2009年2月28日土曜日

ブロッコリー vs カリフラワー
   


   
色違いでよく似た野菜ってあるものだ。
   
グリーンアスパラガスホワイトアスパラガスもそうだけど、このカリフラワーブロッコリーもかなり似ている。
   
それもそのはず、お互い親戚同士というか 兄弟のようなものなのだから。
   
学名で表記するともっと分かり易い。
    
ブロッコリーは
Brassica oleracea var.botrytis
カリフラワーは
Brassica oleracea var.italica
   
ということで、ともにアブラナ科に属す。
   
もとは野生のキャベツからブロッコリーができて、さらにブロッコリーからカリフラワーが分化したといわれている。
  
僕個人的にはブロッコリーのほうがみずみずしくて好きだ。
カリフラワーはなんとなく食感がボソボソしているような気がして、どちらか選べと言われるとブロッコリに軍配をあげる。
   
でもこうやって八百屋に並ぶ前に畑で葉っぱごと育っている様子は本当に酷似していて、中心のツボミの色がかくらいしか違わないように見える。
  
因みにホワイトアスパラとグリーンアスパラは同じもので、育てる過程で光を当てればグリーンアスパラ、光を当てなければホワイトアスパラとなる。
  
  

2009年2月27日金曜日

イチゴのお話 2
   

   
1月18日に書いたイチゴシリーズの第2弾。
   
果実 というものがある。 英語でいうと Fruit
   
果物というのは何か、ハッキリと定義するのは案外難しい。
   
子房が受精後に発達したもの が果実である。
そして果実の中に種子を含む、というのが一般的。
   
子房とは何か?
子房とは 雌しべの一部で花柱の下に接して肥大した部分 である。
子房の中に胚珠があって、種子をそだてるわけだ。
   
果実、種子、子房、胚珠・・・・ もうキーーっとなりそうなので、やや乱暴であるが、分かりやすく表現するなら
植物は子孫を残すために、実を結ぶ。これが果実。
果実の中には種子が入っていて、その周りを皮や果肉が覆っている
となる。
   
なんとなくイメージが伝わっただろうか?
   
例えば桃を頭に描いていただきたい。
桃は果実、そしてその中に種があって、その周りを皮と果肉が覆っている。
   
ここで更に次なるステップへ。
   
子房が大きくなって果実になったものを 真果 という。
桃は典型的な真果である。
   
でも世の中には子房以外のものが大きくなって実を結ぶものがある。
子房以外のものとは、花びら(花冠)やガクなどである。
この類のものを 偽果 という。
  
偽果の代表例が イチゴ なのである。
   
イチゴの食べられる部分は花床(花托ともいう)という部分が発達したもので、イチゴの表面にあるあのツブツブは果実なのである。
どう見ても種っぽいよねぇ。
でもあれは果実で、あの中に種子があるということになっている。
   
花床とは何か?
花の先っちょにあって、花の色んな部分をくっつけて支える部分をいう。
   
今日の写真はピンボケしていて申し訳ないのだが、よく見ていただきたい。
   
花の中心部に黄色いポツポツをくっつけた丸い部分があるでしょ。
あれが花床という部分で、無数の雌しべ を支えている。
あの黄色いポツポツは小さな雌しべであって、周りにある大きめの黄色いやつらが雄しべ である。
   
一つ一つの雌しべは受粉すると、後に受精して子房が成長する。
受精にともなって、花床もどういうわけか発達して大きくなる。
そしてどういうわけか、甘味と酸味を適度にもった美味しいイチゴになる。
   
文章にするとなかなか伝えづらいのだけど、イチゴとはそんなユニークなやつなのです。
   
でも写真の花の中心部の花床部分を想像力を逞しくしてよーく見ると、小さなイチゴのような形にすでになっているように見えませんか?
   
うまく伝えることができたのか、そうでなかったのか、ちょっと煮え切らず、歯がゆくもあるのだが、今日はこのへんで。
  
  

2009年2月26日木曜日

休眠打破 : 眠眠打破
    

   
よく聴く夕方のFM番組のCMで何回も繰り返して耳にするうちに 「眠眠打破~」というフレーズが刷り込まれてしまった。
   
それが何なのかもよく知らずに。
   
どうも眠気を払うためのドリンク剤のようなものらしく、よくタクシーの後部ガラスに宣伝がしてあるのを見かける。
   
・・・・。
  
春一番が吹いて、ウメが咲き、各地から色んな春の便りが届くようになった。
こうなると皆の関心の矛先はサクラの開花がいつになるか、ということになるかもしれない。
  
今週で2月も終るわけで、そんな先の話ではない。
  
サクラの花が咲くにはあるメカニズムがあるといわれていて、その説明に不可欠なのが 休眠打破 という概念である。
  
サクラの春咲くツボミは前年の夏に形成される。
そして秋になるとツボミは休眠状態に入る。
   
秋から冬に一定期間以上、一定の気温以下の低温にさらされることでツボミは休眠から醒めて、開花の準備を始める。
   
そして気温がある水準以上に暖かくなったところで開花に至る。
   
低温にさらされて休眠状態から醒めることを 休眠打破 というのである。
   
こういったメカニズムによって日本のように四季がある国でこそサクラは美しく咲く。
ところが、茲許の温暖化によって冬場の平均気温が上昇し、サクラのツボミが十分に低温にさらされないということがあって、サクラが咲かなかったり、花振りが良くなかったり、といった問題が起きはじめている。
  
あと一ヶ月くらいでサクラが咲くだろうか。
  
今年の冷え込みは十分だったのだろうか?
ちょっとドキドキしながら、この先のサクラの動向を見守りたいものである。
  
  

2009年2月25日水曜日

水ぎめ
   
   
とても漠然とした質問で恐縮ではあるが木を植えるとして、アナタはどうやって植えますか?
   
