2011年1月31日月曜日

感 謝   
     


突然ですが、皆さまいつも花咲ブログにお付き合いくださいまして有難うございます。
   
今日は何の日かというと1月31日、すなわち花咲ブログの誕生日であります。
2008年1月31日に花咲ブログはスタートしました。
   
そして一番最初に書いたのがロウバイについてだったのです。
   
文章量も数行程度で、いたってシンプルなもの。
というか、初めてすなるブログなるものをどうやってやったらいいのか良く分からないけど 投稿ボタン を押してしまった、という感じだったと思います。
   
そして今日で丸3年経ちました。
ほぼ毎日書いていて、エピソードも1100以上になると思います。
チリも積もれば ではないけれど結構な数になりました。

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この前は植物に関する文章を書くについて、自分の書いた花咲ブログが貴重なデータベースとなって役に立った。
扱う植物と同時に写真も必ずアップしているので あの植物の写真はどこだっけ? というときは、自分のブログからいつ撮ったか、どの辺のファイルに収まっているかなど見当がつく。
   
自分にとってもなかなか便利なブログである。
   
問題は内容だ。
マンネリだとか惰性だとか、なりがちだが、ためになったとか笑えたとか、いうような内容を心掛けてより楽しいブログにしていきたいと思いますので、どうぞこれからも花咲ブログをよろしくお願い致します。
  
大原麗子風に言うなら
少~し愛して、長~く愛してね、花咲ブログ
  
   

2011年1月30日日曜日

温室探訪3
    
そんな訳で京都府立植物園温室探訪も一応今日で一区切りしようかと。
ああそうかい。
   
温室内ではあまり多くの写真は撮らなかった。
ああそうかい。
   
なぜなら外との気温差でカメラのレンズが一瞬にして曇ってしまったからというのが一番大きな理由であるが、写真をせわしく撮るよりもゆっくりと観てまわろうという気分になったからでだった。
ああそうかい。
   
おい、なんださっきから ああそうかい って。 うっとうしいぞ。
   
実はですね、今日ご紹介する温室の植物はちょっと変わっておりまして、なんとその名も アアソウカイ Pachypodium geayi というんです。
   
そんな名前あるの?
あるんです。
ああそうかい。
  
上記のごとく学名もちゃんとある。
マダガスカルの乾燥地域に自生するという、キョウチクトウ科の植物なんである。
なんといっても特徴的なのはその茎に密生しているトゲであろう。
    
そして茎がニョキニョキニョキっと伸びて、温室で見たアアソウカイは4メートルくらいあった。
   
どうも地中海やオーストラリアなどの乾燥地域に育つ植物はこういったトゲをもつやつが多い気がする。
食べられないように外敵から身を守る という意味と、日差しや乾燥から身を守る というふたつの意味があるかと思う。
    
それにしてもアアソウカイだなんて変な名前はなんでだろう。
   
アアソウカイは漢字をあてると 亜阿相界 と書いて、原産地のマダガスカル島がアジア(亜細亜)とアフリカ(阿弗利加)の植物相の接点であることに由来するのだそうだ。
   
へー、なるほどね。
するってぇとイントネーションも 「アアソウカイ」 じゃなくて 「アアソウカイ」 な訳だ。
って書いても分からないか。
   
おかげさまで一度聞いたら忘れないという点ではありがたいけど、日本では自生していないので見られなくて、マダガスカル島に行けば見られるということであれば、アアソウカイではなく学名で覚えておいたほうが役に立ちそうだ。
  
マダガスカルに行ってアアソウカイだなんて言っても誰も分かってくれないと思う。
  
   



2011年1月29日土曜日

温室探訪2
     

昨日はラフレシア
   
日本ではなかなお目に掛かれない珍しい植物である。
   
そして今日ご紹介するのはバオバブ Adansonia digitata であります。
   
バオバブはかなり有名な珍樹であるので知っている人も多いだろう。
   
自生地はアフリカ東沖にあるマダガスカル島のあたりであるといわれている。
そのトックリのような形と、樹高が20メートルを超える大きさが印象的である。
   
トックリのような形ということは、幹の下の部分が太っていて時にその直径は10メートルを超えるものもあるのだという。
   
ラフレシア同様、死ぬまでに実物を見てみたいなぁ。
   
そんなバオバブが京都植物園の温室にはある。
実物には違いないんだけど、ちょっと小さいんだよなぁ。
樹高は、そうだなぁ4メートルってところだろうか。
    

葉っぱなんかを見ると普通の樹木とたいして変わらない。
5枚の小葉が付いた複葉になっているように見える。
   
珍しいではあるが、アオイ科ということでタチアオイムクゲハイビスカスなんかと同じ仲間で普通っぽいってのも頷ける。
   
こういう珍しい樹木を日本にいながらにして見ることができる植物園という場所は確かに素晴らしい。
素晴らしいが、やはり自生している場所で本来の姿を見るのにははるかに及ばない。
   
