2011年8月31日水曜日

マジカル東京


台風が近づいているんだそうで。

日曜日は例の子供たちとの自然観察をする予定なので、今はひたすら念ずるしかない。

さて、今日用事があって出掛けた先で興味深い場所を見つけた。

歩いていたらば植栽やデザインに凝ったエントランスのマンションを見かけて足を止めた。

「なるほどねぇ、結構凝ってんなぁ」と思って、導かれるように中へ入ってみた。

緑溢れる中庭で水路が走っていたりする。


あたりをキョロキョロしていると、建物の壁に TITANIC と書いてあって船の側面を模した黒とエンジの2色の線が目についた。
これは・・・ ひょっとしてあのレオさまの出世作、映画タイタニックをモチーフにしているのでは?
それが証拠に木樽がちょこんと置いてある。
船の甲板のようなイメージか。

さらに奥に分け入ると、なんと船の船首であろう形をしたマンションエントランスが出現した。
ここでデカプリオとケイト・ウィンズレットが両手を広げたあの名シーンが再現できるわけだ。

見れば大きな舵もついている。


なんちゅう、マンションだ。
オトナたちが真面目な顔をして企画会議繰り返し、結果これを作ろうという結論をだして、実際にこれを作ったのだろうから、かなり勇気があるといえる。
洒落っ気があるといえば良いだろうか。

花咲ブログなので植物にも目を向けてみる。
フェニックスなど南国的な植栽となっている。

テラスにはテーブルとイスがあって、その脇にはヤタイヤシ Butia yatay が存在感を放っていた。

他にもバーベキューができる場所があったりして、このマンションに暮らすと色んな出会いや交流があって楽しそうだ。

ふらりと10分程度散策したのだけど、いやいや東京ってところは色んなものがあるなぁ。








2011年8月30日火曜日

水族館にて



甥っ子、姪っ子と六本木ヒルズ52階にあるスカイアクアリウムに出掛けた。

そう、今日は水族館へ行ったよ、という話だけど、それと植物はどう関係があるのか?

水槽をご覧あれ。
見事に水草があるではないか。
かくも植物は・・・ といつものパターンで丸め込もうというわけではない。

しかし、六本木ヒルズ52階に行ったのは初めてだったが、その景色の素晴らしさにシビれた。
以前、同じヒルズに入っている某FM局を尋ねたときも、話そっちのけで窓から見える絶景に心が奪われた。
良いなぁ、こんなに景色が良い場所で仕事したらはかどっちゃうだろうなぁ。

ナントカは高いところが好きなんていうが、そう言われたって構わない。

さて、水族館とはいってもスケールはこじんまりとしていて、洒落たBGMが掛かっていたりして、水族館というよりも美術館のような感じである。
そしてカップル率の高さからもデートスポットであると分かる。

22:00までやっていて、チケットには展望台の入場料も含まれ、展望台には洒落たカフェなどもあって夜景を見ながら一杯やれるとなれば、甥っ子姪っ子と行っている場合ではない。
カクテルなんぞ飲みながら見つめ合ったりする場所なのだろう。

クラゲや魚たちが、赤や青のライトに照らされてなんともなまめかしかったりする。



で、今日の話がどのように「花咲ブログ」に関係があるかというと・・・。

水族館はこのスカイアクアリウムもそうだし、つい最近オープンした池袋サンシャイン水族館などが話題だ。
動物園も北海道旭山動物園がものすごい人気で一種の社会現象にまでなった。

植物園はどうだろう?
昨年、小石川植物園でショクダイオオコンニャクが開花したってときは、入園までに2時間ほど並んでなんてこともあったが、基本的には静かなものである。

新たな植物園が開園したなんて話も聞かないし。

なんと申しましょうか、今日本で公開されている植物園って、なんか地味なんだと思う。
決して悪く言っているわけではないよ。
でも、ああ植物園に行きたいな、またあの植物園に行きたいな、という気持ちになる人がかなり限られていて、万人にとって魅力に溢れた場所とは言い難いのはなんとも残念な気がする。

人気の水族館は魚や海獣などを展示しているんでしょ。
人気の動物園は動物や鳥などを展示しているんでしょ。

愛すべき植物たちが展示されている植物園はなんであんまり人気がないのだろう。

人気沸騰、前売りチケットがないと当日は2時間待ちは当たり前、なんていう魅力満載の植物園つくりませんか?