穴を掘って、木の根の部分を埋める ・・・ 正解
   
それが植えるということで、当たり前といえば当たり前。
   
でも、折角だからもうちょっと深くみてみよう。
   
花咲ブログで何回か書いてきたことだけど、植物にとって根はとても重要だ。
呼吸し、栄養・水分を吸い上げ、植物そのものを大地に固定する、などその役割は多く我々の目に触れないところで大活躍している。
   
木を植えるときに幾つか注意する点があるのだが、それが植えた後にちゃんと根付くかの成否を分けるといえるような気がする。
    
木を植えるときの方法として一番代表的なものが、本日ご紹介する 水ぎめ という方法だ。
   
これを説明すると以下のようになる。
   
1 植える木の根を見て、その根のサイズよりも幅、深さなど大きめに穴を掘る
2 掘るときに土の浅い部分、深い部分を分けておいて、埋め戻すときに浅い部分の土を先に、深い部分の土を後に入れて土が入れ替わるようにすると、なおヨロシイ
3 埋め戻す土を80%くらい入れたところで水を入れる
4 ジャブジャブ、たっぷり入れる
5 水が溜まったところで、木を前後左右にゆっくり揺らすように動かす
6 水が引くまで待つ
7 水が引いたら残った土を埋め戻す
8 埋め戻した穴の周囲に土で高さ10~15センチほどの堤防のような堰を作る(これを水鉢という)
9 水鉢の中に更に水を施す
   
根は水や養分を吸い上げるという重要な役割を担っているが、この機能は根の細かい部分(根毛)が行っている。
この根毛部分にチャンと土が接触していないと、水や養分を吸い上げることが出来ない。
   
土は様々な大きさの粒からなっていて、水を加えることで細かい粒があたかも おしるこ のようになって根毛部分にもムダなくムラなくムリなく接触できるようになる。
    
水を加えてよく見ているとブクブクっと気泡が出てくるのが見える(左下写真)。
これが根の周辺の無駄なエアポケットを排除しているという証拠である。
   
とても不思議なことではあるが、この日本のどこへ行っても行われている水ぎめという手法を英国では一度も見たことがなかった。
英国人に説明してあげると、とても珍しがられた。
   
英国では 土ぎめ といって単純に土を掘って土を埋め戻すだけの手法がとられている。
   
なんでだろう?
    
自分なりに考えてみると
1 土の性質が異なり、土にそもそも水分をかなり蓄える性質があるのではないか
2 英国の気候の問題で、激しく蒸散が行われるような気候ではないからではないか
   
日本でも、モクレンなど植え替え時に水を嫌うような植物には土ぎめが用いられている。
   
ともあれ水ぎめには然るべき理由があるし、それらは理にかなっている。
かたや土ぎめはその土地の特徴を反映しているとも言えるし、あるいは植物自体の生命力を信じているような気がするのだ。
  
  

2009年2月24日火曜日

アサ科 CANNABACEAE
   

   
昨日大麻について書いた。
   
頂戴したコメントを拝読していて、大麻アヘンがごっちゃになってしまっているのではないかと思って、続編を書くことにした。
    
大麻は学名を
 アサ科(CANNABACEAE) アサ属(Canabis indicaといい、、
アヘンは
 ケシ科(PAPAVERACEAE) ケシ属(Papaver somniferumという。
    
となるとこのふたつは全く異なるものであり、ケシから大麻は取れないことになる。
南米やアフガニスタンあたりにあるというケシ畑はアヘン、モルヒネ、コカインなどのハードドラッグのもとになっている。
    
一方大麻は字のごとく、麻からできる。
    
ということで、大麻とケシの関連はない といえるのだが、嗜まない人にとっては一緒に思えてしまうことだろう。
    
じゃあ花咲ジジイは嗜むのか?
当然ドラッグの類はやりませんし、タバコすら吸いません。
しかし、飲みます。
    
大のビール党で飲まない日は無いと断言できるほどである。
最近は懐具合も寂しいので発泡酒や第3のビールにも手を出すけど。
   
話が逸れたのではないかと思う人もいるだろう。
   
実は逸れていないのだ。
    
ビールの原料としてとても重要なのがホップであるが、学名を Humulus lupulus という。
そしてこれがなんと、アサ科なのである。
   
どうです、繋がったでしょ。
    
大麻は嗜まないが、ビールは好む。
しかしてこのふたつはともに アサ科 という点で共通しているのだ。
   
ビールの話は尽きることがないが、長くなるのでやめておく。
ただ今日の写真についてちょっとだけ。
   
大麻の写真も、ケシの写真も持っていないので、ストーリーの展開上ビールの写真を探していたら、こんなのが出てきた。
   
これは英国のパブでの写真だ。
ここで問題です。
一体このテーブルで何人の人が飲んでいるでしょうか?
   
1) 一人
2) 二人
3) 四人
4) 十人
   
答は・・・・
4人なんですね。
   
机の上にグラスがいくつあるでしょうか。
皆次の一杯のおかわりを先取りして、はちみつの壺に落ちたクマのプーさんのようなシアワセにひたりながら飲んでいたという、良き思い出であります。
  
  

2009年2月23日月曜日

大麻について思うこと
    

   
予め断っておくけど、今日のブログは決して大麻問題を茶化したり、肯定したりするものではない ので念のため。
  
最近大麻に関するニュースをよく耳にするようになった。
   
芸能人やスポーツ選手、はたまた学生スポーツチームなどにもその裾野は広がってきている。
   
これは何故か? とツラツラと考えるに、所謂ソフトドラッグということで好奇心から手を出す人がいるのではないか、ということ。そしてこの大麻問題は昔からあったのだが、現在のネットの普及によって種の入手のしかた、大麻の育て方、精製のしかたなどの情報がいくらでも手に入るようになったからではないかと思う。
   
身近なところでは、鳥のエサや七味唐辛子なんかにも種は入っているというではないか。
まぁそれらは播いたところで芽はでないと思うけど。
   
こういった社会問題を目の当たりにするたびに、花咲ジジイ的に幾つか思うことがある。
   
まず、大麻草を識別できる植物の知識をもった人が世の中に思ったよりも多くいるのではないか、ということ。
例えば、林の奥で何か怪しい草が生えているといって通報する人がいるということは、その人はその怪しげな草が通報するに値する怪しい何かであるという識別ができるということだろう。
   
大麻草はその辺にはえている訳ではないのに、一体どこでその知識を得てくるのか、とても興味があるところだ。
   
そして、自宅の押入れの中で植木鉢ン鉢の大麻草が見つかったというニュースを聞くたびに もったいない と思ってしまうのだ。
それは何故かといえば、押入れという限られた空間の中で 温度、光、水をシッカリ管理してひとつの植物を種から立派に育てているわけで、その情熱知識を野菜などを育てるパワーに転化できれば、とても良い野菜をつくれるのではないか、と思うからである。
   
そもそも彼らは植物好きのマニアでは決してないハズである。
大麻を吸いたいという願望が人間をここまでグリーンフィンガーに変身せしめるのだから、これは本当にスゴイと思うのだ。
   
この前のニュースでは、大麻取締法違反の事件で、容疑者は大麻草約60本を育てたいうものがあった。
この容疑者のスゴイというか偉いところは、デジカメで大麻草の栽培状況を撮影して「観察日誌」を作っていたのだという。
   
