横断幕があちこちに出ていた。
   
  
どうやらマンション開発に反対して地元住民がつくる「羽沢ガーデン保全を願う会」が行政訴訟を起こして、なんとかそれを阻止しようとしているようだった。
  
何?羽沢ガーデンって?? という方に一応簡単に解説しておくと、大正4年に中村是公という旧満鉄総裁や東京市長をやった方の私邸が発端で、その後花咲ジジイが行ったことのあるビアガーデンのようなレストランなどをやっていた。それが平成17年に閉鎖され、マンションがここに建つ予定になっていたのだという。
    
このブログは社会派のルポルタージュものではないので深入りはしない。
    
問題はこうやって都会のド真ん中に残ったまとまった土地に代々受け継がれてきた庭とそこにある樹木をどうするか、ということ。
生かすべきか、あきらめるべきか。
    
1月17日に書いた「消えゆく庭」でも触れたけど、こうやって都会のまとまった土地はどんどん細切れにされて、そこにあった素晴らしい庭はどんどん失われていっているというのは本当に寂しいこと。
一方で、人々の利便性の実現、その土地の商業的価値を活用したいという発想もあるのも分かる。
   
花咲ジジイは、マンション建設予定地のあちこちで「マンション建設反対!!」という横断幕を見るたびに、 「ふむふむ一理あるゾ」 「ややっ、でも待てよ」と風見鶏のようにクルクルしてきた。
   
結論は到底こんなケチなブログで出せないことだが、アナタはどう思います?
   
   

2009年1月27日火曜日

空飛ぶ種


ベランダのへりに何やら鳥のフンのようなものを見つけた。

なんだよ、こんなところに・・・と片付けようとして、オヤっ と思って顔を近づけてみた。

鳥のフンには間違いないが、そのフンの内容物がそのまんま消化されずに排泄されていたのだった。

左の写真はふたつの大きなドングリのようなものと白っぽい小さな幾つかの種が混ざっていた。
右の写真はオレンジっぽいフンの中にゴマのような小さい種がちりばめられていた。

お食事中の方には申し訳ない。
あえて写真は小さくアップした。御興味のある方はクリックしてちょっと大きくして見ていただきたい。

この辺でベランダまで来るこの大きさのフンをするであろう鳥はカラスくらいだ。

そうか奴らはこんなものを食っていたのか、と鳥学者のような気分になって推理をする。

さて、植物に目を向けてみよう。

植物達は我々動物と同様に、いかに生存競争に勝ち残るかいかに子孫を残すか というあたりに命を掛けている。

そのために雄しべの花粉が雌しべに移り、受粉して子孫を残す
そのために植物同士が光、水、養分などを争って奪い合う
とにかく競争なのだ。

そして運良く子孫、すなわち種ができたとして、親と同じ場所で発芽したら、親と子で光、水、養分などを奪い合う羽目になる。受粉にしたって他と交わって出来た種のほうがより優れた強い種ができるというのはよく知られている。

そのためには出来た種には なるべく自分よりも遠くに行って頑張って欲しいわけだ

で、植物達は色んな工夫をしている。
植物そのものに足がはえているわけではないので、自ら種をどこかへ運ぶわけにはいかない。

そこで彼らは他の誰かに種の運び屋を託すのだ。

タンポポは風に託し、オナモミは犬などの身体にくっついて運ばれる。
赤い実をつける植物が多いが、それらは大抵鳥のエサとして実を提供し、飛んでいった先でフンの中に混じった種が発芽してその新たなテリトリーを広げるという作戦を目論んでいるからである。

うまく出来てんなぁー。

理屈では分かっていても、こうやってホカホカの鳥のウンチの中に植物の種がギッシリ詰まっているのを見ると思わず納得でしょ。

2009年1月26日月曜日

植物工場

植物工場を農林水産省と経済産業省がこれから推進していく。
そのデモンストレーションとして経済産業省にそのモデルを展示する。
と、新聞にあった。
  
早速、経産省のホームページを見てみると 
   
環境条件を人工的に制御し、季節に関係なく野菜を連続生産! 未来型農業生産システム「植物工場を経済産業省ロビーに設置開始」 とあった。
   
これは聞き捨てならん! と花咲ジジイは現場に急行した。
  
昼の霞ヶ関、経産省。
  
当然ながら入り口で警備員に止められる。
「身分証明書をお願いします」
   
指名手配犯のような写真の免許証を差し出す。
   
「どちらへ?」
スゴク疑わしい視線を投げかけつつ聞いてくる。
    
「ええ、植物工場へ」
「どうぞ」
  
なんとも間抜けなやり取りだがノン・フィクション、リアルな世界である。
   
そしてどこに植物工場があるのかキョロキョロしていると、廊下の角から赤い光が僅かに射しているのが見えた。
   
あれだ!
  
