2011年10月31日月曜日

ハロウィン


日曜日のことだった。

仕事に向かうため朝7時過ぎの地下鉄に乗ろうとしていたらば、妙に彫りの深い顔つきの男性が歩いてきた。

外国の方と一目で分かった。
でも、そのいでたちが変わっていた。

ヘルメット、鉢巻風のタオル、作業着、黄色のリフレクター付き安全ベスト、太い作業ズボン、地下足袋・・・。

僕はてっきり工事現場で働く出稼ぎの外国人なのだな、と思った。

「こんな朝早くから、しかも現場でもないのにこのいでたち、ご苦労様」 と心の中で思った。

しかし、そんな日本人の伝統的労働スタイルがキマる外国人もいるんだなぁ、などと変に感心して電車に乗り込んだ。

電車の席の隣に座っていた外国人のお兄さんはボロボロのジーパンを履いて、口元から血を出していた。
血はどうやらメーキャップのようだった。

さらには、車両を移動するために歩いてきた日本人女性2名組もエラく短いスカート、エラく派手なお化粧と早朝とは思えないド派手振りを発揮していた。

しばらくたってから、ようやく何が起きているのか腑に落ちた。

それは日曜日の早朝であった。
察するに土曜日の夜からほぼオールナイトで、ハロウィンパーティーと称して盛り上がり、徹夜明けで家路に着こうという人々に遭遇したのだと思う。

ハロウィンと仮装というのはかなり関係が深そうだ。
だからヘンテコな格好をした人たちに日曜の早朝から遭遇したのだろう。

しかし、このハロウィンというのは、何回説明されても何なのかが良く分からない。

仮装をして出掛けて羽目を外したいとも思わない。
カボチャをくり貫いて遊んでみたいともあまり思わない。

年をとっちまったってことなんだろうか?
感受性もだんだん錆びてきちまったってことなんだろうか?

年々盛んになるハロウィンにちょっとついていけない一抹の寂しさを感じてしまうなぁ。

今日はハロウィン。
あなたは何か特別なことをしましたか?



2011年10月30日日曜日

フォックスフェイス



世の中には変わった植物があるものである。

花屋さんの店先で良く見掛けるが、近所の原っぱで見掛けたなんてことはない。

一体これはなんなんだろう?

まぁ、植物の実であるということはスグに分かる。

これはキツネの顔に似ているので、フォックスフェイス。
ぴょんぴょんと突き出ているのが角のようなのでツノナス。

フォックスフェイス、ツノナス といった呼び方があるようだが、
学名は Solanum mammosum という。

学名のソラナムからも分かるようにナス科の植物であるらしい。
ツノナスという名前にも 『ナス』 という言葉が入っているし。

生け花や、フラワーアレンジメントなどの花材としては面白いかもしれないけど、こんな主張の強い実が自分の庭先にあったらばどんなものだろうか。



2011年10月29日土曜日

天罰?


目が痛い。

何かと言うと、庭仕事をしていてナンテンなど剪定していたときのこと。

剪定したあとの葉っぱなどを片付けようと屈んで葉っぱをかき集めていた。

すると剪定したばかりのナンテンの枝がしなって、ピシッと僕の左目を直撃した。

思わずその場にうずくまった。

痛いのなんの、どうして良いか分からずにその場にうずくまってしまった。

心配したのは、かなり深刻に目を傷つけてしまったのではないかということ。
でも、枝がしなって鞭のようにして目を打ったのであって、先端が刺さったわけではないので、恐らく大丈夫だろう、と。