ナントカ地ビールを取り寄せて家で飲むのも悪くないが、実際にその地を訪れて注ぎたてのビールを飲むほうがはるかに美味しい・・・のと似てないか。
  
  



2011年1月28日金曜日

温室探訪1


京都府立植物園には立派な温室がある。

温室には入園料とは別に200円が必要でチケットを買って中へ入る。

当たり前だが外はまだ残雪がところどころに見られる寒い日であったが、温室内は暖かい。
ぶらがっている温度計を見たら20度あった。

温度を高く保持しているだけではなく湿度も高いと思われる。

カメラのレンズがあっという間に曇ってしまった。

実はこの温室へくるのは2回目で 「たしかあったはず・・・・」 と思ったらありました。

ラフレシア Rafflesia arnoldii

入口の正面にすぐにあって来場者を出迎えてくれる。

   
向かって左が本物のラフレシアのホルマリン漬け で、右が模型
    
ラフレシアは世界最大の花として有名だ。

大きい花として知っていても意外な側面を知らない人も多いと思うので、念のためちょっと触れておこう。
   
ラフレシアは葉緑素をもたない。 

葉緑素をもたないので光合成をしない(できない)。

光合成をしないので栄養分を他の植物から頂戴する。

これを寄生という工夫をしてしのいでいる。
    
そうラフレシアは寄生植物なのである。
   
ラフレシアは日本では自生していない。

だいたいボルネオ、スマトラ、フィリピンあたりで見ることができる。
    
花は確かに大きいが、その香り が特徴的だ。

花粉をハエに運んでもらうため、ハエにとって魅力のあるニオイ、すなわち肉の腐ったような異臭を放つのだという。
   
花=良い香り とは限らないのだ。
    
寄生してないと生きていけないし、特定の気候下でしか適応できないので現地に行かないと見ることができない。

行ったとしても咲くのは稀なのでいつでも見れるというわけでもない。
    
死ぬまでに一度は見てみたい植物のひとつである。
   
そんなレアな花がホルマリン漬けとはいっても本物を見ることが出来るのがスゴイところである。
   
ああ、植物園ってワクワクするなぁ。
  
   




2011年1月27日木曜日

善福寺のイチョウ
    

昨日は港区赤坂、氷川神社のイチョウをご紹介した。
あの雄大なイチョウで港区2番目の樹齢、大きさであるという。
   
しからば氷川神社のイチョウを凌ぐイチョウとはどんなものか?
  
それは麻布十番近くの善福寺というお寺の中にある。
    

近所には変わった形の高層マンションがあるし、東京タワーも近くに見える。
そんな都会のど真中にその信じ難いイチョウはあった。
   
イチョウの脇には説明板があった、これは平成2年に書かれたもので、これからすでに20年が経っている。
それによると
この木は雄株で、幹の上部が既に損なわれているが、幹まわりは10.4メートルあり、都内のイチョウで最大の巨樹である。樹齢は750年以上と推定される。
善福寺は、昭和20年の東京大空襲によって本堂が全焼した際、このイチョウの木にもかなり被害があったが、いまなお往時の偉観をうかがうことができる。
根がせり上がって、枝先が下に伸びているところから『逆さイチョウ』ともいわれる。
    

昨日の氷川神社のイチョウの幹まわりが7.5メートル、樹齢およそ400年であるのに対して
善福寺の逆さイチョウは幹まわりが10.4メートル、樹齢750年以上ということで、すべてにおいて氷川神社のイチョウを凌駕している。
    
さらにこの案内板が書かれたのが20年前であるから樹齢も750+20=770年以上ということになる。
770年前っていったら鎌倉時代ですよ。
   
そんなものが21世紀の今もなんとか生きているってのがスゴイ。
足利尊氏が馬にのって戦っていた時代と、iPhoneなんかをいじってズボンを腰ばきしているお兄さんが闊歩している時代の両方を知っているだなんて・・・・。
   