2011年8月29日月曜日

根っこを伸ばせ


8月も残り僅かとなった。

子供たちは宿題終わっただろうか?
聞くところによると、すでに新学期が始まっている学校もあるという。
夏はもう終わりだね。

さて、昨日八百屋さんにいって、タマネギ、長ネギ、小ネギなどを買ってきた。

何でかというと、今度の日曜日に子供たちと植物観察をするのだけど、お題が「茎と根っこ」なのだ。

根っこを見ながら、根っこの種類、役割などについて考えようと思っているのだけど、公園の植物をむやみやたらに引っこ抜くわけにはいかない。
でも、話だけでは説得力に欠ける。

そこでネギなどを買ってきて、短期間ながら水耕栽培をして根を育てて子供たちに見せようと思いついたのだ。

ネギは背が高いので、深い花瓶に水をちょっとだけ入れて挿してみた。
タマネギは、昔ヒヤシンスを育てたような要領で根の部分を水に浸けた。

花瓶には長ネギと小ネギが入っているのだけど、見ていたらば花を生けるのとはまた違った美しさがあるような気がして写真を撮ってみた。

花瓶に長ネギと小ネギですよ。
ヘンといえばヘンなんだけど、こうやってみるとなかなか魅力的だと思いませんか?

さぁ、準備も整ってきているのであとは天気が良いことを願うばかりである。
台風も近づいてきているっていうし。

あっ、このブログを見て 「日曜日のイベントに参加したいな」 と思われた方。
まだ若干空きがありますので、よろしければご参加ください。
まだ申込みは間に合います。

今回だけの参加、1回だけの参加も大歓迎ですよ。
詳細・お申込は コチラ まで!


2011年8月28日日曜日

実りの晩夏


昨日は都会のど真ん中、しかも街路樹の恵みについて書いたが、今日も別の恵みを発見したぞ。

赤くて、イチゴのような、サクランボのような、でもゴツゴツしていて昔のサッカーボールのようなものは何でしょう?

正解はヤマボウシ Cornus kousa であります。

これも街路樹として植えられていたヤマボウシの下に落ちていた。

赤くて美味しそうだが、実際食べられる。
食べたことがあるけど、ほんのりと甘いが、食感はあまり良くなく、味にもメリハリがないので美味しい!!ってものでもない。

花がよく似ているハナミズキ Cornus florida にも実が付くが、ヤマボウシとは似ても似つかずツヤツヤの赤いドングリのような形をしている。
そしてハナミズキの実は食べられない。

学名ではともに Cornus なのに、こうも違うものなのである。

昨日のトチノキといい、今日のハナミズキといい、収穫の秋を前にすでに植物たちの実りは始まっているようである。




2011年8月27日土曜日

トチノキの実



昨日のトチノキの話のつづき。

なるほど、トチノキの実ってだけでも結構たいへんなんだなぁ、と感心したのが昨日の話。

そんなトチノキの実を幾つか拾ってきた。

そう、いつものように自分の家でジックリ観察して、ゆっくりと解体してみようということである。

まず実の概観はご覧のように球形をしていて、直径は5センチほど。
レザー(皮)のような風合いで、茶色のポツポツが付いている。
このポツポツが細かい粉のようなものが集まって出来ているようで、実を触っていると手が茶色に粉っぽくなる。

実には3つの切れ込みがある。

この切れ込みに沿って皮を剥いてみると、あっさりと一枚がはがれた。
さらにもう一枚はがしてみると、中から茶色の光沢のある実が現れた。


見た目的にはクリのようだ。

しかもクリよりもややサイズは大きい。

これを集めて、栃餅、栃煎餅など食用にするのはご存知の方も多いだろう。


ただ、このまま食べられるわけではなくて、アクが強いためアク抜きをするのだが、その手間がやたらと面倒くさいと聞いたことがある。

さらに聞いた話で恐縮だが、この青山通りで 「収穫」 したトチノキの実は、港区で加工して振舞われるのだか、販売されるのだかで、とにかく人の口に最終的には収まるんだ、なんてことを小耳に挟んだ。

都心で採れたハチミツが話題をよんだこともあったけど、都会でも色んなものが収穫できるものだね。




2011年8月26日金曜日

トチノキ大作戦


今日の東京は凄かった。

何が凄かったかといえば、雨である。

テレビニュースでもトップで伝えられていたので尋常でない様子がわかる。

午前から昼過ぎまで南青山界隈にいたのだが、雨が降る気配は全くなかった。

それがあれよあれよと厚い雲が垂れ込めてきたと思ったらばバケツをひっくり返したように雨が降ってきた。
しかもカミナリをともなって。

最近のこのゲリラ豪雨とやらは本当にクレイジーだ。
猛暑もそうだが、世界の気候の歯車が狂ってきているのではないかと心配になる。

さて、南青山で高所作業車のいわゆるゴンドラに人が乗って何かをしていた。
しかも作業車は青山通りの車道ではなく、歩道に乗り上げて、数名の警備員の方々が歩行者を誘導していた。