一応見えるし。

ポロポロと流れ出る涙を抑えることが出来なかった。

こういうときに思うのは、ナンテンを剪定した罰があたったのではないか、ということ。

植物も生き物であるので、それなりに敬意を表して剪定なりをするべきである。

それを、おらおらバリバリ切っちゃうゾ、みたいな不遜な態度でいるとこういう罰があたるのでないだろうか。

ナンテンさん、ゴメンね。
でもこうやってスッキリすれば、また来年のびのびと生長できるんだよ。
だからこの辺の枝を落とすよ・・・

というような心の中で植物との対話が必要なのではないだろうか。

大木を伐採するときなどは、お酒とお塩で清めてから伐採する。
場合によっては、神主さんにお願いをしてお払いをしてから伐採するなんてこともある。

幸いにして失明には至らなかった、痛む左目をパチパチ瞬きさせながら、そんなことを考えてしまう今日の一件でありました。

写真は雨に濡れたカラスウリ。
本文とはまったく関係がないなぁ。




2011年10月28日金曜日

旬のめぐみカレー


またしても植物にかこつけた食べ物ネタか、と思わないでいただきたい今日の話。

表参道にブラウンライスカフェという自然素材を扱ったカフェがある。

ここで 『旬のめぐみカレー』 なるものをいただいた。

秋の野菜がたっぷりと入ったカレーで、レント豆だろうか、小さなツブツブの豆の歯ごたえも楽しい。
御飯は玄米だろうか。

とにもかくにも身体に良さそうなカレーである。

一食だけこれを食べたところで日頃の不摂生で毒された身体が清められるとは思わないが、気分的にはかなり疲労回復、健康増進したような気になった。
普段は食べない「つま」のパセリなんかもムシャムシャと豪快に食べちゃったりして。

メニュー名にもあるように、旬のめぐみな訳で、例えば付合わせに出てきた小皿にはキクとシュンギクの菊つくしが秋の気分を盛り上げていた。


そういわれてみると、キクって花ごと食べられるんだなぁ、なんて当たり前といえば当たり前、ビックリといえばビックリ。

来る11月3日(祝)には、ホールフードマーケットといって、自然食とその生産者さんたちが集うちょっとしたフェスティバルがあるとのこと。

ご興味のある方は、秋の表参道をそぞろ歩くついでに寄ってみてはいかがだろうか?

僕もちょいと立ち寄ってみようと思っている。



2011年10月27日木曜日

いいことあった日、花を買う


丸の内仲通りガーデンニングショーなるものをその名のとおり、丸の内仲通りで開催している。

丁度、有楽町から丸の内までぶらぶらと散歩するのにもってこいの距離と雰囲気である。
今月30日まで。

当面は天気が良いとのことなので散歩がてら出掛けてみてはいかがだろうか。

さて、この前はイベントの一環として花のせりを再現して、集まったお客さんが楽しく花を買っていた。

周りにいたスタッフの方々が着ていたジャンパー(ブルゾンとか言っちゃったりするのだろうか?)に目が留まった。

『いいことあった日、花を買う』

なんか素敵なコピーである。

これは 財団法人花普及センター が一般公募で選んだコミュニケーションワードというものらしい。

この前、関連団体の方々と話す機会があったのであまり深く考えずに図々しいことを言ってしまった。

『いいことあった日、花を買う』 はとても良いと思うけど、いいことがないと花が買えなくなってしまう。
『いいことなくても花を買う』『花を買うといいことがある』くらい強気でいったらどうなんだろうか、と。