迷わずその廊下の角を曲がる。
  
ありました、噂の現場、植物工場。
   
それは拍子抜けするくらいなんてことのない温室だった。
   
  
温室はカギが掛けられていて閉まっている。
外から見るしかない。まぁ、勝手にドアを開け閉め出来ては温度や湿度が折角一定に保たれているのが台無しだ。
  
中には赤いLEDに照らされて、レタスイチゴが育っていた。
赤いライトがなんとも淫靡な雰囲気を醸していた。
  
この温室は温度、湿度、日照時間(ライトに当たる時間)を全てコンピューター管理されている。
コンピューターのディスプレーが物々しい。
  
フムフムと温室の周囲を回りながらアレコレと観察していると、どこかで見たオジサンも興味深そうに植物工場に見入っていた。
それは、ちょんまげのあの議員だった。
    
この植物工場の背景、特徴、課題などは上記に示した経産省のホームページに詳しく書いてあるのでご覧頂きたい。
  
つい先日、先々日と奇跡のリンゴをきっかけとして、土の大切さ を論じたばかりだ。
そしてこの植物工場は、土の大切さとは対極にある価値観だと言える。
  
なんてったって、植物工場には土がない。
ハイドロカルチャーといって、栄養分を含んだ水で育てる方式を取っているものと思われる。
  
どっちが美味しいか、もうこれは先入観を捨てて実際に食べて比べてみるのが良いと思う。
  
鉄腕アトムに胸躍らせていたその昔。
今や当時未来のことと描かれていたことが次々と現実のものになりつつある。
  
God is watching us.
神は我々をいつも見ていらっしゃる・・・・。
  
  

2009年1月25日日曜日

新たな出会い

昨日の記事にコメントを Alexさん という方から頂戴した。

御存知の方もいるかもしれないが、この方は園芸ブログ界では超・有名な方で
Alex's Garden 男庭日記  http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
という人気ブログを書いていらっしゃる。

花咲ブログは現在人気ブログランキングでは70位くらいを行ったり来たりしているが、この男庭日記は堂々の4位である。

素晴らしい。

というか、花咲ジジイとは格が違う。

オーストラリアなどの日本では珍しい植物も多く取り上げていて、読んでいてとても刺激になる。

こうやって交流が持てたことに心から感謝し、男庭日記に追いつけ追い越せの気概を持って日々精進していきたいものである。
  
  
ナマケモノ
    
  
昨日は奇跡のリンゴという本をもとに、土のもつ不思議な力などについて書いた。
  
今日はそれにちょっと付け足そうと思って書いている。
  
植物に良かれと思って、肥料を施したり、水をやったりすることも、度が過ぎるとそれがかえって害になってしまうことがある。
  
今日の写真は2000年に英国北部の街のはずれにある園芸学校にいたときに、授業の一環として育てたソラマメを収穫したときのものだ。
  
学校は夏休みで学校の寮にいた学生はあらかた帰省してしまい、ひとり残った僕は授業で野菜を育てた畑に出かけては収穫をして、新鮮な野菜で食費を浮かせていた。
  
実はそれまで野菜なんて作ったことがなかった。
なにもかも初めての経験だったけど、畑を耕して、種をまいて育てるところから始めてみると、日に日に植物への愛着が増していって、毎日欠かさず自分の畑の様子を見にいくようになった。
  
休みの日も日がな一日畑に繰り出し、雑草を取ったり、水をやったりして面倒をみて、それが終ると畑の横に寝転んで昼寝をしたりしていた。
  
そして収穫。
トマト、インゲン、ソラマメ、レタス、ラディッシュなど生まれて初めて自分が作った野菜を口にしたときに僕の人生観が変わった
それは確かトマトだったと記憶している。一見普通のトマトだったけど、頬張ってみるとあまりのウマさに涙が出そうになるほど感動した。
  
それまでは、「植物なんてよぉ」 なんてちょっと斜に構えていた人生を送ってきたのだけどそれを境にスッカリ目覚めてしまった。
  
写真のソラマメはその当時誰もいなくなった畑に一人で繰り出して、適当に収穫してビールのおつまみにしたときのものだ。
これがまた驚くほど美味かった。
  
ある日僕が足繁く畑に通って水を遣っているのを見た先生が僕に言った。
  
「オマエは毎日畑に通ってエライなぁ。でも覚えておけよ。野菜は本来ナマケモノなのだ。乾きをおぼえる前に水がもらえると分かると怠けて根を張らないのだ。でも水を遣らないとコレはマズイと思って、一生懸命根を張るものなのダ。」
  
そのときはその言葉の意味が100%理解できなかった。
水を遣るタイミングや要領がまだ経験不足による理解不足だったのである。
  
水は遣っておくにこしたことがない、と。
  
そして、昨日紹介した奇跡のリンゴを読んで、あのときの先生の言葉が鮮明に思い出されたのである。
  
そういう目で園芸書を読んでみると、
「根から離れたところに肥料を埋めておくと、吸収するために根が伸びてきます。そうして根が伸びることで、株全体が丈夫に育ちます。肥料をやるのではなく、苗が肥料を食べにくるようにしましょう」
 (はじめよう野菜づくり 井原英子著)
なんてことが書いてあったりもする。
  