確かに朽ちてしまっている箇所も多々あって、あと何年もつだろうか、と案じてしまうが、幾つかのイチョウが束ねられたような感じになっていて、鎌倉の鶴岡八幡宮のイチョウがドーンと倒れたようなことにはならないように見える。
    

雄のイチョウ独特であるといわれている(定かではないが)、気根(定かではないが)も大きく垂れ下がっていて、まるで鍾乳洞のようである。
  
ひょんなことから都内第1位と第2位のイチョウを目の当たりにすることができた。
人間よりも遥かに大きくて、人間よりも遥かに長生きで・・・ そんな木のもつ存在感に圧倒された1日でありました。
  
  



2011年1月26日水曜日

第2位
    

関西の話題が続いていたがちょっと小休止して、今日は別の話題を。
   
実は現在あるプロジェクトの準備として各地の特定の樹木を探してまわっている。
この前、京都の清水寺にいったのもそのためだった。
   
今日は東京都港区にてその樹を探していた。
大体の場所は分かっていたので、そこへ向けて自転車で移動していた。
   
移動の過程で赤坂を通り掛った。
赤坂6丁目の氷川神社の前を通り掛ったときに大きなイチョウが目に入った。
  
一旦は通り過ぎたのだけど、気になってUターンした。
   
境内に入ってそのイチョウを見ると、その大きさに驚いた。
   

近寄って見ると、説明板があった。
それによると、このイチョウは幹の直径が2.4メートル幹周約7.5メートル推定樹齢400年であるという。
東京都港区指定文化財であり、特別天然記念物でもあるらしい。
   
400年前って関が原の合戦のころでしょ。
それからずっとここにあるのか、と思うとスゴイ。
   
関東大震災も東京大空襲もなんのそので、時代を超えて今の東京をどう思っているのだろうか?
まさに先達(せんだつ)である。
ご意見を賜りたいものである。
   
この説明板を読んでいて驚いたのが、この立派なイチョウはこんなに大きくて樹齢を重ねていても港区内では第2位の大きさと樹齢なのだそうだ。
  
これよりも上がいるってこと自体が驚きである。
  
2位じゃダメなんですか?!
なんて声はこの荘厳なイチョウには関係ない。
   
明日はこのイチョウの上をいく驚きのイチョウをご紹介したい。
乞うご期待。
 
 

2011年1月25日火曜日

景観か、植物愛か、それが問題だ
     
わずか3日間の関西ツアーではあったが、色んな発見があった。
   
今日の話もそのひとつ。
   
布引ハーブ園に行くロープウェーが動いていなかったのでUターンして、今来た道をとぼとぼと歩いていた。
港を見おろす・・・とまでは行かないけど、高台にあってそこそこの景色であった。
   
昔はこのあたりからでも十分港や神戸の街が見渡せたのだろうが、どんどん高層ビルが建ったことと、埋め立て によって景観がガラリと変わったのだと思う。
    
実は咲ジジイは神戸生まれでありまして、小さい頃の景色と今の景色ではまったく異なる気がする。
なんといっても六甲アイランドなどの埋立地が大きく影響しているようで、行く度に海が狭くなっていったことを鮮明に憶えている。
   
このまま行ったら和歌山まで大阪湾を歩いて行けるようになるんではないだろか、と。
    
さて、それはさておいて景色を見ながら歩いていたら、柵の向こう側の木がバッサリと同じ高さにそろえるかのように切られているのを見つけた。
かなりの傾斜にこれらの木は植えられていて、丁度歩道の高さあたりでバッサリとやられているのだ。
    
なんとなしにボンヤリとその切り口を見ていた。
  
   
するとひらめいた。
   
これは花咲ジジイの独断的な勝手な推理であるので間違っているかもしれない。
   
   
切られた木があって、歩道があって、車道があって、そして道の右側にはオシャレなレストランがある。
恐らくこのレストランは神戸の街が見えることを売りにしているのではないか、と。
  
となると、このレストランの窓から丁度街を見おろす視界に木が茂っていたのでは邪魔なのではないか、と。
切られた木の高さが緑の線、レストランの窓からの景色と想定される視界の下限が黄色の線
   
  
確かにこの木の芽が吹いて葉を茂らせて枝を伸ばしたらば黄色の線に触れてしまう。
   
よって、レストランとしてはそれを許さないために何らかの手段を講じてこの木をズバッと切ったのであるまいか、と。
  
黄色の線、緑の線が交差するとき・・・・ 松本清張もビックリの大胆な推理であるが、あながち間違っているとも思えない。
   
真相は闇の中であるが、木も気の毒である。
あと数メートル右か左にずれていればそんなこともなかったかも知れない。
いや、レストランのほうが後に出来たのだろうからもっと木を尊重するべきであると思うなぁ。
   