花咲ブログ真っ青の植物に対する情熱である。
   
繰り返すが、決して茶化しているのではない。
人々の興味をうまく引き出して植物に向けることができればなぁ、と日々思っている花咲ジジイとしては深く考えさせられる昨今の大麻事件なのである。
  
  
今日の写真は都内の普通の菜園で、大麻とは全く関係がないので悪しからず。
  
  

2009年2月22日日曜日

ヒイラギナンテン Mahonia japonica
   
    
今黄色い花が咲いているのが、このヒイラギナンテン
    
ナンテンヒイラギ か ヒイラギナンテン か、ちょっと混乱してしまうが、ヒイラギナンテンである。
名前の由来は説明するまでもないが、ヒイラギのような尖った葉っぱを持っていて、ナンテンのような実がなるからだ。
   
ヒイラギはモクセイ科であるが、ナンテンはメギ科
そしてこのヒイラギナンテンはメギ科に属する。
    
メギ科の特徴のひとつに、枝を切ると断面が黄色い というものがある。
これが何でなのかはちょっと分からないけど、庭の手入れをしていてナンテンやヒイラギナンテンを剪定するときに、切った枝をマジマジと見ると、とにかく黄色いのだ。ホント。
    
メギそのものも切断面は黄色い。(オレンジっぽいときもある)
    
   
小さい花が房のように垂れ下がって咲く。
    
花びらのように見えるが、これはガクである。
   
またか、と言わないでいただきたい。
本当に植物は注意してみないと我々は簡単に騙されてしまう。
   
花の中心部に筒のようになっているのが花びら だ。
   
一番良いのは、花をひとつ手にとって、ゆっくりと一つ一つのパーツを分解することだ。
昨年2月5日 「ミクロへGO」 で書いたように、小さくても高倍率のルーペを持っていると、さらに理解が深まる。
   
可哀想なのではない。 
あくまでも学術的な目的によってするもので、これによってヒイラギナンテンの理解者がひとりでも増えれば彼らはシアワセなハズである。
  
  

2009年2月21日土曜日

サクラ散る・・・




郵便受けにハガキが入っていた。

そうそう、これはこの前 「皇居吹上御苑での自然観察会」 に応募したものだ。

皇居という場所は不思議な場所で、東京都のド真ん中にありながら未だ手付かずの自然が残っているという。
ここだけでしか見られない希少な植物も見られるらしいいと聞いていたので、是非一度どんなものか見てみたかった。

残念なことに一般に開放されているわけではないので、こういった自然観察会といったイベントに応募するしか手だてがない。

最近はこの皇居吹上御苑の自然観察会がマスコミでも取り上げられるようになって、かなりの人気なのだろう。

ダメもとで応募したら、やっぱりダメだった。

残念。

もしこれでこの自然観察会に参加できていたらば、ここぞとばかりに写真を撮りまくって一週間くらいぶっ通しの特集を組んでやろうくらいに思っていたのに。

受験シーズンも後半を迎え悲喜こもごもだとは思うけど、この サクラ咲く、サクラ散る っていうのも本当に的を得た日本らしい表現だなぁと思う。

これに懲りずにまた機会があれば応募して、東京のド真ん中の秘境からのレポートを実現したいものである。

2009年2月20日金曜日


神やどる樹
  
唐突ではあるが、木を切り倒さねばならないときにハイハイと事務的にこなす人もいるだろうが、そうでない人もいる。
   
そうでない人とは?
   
それは木には神が宿っているので、人間の都合で切り倒さねばならないという場合は然るべき段取りをおってから切るというもの。
   
然るべき段取りとは?
   
これまでの愛着、感謝を込め、且つ切り倒すことの許しを請う段取りである。
木はそれなりの年月を経るとそこに神が宿るという発想が日本人にはある。
   
御神木といって、各地で由緒ある風格のある大木が御神木として崇め奉られているのはその表れであると思う。
   
    
この写真は樹齢500年、高さ20メートル、根元周囲4.5メートルの堂々とした椎の御神木だ。
  
なので、大木を切るときには深く礼をし、塩とお酒で清めてから取り掛かる。
   
以前 「空師」 といって高木剪定専門の植木屋の手伝いをしたことがあるのだけど、とあるお宅にあったかなり大きなケヤキを切ることがあった。
その家の人は近所から神主さん をよんできて御払い をしてから、作業に取り掛かった。
   
     
神主さんを呼ぶのはかなり特殊なケースというか、かなり信心深い人に限られるが、で清めるというのはよくあることだ。
   
そういえばかれこれ10年ほど前、植木屋の親方がチェーンソーを持ってまずまず大きな木を木製のハシゴにのって切っていた。
ひとつの大きな枝を払ったらば、その枝が親方がのっていたハシゴを直撃してそのハシゴはまっぷたつに折れた。
   
ハシゴにのっていた親方は地上およそ3メートルから落下した。
   
幸い大きな怪我もせずに済んだのだが、今でもそのシーンがスローモーションで鮮明に思い出される。
   
今思うに、あの時は木を切るときにお清めをせずに切ったのではないかなぁなどと記憶を辿るのだが、その辺はイマイチはっきり覚えていない。
   
木霊 という言葉もあるし、説明のつかない尊さというものはたしかに存在する。
  
   

2009年2月19日木曜日

ブロッコリー Brassica oleracea var.italica
    

   
ブロッコリーを見かけた。
それは八百屋に並んでいるものでも、食卓にあがっているものでもなく、まだ畑で成長過程にあるものだった。
   
我々が普段食べているのは花のツボミを食べているのだな、というのがこうやってちゃんと葉っぱが付いているブロッコリーを見ると良く分かる。
   
こうやって見ると葉っぱはとても大きく堂々とした雰囲気がある。
しかも色がとても濃い。
スーパーで売られているブロッコリーは可食部分はこれよりも大きいが、どことなく色白で迫力に欠けるように思える。
   
ヨーロッパではこのブロッコリービート(テンサイ)観賞用に花壇で育てることがある。
立体的で独特の色彩をもった野菜はユニークで見ても楽しめる。
   
僕はブロッコリーが好きでよく買ってきて食べるのだけど、買ってきて茹でるタイミングを間違ってしばし放置すると色が黄色く変わってきてしまったり、花が咲きそうになる。
すると当然ながら味がガクっと落ちてしまって 「もっと早く茹でりゃぁ良かった・・・」 と悔やむわけだ。
   
昨年ちょっとしたシリーズでアブラナ科の花を アブラナ一家 と称して幾つかご紹介したが、そろそろ菜の花をはじめとしてアブラナ一家が活躍する季節がやってくる。
   

     