ナルホド、ナルホド。
  
植物はナマケモノなのだ。
  
含蓄のある意味深い言葉である。
  
   

2009年1月24日土曜日

リンゴ
   

   
奇跡のリンゴ(石川拓治著 幻冬舎)という本を読んだ。
   
面白いという評判を聞いていたので、読んでみたいと思っていた本だ。
   
読んでみて・・・、確かに面白かった。
リンゴという植物についての興味深さ、土の重要性、そして木村秋則氏のドラマティックな人生に惹きつけられて興奮しながらページをめくった。
   
文章から伝わってくるその特別なリンゴの味が果たしてどんなものなのか、是非一口で良いので味わってみたいが、今や時の人となった木村氏の奇跡のリンゴはネットで10分もしないうちに売り切れてしまうのだとか。
   
実話に基づいた話ながら、やや誇張しているなぁと思われる部分もあるが全般に楽しめる。
  
この本を通じてやはり土の大切さ を改めて認識させられた。
まだ読んでいない方にそのあたりを簡潔にお話しすると、木村氏は無農薬で肥料も与えずにリンゴを作るという不可能に挑戦し、試行錯誤の末、健全な土に健全な植物が育つということに気付いて、ついにその不可能を可能にした。
  
健全な土とは、雑草が根を張り、根粒菌が大気中の窒素を固定し、フカフカで、温度がやや高く、微生物が活発に活動する土のことだ。
従来のリンゴ農家では病害虫に対抗するため薬をまいて、必要な栄養分を与えるため化学肥料を施した。結果、これがリンゴを薬に頼る軟弱者にしてしまった。
  
土が健康だと、上に植わっている植物も健康で元気になり、植物が元気だと病害虫も寄せつけにくくなるという好循環が生まれる。
また、リンゴの周りの生態系が自然に近いものが保たれると、そこで益虫が害虫を捕食したりしてそれぞれの数が一定に保たれる・・・・。
  
そういったことを木村氏のドラマチックなエピソードとともに我々に教えてくれている。
  
でもそうだよね。
我々人間も気力、体力ともに充実して休養十分であれば風邪や病気になりにくい。
食べるものもバランス良く、栄養価の高いものを適量を適時に摂取していると健康によろしい。人間本来持っている免疫力が機能している状態だ。
疲れているからといってユンケルを三食のゴハンの代わりに飲んでいたのでは到底健康ではいられない。
  
そんな当たり前のことでありながら、「昔からそうやっていたから」という理由だけでズッとそれを続けて本質を忘れていることをこの本は教えてくれているような気がする。
   
オーガニックって言う言葉が流行っている。
   
なんか身体に良さそうだけど、何がどういうふうに良いのかキチンと説明できる人は案外少ないんじゃぁないだろうか。
この本に書かれているリンゴの育つ環境こそがオーガニックそのもののような気がする。
  
何事にも賛否両論あるのが世の常だ。
何もこの本に書かれている全てを肯定するものではないけど、色んな意味で現代の農業を考えさせられる一冊だった。
  
  

2009年1月23日金曜日

ガンバレ、農家!!
   
    
所用があって茨城県に出掛けた。
   
用を済ませて常磐高速に乗ろうと車を走らせていたら 「鉢花生産直売」の看板を見かけて車をUターンさせた。
   
   
雨に煙る冷たい空気の中、車を降りて様子を伺っていたら、温室の中に人影を見つけた。
  
「スミマセーン、ちょっと見ていいですか?」
  
20代後半~30代前半と思われる若い彼は 「どうぞ」と快く答えてくれた。
  
温室でどうやって育てているのか?
こんな季節に一体何を育てているのか?
何か困っていることはないのか?
商売的には順調なのか?
  
ハッキリ言えば、野次馬的で大きなお世話であるが、本当に興味があるし、応援したい気持ちもある。
  
この若い旦那は仕事の手を休め、照れながらも色々と気さくに話をしてくれた。
   
  
市場に卸すと買い叩かれてしまうが、直売は固定客が東京からも買いに来てくれて利幅もある。
でも固定客だけに従来の価格を見直して値上げすることが出来ずにいる分、キビシイのも事実だ。
  
いかに売れ筋の品種を作るか。
売れ筋で人気がある品種はほぼ品種登録されているので、それを扱う場合にはロイヤルティ(パテント料)を払わなければならない。
そこで、まだ皆が手をつけていないような魅力ある植物を探してきて育てるなんていうこともやっているらしい。
  
品種登録、ロイヤルティ・・・・。 あまりピンとこないかもしれないけど、これは種苗法という法律があって、品種改良する人たち、すなわち育種家の人たちの権利を保護する制度があって守らなくてはいけないことなのだ。
この辺は奥が深いので今後折をみてじっくり解説していこうと思う。
  