あるいは全く別の理由、もしくは全くの偶然でこんなことになっているかも。
   
木の切り口を見て、これだけ考えを巡らせれば人生飽きずに面白いんじゃないかなんて勝手に思っているのだけど。
    




2011年1月24日月曜日

生田神社 ご神木
   
そんなわけで、布引ハーブ園に行き損ねてフラフラと神戸の街を徘徊した。
   
賑やかな神社の前を通り掛った。
参拝するのに行列しているではないか。
お正月に花咲ブログで書いた大東京神宮を思い出した。
    
これが、あの有名女優とお笑いタレントが式を挙げたという生田神社だとすぐに知れた。
なにやら縁結びのご利益があるんだそうで、遠方からも詣でる人が多いらしいが、そのタレントカップルはすぐに別れてしまったではないか。
   
まぁ、この辺は深入りすまい。
     
境内の奥のほうに行くと赤い鳥居がいくつか連続してあるのだが、その脇にスゴイものを発見した。
   
  
クスノキご神木である。
   
説明によれば、
約500年の年輪をもつこの楠の神木は昭和廿年六月五日の神戸大空襲で焼けただれましたが力強く蘇り、再生、再起、合格、復活、振興の象徴として信仰されています
とある。
   
再生、再起、復活、振興はいいけど、そこに合格は馴染まない気がちょっとしたけど。
    
でも注連縄がはられた太い幹にはなんともいえないパワーというか霊験が秘められている気がした。
   
   
幹を輪切りにしたものを立てて年輪が数えられるようにしてあるあたりは、植物好きの好奇心をくすぐる配慮といえよう。立てた人はそんなつもりはないかもしれないが。
    
直径1.5メートルくらいあるだろうか。
   
切り口が長い間風雨にさらされているためか、年輪ひとつひとつはぼやけてしまって500数えることはできない。
   
  
ご神木そのものと輪切りにされたものの間に小さなユズリハの苗が育っていた。
もちろん誰かがこんなところに意図的に植えたとは思えず、恐らく鳥がタネを運んできたものだと思う。
ご神木の脇に縁起物のユズリハ。
    
ご神木様、そろそろ私に生田神社はまかせなさい(ゆずりなさい)。長いことご苦労様。
・・・・なーんて言っているのだろうか。
   
何とも示唆にとんだ場面でありました。
   
   


2011年1月23日日曜日

神戸にて


関西遠征も最終日となった。

今日は神戸に足をのばした。
この3日間で ひとり三都物語を展開し、今日見事完結である。

幾つかの所用をこなして、向かったのは布引ハーブ園
・・・・のはずだった。

しかし、なんと残念なことに現在ロープウェーの架け替え工事中とのことで4月まで休みらしい。
そんなことも知らずに、観光の王道である北野異人館地区をまわってロープウェー乗り場に向かっただけに、到着して休園、休止という張り紙を見てガックリきてしまった。

これまで何度も神戸には行ったことはあるのだけど、どういうわけか布引ハーブ園には行ったことがなかった。

そんな事情もあって、今回は!とコブシを握り締めて向かったのに。

ボヤいても仕方がないので神戸の街をひたすら歩いた。

特に発見もないまま (実は幾つかあったのだけど、この辺は後日の花咲ブログにて)、喉も渇いたのでコーヒーでもと思っていたらば、ガード下に庶民的な立飲み屋を見つけた。
吸い込まれるように一杯ビールを飲むつもりでのれんをくぐったら、これが良いカンジの飲み屋だった。

またしても串かつ である。

かれこれ3日連続で串かつを食べていることになる。

ここでは目の前でお姉さんが揚げてくれる。
キレイだか、キタナイんだか不明のソースに串かつをくぐらせてビールと一緒に流し込む。
ウマイ。


ちょっと一杯のつもりが2杯と串かつ6本を頂戴してしまった。

横では常連のおじさんがカウンター越しに今日の競馬をとったとか負けたとか関西弁で話していて、それがBGMのように心地良かった。

これでは植物目線の花咲ブログにならないではないか。
ご安心を。

そろそろ帰ろうかと思ったころ、僕の隣に新しくお兄さんがやってきた。
彼は 「鶏チューリップ」 と注文した。


そうそう気になっていたのだ、鶏チューリップ
内臓系の何かではないかなぁと思って頼まなかったのだけど、どうやらそれは手羽先を開いたもののようであった。

なーんだ、である。
しかも美味しそうではないか。

僕もつられて頼もうかと思ったけど、これではビールをさらに追加して、串かつももう2~3本頼まねばならなくなる。
それでは軽く一杯ではなく、串かつフルコースになってしまうではないか 。
    