「ははーん、街路樹の剪定作業だな」
と思ったけど、歩道には枝葉がまったく落ちてこない。

とっても気になってしばらく様子を見ていた。

街路樹はトチノキだった。

ゴンドラがトチノキの大きな葉の中へと消えていってはゴソゴソと何かをしている。

何やっているんだろうか?
でも、ちょっと想像力を働かしてみたらなんとなく謎は解けた。

つまりこういうことだと思う。

このトチノキにはわりと大きくて堅い実がなる。
街路樹のトチノキを見上げると結構たくさんの実がなっていた。


写真は写りがよくないが、トチノキの実。
大きい木なので、地上6~10メートルくらいの場所になっていて、手持ちのコンパクトデジカメではこれが精一杯だった。

このトチノキの実が高さ6~10メートルから歩道の歩行者に向かって落下することになる。

大きさは直径3~5センチほどもあり、なかなか堅いので、これが頭を直撃すれば悪くすると怪我をしかねない。

そこで区の担当者が手配して歩道に上になっているトチノキの実をできるだけ取り除いているのだ。

・・・・というのが花咲ジジイの推理だが、まず間違いないと思う。


注意して地面を見ると落下して割れたと思われる実の破片が散らばっている。

さらに見るとトチノキ完全版も幾つか見つけた。


たしかにこれが頭に当たったら痛いだろうなぁ。

しかし、これは青山通りの街路樹ですよ。
こういう作業を毎年この時期にやっているんだろうか?

警備員、作業員、作業車など作業に関わる経費だって相当なものだと思う。

そうやって考えると、この場所にトチノキを植えたことが間違っているということにならないだろうか?
苗のときはそうでもなくても、早晩硬い実が歩行者を脅かすと分かっていれば、人通りの多い青山通りに植えるべきではなかったのかもしれない。

樹形は良い、花もユニーク、葉は美しく大きい・・・と魅力的な樹なのだけどね。





2011年8月25日木曜日

ちょっと変化球


この花を見たことがありますか?

花咲ジジイは今のところ日本では見たことがない。

何かに似ていないかなぁ・・・ と想像力を逞しくして考えると、身近なところではハタケニラ(花咲ブログ2010年6月3日参照)に似ている気がするとすれば、それはかなり良い線いっている。

正解は Nectaroscordum siculum というユリ科の植物である。
Nectaroscordum siculum は学名で、和名として何かないのかと思って調べてみたが、どうも適当なものが見当たらなかった。

それだけ、日本ではまだ目新しい花といえるのではないだろうか。

英名は Sicilian honey garlic もしくは Sicilian honey lily というので、恐らく地中海シシリー島あたりが原産地なのだろう。

ニラも、ガーリック(ニンニク)も、ユリ科なので、ハタケニラを連想しても、アリウムを連想しても、良い線いっているということになるわけだ。

日本ではまだ見たことがないのだが、英国の庭園を巡ると花壇にこいつらを沢山見ることができる。

草丈が1メートルを越えるので、いわゆるボーダー花壇に映えるのだろう。

茎がにょきにょきにょきっと伸びて先端がロケットのように尖っている。
それがしばらくすると先端の薄い皮が破けて下の写真のように尖った小さなつぼみが沢山付く。


それが咲くと一番上の写真のようになるわけだ。

花はクリーム色というか、いわゆるアースカラーでとりわけ目立つわけではない。
このシックな色と、主張の強いフォルムが好まれているのだろう。

英名でシシリアン・ハニー・ガーリックというように、花には沢山の蜜を蓄えているのだと思われる。
ミツバチたちがせっせと蜜を集めている光景もよく見かけることができる。


花壇に植える花として、パンジー、サルビア、マリーゴールドなど王道を行くのもモチロン悪くない。
でもときどき何か変化球があると楽しいよね。




2011年8月24日水曜日

「農耕と園芸」


さて今日は花咲ジジイからお知らせがあります。

現在発売中の 「農耕と園芸」9月号(誠文堂新光社) にて、花咲ジジイが時々開催告知をしている親子自然観察イベント 「自分だけの植物図鑑を作ろう!」 が4ページに渡って紹介されております。

しかもカラーです!