それはさておき、この若旦那は本当に人柄の良さがにじみ出ていて思わず応援したくなってしまった。
僕がお邪魔したときは丁度シクラメンの花がらを取っている最中だった。
手間がかかる分、それが報われるような値段がつくと良いのだけど・・・。
  
  

2009年1月22日木曜日

伐採仕事
    

   
暮れにお話したように植木屋仕事には季節的要因が大きくて、暮れはエラく忙しかったが年が明けて仕事が激減した。
   
僕はパートタイム植木屋なので、親方の手が足りないときに親方の要請に従って出動する。
昨日が今年初出動であった。
    
仕事は都内の某所の街路樹の伐採。
   
ケヤキが枯れてしまって倒木の恐れがあるので伐採する必要があるのだ。
このケヤキの胴回りがおよそ1.2メートルあった。
   
黒板に日付、場所、仕事内容などを書いて施工前、施工中、施工後という記録をとって発注者に報告するのだが、仕事内容を「枯損木伐採」と黒板に書いた
コソンボク・・・意味は良く分かるが初めて聞く日本語だった。
   
当然のこぎりで切れる太さではないので、チェーンソーを使って切り倒していく。
   

こんなケヤキを2本切って今年の植木屋初仕事が終わった。
  
空気はピリッと冷たく、肉体労働なので程よい疲れがある。
良いなぁ、外で元気に働くってのは。
  
夜はグッスリである。
  
  

2009年1月21日水曜日

春の足音
     
   
毎日寒いけど、は確実に近づいてきている。
   
今日の一枚はジンチョウゲ
   
花は2月下旬~3月に咲くのだけど、ご覧のようにはかなり膨らんできている。
  
前にも書いたけど、僕はこのジンチョウゲの香りをかぐとなんともやるせない気持ちになってしまう。
卒業や入学など人生の変化や節目にそこはかとなくぽわ~んと匂ってきたからかもしれない。
  
今日は1月21日。
  
春と呼ぶにはいささか早いけど、自然はこうやって春を察知して着々と準備を進めている。
   
それは日の長さかもしれないし、その日の最高気温や最低気温からかもしれない。
   
北風に首をすぼめながらも、そんな春のサインを見逃すべからず、ダ。
  
   

2009年1月20日火曜日

ガンバレ受験生

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ンター試験が確かこの前あったはずだ。
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色んな大学の門に「センター試験会場」などという看板がかかっていたのを目にした。
大変だなぁ、くれぐれも風邪をひかないようにしてベストを尽くしていただきたいと願う。
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で、新聞を見ていたらセンター試験の問題と解答というのが載っていた。
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イヤなことを思い出した。
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僕がまだ高校生位のころ、実はうちの親父がこの手の新聞記事が出ると「ヨッシ、ちょっと昔を思い出してやってみよう」などとと言って、シコシコとやっては結果を息子の僕に自慢するのだ。
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オレはまだイケる、とでも言いたかったのだろう。
毎年同じ自慢を聞かされるこちらはイイ迷惑である。
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それはさておき。  って、さておいてないカモ、親父のDNAが流れてるカモ、とちょっと不安になりつつも今日の話題。
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センター試験の生物Ⅰの問題に以下のようなものがあった。
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第2問
「(前略) 多くの種子植物では、めしべとおしべが同一の個体、しかも同一の花の中に存在する。ただ、種子植物にも、イ雄と雌が別個体(雌雄異株)である種があり、性染色体が確認されているものもある。また、種子植物には、ほ乳類ではみられないウ無性生殖を行うことができる種も多い。」
問2 
下線部イとウに当てはまる植物の例として最も適当な組合せを、次の①~⑥のうちから選べ。
   イ     ウ
①イチョウ  ジャガイモ
②イチョウ  トウモロコシ
③カボチャ  オランダイチゴ
④カボチャ  コムギ
⑤ナズナ   オニユリ
⑥ナズナ   エンドウ
・・・・というもの。
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さて如何でしょう。
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雌雄異株なんて花咲ブログに頻繁に出てくるので、これはお茶の子サイサイでしょう。
無性生殖はあまり言葉としてはご紹介していないけど、オリヅルランなんかは花咲ブログでもちょっと触れた。
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これは何かというと、有性生殖は雄と雌による受精によって新しい個体をつくる というもので、早い話が雄と雌が交わって初めて子供ができるということ。
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無性生殖はこれにたよらずに子供、というか次世代ができることで、オリヅルランは葉っぱの先に自分と同じカタチをした次世代をつくって増えていく。
.
で、正解は①で雌雄異株はイチョウで無性生殖はジャガイモとなる。
ジャガイモはなんでか、というと、ジャガイモは確かに花を咲かせるが、「ジャガイモ」そのものは地下茎としてできたもので、雄しべと雌しべが交わってできたものではない。
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花咲ブログはセンター試験対応ということになろうか。
実に たった1問しか役に立たないけど。
.
写真は今日の話題と全く関係が無い。
イモもイチョウもセンター試験もあまり関連のある写真がなかったので、ついビジュアル的に良さげな写真をイモもなく(意味もなく)付けてしまいました。
申し訳ない。

2009年1月19日月曜日

ウドンコ病
   

   
これは何だ?
  
