2012年9月30日日曜日

秋の香りに包まれて


散歩をしていたら気づいたよ。

ふわ~っと秋に包まれた気がした。

そう、あの独特なキンモクセイの甘い香りだ。

キョロキョロしてみたらば、すぐにその香りの源が分かった。

そうか、そうか、もうそんな季節なんだなぁ、なーんて一人しきりに頷きながら散歩を続けていてフト気づいた。

あれっ??

そうなんであります。
咲いていたのは、あの香りを放っていたキンモクセイだけで、他に見かけるキンモクセイはまだ花の咲く気配が全くない。

慌ててそのキンモクセイのもとへと踵を返した。

花や葉の様子は確かにキンモクセイだし、第一この甘い香りはキンモクセイと言わずになんと言うのか。

ジッと見ていたらば、花の色がキンモクセイにしては淡いというか薄い気がする。
キンモクセイの花ってもっと濃いオレンジ色じゃぁなかったか?


そこで脳裏をよぎったのはギンモクセイ。

そうだ、そうに違いない。

でも確かギンモクセイの葉の縁にはギザギザが入っていたはず・・・。

この葉っぱの縁にはギザギザはない。


良くわからないまま家に戻って、ちょっと調べてみた。

するとどうやらこれは 
ウスギモクセイ Osmanthus fragrans form.thunbergii
なるものらしいという結論を得た。

キンモクセイの品種にあたるもので、キンモクセイ Osmanthus fragrans と大きくは変わらないというわけだ。

ウスギモクセイは漢字で書くと薄黄木犀ということで、そのまんまのネーミングであると分かる。

まぁキンモクセイの前座みたいなもので、これから数週間内に本家キンモクセイも咲くことだと思う。

楽しみだね。



2012年9月29日土曜日

アサガオ小学校


とある小学校。

往来に面したフェンスにアサガオがまだ咲いていた。

おやっ、と目を引いたのはアサガオがまだ咲いていたからだけではなかった。

フェンスには子供たちの手作りと思われる札が掛かっていたのである。

その札はそれぞれ色を塗ってあって、そこに深淵なメッセージがしたためてある。



「自分の道を探そう」
「目標を立てつづけよう」
「ありがとうを伝えよう」
「完全燃焼」

・・・それほど深淵ってわけでもないか。

でもシンプルながら、小学生のエネルギーが伝わってくる。

アサガオに水をやったりするときに、これらのメッセージが目に入れば潜在意識に働きかけたりなんて効果があるんではなかろうか。

受験生が部屋の壁に 「目指せ××大学!!」「必勝」「日々是決戦」などと貼るのと似てなくもない。


そんな札の横では、アサガオが実を膨らませていた。

実るほど頭を垂れるアサガオかな

実りの秋の静かなる到来である。

 

2012年9月28日金曜日

驚愕のオシロイバナ


だんだん勢いがなくなってきたとはいえ、まだ咲いているオシロイバナ Mirabillis jalapa

オシロイバナのカラーバリエーションとしては「赤」「白」「黄」がある。

おもしろいのは一つの同じ株に異なる色の花が咲くことだ。

中にはひとつの花に色が混じってしまうものもある。
その混じり方が変わっている。

最近どこかの国で顔の半分が白、残り半分が黒のネコがいるなんて話題を聞いたことがあったが、この上の写真のオシロイバナも赤と白半分づつになっている。

なんでまた、こんなことが起きるのだろうか?

「遺伝子」「突然変異」といったキーワードは頭に浮かぶものの、詳しくは分からない。

そのほかにも、ちょっとだけ赤が入ったものもあれば、赤のドットが入ったものもある。
バリエーションがやたら豊富なのだ。




こういうバリエーションのある花が咲く株にはそういう花が咲くが、別の株ではまったくバリエーションのないものもある。

どうやら株ごとに起きる現象のようだ。

さらに面白い事実をひとつ。

花びらのように見えるのは実はガクなのだ。

オシロイバナには花びらがないという驚愕の事実。

身近な花のくせに、意外とビックリの花であるなぁ。

 

2012年9月27日木曜日

植物観察の御案内


秋めいてきました。

屋外で植物観察をするには絶好の季節です。

そんなわけで、親子参加型植物観察
「自分だけの植物図鑑をつくろう!!」
の御案内です。


これまで 「花について」「葉について」 とやってきましたが
今回は 「茎・根っこについて」 です。

もちろん今回から、あるいは今回だけの参加もOK!