この「農耕と園芸」というタイトルからもかなりシブい感じが漂っているが近所の本屋さんなど5軒ほど回ったが 「ありません」「置いてません」 などと冷たいことを言われ、6軒目にいった大型書店でついに確認することができた。

普通の書店にも置かれる普通の雑誌なはずなのだが、探すのに案外苦労してしまった。

是非手にとって子供たちが楽しそうに自然観察している様子を見ていただきたい。

ちなみに掲載されているのは108~111ページ。

ああっ、面白そうだな と思った方、次回は9月4日(日)10:00~12:00 @日比谷公園です。
お申込、お問合せは コチラ まで、どうぞ。
まだ若干の空きがあります。



2011年8月23日火曜日

ご自由にお持ち下さい


近所を散歩していたときのこと。

とあるお宅の前に箱が置いてあった。

「ご自由にお持ち下さい」
と書いてあって、中に袋がいくつか入っていた。

なんだろう?

そう思って近づいてみると
「水仙の球根です。
素人栽培なので花芽がつくかどうか分かりませんが、
ご自由にお持ち下さい。」
とあった。

以前もフウセンカズラのタネを置いてあるお宅があったが、こうやって自分が育てたものを他の人に分けて楽しんでもらうというのはなんともステキな発想であると思う。

このような好意は、家庭菜園をやっている人に多く見られるように思う。

自分が丹精こめて作り上げたものを、自分だけで楽しむのではなく他の人ととも分かち合う。

さらにそこで会話が生まれ、人付き合いも出てくる。

犬を散歩に連れていくと、同じように犬を連れて散歩している人と挨拶を交わしたりする。

犬を連れていない場合、電車で乗り合わせた他人と挨拶することはない。
人と人の間に犬がいるから挨拶がなりたつというのはよくあること。

同様に、植物を介して良い人間関係が生まれるというのは、植物の優れた一面であると思うのだけど。



2011年8月22日月曜日

一足早い秋のお知らせ


気温が低めなのも今日までということのようで、明日からまた30度越えなんだそうだ。

暦の上では秋ということで、ちょっと気が早いが花咲ジジイから秋のお知らせです。

秋から冬は花はあまり咲いていないし、落葉樹の葉は落ちてしまったりして、あまり楽しいことはないのではないかというむきもある。

しかし、そんなことないですよ。
面白いことは沢山ありますよ。
ドングリ拾い、落葉拾いなどは王道だが、冬芽といって落葉樹の木の枝の先をみると彼らが越冬して春の準備をしていることが分かるし、木の幹肌を見ていても楽しい。

上の写真はカゴノキ Litsea lancifolia
カゴノキは 「籠の木」 ではなくて 「鹿子の木」 であります。
なんでかといえば、この木の幹肌のまだら模様が小鹿の背中の模様に似ているからだといわれている。

そんな知っているとちょっと楽しい知識をちりばめつつ秋から冬の散歩が楽しくなるお話しをします。


2011年10月8日(土) 
13:00~15:00
於:ニールズヤード表参道校
「植物の愉しみ 秋~冬の植物のはなし」

詳細・お申込はコチラまで。
・・・・・・・・・・・・・・↑↑↑・・・・



2011年8月21日日曜日

宿題かけこみ寺


8月21日。

子供たちの夏休みも残り僅かとなった。

学校の宿題だけならまだしも、塾の宿題のある子供は大変だし、受験ともなればさらに輪をかけて大変だと思う。

花咲ジジイは花咲ジジイなりに大変ではあるが、宿題、受験という大変さとは異なる。
正直申し上げて、このへんについてはあまり良い思い出がないので、オトナになってよかったなぁと思う。