なんとも生意気、かつセンスのかけらもない発言でありましたが、特別なことがなくても花が生活のなかに存在するのが良いよねって思った次第。

そんな自分の日々の生活に花はあるかなぁ・・・。



2011年10月26日水曜日

ツリークライミング


現在開催中の日比谷公園ガーデニングショウで、ここ数年定期的にやっているのがツリークライミングであります。

ツリークライミングとは、簡単に言ってしまえば 「木登り」 なのだけど、木にロープを張って自身はハーネスを付けるあたりが従来の古典的木登りとは一線を画する。

これによって木に負担をかけずに、自身も安全に木に登ることができる。

レジャーとして登ることもモチロンだけど、高木の剪定を専門にやる人にとっては必須の技術である。

だってこれによって、従来は体重のためにたどり着けなかった細い枝の先にだって降り立つことができるのだ。

僕は英国の植物園でこのツリークライミングの手法を使って高木のメンテナンスをしていたことがある。

不謹慎かもしれないが、もう楽しくて楽しくて仕方がなかった。
木登りがこんなにも楽しいのかと。

木の上からの景色は格別だし、途中で水筒のお茶を飲んだりチョコレートを頬張ったりすると、なんでもかんでもべらぼーに美味しかった。

最近はこのやり方を使う場面がなくて、ご無沙汰しているのだけど、日比谷で子供たちが楽しそうに木に登る様子をみていて、俄然血が騒いだ。

いいなー、やりたいなー。




2011年10月25日火曜日

ビックリ価格にビックリ


どことは具体的な場所は申しません。

とにかくビックリです。

何にか、といえば、そのお値段です。


例えば白い花が雰囲気のあるフランネルフラワーが鉢に入っていて2,100円!


赤っぽいビオラが鉢に入っていて1,050円!!


ミントが鉢に入って1,575円!!!

と、すべてビックリ価格です。
スゲーと思わず口をポカンとあけて眺め入ってしまいました。

鉢に入っているけど、その鉢が特別なのかといえばそうでもなさそうだし、植物そのものが希少品種かといえばそうでもなさそう。
むしろビオラなんかはどこでもあるタイプのビオラとしか思えない。

このご時勢にかなり強気の値段設定であります。

売れるのかなぁ、などとと他人事ながら心配してしまいましした。

でも、こことはまったく別の場所で、ヒューケラの寄せ植え(ヒューケラのみ)が直径20センチくらいのプラスチック鉢に入って8,000円ほどで売っていたのをみたことがあるのだけど、お値段を気にせずにバンバン買い物をする景気の良い御仁も世の中にはいるってことですね。

なんかフクザツな気持ちになるのは何故でしょう?




2011年10月24日月曜日

『自分だけの植物図鑑を作ろう!』最終回のお知らせ


今日は暖かかった。
というか、暑かった。

信じてもらえるかは別としてセミが鳴いているのを聞いた。

ホント。

もう10月も終わりだというのに。

暖かさの一方で秋は少しづつ深まっている。

昨日は、日比谷公園に 『自分だけの植物図鑑を作ろう!』 の下見に出掛けた。

温かいせいもあって、心なしかドングリをはじめとして実の生長が遅い気がした。

でもイベントは11月6日(日)に迫っている。

あと10日くらいでグググッと秋が深まることを期待したいものだ。

というわけで、これまでも何回かこのブログで告知をしてきた、親子参加型自然観察イベント 『自分だけの植物図鑑を作ろう!』も、いよいよ【実】を図鑑に加えることでフィナーレを迎える。

これまで【葉】【花】【茎・根】とやってきた4回シリーズの締めくくりだけど、もちろん最終回のみの参加もOK。

最終回はグッと楽しく東京のド真ん中、日比谷公園でドングリ拾いをしようと思っている。

加えて、公園内で見ることのできるさまざまな実について観察して解説も加えていく。

たまたまこの前、とある御宅のお庭でオレンジ色に熟したカラスウリの実が沢山なっていたので頂いてきた。

これらも使って、改めて実りの秋を考えてみようと思う。

『自分だけの植物図鑑を作ろう!』詳細・お申込は コチラ まで。
                               ↑↑↑


2011年10月23日日曜日

8-7


最近はなかなか忙しくしていて、疲労も積み重なっている気がする。

例えば電車で降りる駅を寝過ごしてしまい慌てて戻るとか、今朝も自然と目が覚めたのだけど、もうちょっとだけ・・・と思って目覚まし時計を握り締めたまま眠ってしまった。

ハッと気付くと電車に乗っているはすの時間だった。

マズイ!! と大慌てで家を飛び出した。

今まで寝過ごしたり、寝坊したりといったことはほとんどない生き方をしてきたつもりなのに・・・。

疲労たって、大したことはない。
世の中にはもっともっと頑張っている人がいるわけで、この程度で疲れたなんて言っていたらばバチが当たるってもんだ。

気合が足りないのだ、恐らく。

今朝はとある場所で植栽工事、その他もろもろをしていた。
これは時間に制限のある仕事であったので、かなり緊張して取り組んだ。

どうにかこうにかその仕事をやり終えて、昼食を取った後は日比谷へ向かった。

毎年恒例の日比谷ガーデニングショウをやっているから、ということもあるが、むしろ来る11月6日に予定している子供たちとのドングリ拾い『自分だけの植物図鑑を作ろう!!』の下見をしたかったのだ。