2009年2月18日水曜日

モノ忘れ スイセン
   


    
花粉症の件も含め、最近ちょっと植物そのものから離れてしまったので久し振りに植物と向かい合ってみたい。
     
そこで近所を散歩していて見かけた カイヅカイブキが先祖がえり しているのを見つけたので 「おっ、今日はこれでいこう」 と思って帰宅してブログを開いた。

もしや・・・ と思って見てみたら 5月2日に既にカイヅカイブキの先祖がえりについて書いてあった。

折角の思いつきもボツとなった。

で、何を書こうかと思ったらスイセンがあったのではないかと思い至る。

しかし・・・ これも昨年の2月23日29日に取り上げ済みだった。
結構書いてんだなぁ、などとヘンなところで感心する。

でも、折角なので別の切り口でスイセンを書いてみよう。

現在英国では 6ヶ国対抗ラグビーが始まって盛り上がっている。

ラグビーファンである花咲ジジイは英国滞在中は毎年これを楽しみにしていて、テレビの前で缶ビールを何本も開けながら手に汗握って興奮したものである。

現在はイタリアが入って6カ国対抗になったが、そのまえは英国+フランスの5カ国対抗だった。
英国+仏=5カ国 ということは英国が4カ国からなっていることを表わしている。

御存知の方も多いと思うが、日本にいると「イギリスでしょ」と一括りにしてしまってそれが4つの国からなっていることに気付かない場合が多い。

その4つの国とは イングランド スコットランド アイルランド ウエールズ である。
それぞれの国のユニフォームを見ると イングランド=バラ スコットランド=アザミ アイルランド=シャムロック(クローバー) がデザインされているのが分かる。
ウエールズはユニフォームには直接デザインされていないが、スイセンが国の花なのである。

やっとスイセンにたどりつきましたね。

そんな訳で、あまり日本に入ってこない6カ国対抗ラグビーのかすかな情報に耳をそばだてながら、スイセンを思い出してみたというわけである。

これではまだ植物に十分フォーカスしているとは言いがたいので、もうちょっと。

花の外側にある6枚の花びら
このうち一番外側の3枚がガク内側の3枚が花びら である。
でも、この区別がとても難しいので全てまとめて花被片といっている・・・・ なんてことを書こうとしたらば、ナントこれもすでに昨年2月3日にチューリップを分解して解説したときに書いてあった。

ウーム、ならばこの6枚の花被片の更に内側にある、ラッパ状の部分はなんだ?
これは 副花冠 といって花びらの一種である。
コレも花びら、アレも花びら、でもソレは花びらに見えるけどガクなの・・・。

花1個みてもそのつくりはフクザツ で、かつとても多様である。

2009年2月17日火曜日

新優良 無花粉スギ
    

   
今日の写真は花粉症の方にはにっくきスギ Cryptomeria japonica である。
生憎近所にスギの木を見つけることができなかったので、花咲植物写真ライブラリーの中から探し出してきた2004年に撮った英国のスギである。
    
花粉症論議で当花咲ブログも盛り上がってきた。
そんな中、興味深い新聞記事を目にした。

    

富山県は16日、県森林研究所が、花粉を出さない「無花粉スギ」を、種子から大量生産する技術を確立したと発表した。無花粉スギは、全国でも人工交配されているが、高品質の無花粉スギを種子から大量生産させる技術は全国で初めて。富山県は2012年からの出荷を目指し、生産体制を整備する。
県は1999年から、無花粉の遺伝子を持ち、木材として優れた品種と、県内の森林に自生していた無花粉スギを交配。9年がかりで雪の重みに耐える優良な母樹1本を選別した。この母樹に、石川県で生育する無花粉の遺伝子を持つ「珠洲2号」を交配させ、08年に50%の確率で無花粉となる「新優良無花粉スギ」を作り出した。県は今年から人工交配で種子を取って苗木を育て、県内に大量生産するためのビニールハウスの採種園を設置。12年には苗木5000本を、民間の森林組合に出荷予定で、16年には出荷量を1万本に増やす。
 (2月17日読売新聞)

   
ウーム、新優良無花粉スギに至るまでのプロセスがとてもフクザツなのと、10年以上の年月が開発までにかかっているあたりがスゴイ。
   
でも、花咲ジジイの個人的な意見としては 「いいのか、これで?」とやや懐疑的なのである。
    
種を吐き出すのが面倒臭いから種無しブドウを開発したりするのと同様、スギ花粉が花粉症の元凶となっているから花粉無しのスギをつくりだす。
なんか短絡的で、人間のエゴを感じずにはいられない。
   
もともと生命に宿っている機能を人間の都合で増やしたり減らしたりするのはおこがましいって気がするのである。
    
問題はもっともっと根が深いのではないか。
数日前にひるがおさんがコメントに書いてくれたように、スギの植林と伐採の関係に根本的な原因があって現在の問題が起きているのだとすれば、解決すべきはむしろそっちではないのだろうか。
   
よしんば無花粉スギによってスギから花粉が出なくなったからといって、花粉症の抗原はスギ花粉だけではない。ヒノキだって、ブタクサだって、そこらのホコリだって抗原になるというではないか。
   
結局花粉症はなくならない。
   
品種改良は人間の生活を豊かにしてきたし、育種家たちの努力と知恵には敬服する。
でもやり過ぎはいけない。
どうも神様が、人間よ、そろそろ考え直しなさい。わしが一番最初につくってやったものと随分かけはなれてきてしまってるじゃぁないのサ とメッセージを送ってきているような気がするのは僕だけだろうか。
   
なーんてね。
   
花粉ひとつでエラく深く考えちゃったなぁ。
  
   

2009年2月16日月曜日

テンチャ
   

    
昨日書いたとおり、花粉症になってしまったようである。
    
さっそくコメントには
「レンコンが効くのでは」
「漢方で体質改善」
「アルコールを飲むと悪化する」
などの書き込みをいただき、改めて花粉症への関心の高さが伝わってきた。
    
花咲ジジイをご心配いただいてのコメント、本当に有難うございます。
    
実はさるスジから 「テンチャを飲んでいたら治った」 という話を聞いたことがあったので、早速薬局に行ってテンチャなるものを探してみた。
    
テンチャとは何か? 気の効いたテンプラ屋さんに行ったときにシメで出てくる 天茶漬け(略して天茶)くらいしか頭に浮かばない。
   
薬局で店員さんに尋ねた。
   
「あのー、花粉症に効くというテンチャはどこですか?」
なんとも間の抜けた質問である。
   
それで手に入れたのが 甜茶 だった。
    
家に帰って早速説明書通りに5分ほど煮出して、期待を込めて飲んでみた。
   
感想は・・・
ハッキリ申し上げて あまり美味しいものではナイ。
   
なんとも中途半端に甘くて、薄味で、お茶という言葉から想像される苦味とか渋味は全くない。
うへー、これを毎日飲むのかぁ
    
ちょっと憂鬱になったが、信じるしかあるまい。
冷やして水筒に詰めて、持ち歩いて飲むことにした。
    
で、この甜茶たるものは果たして何なのか??
    