そんな訳で後ろ髪引かれる思いで立飲み屋を後にした。
次回は頼むぞ、鶏チューリップ。
   
で、今回は花のチューリップと似ても似つかぬ鶏チューリップのお話でした。
  
これから新幹線に乗って帰ります。
  
  

2011年1月22日土曜日

京都にて
    
そんなわけで今は大阪にいます。
   
昨日は駆け足で京都植物園清水寺に行って、大阪へ移動したのちに串かつとビールで旅気分を堪能した。
   
清水寺は最近中国の方を中心に外国人観光客が席巻していると聞いていたのだが、噂は本当だった。
   
道行く人々の顔は日本人と変わらないが、言語が違う。
ファッションもちょっと違う気がした。
そしてカメラを持っている。
   
・・・・という花咲ジジイも大きなカメラを首から掛けて、手にはコンパクトデジタルカメラと、2丁拳銃といういでたちだったので八橋なんかを売っている売店の方は僕も外国人に見えたに違いない。
   
清水寺での目的を達して、足早に駅に向かった。
駅に向かう途中に 建仁寺 があったので中を通ってみた。
   
建仁寺は建仁寺垣という竹垣のパターンの原型発祥のお寺である。
  
あまり時間がなかったので、スタスタと歩きながら、キョロキョロとして通り抜けた。
通り抜けたところに生垣というか、刈り込まれた潅木があった。
    
こういう形に刈り込まれているのはカイヅカイブキだったり、ツゲだったり、と大体決まっているものであるが、よくよく見て驚いた。
   
それはカラタチ Poncirus trifoliata だったのだ。
   
へー、初めて見たなぁ と珍しいので感心して見ていた。
でもカラタチはご覧のようにスルドイがあるので、生垣などに使って他者の侵入を防ぐという優れた機能があったので本当は珍しくはないはずなのである。
    
建仁寺と彫られた石柱の横にあったカラタチ。
その昔はお寺に来る招かざる客を寄せ付けないようにと植えられたものだったのだろうか、などと思いを馳せてみた。
  
  



2011年1月21日金曜日

京都より

仕事で関西へやってきました。
.
朝6時台の新幹線に乗ってウトウトしているうちに気が付いたら辺りは雪景色だった。
そうそう数日前に関西地方でもかなり雪が降ったと聞いた。
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大阪へ行くはずでしたが、思うところあって京都で途中下車。
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荷物をコインロッカーへ押し込んで、向かったのは京都府立植物園
ここでおよそ5時間少々、昼ごはんも食べずに精力的に園内を見て回った。
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当然、花の季節ではないながらもなかなか興味深いことが沢山あった。
その辺りはまた花咲ブログでボチボチとご紹介するとしよう。
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とくに同じ程度の規模である小石川植物園ともまったく趣が違うというあたりがなかなか興味深かった。
例えば小石川植物園でよく見かけるスズカケノキはまったく見かけなかったし、カツラが随所に見られるという辺りの細かな植栽が違うのだ。面白い。
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ちょっとした外国に来たような気分になれる。
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京都といえば北山杉でしょう、やっぱり。
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このシルエットっぽい写真は最近花咲ブログでやっている冬の愉しみシリーズに似てなくもないが、杉は常緑樹につき趣が異なる。
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この独特の仕立て方とその雰囲気は京都だなぁ と思ってしまうのだ。
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植物園を後にして向かったのは清水寺
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これもあるプロジェクトがあって、どうしても下見しておきたかったのだ。
目的はただひとつ。
清水寺にあるサクラの樹。
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この辺の詳しい事情はまた時期がきたらばお知らせするが、今年は全国の植物を巡って日本を北から南へと行脚することになりそうで今からとても楽しみである。
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昼飯抜きで、時間も中途半端だったのでそのまま大阪に移動した。
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これから2度漬けお断り串かつ でも食べながらビールで喉を潤そうと思う。
ではでは。
.




2011年1月20日木曜日

冬の愉しみ 風変わりなやつら
     

そんなわけで、この季節ならではの愉しみについて書いている。
   
今回の提案は、落葉樹が落葉しきったところで見えてくる本来の樹形を見てみよう ということであるが、見えてくるのは 本来 の姿ばかりとは限らない。
特に都会にいると。
   
上の写真はある落葉樹の今の姿である。
何の樹でしょうか?
   