そしてついでに丸の内でも行われている、庭の展示などを眺めて向かったのはHUBというパブだった。

ご存知の方もいらっしゃるだろうが、今日はラグビーワールドカップの決勝戦だった。
ニュージーランド対フランス。

試合開始は17時だったけど、重い荷物を抱えて疲労困憊だったこともあって、16時にはパブの特等席を確保して一人で飲み始めた。

疲れていたこともあって、酔いがまわるのも心なしか早かった気がする。

このブログは花咲ブログにつき、ラグビーにはあまり深入りすべきではないが、それでもちょっとだけ書いておこう。

日本ラグビーは予選リーグで姿を消した。
そういう意味では残念至極であるが、あとは世界最高のラグビーの試合が3週間ほどにわたって楽しめた。

これはCSのJスポーツというチャンネルで観ることが出来るが、生憎我が家にCSをひいていないので、ワールドカップラグビー全試合放映するというパブにまめまめしく通った。

一番残念だったのは、今大会絶好調のウェールズが準決勝で姿を消してしまったこと。
その原因ともいえるウェールズ主将ウォーバートンの危険なタックルによる一発退場はあまりに酷だった。

危険なタックルかもしれないが、闘志溢れるナイスタックルとは本当に紙一重だと思う。

ウェールズ人の親しい友人に早速メールしたが、本人は傷心のため返事できないのか、奥さんから返事がくるなんてこともあった。

もし退場の一件がなければ、ひょっとするとウェールズは今大会優勝していたかもしれない。
残念。

そして今日の決勝戦はすごかった。
予選プールでもNZとフランスは同組ですでに対戦したが、そのときは37-17と大差でNZが勝利した。

しかし世界一を決める試合となると、ここまで力が拮抗するものなのかと驚いた。
フランスはディフェンスが良かった。
NZも決勝という大舞台のためか地に足がつかない戦いぶり。

結局8-7という僅か1点差でNZが優勝した。

いやー興奮したねぇ。

もちろんビールもすすんだ。
お腹もすいたので、フライドポテトを頼んだ。

一応ブリティッシュパブなので、モルトビネガーが置いてあった。

Sarson' というもので、英国どこへ行っても必ずでてくるモルトビネガーだ。

これを大量にバシャバシャとフライドポテトにかけて食べる。
(因みに英国ではフライドポテトとは言わずにチップスという)

モルトビネガーっていうだけあって、大麦の麦芽から出来ている。

疲労感、ほろ酔い感、最高峰のラグビーを観た高揚感などなどからとても満たされた気分で家路についた。

疲れていたけど座らなかった。
だって、また寝過ごすとかなりの自己嫌悪だから。




2011年10月22日土曜日

秋の花屋さん


現在、花壇を作ろうという案件を幾つか抱えている。

理想の植栽プランは頭の中にあるにはあるけど、それが手に入るか、それが見頃であるか、といったことは別の問題である。

理想の植栽プランはそれとして、実際にどんなものが現在花屋さんで手に入るのかということをリサーチしに出掛けてみた。

当然ながら、先日ご紹介した秋の七草に関係のある、ナデシコ、フジバカマ、キキョウなどもあるにはあるが、圧倒的なシェアを誇っていたのは、パンジーとマリーゴールドであった。