つい数日前、とあるクリニックに花咲ジジイはいた。

魚の目をとってもらうべく時々通っているのだが、そこの待ち合わせ室で
「あら、花咲ジイサン。こんにちは。」
と声を掛けられた。

偶然にも子供向け自然観察イベント 「自分だけの植物図鑑を作ろう!!」に参加した女の子とそのお母さんがいらしたのだった。

しばし世間話をして、次回の植物図鑑は9月4日であるとシッカリと宣伝をしておいた。

するとそのお母さんが 「教えていただきたいんですけど・・・」と切り出した。

ご長男の宿題に、花と実がなっている植物の観察スケッチをしなくてはならないのだが、今花と実がなっている植物は何があるんでしょうか、というものだった。

突然ではあったが、目を閉じて散歩コースを思い出してみた。

ゴーヤなんかどうです? 黄色い花とゴーヤの実がなっていますよ。

でも、次がなかなかでてこなかった。
アサガオとか・・・

とっさに尋ねられてもパッパッと出てくるのがプロというもの。

とりあえずゴーヤで納得してもらったが、散歩すれば色々見つかるはずですよと付け加えた。

もっとたくさんあるはずだよ。
そう思って、夕方散歩にでてみると、オシロイバナ、ダリア、カンナなどなどいくらでも見つかる。


そのうちのひとつが白い花とオレンジの実が特徴的なフユサンゴ Solanum pseudo-capsicum である。
別名ビッグボーイともいわれ、どこかのハンバーグ屋さんのような名前がついている。

花は5枚の花びらが反り返っていて、ナス科の特徴がモロに出ている。

やっぱり散歩だよなぁ、身近な植物に気付くには。

各ご家庭で夏休みの宿題に苦戦していらっしゃることと思うが、植物に関することであればどうぞコメント欄でも、メールでもお気軽に花咲ジジイにお尋ね下さい。





2011年8月20日土曜日

夏ゆく・・・


暑さが一段落してほっとしているのは僕だけだろうか?

暑い季節には暑く、寒い季節には寒く、とメリハリが大切だとは思うが、コトには程度ってものがある。

節電が叫ばれる今夏、いわゆるひんやりジェルマットを買ってみた。

ところが一昨日南の島から帰って、蒸し風呂のような部屋で寝ようとしてこのマットに横たわったらば、マットがひんやりどころか暖かく蓄熱していやがった。

言葉が悪くて申し訳ない。
でも 「いやがった」 と言いたくなるくらいどこもかしこも蒸し暑くてイライラしたのだ。

そんなイライラもあって、今日の涼しさは溜飲が下がる思いである。

夜、近所に散歩に出掛けたらば草むらからは リーリーリー と虫の鳴く音がした。

おおっー、秋じゃんか!

言葉が悪くて申し訳ない。
でも 「じゃんか!」 と言いたくなるくらい秋が待ち遠しい気分なのである。

子供たちの夏休みも残り僅かとなった。
そろそろお尻に火がついて焦りはじめたころではないだろうか。

一番上の写真は畑にトウモロコシが密生している。
7月15日に撮ったものだ。

それが今はどうなっているかというと、まっさらの更地状態になっている。



腹立つくらいに暑いとか言っておきながら、少しづつ去りゆく夏に一抹の寂しさを禁じえないヘンな気分だ。




2011年8月19日金曜日

パパイヤ


東京地方は今日は雨でした。

予報が雨だったのに、朝起きたときにはそんな気配もなくて 「ホントに降るのか?」 と懐疑的だったのですが、シッカリと降りました。
降ったお陰で気温が朝の晴れていたときよりも下がって過ごしやすい一日となりました。

植物たちもホッとしただろうなぁ。

さて、今日から通常営業しておりますが、ちょっと紹介したい南の島の植物が残っていたのでその余韻を少々。

このクワの葉のようなのは何の植物の葉かお分かりだろうか?

これはパパイヤ Carica papaya だ。

そう、オレンジ色の果肉にレモンなどを垂らしていただくあのフルーツのパパイヤだ。

葉っぱはこんな感じで、複雑な切れ込みが入っている。
しかも大きい。

大きさはそうだな、大人の顔なんかはスッポリ隠れてしまうくらいの大きさである。

一本の幹がする~っと伸びて、その先端に葉が茂っている。


葉のつけねをよく見ると小さな花が咲いているのが分かるだろうか。
赤い矢印の先がそうだ。

受粉、受精が終わると青い実が幹そのものにぶら下がって成熟していく。


幹に実がなるその様子は、カカオに似ている気がする。
あるいは芽キャベツができる様子と似てなくもない。

こういったパパイヤがここそこに自生しているあたりが南の島だなぁと思う所以である。

因みに、最近自分の中でマイブームとなっているタイ料理にソムタムというものがある。
ご存知の方もいらっしゃると思うが、これはいわゆるパパイヤサラダである。

実がまだ青い時期に収穫して、果肉を細切りにしたシャキシャキとした食感の楽しいサラダ。
唐辛子のせいか、すごく辛くて刺激的な一品で、舌がビリビリする。

その火照った舌を癒すべく冷えたビールをグイッとやるのだけど、汗をかきかき食べるこれがやめられなくなってしまった。

これのどこがパパイヤなのか?とフルーツとしてのパパイヤに馴染んだ人は思うだろうけど、サラダになるように野菜として活躍の場が広いのもパパイヤのユニークなところである。







