2010年6月21日月曜日

Spade & Fork
    
   
唐突ではあるが、道具とは国が異なるとかくも異なるものだという典型がこれではないだろうか。
    
園芸に関しての基本動作である 掘る ということを人の手よりも効率良くこなすために幾つかの道具がある。
    
パッと頭に浮かぶのが シャベル というものではなかろうか。
そして頭に浮かんだそのシャベルの姿は先端が尖っているタイプのものではなかろうか?
    
先が尖っているので、掘るのに効率が良いし、木の根などを切るという点においても理にかなっている。
   
ところが西洋、とりわけ英国ではスペードといって先端は尖らないが、先がナイフの刃のようにシャープなタイプのものが主流である。(写真左)
使ってみて分かったのだが、これはなかなか使いやすい。
特に穴を掘る際に底の部分がある程度「たいら」に保ったまま掘り進めることができる。
   
掘る部分と、道具の先端の接面部分が大きいというのが特徴であると思う。
   
この辺はあまり大きな差に見えないので道具の差といってもピンとこないかもしれない。
しかし次はどうだろう?
   
これをフォークという。(写真右)
   
まさにスパゲッティを食べるフォークのデカイ版と言えば分かりやすい。
これをどうするのかというと、主に地面を耕すのに使うのだ。
   
グサッと地面に刺して堀りあげる、もしくは地面に刺したままグイっとひねる。
すると固く締まった地面がほぐれる。
   
それはシャベルでも出来るのではないかと思われた方、決して間違ってはいない。
でも、このフォークの歯の間から適当に土がこぼれるので荷重が少なくてすむ。
ということは腰などへの負担が少なくてすむ。
   
このフォークというやつは例えば大きなカンナギボウシなんかの株分け なんかにも使えるし、とても便利な道具なのである。
ところがどういう訳か、気の利いたガーデニンググッズ屋さんなんかでは売っているけど、日本で実際にこれを使っている場面を見たことがない。
   
スペードもフォークもこのスタンダードの大きさのものと、一回り小さいボーダー・スペードボーダー・フォークというものがある。
ボーダーとは訳すなら花壇というような意味合いで、比較的狭いスペースでも作業がしやすいよう配慮がしてある。
   
素材もいろいろある。
先端が鉄、ステンレスなど、柄が木、樹脂など、ハンドルが木、プラスチックなど・・・・
    
ハンドルもいろいろあって、写真のものはY字タイプ
これ以外に D字タイプT字タイプなどがある。
     
ブランドも様々で、割とお安い廉価版から、最高級と言われるブルドッグ社製のものまで。
   
使い込まれた道具には何やら人格すら漂っているようで魅力がある。
花咲ジジイはアンティークマーケットで年季の入ったフォークを2本手に入れたのだが、事情があっていまだ英国の友人宅に置かせてもらっている。
いつか持って帰ってきたいと思っている・・・。
  
   

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