たくさんのマリーゴールドに蝶が集まっている様子は先日お伝えしたとおり。

そして色とりどりのパンジー、あるいはビオラがお店を席巻していた。

これからの気候でも元気に咲いて、手入れが楽で、花の咲く期間が長く、そしてお値段も良心的、となるとマリーゴールドとパンジーなんだろう。

それぞれ悪くはない、というかカワイイ花だとは思うけど、その花壇プロジェクトにおいてはイメージとかなり異なってしまうんだよねぇ。

花の種類が限られてしまうこの季節の植栽プランには手を焼くが、一応イメージは固まったので着手しようと思う。

どんな花壇ができるかお楽しみに。



2011年10月21日金曜日

ハロウィン迫る


最近街を歩いているとカボチャをよく見掛ける。

なぜかといえば、それはハロウィンが近いからだろう。

でもハロウィンがいつで、それが一体何なのかを明快にすらすらと答えられる人は少ないと思われる。

そう、ハロウィンは欧米では定着しているが、日本で騒がれるようになったのは最近のことだ。

バレンタイン、クリスマスなどの季節イベントとして盛り上がれば経済効果も見込めるという魂胆がなんとなく見え隠れしなくもない。

ハロウィンといえばカボチャなのだ、と詳しく知らない人でも条件反射的に知っている。

なので街を歩けばカボチャを見掛けるのだろう。

そんな中、この前見かけたのは、その名も 『おばけカボチャ』 というもので、お値段ナント630円!

ちょっとした高級ブドウが買えるお値段である。

気分が盛り上げるから5個買っちゃおうかな、なんてすると3000円。

確かに経済効果はありそうである。




2011年10月20日木曜日

草のニオイ


多摩川ネタが続いていて恐縮であるが、実際いろんな発見があったのだ。

今日の話はニオイの話。

テーマがとても大きくてこんなケチなブログで気軽に話せる内容ではないのは承知で。

多摩川を自転車で走っていたらば、突然周囲のニオイが変わったのに気付いた。
なんだろう?

その正体が分かるのにそれほど時間は要さなかった。

それは草を刈ったあとのニオイだったのだ。

ご覧いただければ分かるように、川の土手が一面茶色っぽくなっている。
これは草を刈った後、放置された草が変色してこうなったのだ。


そして草刈をしたあとの独特のニオイが漂っていた。

僕はこのニオイは嫌いではない。
自分で汗を流して草刈をしたことを鮮明に思い出す。

良いニオイかと言えばそうではないと思うが嫌いではないニオイというのは世の中に間違いなく存在する。

草のニオイ、堆肥のニオイ、乾いた土に雨が降って湿ったときのニオイ、芝刈りのニオイ、落葉焚きのニオイ・・・
最近の我々はデオドラント、つまり消臭に腐心して、自然に存在するニオイすら消そうとしているか、もしくは敬遠しようとしている。

自然にあるものなんだから、それはそれで味わいがあって良いニオイだと思う。
むしろ香水がプンプン香るほうがクサイと思うのだけれど。

庭仕事をしたり、外を散歩していると、いろんな自然のニオイに出会う。

これも庭仕事や散歩の醍醐味だと思うのだけど。




2011年10月19日水曜日

秋の七草


10月だってのに、30度近くまで気温が上がって、マラソン大会参加者の何人かが熱中症で搬送された・・・というのはこの前の日曜日の話だ。

そして今日は朝から気温は低めで半袖一枚で家を飛び出した僕はちょっと後悔したのだけど、そのうち暖かくなるだろう、と気楽に考えていた。

結果として終日肌寒い感じで、おまけに日が射さなかったせいか、4時過ぎにはどっぷりと暗くなるという始末だった。

季節はずれの夏日から、わずか3日ですよ。

身体がなかなかついていかないという方が多いのではないだろうか。

気温がこうやって低くなると、紅葉は進むだろうなぁ。

でも明日はまた少し暖かくなるのだそうで、本当に調子が狂う。

さて前置きが長くなったが 「秋の七草」 をご存知だろうか。

案外すらすらと諳んじることができる人は少ないのではないか。
  • ハギ
  • ススキ
  • クズ
  • オミナエシ
  • フジバカマ
  • ナデシコ
  • キキョウ
なーんて、すらすら書いているようだけど、「あれっ、あと一個なんだっけ?」と調べたりしているので、実はたいしたことはないのだ。