ああ、雪が葉っぱに積もっているのね。冬らしい風情でいとおかし・・・
ではない。
  
これはウドンコ病という植物の病気なのだ。
  
植物の病気には細菌によるものとウィルスによるものがあるが、このウドンコ病は菌によるものである。
   
一気にその植物を殺してしまうほど強烈な悪さはしないけど、まず見た目によろしくないし、植物も徐々に元気を失っていく。
   
こうなると菌がそれ以上広がらないように、感染した部分を剪定して取り除く。
薬で殺菌する方法もあるが、程度にもよるけど剪定したほうが簡単だし、広がらない。
   
カビのような菌で増えるので予防としては、風通しを良くする、乾燥すると増える性質があるので水をまく、といった方法がある。
    
因みにこれはカシの木についたものだけど、マサキという植物があってウドンコ病にやられていないマサキを見つけるのが難しいくらいに良く被害にあっている。
   
そんなウドンコ病に関するアレコレでございました。
  

   

2009年1月18日日曜日

イチゴのお話 1



今、旬の果物にイチゴがある。

練乳をかけて食べるとか、いろんな食べ方があるけど、アナタはどうやって食べるのが好きですか?


小さい頃の食べ方の定番は、イチゴをスプーンで潰して砂糖をパパッと振って、牛乳をかけて食べる というもの。
よくお風呂上りなんかに冷えたこいつを食べて、さらにそのイチゴミルクをグッと飲み干してシアワセを感じたものである。

でもなんといってもイチゴの味がダイレクトに伝わってくる、生でムシャムシャ食べる方式が一番好きだ。

イチゴに関して今伝えたいことがかなりある。

一気に話すと、疲れてしまうと思うのでタイミングをみながら少しづつお話していこうと思う。

まずイチゴのお話1としては、先週新聞に載っていた白いまま熟したイチゴ「初恋の香り」を取り上げたい。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090117/trd0901171637004-n1.htm

見た目に白いイチゴだが味はちゃんと熟したイチゴの味がするのだそうで、一粒1000円ほどするらしい。

農家の人はこれをどうやって作った(品種改良)したのだろう、と考えてみる。
これはあくまでも僕の勝手な想像だけど、もともとはアルビノ(色素が欠乏する)の突然変異体を偶然発見してそれを育て上げていったのではないかと思うのだけど、どうだろう。

四角いメロンが流行ったり、白いイチゴが注目を浴びたりと、とかくこの世は変わったものが好まれる傾向にあるようだ。

珍しいのは分かるけど、「食べてぇー!! 」とは僕はあまり思わないのですが、どう思いますか?

2009年1月17日土曜日

消えゆく庭
   

   
東京と一言でいっても、ゴミゴミとした都会のど真ん中を離れると、畑があったり、昔ながらのお屋敷があったり、案外ノンビリとしたところがあるものだ。
   
この前、大田区のとある場所を散策していたらば、通りの一角の大きな敷地がちょっと異彩を放っていた。
   
敷地はザッと200坪くらいだろうか。
古びた家屋があって、庭であったろう場所はすでに整地されていた。
   
家の外周に生えている木々はご覧のように枝がはらわれて、ライオンの尻尾のようになっていた。
   
もはやこの木々を生かしてどうにかしようという意図はうかがえず、伐採を待つばかりの哀れな木々であった。
例えるなら死刑の執行を待つ絶望の淵にある囚人のようでもあった。
   
それぞれの樹は高さが10メートルほどはあって立派なものである。
   
実は今日、さる造園会社の社長とお話する機会があったのだけど、「最近は代々続いた大きな庭がどんどん失われてきている」と嘆いていらっしゃった。
   
何故か?
   
