2011年2月2日水曜日

ゆゆしき大問題
   
 
まだ京都府立植物園の話ですかぁ・・・
なんて呆れないでいただきたい。
   
残雪もチラホラ見える寒空の下、独りで5時間ほどワッセワッセと歩いていて色んな面白い発見があったものだから黙っていられないのだ。
  
あまり花も咲いていなかったし、冬の植物園って退屈と思われるかもしれないけど、いやいやかなり面白かったのだ。
   
園内を歩いていて多くの木が腹巻のようにビニールで巻かれているのに気付いた。
ハテ、何かのおまじないだろうか?
でもこんなに大掛かりに、おまじないではなさそうだ。
   
伝統的な害虫対策の手法としてコモ巻き というものがあるが、それとも違う感じだ。
  
包帯で巻かれたミイラならぬ、サランラップに巻かれた木のオバケのようにも思える。
景観的にはよろしいものではない。
   
しばらく歩いていたらば、ようやく何が起きているのかが分かった。
木に看板が掛かっていたのだ。
   
被害防除対策実施中
近年、カシノナガキクイムシによる虫害が広がり、京都市の周辺の山にも異常が多々現れだし、多くの人の目にとまり認識されるようになりました。
当園においても、貴重な園内植栽のカシ類ナラ類の樹木に被害がではじめ、試行錯誤で種々の防除対策を実施しております
   
なるほど。
ああ、そういえばこの前京都の山が茶色に変色して調べたらミズナラが害虫被害にあって枯れはじめて大問題になっているなんていうテレビを見たっけ、と思い出した。
  
これがそうかぁ。
    
改めて見てみると木には紐が巻かれて、その紐からなにやら白い小袋がぶら下がっている。
この小袋の中に害虫対策の何かが詰まっているのだろう。
そしてその効力を閉じ込めて最大限に発揮させるためにビニールでグルグル巻きにしているのだと想像される。
   
カシノナガキクイムシは体長1センチ程度の小さな甲虫だが、彼らが直接悪さをするというより、彼らがナラ菌という病原菌を媒介するらしい。
ナラ類、シイ、カシ類などのブナ科の樹木だけを狙い打ちにするのが特徴だ。
   
秋にドングリ拾いを堪能した花咲ジジイであるが、ドングリとはブナ科の実のことであり、これが広がるとドングリ拾いどころではなくなる。
   
・・・・・まてよ。
昨年末にが人里に下りてきて色んなところでニュースになったけど、その原因は熊たちの食糧となるドングリが不作だったからだと言われていた。
となると、あの問題はこのカシノナガキクイムシという小さな虫が遠因となっているといえなくもないわけだ。
   
まぁそれだけが原因ではないとは思うが、まさに点と点が線で繋がる植物と動物を巡る大問題である。
  
  


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