こうやって見ると、なんでこの7つが秋の七草に抜擢されたのか首を傾げたくなるやつも入っている。

だったら、キンモクセイを入れておくべきでは?
などというのは野暮というものなのだろう。

春の七草は、七草がゆにしたりして 「食べる」 ことを主眼に置いているが、秋の七草は目で「鑑賞する」ことが基準になっているのが興味深いところだ。

このまえ通りかかった空き地では、ススキの穂が風に揺れ、クズが一帯を覆っていた。

赤く囲ったのがススキ、黄色がクズである。


その気になってキョロキョロしながら散歩をすれば、秋の七草に出会えるかもしれない。

小学生が夏休みにポケモンスタンプを集めるためにJRや私鉄の駅をめぐる光景をよく見掛けたが、ポケモンよりも「秋の七草カード」を作って、7つの植物たちを見つけるなんてことが小学生の間でブームになれば、植物たちにもっと興味をもってもらえるきっかけになる気がするんだけどなぁ。

これからのシーズンであれば、『ドングリ10戦士を探せ!』『紅葉・黄葉7姫大集合!』とか。
入り口はともかく、興味を持ってもらうことがまず大切だと思うんだけど。

これまでキンモクセイのバナーを使っていましたが、そろそろキンモクセイも終わりなのでハロウィンを意識したバナーに換えてみました。



2011年10月18日火曜日

ニコタマの乱


再開発が進んで生まれ変わった街、二子多摩川が今とても熱い、なんてことをテレビでも雑誌でもよく見掛ける。

駅周辺には洒落たお店やレストランが軒を連ねる。

誰が名付けたのか、その名も ニコタマ。

東京住まいの方にとっては普通の呼称なのだけど、知らない人が聞くとなぜか赤面するという不思議な地名である。

以前から多摩川沿いを自転車で通るたびに、景色が変貌していくので、どんな風になるんだろうなぁとは思っていた。

別に住んでいるわけではないので、特に期待もせず、単純にどうなるんだろうなぁという程度だった。

ところが住んでいらっしゃる方にしてみれば、高層マンションが引き起こす日照権の問題、電波障害の問題、交通渋滞の問題などなど、問題山積でかなりのストレスなのだろう。

もともとニコタマ、もとい二子多摩川は良くも悪くも田舎的なところがあったはずだ。
花咲ジジイが子供の頃は世田谷には田んぼが結構あったんだから。

ところが最近になって俄然このニコタマが注目され、一気に開発が進んだ。
従来住んでいた人たちはその急激な変貌に面食らったに違いない。

結果として近所の景観がどんどん変わっていくという問題に直面したわけだ。

ニコタマの川沿いには色んな種類のたて看板、垂れ幕、ポスターなどなどで、しきりに「自然を壊すな!」と訴えている。

中には
ここが名曲「王将」誕生の地 詩人西条八十 歌手村田秀雄
なんて張り紙も混じっていたけど。

「桜や松を切るな!これ以上自然を壊すな!!」

「ぼくたちを国交省から守って!!」

などなどさまざまである。




確かに不要に伐採するのは良くない。
でもこうやって垂れ幕を掛けられて、ポンポンのようなもので飾られて、短冊みたいにメッセージを掛けられたサクラの本意はいかばかりだろうか?

「ぼくたちを国交省から守って!!」
ってかなり具体的だけど、この張り紙を果たして樹木たちは歓迎しているのだろうか?

あたり一面、シュプレヒコールが聞こえてきそうなくらい、にぎやかな張り紙地帯を歩いてフトそんなことを思った。




2011年10月17日月曜日

カッコ良いオウチ


この前見かけたオウチ。

築浅の白いオウチ。

白い建物もさることながら、オウチの周りを数種類の大きなコニファーが取り囲んでいた。

花を愉しむことはできないが、常緑だし、なんといっても円錐形の樹形が目を引く。

造形的にもなかなかカッチョいい。


オウチの中が外から見えにくくするという、 目隠し効果もある。

しかし、このオウチの場合は問題も多いのではないかなと想像してみた。

まず大きなコニファーがお互いに近いこと。
これよりも大きくなる場合もあると思うが、手入れも大変だろうし、木と木が重なったところは蒸れてしまって、枯れこんでしまう可能性がある。

さらにこういったコニファーの類は根が浅いことが往々にしてあるので、何かあったら倒れないか心配だ。
この前の大きな台風で大きなコニファーが軒並みなぎ倒されていたのは記憶に新しいところである。

落葉樹などは、葉が冬には落ちるので日の光が欲しいときには適当に日が差す。
しかし、コニファーは年がら年中この調子なので、大きく成長したら鬱蒼として部屋の中は暗くなってしまうのではないか?