甜茶は バラ科キイチゴの仲間のようで、学名的には Rubus suavissimus となるらしい。
ハーブティーに ローズヒップというのがあるけど、味はローズヒップのほうが数段上であると思う。
   
溺れるものワラをもすがる ってところだろうか。
  
    

2009年2月15日日曜日

花粉症
   


   
花粉症の人、手をあげてー
   
沢山の方が手をあげることと思う。
   
春先になると、マスクを常にして、ひどいときは専用のメガネをかけたりして、それでもグスングスンとやっている様子を見るたびに、本当にお気の毒だと思ってきた。
   
昨日は春一番なんかも吹いて、世の中の花粉飛散量たるや凄まじいものがあるのだと思われる。
   
なんか他人事な発言で、真剣に悩んでいる方はちょっとムっとしてしまうのではないか。
   
御心配なく。
   
健康だけが取柄の花咲ジジイではあるが、どうやら花粉症デビューをしてしまったようなのである。
   
先週の月曜日に、なんとなく喉の奥がチクっと痛かった。
いやむしろヒリッとした痛みだった。
   
ちょっとイヤな予感がした。風邪をひいたのではないか、と。
    
火曜日にはその痛みが増大して、鼻もムズムズしてきた。
うがいをするとやはり喉の奥がヒリっと痛い。
   
その後徐々に鼻水の量が増えていった。
   
知り合いのお医者様に聞いてみた。
   
「それは花粉症です」
とむげもなく返された。
    
ええっ、そんなバカな。
生まれてこの方、花粉症なんて関係のないものだと思っていた。
ストレスも少なめ、睡眠バッチリ、三食キッチリ食べて、規則正しく、元気バリバリだったのに・・・。
    
なんとなく納得がいかなかったのだが、木曜日あたりから瞼が重たくなってきた。
それで自分が花粉症になってしまったと自覚せざるをえなくなった。
症状的には風邪に思われるのだけど、熱なんかはこれっぽっちもない。
   
典型的な花粉症なのだそうだ。
     
となると次の問題は、自分の職業との兼ね合い である。
    
私は時にパートタイム・植木屋であり、園芸全般のコンサル的なことを生業としている。
外にいてナンボの職業なのだ。

仕事にならんではないか。
   
これは困る。
   
本当に困る。
   
何とか治らんものか、と泣きたくなってくる。
    
お医者様曰く 「今回なったからといって毎年なるとは限らない」 というその言葉を信じるしかない。
   
憂鬱である・・・。
  
   

2009年2月14日土曜日

河津桜大感謝祭!
   


   
この前河津サクラについて書いたばかりだが、今日の新聞に出ていた広告に目が留まった。
   
河津桜大感謝祭!
日帰り 河津町町制施行50周年記念企画
   
とある。
   
更に読み進めると、この企画はスゴイ。
  
大感謝① 河津桜を満喫
大感謝② イチゴ皿盛り食べ放題
大感謝③ 駿河湾ミニクルーズ
大感謝④ にぎり寿司食べ放題
大感謝⑤ 海産物セットお持ち帰り(金目鯛の干物1枚、あじの干物2枚)
大感謝⑥ 寿太郎ミカン500g
大感謝⑦ おまけにちょっぴりお持ち帰り
       (わさびのり1袋、くり茶1袋、わかめちょっぴり)
   
どうです?!
感謝、感謝のオンパレードで、エラく感謝されちゃって、もう盛り沢山でしょ。
   
それで驚くのがそのお値段。
   
ナント! 8970円均一!!
   
僕は別に阪急交通社の回し者ではないが、これは呆れるくらいスゴイと思う。
     
寿司腹いっぱいでもそのくらいの値段はするのではないか?
     
なんかアメ横で 「ええーい、持ってけドロボウ、これもこれもこれもつけちゃうゾ!!」 という威勢の良い啖呵が聞こえそうな気前の良さである。
   
あくまでもメインは河津桜を見ることで、交通費とサクラ鑑賞に加えてこれは、かなりお値打ちだと思う。
   
スグにでも飛びつきたいのはヤマヤマなのだが最近ちょっと忙しくしていて、日程的に難しそうだ。
   
サクラも見たい、寿司も食べたい、富士山も見たい、なんていう外国人観光客にはまさに願ったり叶ったりのドリーム・ツアーではないか。
   
価格破壊とでも申しましょうか。
注意してみると色々あるものですね。
  
   

2009年2月13日金曜日

有難うございます。
   
現在2月13日午後10時10分。
  
本ブログの一番下にカウンターがあります。
これを設置したのはブログを開設して数ヶ月経ってからですが、それから毎日色んな方々に支えられて20000を超えることが出来ました。
  
花咲ジジイ冥利に尽きますデス。
  
これからもより高いところを目指してマイペースでコツコツやってまいります。
今後とも御指導御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
  
  
ノッキ
   

   
ノッキ・・・・
   
イタリア料理にニョッキというのがあるのを御存知か?
発音・イントネーション的にはそのニョッキと同じである。
   
この前、植木屋の親方と話をしていた。
   
「この辺の木はあまり手入れしていないんですねぇ」
   
「おおっ、そりゃノッキだからヨ」
   
ノッキ・・・・??
    
「なんスか、そのノッキって?」
   
「アレ?言わねぇか、ノッキ?」
   
「エエ・・・」
    
どうも手入れをされていない野放しの木のことをノッキと言うのだそうだ。
漢字にすると「野木」。
   
そのまま発音するなら ノギ ではないか。
    
小さいツがどうして入るのかは不明だ。
    
でも親方が 「分かんねぇけど、ノッキってのよ
    
野放しにされたノッキに対して手入れの行き届いた木は「庭木」となるらしい。
    
あくまでもこれは僕と親方の会話でのことで、世間一般的に正しいか、間違っているかなんてことは抜きにして、今日はノッキを覚えておきたい。
  
  

2009年2月12日木曜日

ひと足早く・・・・
    



今日は風が強かった。
   
ひょっとしてひと足早い 春一番なのか?? と思ったほど、風は強く、気温も高かった。
   
今日の写真は 

河津サクラ Prunus lannesiana 'Kawazu-sakura'
   
ソメイヨシノが咲くにはまだ一ヶ月以上あるが、サクラは一説によると11月を除いて一年中様々な種類が咲いているのだという。
   
河津サクラは、何で河津サクラか?
   