それは相続の問題である。
代々引き継がれてきた大きな庭は代が変わると、最近は相続税の負担が大きすぎて、その敷地を切り売りせねば相続税が払えないような状況になった。
   
結果として都内の個人邸ベースであった素晴らしい庭がどんどん失われてきているのだ。
   
今日の写真の御宅にしても、庭木は立派だし、石組みも素晴らしい。
これが行き場を失って、結果コインパーキングなんかになってしまうのは何とも寂しい現実である。
   
もっとその価値を認めて、それを守っていきたいものである。
  
  

2009年1月16日金曜日

樹と根の一般的な関係
    

    
イチョウやケヤキが傾いて、あるいはソックリ返っている、という話を昨日書いたところ、ひるがおさんからスルドイ一言を頂戴した。
   
樹が一方向に傾くと、根はそれを支えようとして逆方向に伸びる・・・。
僕もそれは聞いたことがあるし、理屈的にはありうる話だと思われる。
   
Bは真っ直ぐ上方向に樹が育ったノーマルな場合。
根は左右、前後それぞれほぼ均等に広がっている。
   
AやCの場合。
樹が一方向に傾いているが、根はその方向とは別の方向に伸びている。
   
イメージ的にはそんなカンジだと思う。
   
更に付け加えると、樹の根は樹の枝が張り出した大きさとほぼ同じ広がりをみせる、とも言われている。
図示すると、Bの樹のアの幅とア´の幅がほぼ等しいということになる。
   
これはあくまで一般的目安というお話で、根を浅く張る樹、根を深く張る樹、など樹それぞれに特徴があるので注意が必要だ。
  
ともあれ根の役割は重要なんだけど、その姿は我々の目に留まることはない。
そんな縁の下の力持ちにたまには目を向けてみようという本日のお話でございました。
  

   

2009年1月15日木曜日

落葉



昨日、イチョウの夏に葉が繁っている写真と冬に落葉して丸坊主になった写真を比較してみた。

落葉樹が葉っぱを落としてその全貌を包み隠さずに露出する今の時期は、その樹形を知る良い機会だと思う。

ほぉ、こんなカタチをしていたのかぁ、と。

因みに上の写真がケヤキ、下の写真がイチョウだ。
昨日のイチョウと随分違うね。

これを見て何か気付くだろうか?

毎日クイズみたいで申し訳ないが、是非注意深く見て欲しい。

そう、全ての樹が壁の内側方向に傾いている。

これが何故かと考えると、樹が内側に傾いているというよりも、外側の枝が切られて内側の枝のボリュームが上回ってバランスを崩している といえるのではないだろうか。

道路側には電柱があって、電線が走っている。
これに樹の枝が触れると危険なので、樹形が云々という考えは全く無視してバッサリと切ったのだろう。

このあたりに都会に生きる樹の悲哀が表れている。

彼らに罪はない。
樹を植える我々が10年、20年先を見越して樹を慎重に選ばなくてはいけない。

2009年1月14日水曜日

太く生きろ
    


ご覧の樹は何の樹だかお分かりになるだろうか?
上の葉のミドリが生い茂ったのが夏の姿
下の落葉したのが冬の姿である。
   

    
そう、さんざん花咲ブログで取り上げてきたイチョウである。
   
それにしてもこの一対のイチョウは立派だ。
   
多分、過去に一度樹の真ん中あたりで伐採されて、そこから新たに芽を吹いて現在に至っているようなカンジが樹形から伝わってくる。
    
鳥居が正面にあって急な階段を登った場所に2本のイチョウ。
おそらくこれはオスとメスのイチョウで「夫婦イチョウ」なのだろう。
    
さて、今日御注目いただきたいのはこの幹の太さ だ。
業界では人間の胸の高さ、地上から概ね120センチあたりの幹の太さを測ることを基準としている。
このイチョウは胴回りが4メートルくらいはゆうにありそうだ。

幹が太くて立派だ。

幹が太い・・・・ で思い出したことがあった。

植木屋の親方の手伝いをするときに、ときどき若い職人のW君と一緒になる。
彼は若いが腕は確かで、仕事も速く、一人親方として頑張っているナイスガイである。

お茶の時間に色んな話をしていて子供の話になった。

「何ていう名前なの?」
「幹が太いって書いて幹太です」

そのとき僕は単純に思った。
「植木屋の子供の名前が幹太・・・ステキじゃぁないの」と。

カンタって名前でも呼びやすいカンジがするし、太く生きろよって親父の願いが伝わってくるではないか。
    
別の日にまた幹太くんの話になって、僕が聞いた。
「幹太くんはお父さんの職業とかもう理解してるの?」
    
するとW君は
「ええ、最近は色々分かってきてるみたいで、お父さんの仕事は木をキレイにする仕事なんだよね、って言うんですよ」と教えてくれた。
   
ここで再びシビレてしまった。
木をキレイにする仕事・・・・ なんかとてもステキな仕事ではないか。
植木屋の仕事を説明するのに「木をキレイにする仕事」というのは、なんともロマンを感じるのは僕だけだろうか?
   