2011年8月18日木曜日

南の島から戻りました


こんばんは。

たった今、南の島から戻りました。

戻った部屋の温度計が33.6度を示していて、呼吸をするのも辛いほどムッとしていたのにはホトホト閉口した。

間違いなく南の島よりも蒸し暑い。

陽射しの強さは圧倒的に南の島だけど、湿度の高さによる不快指数は明らかに東京に軍配があがり、劣悪であると思う。

その暑さも週末あたりから和らぐというので期待したいところである。

さて、南国の植物をチラチラと見てきたけど、なんといっても典型的なのがヤシの類だと思う。

一言でヤシといっても、ヤシ科の植物だけで200属をこえる種類があるのですぐにそれがなんのヤシなのか同定する自信はない。

とにかく「南国っぽいなぁ」と、子供のような感想しかすぐに頭に浮かばないのがちょっと情けなくもある。

でも知っていることもあるぞ。
ヤシは単子葉といって、種から一番最初に出てくる葉っぱが一枚なのだ。

そしてヤシの実はご存知のように硬くて肉厚な皮に守られて、それが波にさらわれてプカプカと旅をして別の島に流れ着いてそこで芽をだす。
そうやってヤシはテリトリーを広げていくのだ。

知っている知識を裏付けるようなものが、偶然落ちていた。

芽を出したばかりのヤシ。

葉っぱを見れば葉脈も平行脈といって、単子葉の特徴が現れているのが分かる。

こういうものがゴロゴロ落ちているんだから面白い。

花咲ジジイの子供向け自然観察イベント 「自分だけの植物図鑑をつくろう!!」 も、南の島でやったら随分ユニークな図鑑ができると思う。

さぁ、明日からまた心機一転頑張るぞう。


2011年8月17日水曜日

南の島にて 4

南の島では、時間の流れかたが独特な気がする。

なんてことのない夕暮れ時に海をみているだけで、その表情が刻々と入れ替わる。

子供のころ、インド西部のボンベイ(現ムンバイ)に暮らしていたときに、インド洋に沈む夕日を毎日見ていたのだけど、子供心にその美しさ、神秘的なさまにため息をついたものだ。

この3枚の写真も同一日の2時間くらいの間に撮ったものだけど、まったく趣が異なる。

ビールを飲みながらこんな風景を見ていると、都会の喧騒を忘れるね。
なんともリラックスできるひとときだった。

しかし日中の陽射しの強さはハンパではなく、パラソルの下に避難していたつもりが、膝から下がはみ出ていたようで、はみ出た部分だけ真っ赤に日焼けしてしまった。
もはや「やけど」の状態で、ヒリヒリして夜も痛くて起きるほど。
恐るべし紫外線。

そんななか、南国の植物たちは強い紫外線にも負けることなく元気にしていた。

南国特有のスコールというやつか、突如黒くて厚い雲がでてきたと思ったらば、ザーッとすごい勢いで雨が降る。
そして数分後にはサッとやんだりする。
誰かが水をやらなくても、植物たち十分潤っている様子だった。

南国特有の植物も沢山あったが、その全てを同定することもできず、何枚か気付いたところで写真を撮った。

例えば、このタコノキはその名のとおりタコのように足が沢山出ている。
これは 支柱根 という根の一種で、自らを支えるために発達した根なのだ。

海沿いってこともあってスコールなどと同様、強い海風が吹いても、この支柱根でガッシリと支えているので倒れなくてすむということだ。

こんなのは都内では見掛けないなぁ。

都内でも頻繁に見掛けるのは、このランタナだろう。
最近よく見掛けるなぁと思っていたら、こういう南国の暑くて日差しの強い環境こそが彼らが好む環境なのだと分かる。

なので年々暑さが厳しくなる東京でも涼しい顔をして元気に花を咲かせているのだろう。

・・・ということで、腰を据えて長期間この場にとどまって精力的に植物観察を行えば色んな発見があると思うが、とりあえず今回はサワリ程度に留めて明日には東京に戻る予定である。

近いようで遠い南国、遠いようで近い南国。
ヒリヒリとしたスネと肩をさすりながら、通常営業に向け気合をいれる次第であります。