それは河津で咲くサクラだったからだろう。
  
では、河津とはどこか?
   
静岡県加茂郡河津町 というエラく馴染みの薄い場所にある。
そして、河津サクラのもととなった原木は加茂郡河津町田中の飯田さんのお宅 にあるのだそうだ。
現在の大きさは樹高およそ10m、幹周囲およそ115cm で推定樹齢50年だというらしい。
   
何かのついでがあれば、是非見に行ってみたいと思う。
その節には何卒よろしくお願いします、飯田さん。
   
飯田さん家から派生していった河津サクラの末裔がこうやって都内で花を咲かせている。
  
   

2009年2月11日水曜日

レタス Lactuca sativa
  

  
レタスを買った。
   
一玉298円也。
   
この値段をどう思いますか?
   
僕はとても高いと感じるのだけど・・・。
   
だって、レタスですよ、葉っぱですよ。
それがほぼ300円もしやがるのです。
   
まぁ、今は2月。
寒い最中で、暖かい頃に育つレタスを食べるということは、こういう値段になるということなのだろう。
   
高原で作られたレタスが供給過剰になって、トラクターで踏み潰されて処分されるということが中学校の教科書に書いてあってかなりの衝撃を受けたことを今でも覚えている。
  
トラクターで踏み潰すんだったらオレにくれ、と。
   

   
新聞を見ていたら 「東京市場卸値」 という欄があった。
これによると
   
野菜 もちあい
レタス(静岡)19玉 2415
  
とある。
   
もちあい の意味が何なのか、 この数字の読み方はどうなのか、よく分からないが想像力を逞しくすると・・・。
   
19玉で2415ってことは一玉あたりは2415を19で割れば出るのではないか。
   
およそ 127円
   
127円が卸値として、スーパーでの販売価格が298円であれば、差額171円が中間マージンとなる。
   
どこにいくのか、171円??
  
   

2009年2月10日火曜日

十八穀ごはん
   


   
花咲ジジイの趣味のひとつに料理がある。
   
料理ってったって、所詮は男料理。
大雑把なものである。
   
で、暮れに圧力鍋を買った。
   
かねてから興味があって、アレコレとリサーチした結果、某ネットショッピングで購入した。
   
イヤイヤ、もう大コーフンである。
連日、ビーフシチュー、カレー、豚の角煮など作りまくっている。
   
中でもやりたかったのが、玄米を炊く こと。
   
花咲ジジイも、年齢が年齢なのでいつまでも肉、肉と肉食に徹するのは如何なものか、と思っていた。
更に植木屋仕事に出掛けたときには、決まってコンビニ弁当で少々飽きてしまった。
   
しばし日本を離れていたので、帰国してゴハンの美味しさに感激した。
回転寿司で涙を流し、コンビニのおにぎりで感動していた。

生タマゴ掛けゴハンなんか何杯でもいける。
   
以前、ホンの短期間身を置いた、とある植木屋さんでは親方がお金を出して、若い職人さんに皆のお弁当を買いに行かせていた。
毎日決まってコンビニ弁当。
   
それでも僕は毎日「ウマイっ!!」と心底から感激しながらパクついていた。
   
ある日、その若い職人のH君と話した。
   
「イヤー、本当に弁当はウマイねぇ」
   
「本気で言ってるんスか。 僕はもう飽きてしまって、勘弁してくれってカンジです」
    
その時は、こんなに美味い物にそんなこと言っちゃって・・・、なんて思っていたんだけど、さすがに2年間かなりの頻度でコンビニ弁当を食べていると、さすがにちょっと飽きてきた。
   
加えて、最近はよく噛んで(咀嚼して)食べることを心掛けるようになってから、より味わって食べるようになった。
そこで感じたのは「コンビニ弁当は塩っぱい」ということ。
   
かなりの塩分を含んでいるのではないかと思われる。
    
あまりカネもないし、健康のためにも、玄米でおにぎりを作っていこうとかねがね思っていたのだ。
   
早速炊いた玄米は水加減を誤ったのか、べチョべチョだった。
その後試行錯誤をしても、食感がイマイチだったので、スーパーで見かけた「十八穀ごはんの素」を混ぜて炊いてみることにした。
   
すると、当初期待していたような食感に近づいたので、最近はこれをおにぎりにして持って行ってる。
良く噛むので、少量でもそこそこ満足感が得られる。
   
花咲ブログなので、ここで終ってはイケナイ。
   
十八穀とはなんぞや??
   
発芽大豆黒米赤米黒豆小豆大豆米粒麦はと麦黒ごま白ごまもちきびたかきびもちあわひえとうもろこしホワイトソルカムキヌアアマランサス
   
・・・らしい。分かるものもあるし、何、それ?っていうのもある。
    
ここでひとつづつ詳細に述べると大変なことになるし、かといって一日一穀取り上げていくと18日間も掛ってしまう。毎日穀物の話ばかりというのも如何なものか、と。
   
そこで、十八穀ごはんはアミノ酸などを含んで身体にヨロシイ、(らしい)と出ました18番のゆる~い解釈で片付けてしまおうと思う。
    
最後の3つに関してのみ、なんじゃそりゃ?という印象が強かったので学名だけ調べてみた。
 ホワイトソルカム Sorghum bicolor (イネ科)
 キヌア Chenopodium quinoa (アカザ科)
 アマランサス Amaranthus hypochondriacus (ヒユ科)
   
イメージすらわきずらい、不思議な十八穀ごはんおにぎりをジッと見つめつつお昼を過ごしている。
   
  

2009年2月9日月曜日

キンポウゲ科  その先の話
    

   
一昨日、昨日と連日で書いたキンポウゲ科に関するお話で、3人の方から深いコメントを頂いた。
有難うございます。
   
キンポウゲ科と言っても、全然似ていないものが同じ科に含まれている。
   
これは当然の疑問だ。
   
キンポウゲ科については実はちょっと特殊な事情がある。
   
普通のシンプルな植物分類学においては 科→属→種→品種 というものを抑えれば良いのだと思うのだけど、この世の植物全てを理路整然と分けていくと、これよりももっとスケールが大きくてよりフクザツな分類になってしまうのは仕方のないことだ。
   
