2009年2月17日火曜日

新優良 無花粉スギ
    

   
今日の写真は花粉症の方にはにっくきスギ Cryptomeria japonica である。
生憎近所にスギの木を見つけることができなかったので、花咲植物写真ライブラリーの中から探し出してきた2004年に撮った英国のスギである。
    
花粉症論議で当花咲ブログも盛り上がってきた。
そんな中、興味深い新聞記事を目にした。

    

富山県は16日、県森林研究所が、花粉を出さない「無花粉スギ」を、種子から大量生産する技術を確立したと発表した。無花粉スギは、全国でも人工交配されているが、高品質の無花粉スギを種子から大量生産させる技術は全国で初めて。富山県は2012年からの出荷を目指し、生産体制を整備する。
県は1999年から、無花粉の遺伝子を持ち、木材として優れた品種と、県内の森林に自生していた無花粉スギを交配。9年がかりで雪の重みに耐える優良な母樹1本を選別した。この母樹に、石川県で生育する無花粉の遺伝子を持つ「珠洲2号」を交配させ、08年に50%の確率で無花粉となる「新優良無花粉スギ」を作り出した。県は今年から人工交配で種子を取って苗木を育て、県内に大量生産するためのビニールハウスの採種園を設置。12年には苗木5000本を、民間の森林組合に出荷予定で、16年には出荷量を1万本に増やす。
 (2月17日読売新聞)

   
ウーム、新優良無花粉スギに至るまでのプロセスがとてもフクザツなのと、10年以上の年月が開発までにかかっているあたりがスゴイ。
   
でも、花咲ジジイの個人的な意見としては 「いいのか、これで?」とやや懐疑的なのである。
    
種を吐き出すのが面倒臭いから種無しブドウを開発したりするのと同様、スギ花粉が花粉症の元凶となっているから花粉無しのスギをつくりだす。
なんか短絡的で、人間のエゴを感じずにはいられない。
   
もともと生命に宿っている機能を人間の都合で増やしたり減らしたりするのはおこがましいって気がするのである。
    
問題はもっともっと根が深いのではないか。
数日前にひるがおさんがコメントに書いてくれたように、スギの植林と伐採の関係に根本的な原因があって現在の問題が起きているのだとすれば、解決すべきはむしろそっちではないのだろうか。
   
よしんば無花粉スギによってスギから花粉が出なくなったからといって、花粉症の抗原はスギ花粉だけではない。ヒノキだって、ブタクサだって、そこらのホコリだって抗原になるというではないか。
   
結局花粉症はなくならない。
   
品種改良は人間の生活を豊かにしてきたし、育種家たちの努力と知恵には敬服する。
でもやり過ぎはいけない。
どうも神様が、人間よ、そろそろ考え直しなさい。わしが一番最初につくってやったものと随分かけはなれてきてしまってるじゃぁないのサ とメッセージを送ってきているような気がするのは僕だけだろうか。
   
なーんてね。
   
花粉ひとつでエラく深く考えちゃったなぁ。
  
   

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

種から無花粉杉ですか。
今までは接木などでの無花粉杉の研究などが色んな所でやっていましたね。
杉が痛めつけられているから花粉をいっぱい出すと思っている私としては、間伐などの手入れをきちっとやれば花粉が正常な量しかでないんじゃないかななんて思ったりしています。違うのかな..間伐材などの有用な使用ルートの確立なんかもしないといけないんじゃないですかね。割り箸禁止なんかのエセエコやる前にね。

匿名 さんのコメント...

ぴーさんの意見に同感です!
自然界は人間のエゴで迷惑を被っていると思います。鳥インフルエンザなどもその一つではないでしょうか。

人それぞれ効果は違うと思いますが、私は小学生から花粉症になっており、薬や注射で治らないことは体験済みです。注射はそのシーズンに20回ぐらい打った経験もあり、小学生なのに覚せい剤を打っているような両腕になったことを覚えています。
根治は出来ませんが、症状を緩和させるためにアルコール、カフェインの強いものはを飲まない、刺激物(激辛な食べ物)は取らないは守った方がよいと思います。
最近はハーブティーの「ネトル」を飲み、蓮根料理を多くし、症状の緩和をはかっています。たぶん効果は弱いので何となく効いているかな程度だと思いますが、私は薬に頼るよりこちらの方が安心です。
「べにふうき緑茶」も効果があると注目されているので、いろいろ試してみたいと思います。