大きなお世話! と住んでいる人から言われそうだけど、そんなことを考えながらこのカッチョええオウチを写真におさめた。

改めて写真を見て思うのは、このオウチの写真はパースといって遠近法を使った図面の練習にもってこいだということ。

最近自分のなかで、パース図面というのは最大関心事のひとつである。

今日の2枚の写真は2点透視で描きたいところであります。




2011年10月16日日曜日

花屋さんにて


花屋さんに行った。

秋は秋で結構、花はあるものである。

この前書いたチョコレートコスモスもそうだし、カランコエ、クリサンセマム、ナデシコなどなど。

へー、なるほどねぇ と感心しつつお店の中を歩いていたらば、これも定番のマリーゴールドが咲いていた。

マリーゴールドで目を引いたのは花そのものよりも、マリーゴールドで蜜を吸う蝶の数だった。

他の花よりもダントツに人気があるようだ。

写真をジックリ見て蝶が何匹いるか探してみて欲しい。



正解は下の写真で赤く囲ったこところ。


サッと写真を意識せずに撮っただけで3匹もの蝶が蜜を吸っていた。

これ以外にも何匹かの蝶がひらひらと飛んで蜜を探していたので、その花屋さんはちょっとした蝶のサンクチュアリのようだった。



2011年10月15日土曜日

ツピタンサスを救え


とある御宅にて。

ツピタンサス Tupidanthus calyptratus という観葉植物を御祝いとして贈られたのだそうだ。

某有名デパートから送られてきたときには高さ150センチ以上ある、大きな箱に入っていたのだそうだ。

しかし、身の丈の半分は細長くてスタイリッシュな鉢で、実際の背丈は1メートルなかったくらいではないだろうか。

その鉢は上げ底のようになっていて、上がった底の部分に水が蓄えられるようになっている。
鉢の脇からちょろちょろと水を入れられるようになっていて、さらに水位計もついている。

水位計には赤線が2本ついていて、この2本の赤線内にゲージがあれば良いってことのようだった。

ということで、水やりはひたすらこのゲージを睨みながら適度な水位を保った。

ところが、2~3ヶ月たったある日気付いたのだが、葉の先端や縁が茶色く変色しているのを見つけた。
様子が明らかにオカシイ。

で、相談を受けた、というのがザッとのこれまでの説明である。

相談を受けて見てみると確かに具合が悪そうである。

室内に置いてあったので、霜などによるものではない。

あれこれ色々考えた挙句、まず置き場所を窓際の日当たりの比較的に良い場所に移した。

そして、ここが一番の問題だったと思われたのが 『根腐れ』 の懸念である。

水位計を見ながら水位を保ったのは良いが、それは裏返せば根が常に水浸しになっていたということだろう。

常に水浸しというのは、根が窒息(溺れて)してしまって枯死する原因となりうる。

・・・・となると普通に上から水をやることを許さない、水位計のあるこの鉢そのものに問題があるわけだ。

ということで、似たようなサイズの鉢を買って、底に軽石を敷いて水はけを考え、そして専用の土を準備した。
溺れかけていたツピタンサスを植木鉢から抜いて、痛んだ根を取りのぞいて植え替えてしばらく様子を見ることにした。

水やりは、やるときはたっぷりと。
そして完全に乾くまでやらない。
乾いてもさらに2~3日は我慢させてからやる。

というようなことをして様子を見ていたらば、葉が茶色く変色することはピタリと止まった。
一旦茶色になった部分が緑に戻ることはないが、全体に生気がみなぎってきたことが分かる。