それはあたかも大木の幹から枝が出て、それがどんどん枝分かれしていくのに似ている。
もとを辿るとそれらはすべて同じ幹から出た枝なのだと知ることになる。
   
今日の写真は、その 枝分かれ を表現してみたのだが・・・。
    
上に挙げた科→属→種→品種のもとを辿ると 界→門→網→目 となる。
一番のもとになっているのは界で、それはなにかというと 植物界 というもの。
我々人間は 動物界 に属しているので根本的に全く別モノといえる。
   
じゃぁ、界→門→網→目→科→属→種→品種 で全てが語れるか? といえばというあたりがイヤらしいところである。
   
生き物には 例外 が常につきまとうし、 あるものとあるものの丁度中間にあたる なんていう中途半端なやつらもいる。
亜種なんてのはその例だ。
   
で、話を戻すと、キンポウゲ科の特殊な事情というのは2種類の 族 が含まれているという事情。
族・・・ 暴走族ではない、英語でいうところの Tribe というもので科と属の間に枝分かれして存在するものと思われる。
    
その2つの族とは
Helleboroideae クリスマスローズ族
Ranunculoideae キンポウゲ族
   
Helleboroideae は更に
 Helleboreae (クリスマス・ローズ系)
 Delphinieae (デルフィニウム系)
のふたつに分かれる。
   
「系」は僕がこの場で分かり易いように便宜的に言っているだけで、分類学上は正確な名前ではない。
   
頭からシューシューと湯気が出てきそうでしょ?
   
それら族の何が違うのか、となってくると更に専門的になってきてしまって、「花咲ブログを読んで植物嫌いになった」 と言われそうなのでやめておこう。
   
良いじゃないの、リンネ先生のおっしゃった 二名法(属名+種小名)にまず親しんでいけば。
カタイことは抜きにして、ゆる~いカンジで楽しもう。
  
  

2009年2月8日日曜日

クレマチス Clematis
     
    
昨日 クリスマス・ローズセツブンソウ はキンポウゲ科ゆえ似ているのだ、てなことを書いた。
    
キンポウゲ科は諸説あるが Common Flowers of Flowering Plants (Hickey&King) によると58属1750種あるということになっている。
   
トリカブトデルフィニウムアネモネニゲラ・・・あたりが知られているが、クリスマス・ローズとキンポウゲ科の人気を二分するのが クレマチスではないだろうか。
   
クレマチスは品種改良によって、かなりの種類があって、その全てを言い当てられる人はよっぽどの専門家だろう。
クレマチスの何かだろう くらいで十分だと思うので気楽に考えることにしよう。
    
で、近所を散歩していたら、上の写真のごとく、何やら壁一面になにか植物が這っていた。
這っていたというよりむしろ垂れ下がっていた、といった方が的確かもしれない。
   
近づいて見てみると、それはクレマチスだった。
花は小さいし、4枚の花びらも雄しべも雌しべも白いので、なんともパンチに欠けるというか、控えめな印象だ。
   
ここで間違いに気付いた方、スルドイ!
    
4枚の花びらと書いたが、クレマチスは花びら(花弁)は退化してしてしまって、花びらに見えるこれはガクなのでございます。
昨日のクリスマス・ローズも、セツブンソウもあれは花びらではなくてガクなのだ。
    
ちょっとビックリだね。
でもそういうことになっている。
   
そういう目でみると下のピンクの小さいクレマチスは花びらではなくてガクに見える。
    
品種が多くてとてもついていけないのだが、それでも散歩で見つけたクレマチスはアンスンエンシス(C. anshunensisと分かった。
   
その多様性をご覧頂こうと思って下に3枚の写真を付けてみた。
これら全てクレマチス。 クレマチスの何か。
いいんじゃぁないか、そんな感じのユルさで。
     
    
因みにアンスンエンシスは今咲いている冬咲きのクレマチスだが、それ以外の3枚の写真は昨年春に撮ったものなので今はまだ見つからないハズ。
   
    

2009年2月7日土曜日

節分 vs クリスマス
   
   
2月も一週間経過。
気が付いたらば、節分も終っていた。
   
いや、節分のことなどスッカリ忘れていて、さる方からメールを頂戴して、そっかー節分だったかぁ と思い出した次第である。
   
その方は、節分草について写真付きでステキな文章で教えてくれた。
   
「写真に撮って見たらめしべとおしべ?が花火のようにも見えました。葉もレースの飾りを思わせるようなオシャレさで、花の素敵な額縁のようです。実際に自分の目で見ているととても可憐な印象ですが、写真にしてみるとまた違った世界が見えるのですね。派手さはないけれど、とても素敵な季節を感じる花なので送ります。」
   
花火のよう額縁のよう ・・・ 目のつけどころというか、例えがとてもロマンチックで花咲ジジイからは到底でてこない発想であったのでこの場を借りてご紹介させていただいた。
   
そのメールには加えて写真も添付されていた。
   
   
正直に告白すると、それまで節分草というものを知らなかった。
   
で、その節分草の写真を見て、「クリスマス・ローズに似てるなぁ」と思って調べてみたら、やっぱり。
節分草 Shibateranthis pinnatifida (キンポウゲ科)
クリスマス・ローズ Helleborus niger など(キンポウゲ科)
    
何がやっぱりかと言えば、双方ともキンポウゲ科であるということ。
奇しくも節分草を教えてくれた人が花火のよう、と比喩したように、雄しべと雌しべが「幾つ」と決まっておらず適当に沢山ある のがキンポウゲ科の特徴のひとつなのである。
   
上の写真がクリスマス・ローズ、そして下の写真が頂戴したセツブンソウの写真である。
比べて見ていただきたい。かなり似てるでしょ。
    
小難しい理屈よりも、とにかく見た目が似てるゾ、という感覚が大切なのではないかと思う。
    
科の下に属があって、さらにその下に種があって、はたまた品種がある・・・という植物分類の仕組みがある訳で、末端の細かいものを一つ一つ覚えるよりむしろ科の単位でその特徴を大局的にとらえて覚えていくと、まったく見たこともない植物に出会ってもなんとなくアレかなぁという察しがつくと思うのだ。
  
それが学名(分類学)を勉強する本当の意味のような気がする。
   
あっ、今日のタイトルは節分 vs クリスマス・ローズか。
季節ごとのイベントに絡んで花を咲かせる植物達が文字通り花を添えるというのはなんとも季節感が増して風流だ。
   
クリスマス・ローズもクリスマスの時期に花が咲くのでその名がついたのだが、実際はどうだろう?
愛好家が多いので、割りと街中で見かけるので咲いている時期に注意して見ていただきたい。
   
クリスマス・ローズってったって、最近は6月頃でも平気で咲いているのを見かける。
  
なんかヘンなカンジだなぁと違和感を覚えるのは僕だけだろうか。
  
   

2009年2月6日金曜日

農業未来の姿?!