「ええっとですね、お父さんの仕事はですね、不良債権をですね・・・」 確かにそれも大切な仕事であるが、子供には分かりにくい。
    
W君は続けた。
「この仕事で一生食っていこうと腹を決めたときに、丁度生まれた子供なんスよ。で、ちょっとその決意みたいなもんを込めたのが幹太という名前なんです」
   
「おいおい、良い話だなぁ」と涙腺が弱い僕はちょっとホロッときそうになった。
    
オレが家族を植木屋として養っていくんだという決意に満ちた彼の腕は確かに太くてゴツかった。
  
   

2009年1月13日火曜日

タンポポの知恵袋 冬越しのために

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3連休はいかがお過ごしでしたでしょうか。
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相変わらず寒い毎日。
お日様さえ射していれば、ぼくは全然苦にならない、というかむしろ気持ち良いと思うのだけど。
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さてさて植物達も寒いのが嫌だ、苦手だ、という輩が多い。
苦手すぎちゃって枯れちゃうやつらもいる。
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でも野生に生きる野草たちは、エラく たくましい
だからこそ取っても取っても根絶できない厄介者扱いされるのだろうけど。
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ただ寒さに強いってだけではなくて、そのために色んな工夫もあったりする。
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そこで今日のタンポポ
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上の電信柱の根元のアスファルトからニョキっと生えているのが昨年の4月ころに撮ったもの。春のタンポポ
下の枯れ草の隅間に生えているのが先週、多摩川土手で撮ったもの。冬のタンポポ
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何か違いにお気付きでしょうか?
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春のタンポポは葉っぱが生い茂って上の方向に元気良く伸びている。
冬のタンポポは色もやや冴えず、小さくコンパクトにギュっと縮こまっているのが分かるだろうか?
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この冬の姿をロゼットという。
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このときは普通の茎はなくていきなり地面から葉っぱがでているように見える。茎がなくてあたかも地面から直接生えているように見える葉っぱのことを 根生葉(こんせいよう) という。
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根生葉の間から花だけをつける茎(花茎=かけい)をちょっと伸ばして花をつける。
春のタンポポと比べると茎の長さはとても短く、グッと低く頑張っているのが分かる。
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ロゼットは冬の寒さに対する工夫であって、風を避けて太陽の光を一杯に浴びる という目的に適した姿なのだ。
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実際に温度を測ってみると葉の下と外では2~3度違うのだそうだ。
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頑張ってんなぁ、タンポポ。
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2009年1月12日月曜日

再びポインセチアの受難
    

   
この前はポイっと捨てられてしまったポインセチアの話をしたが、今日はどういう訳かグッタリとしたポインセチア君を見かけた。
   
葉っぱがダラーンと垂れ下がってしまって、元気の「げ」の字もない
    
水をやっていないようにも見えるが、目で観察する限りは鉢の表面の土はそれとなく湿っている。
  
水が足りないのか、病気なのか、虫がついたのか、根がつまっているのか、霜害を受けたのか・・・・
鉢を手にとって原因を調べてみたかったが人様の軒先にあったものなので、不審者として通報されかねないのでやめておいた。
   
原因が分からないので、持ち主を咎めるわけでもないが、とにかく苦労している植物はかなり多いのだなぁと「頑張れポインセチア君・オーラ」を彼に送って散歩を続けた。
  
  

2009年1月11日日曜日


生垣の角度など
    
   
昨日生垣について触れたついでに違う角度から生垣をもうちょっと。
    
生垣を刈り込んで形を作っていく際に、末広がりの形 になるようにすると良いと言われている。
これは何故かというと、太陽の光を効率よく受けて、生垣が元気に育つように、という意味がある。
   
   
A は末広がりの逆で、太陽の光が生垣の側面にうまく当たっていない
B は垂直でAよりはマシ
C が生垣の側面のどの部分にも効率よく光が当たっている
   
図は分かり易いようにやや大袈裟に描いてあるが、基本的な理屈はそんなところである。
一番上の写真がBの垂直のパターン。
そして下の写真がCのパターンだけど、これはちょっとやり過ぎかもしれない。
   
   
もし御自分で刈り込むことがあったら、頭の隅にこの理屈を覚えておくと良いのではないだろうか。
  
  

2009年1月10日土曜日

ミックス生垣

   


生垣はある場所とある場所を隔てる植物の壁のようなもので、実に様々な植物が使われる。

ベニカナメモチ、カイヅカイブキ、サンゴジュ・・・・・ 挙げたらキリがない。
   
ひとつの生垣に単一の植物を用いるのが一般的ではあるが、色んな植物を混ぜても面白い。  

今日の写真はあまり上手く撮れていないので、申し訳ないが、手前の落葉した木の後ろにある生垣に注目していただきたい。
   
なんとなく3つ植物が混ざった生垣であることが微妙な色の違いから分かるだろうか。
右からツバキ、カイヅカイブキ、ツゲである。
   
それら異なる3つの常緑樹が自然な感じで繋がって、有機的な曲線を描いて何とも良い雰囲気の生垣になっている。
   
因みに手前の黄色い葉っぱが混ざっているのはオオムラサキツツジ
  
こうやってゆる~い曲線ってのはなんとなく良いものだと思うのだけどいかがだろう?
   