まっすぐ伸びた幹。
短く剪定された枝。
まるで魚の骨のようである。
   
これはメタセコイヤである。
それにしても見事なまでに幹が垂直に伸びていて、幾何学的である。
モチロン、これは自然樹形ではない。
   
自然樹形は円錐形の美しい針葉樹である。
  
次はどうだ?
      


この稲妻が光ったような、怒髪が天をついたような枝は何の樹でしょうか?
これもモチロン自然樹形ではない。
   
街路樹として剪定を繰り返された結果の成れの果てである。
    
答えは トウカエデ
   
これだけでは分からないよねぇ。
   
このトウカエデのような樹形を呈する街路樹として他にプラタナス(スズカケノキ)がある。
   
気の毒な気がして同情こそすれ、美しい枝ぶりであるとは決して思わないなぁ。
  

   



2011年1月19日水曜日

冬の愉しみ サルスベリなど
    
昨日書いたように、落葉樹を見ると葉っぱがスッカリ落ちて樹の本来のカタチを知ることができる。
   
樹全体もそうだし、枝を見ているだけでもかなり特徴があるものである。
   
例えば上の写真は何だろう?
枝が細かく枝分かれして、線香花火のようなかんじになっている。
    
これはサルスベリ
サルスベリというと、そのすべすべした幹肌がなんといっても特徴的であるけど、こういう枝ぶりもなかなか特徴がある。
   
さらに自然のあるべき姿とは言い難いけど、サルスベリの場合は毎年同じ場所で枝を剪定するため、その箇所がこぶのようになって、そのこぶの先から細かい枝がでるというのも特徴であろう。
  
では下の写真はどうだろう?
    
これはクリの樹である。
枝を見てすぐにクリであるというのは難しいとは思うが、よく見れば大きなヒントがある。
  
クリのイガがまだ枝からぶら下がっているのだ。
    
これなら誰が見てもクリであると分かる。
   
要は葉っぱの落ちた枝に目を向けるかどうかなのである。
  
  


2011年1月18日火曜日

冬の愉しみ ケヤキ
     
冬らしくピリリと寒くなってきた。
とはいっても北海道や本州日本海側に比べればまだ暖かいのだろう。
   
寒いということをどうとらえるかは人それぞれである。
寒くてイヤになっちゃうなぁ と嘆くむきもあれば、
空気が澄んで良いなぁ と景色を楽しむむきもあるだろう。
   
植物に対しても
花が咲いていなくてつまらないなぁ とボヤくむきもあれば
××××× と冬ならではの楽しみを見出すむきもあるだろう。
   
さて、ここで ××××× の部分はいったいなんでしょう?
   
花咲ジジイが提案したい、冬の植物の楽しみ方その1 は 「落葉樹の樹形や枝ぶりに目をむけよう!」 ということである。
   
ケヤキイチョウモクレンなど落葉樹は冬になると葉を落として丸坊主になる。
するとその樹本来の姿かたちが良く分かるようになるというわけだ。
   
何の樹かを判断するのに、葉っぱの形や大きさ、花の色、形、実の有無などさまざまなアプローチがあるが、樹の形や枝ぶりというのも判断する上で決定的なヒントになりうる。
   
夏の間は葉っぱで隠れて見づらい樹形や枝ぶりを観察するのは、落葉した今がチャンスなのである。
   
そうやって見てみると色んなタイプがあることに気付くよ。
  
気付いた樹を幾つか紹介してみようと思うが、トップバッターは落葉樹の雄、ケヤキである。
    
ケヤキはいわずもがな街路樹などでよく見かける大木である。
枝は上のほうへ上のほうへと伸びていて、まるでバンザイをしているかのような枝ぶりが特徴である。
樹全体を見れば、ウチワを逆さにしたような形をしている。
   
枝は根元は太く、先端にいくほど細くなっていて、まるでのようにしなる。
   
ケヤキに登って剪定をしたことがあるが、上記の理由により先端にのることはできない。
猫だってケヤキの枝の先端にはのれないと思う。
高枝バサミなどを駆使してやらねば枝の先を剪定することは難しい。
   
今日は4枚のケヤキの写真を載せてみたが、それぞれの樹形が酷似しているのが分かる。
これがケヤキの典型的な樹形と枝ぶりなのである。