なんだ、今日の写真は? 花咲ブログは植物・園芸に関することに限定して書いてるんじゃぁなかったの?花咲ジジイもついに焼きがまわったか・・・。

と、思わないでいただきたい。

実はこの前面白い新聞記事を読んだのだ。

収穫お助けロボ」というタイトルで

東京農工大大学院の研究グループが作物収穫にかかる労力を軽減するロボットスーツの開発に取り組んでいる。現在、農作業現場で大根の引き抜きや、ミカンの収穫、箱の運搬などのテストや装着テストを行っており、2年後の実用化を目指している。

(中略)

大根を引き抜く場合はひざや腰などに約30キロの力がかかるが、スーツを装着することで6~7割もの身体的負担を軽減することができる。総重量は25キロだが、モーターやバッテリーの軽量化をはかり、将来的に12~13キロにする計画だ・・・・。
  産経新聞より

どうです?
なんかスゴイことになってるでしょ?

つまりこの収穫ロボットスーツを着ることで力仕事が楽になる、ということらしいのだが、総重量が25キロというのはそれだけで疲れちゃうのではないか、と心配になる。
駆動時間が8時間らしいのだが、25キロを背負って8時間はかなりツライぞ。

確かに庭仕事、農作業でつかう筋肉は日常生活のそれとは異なる気がする。
今でこそ、身体が馴れたが、はじめた当初はもう腰痛筋肉痛で泣きたくなった。

今思うと、力が全てではない
すなわちあまり力を使わずして、同様の効果を得たり、あまり腰に負担がかからない工夫やポジションというものがある。

そっちを研究して広げていったほうがより現実的ではないだろうか。
農作業の結果、筋力が上がって健康でいられればまさに一石二鳥ではないか。



この記事を読んで、これでは未来の農民はガンダムになってしまう と思った。
ブログをしたためるについて、写真は是非ガンダムの写真を、と思ったのだが生憎この方面には滅法疎いため、いつもお世話になっている自転車屋さん あしびな
http://www.asibinaa.com/
に応援をお願いして今日の写真を送ってもらった。

東京農工大の研究グループはこの研究を伊達や酔狂ではなく、マジメに取り組んでいると思われる。
2年後の実用化がなるのか、楽しみにして経過を見守っていきたいものである。

2009年2月5日木曜日

ヒマラヤスギの剪定
    
   
昨年8月26日にヒマラヤスギについて書いた。
   
そもそも巨木で、あるがままの樹形を楽しむ樹であるはずなのだが、都会で見かけるヒマラヤスギは剪定をされて本来の姿を留めない。
ノビノビと育てられる環境に植えられていないヒマラヤスギはちょっと気の毒・・・といったような内容だった。
   
今週は月曜から都内某所でズッと植木屋仕事に励んでいる。
しかも、いわゆる5メートルを超えるような高木の剪定だ。
   
マツ、クスノキ、ヒマラヤスギ、ケヤキなど。
    
もう切って切って切りまくっている。
手が痛くなるくらい、切っている。
   
今日はご覧のおよそ10メートルのヒマラヤスギなども切った。
写真の右下に人が見える。その大きさを見れば、樹がいかに大きいかが分かるだろう。
  
そして、剪定後。
   
スッカリとスカスカに透かして切った。
使用前使用後、比較してみるとその違いが分かるだろう。
  
3人の姿がシルエットで見えるかと思う。
これくらい大きな樹だとそれくらいの人数でやらないと終らない。
   
  
これ一本を一人でやったら半日掛かりかもしれない。
   
モチロン、産地であるレバノンをはじめ日本以外のどの国でもヒマラヤスギをこんなにスカスカに剪定する国はないと思われる。
イギリス人が見たら Bloody hell!! と驚嘆の声をあげるに違いない。
   
これにはそれなりの理由がある。
まず、日本にはヒマラヤスギをあるべき大きさで育てるスペースがない。
なら、「植えるな」となると思うのだけど、植わっちゃってるものは仕方がない。
   
次に日本の特に夏の蒸し暑い気候では剪定しないと蒸れてしまって病害虫の温床となってしまう恐れがあるので、光を取り入れて風通しを良くするために、ご覧のようにスカスカにすると思われる。
  
お国が違えば扱いも違うと。
  
それにしても地上10メートル、枝を切りながら見渡す景色は本当に気持ちが良かった。
植木屋冥利に尽きるカンジである。
   
さて、コレはなんだろう??
   
  
決して前衛芸術ではない。
コレはハンガーだ。クリーニングなんかに出すとシャツなんかが掛ってくるアレである。
    
なんでハンガーがこんなに大量にあるか、と言うと・・・。
    
ヒマラヤスギに登るとハンガーが大量に固まっていた。
実はこれは、カラスの巣なのだ。
   
完成したカラスの巣になると、ハンガーの数はこんなものではない。
まだ巣作りの道半ばだったのだろう。
   
あらー、最近ハンガーがよくなくなるのよねぇー」 とベランダで腕を組むアナタ。
それはきっとカラスが巣作りのために持っていったものと思われます。
   
   

2009年2月4日水曜日

冬牡丹
    
   
気持ちの良い快晴の日曜日、上野の森に繰り出した。
   
目的は東京都美術館で開催中のウイリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ展
産業革命後、大量生産によって失われようとしていたデザイン美の大切さを説いたのが彼だ。
   
  
役に立たないもの、美しいと思わないものを家に置いてはならない
というコピーが目をひく。
   
これはあまり植物とは関係がなくて、花咲ブログの主旨とはズレるが、無理やりに関連付けるとすれば、ウイリアム・モリスのデザインの多くは植物をモチーフとしていて、そういった普遍のテーマは時を重ねても色あせることはない、ということ。
    
すなわち植物は流行りすたれではなくて、いつの時代でも人の心に訴えるものがある、となる。
やや無理があるか・・・・。
   
で、帰りに東照宮の横を通ったら 「上野・東照宮 冬ぼたん」 という大きな看板を見つけたので、本能的に足が東照宮の方を向いた。
   
   
しかし、入り口まで来て踵を返した。
何故なら、入場料が必要だったからである。
   
幾らだったかは正確には覚えていないが、何もボタンをちょっと見るだけなのに金を取ることはないだろう、と。
   
そこで入り口の脇に置いてあったボタンの小さな小さなディスプレーを写真におさめてスッカリ冬牡丹を鑑賞した気になった。
    
十分キレイだ。
焦って冬牡丹を見なくても春になれば普通のボタンがあちこちで見れることだろう。

今日は立春だし、春もすぐそこまで来ている。