もうこれで大丈夫だろう。

よかった、よかった。



 


2011年10月14日金曜日

チョコレートコスモス


去年の今頃だったろうか、ある友達(女性)から電話があった。

「チョコレートコスモスって知ってる?子供が、チョコレートの香りがするからチョコレートコスモスって言うんだって教わってきたんだけど・・・」

正直に告白する。

僕はそのときチョコレートコスモスを詳しく知らなかった。
名前は聞いたことがあったし、見たこともあった。

それ以上でもそれ以下でもなかったのだ。

そこへもってきて、ニオイのことを尋ねられたのでちょっと面食らったのだ。

正直に告白する。

僕はチョコレートコスモスの名の由来は、花びらの色がチョコレートを連想させる濃い赤だからだと思っていた。

英語でもチョコレートカラーといえば、概ねこういう色を指すのだと思う。

ニオイのことなんてこれっぽっちも知らなかった僕は、
「チョコレートのような色をしているからチョコレートコスモスなんじゃないかなぁ」
といけしゃーしゃーと答えたのであった。


なんと恥ずかしい。

ついこの前、とある花屋さんでそのチョコレートコスモスが置いてあったので、思わず鼻を近づけてクンクンと香りを嗅いでみた。

すると、なんということでしょう
本当にチョコレートっぽい香りがしたのだ。

へー、っという感嘆の気持ちと、昨年知らずに知ったかぶりをして答えた自責の念がこみ上げてきた。

しかし、なんでまたチョコレートなのか?
不思議じゃぁないか。

花がなんで香りを放つかといえば、花粉を媒介する虫たちをひきつけるためだ。
チョコレートに特に反応する虫っていうのがいるってことか?

自分の無知を反省するとともに、自然界に存在するチョコレート臭の不思議について深く考えてしまう一件でありました。



2011年10月13日木曜日

キンモクセイ vs ギンナン 仁義なき香りバトル


キンモクセイの甘い香りがふわっと街を包んだのは、花咲ブログによれば9月30日だった。

それからおよそ2週間。
未だに甘い香りが漂っている。

キンモクセイのニオイを悪く言う人はいるとは思うけど、そんなに多くはないだろう。
何事もホドホドってのが良いわけで、甘い香りも過ぎると鼻につく。

僕は小学生のころに、部屋にあったユリの香りにあてられてとんでもない頭痛を経験したことがある。
以来、ユリの香りはちょっと苦手だ。

いずれにしても、悪臭では決してない、ということは言えるだろう。

そんなキンモクセイの甘い香りを楽しみながら自転車をこいでいたときのこと。
とある交差点で止まっていたらば、キンモクセイの香りに混じって、微妙なニオイがした。

!!
これは、ギンナンだ!

瞬時にギンナンと分かった。
道路に落ちたギンナンが踏み潰されて、それがさらにニオイを増幅しているような気がした。

ギンナンも秋を代表する実である。

秋を代表するキンモクセイとギンナンが香りバトルを繰り広げていたというわけだ。

恐らくあと数日でキンモクセイは消え去るだろう。

そうするとギンナンの香りが街を席巻することになる。

嫌いじゃないけど、決して良いニオイではないなぁ。



2011年10月12日水曜日

木のぬくもり


小話的で恐縮な今日の話。

とある木材店の前を通ったらば、ショウウィンドウの中に 「ままごとセット」 が置いてあった。

ままごとセットとは言っても、安っぽさは全く無くて、置いてあるだけで立派なオブジェになりそうなステキなままごとセットだった。

天然のブナ材で作ってあるらしく、お値段も一万円ちょっとした。

全てのパーツは角張ったところは一切無くて、なんとも柔らかくて優しいフォルムをしている。
子供が怪我をしないようにという配慮なんだろうが、全体的にぬくもり感が感じられる。

今突然思い出したのは、子供のころコルク材の積み木で遊んでいたなぁということ。

プラスチックのおもちゃで遊ぶより、ブナ材でもコルク材でも天然のもので遊ぶことは子供たちの情操教育上少なからず好影響を与えると思うのだがどうだろう?