   

2009年1月9日金曜日

悲しきポインセチア
    

   
朝散歩をしていて、衝撃の場面を目撃した。
   
ゴミ集積場にポリ袋とともに捨てられていたのは赤いポインセチアだった。
   
想像するにクリスマス時期に買ったのか、誰かから送られたのかして、しばし飾られていたのだが、お正月を過ぎて飽きられたのか、世話が面倒になったのか、ご覧のようにポイっと捨てられてしまった。
鉢を手にとって見てみたが、別にどこも悪いところはない。
   
まさにポインセチアがポイである。
  
以前オリーブの鉢がポイっと捨てられていたことを花咲ブログで書いたことがあるが、そのときに英国でよく言われていた A dog is for life, not just for Christmas という言葉についても触れた。 (2008年2月22日付)
その意味するところは 犬はいっときのクリスマスプレゼントではないのですよ、生涯共にするものなのです ということで生き物を粗末にしてはいけない ということを指している。
    
この捨てられたポインセチアどうだ?
クリスマスが過ぎてゴミ集積場に転がっているのはまさにやっちゃイカンことそのまんまである。
   
さらに別の日に多摩川沿いを歩いていたら、こんな看板を見つけた。
「動物をすてることは犯罪です」「動物愛護法第44条」
   

  
そうかぁ動物は動物愛護法で守られているのか。
   
植物愛護法の制定を呼びかけるほど花咲ジジイは単純ではないが、どうにか花を植物を慈しむ気持ちがもっと広まらないものかと思うばかりである。
動物もそうだが植物もすべて生きとし生けるものその一生を全うする権利があるように思うのだけど。
   
正月早々フクザツな気持ちになってしまった。
  
  

2009年1月8日木曜日

パンジー Viola
    

   
冬の間は咲く花もわりと限られて、花壇はちょっと寂しい。
  
そんな中で気を吐いているのがパンジーではないだろうか。
  
冬の寒い時期に色とりどりの花を咲かせる。
   
もともとは野生のスミレから交雑を重ねて作り出された園芸品種なので色のバリエーションがやたらと多い。
パンジーに似たもので、ヴィオラというパンジーよりも一回り小さい花をつけるものがあるが、これも学名上は Viola で同じ属だ。
   
間違っているかもしれないが、パンジーとヴィオラの違いは大きさの違いで、大きいのがパンジー、小さいのがヴィオラと花咲ジジイは理解している。
   
違うかな。
   
さらにパンジーとヴィオラを掛け合わせた パノラ なんてのもある。
もうこうなると何でもアリの様相を呈してくる。
    
ともあれ花壇に何かこの季節彩りが欲しいと思う方はパンジーなんかオススメである。
園芸店に行くと比較的お手ごろなお値段で売っているのでまとめ買いして花壇を飾るのも楽しい。
   
今日の写真のは1ケース2000円だ。
卸売価格ではなく小売価格なので、激安というわけでもないがわりとお値打ち価格かな、と。
   

  

2009年1月7日水曜日

春の七草
   

   
今日は1月7日。
正月気分も一段落だが、今朝七草粥を食べた方はどのくらいいただろうか?
   
1月7日の朝、七草粥を食べると1年間病気をしないと言われている。
そして、お正月以来食べ過ぎた胃を休める薬膳のような意味もあるという。
   
春の七草とは何か?
   
セリナズナゴギョウハコベホトケノザスズナスズシロ を指す。
   
ホトケノザは以前花咲ブログでご紹介したものとは違って、コオニタビラコを指すようだ。
   
こんな知ったかぶりしていて、実は七草粥ってものを食べたことがない。
  
ちょっと情けない。そして申し訳ない。
   
これはその家庭の問題のように思えて、我が家には生憎そういった風習がなかったことに原因がありそうだ。
七草粥を食べたり、柚子湯や菖蒲湯につかるような家庭で育つとより感受性も強く、四季の変化により敏感に育つのではないだろうか。
   
スーパーに行くといわゆる「生」の七草もセットで売っているし、ちょっと驚いたのはフリーズド・ドライになって袋に入った七草セットも売っていた。
できれば、親子で野山に出掛けて摘んでくるのが一番よろしいが、それが叶わない都会ではスーパーマーケットに七草を取りに行くってのもアリかな、などと思った。
  
   

2009年1月6日火曜日

次の世代へ・・・
      


    
昨年の2月25日に ユズリハ Daphniphyllum macropodum を取り上げた。
   

なんでユズリハという名前なのか?
なんでめでたいのか?
     

といったあたりをご説明したのだが、一体どんなカンジなのかイメージが沸かなかった人もいたのではないだろうか。
    

新芽が出てきて、世代交代が起きているユズリハを見かけたので皆様にご覧いただこう。
    

ダラーンと黄色いくたびれた葉っぱが垂れ下がっているのが、これまで頑張ってきた世代の葉っぱ。
緑色に上方向に向いて元気なのが、これからの世代の葉っぱ。
    

春後半(5月~6月)には目立たない花をつけるので、今後はそのへんにも注目していこう。