10月7日(日) 10:00~12:00 於、代々木公園です。

詳細・お申し込みは コチラ まで。

楽しく秋の代々木公園を歩きませんか。



2012年9月26日水曜日

キュウリのサンドイッチ


今日は英国王立園芸協会日本支部様のご依頼で、
チェルシーフラワーショウとハンプトンコートパレスフラワーショウをご紹介する講演をさせていただきました。

場所は自由ヶ丘。

世田谷区民だったのはかなり前のことで、自由ヶ丘には本当に久しぶりに出かけた。
昔は「オカジュウ」なーんて言ってたっけ。

良い感じの裏道が縦横に走っていて、時間があればゆっくりと街歩きをしたかった。

講演はお蔭様でキャンセル待ちにもなる盛況で、遠くは北海道からも足を運んでいただいた方もいらして感謝の言葉もない。

有難うございました。

わずか2時間で英国2大フラワーショウをご紹介しないとならないので、どうしてもスライドの数が多くなってしまい、どうしても早口にならざるを得なかった。
もっとジックリ、ゆっくり話せればなぁ・・・。

それにしても、会場となったセントクリストファーガーデンというティールームはなかなかステキなところだった。

閑静で、雰囲気も大変ヨロシイ。
スタッフの方もとても感じが良かった。

参加された皆さん、サンドイッチ、スコーン、ケーキなど頬張りつつ、紅茶を飲みつつリラックスした雰囲気で2時間を過ごしていただいたのではないだろうか。

講演が終わって、僕も遅めのランチを御馳走になった。

これがなかなかボリュームがあって、そして美味しかった。



サンドイッチにキュウリのサンドイッチがあった。

これはコンビニのサンドイッチでは見かけない具材だが、とてもブリティッシュな具材だ。

正直なところ、それほどエキサイティングな具材とは言えないものの、英国食文化を見事に体現していると思う。

日本食で例えるなら、カッパ巻といったところだろうか。

ここ数か月、準備を進めていたイベントがひとつ終わってちょっとホッとした。

そんなホッとした気分と、肩肘張らないキュウリのサンドイッチが妙にマッチしてたなぁ。

今日話足りなかったあたりを踏まえて、12月2日の『見たことないイングリッシュガーデン』張り切ってやりますので、是非ご参加ください!!
 


2012年9月25日火曜日

見たことないイングリッシュガーデン


涼しゅうございます。

さて突然ですがイベントの告知です。

今年は5月と7月の2回イギリスに行ってきた。

特に7月は自分の持てるネットワークを最大限に使って毎日精力的に庭めぐりを行った。

その日々の様子はこのブログでもお知らせした通りだ。

何かすごいモノを掘り当てるのではないか、という予感があったのだけど、それは的中して素晴らしい庭に出会うことができた。

テーマは「個人の庭」。

一般に公開されているいわゆる名園も捨てがたい。
でもそれは誰でも入場料を払えば見ることができる。

そうではなくて、公開もされていない個人の庭を人づてにコッソリと見せてもらうことは、興味はあってもなかかなできることではないんじゃないかな、と。

大袈裟に言うならば、まだ日本人の誰もが到達したことのない前人未到のえりすぐりの庭ということになる。

今もときどき写真を眺めてはため息をつくことがあるが、自分一人で見ているものもったいないので、このたび限定20名様にこの写真を見ていただく機会を設けることにしました。

日時:2012年12月2日(日) 10:30~12:30 (受付10:15開始)
場所:高崎設計室1階 東京都渋谷区幡ヶ谷3-37-16
            (京王線笹塚駅徒歩7分)
定員:20名(先着順・定員になり次第締切)
会費:3000円
申込・問合: event@hanasaka-engei.com
 *事前申込をお願いします。

イングリッシュガーデンの底力を感じていただけるのではないかと思います





2012年9月24日月曜日

植物神経衰弱


それにしても良い季節になりました。

カラッとして、暑くもなく、寒くもなく。

こうやってみると、湿度が我々に与える影響の大きさというものが分かる。

このカラッとしているというところが重要で、気温はそれほど変わらなくても快適さがこれほどに異なるというのは大変興味深い。

秋分の日も過ぎたので、これからは日がどんどん短くなっていって、カラッとした感じから、カラカラに乾燥した冬へと向かうのだろう。

こうやって湿度の関する表現も豊富なあたりが、日本の豊かな季節性を反映していると思う。

カラッ、カラカラ、ジメジメ、ジクジク、ムシムシ、サラリ、サラサラ、ジットリ・・・
これらの違いに相当する英語があるかといえばはなはだ疑問だと思うな。

素晴らしいゾ、日本。

さて、季節が移りゆくにしたがって、夏の花もじょじょにフェードアウトしていくことだろう。

まだ頑張っているのを見かけたのが、アカバナユウゲショウ、または単にユウゲショウ Oenothera rosea ともいう。

なんでユウゲショウ(夕化粧)かと言えば夕方に咲くからと言われているが、実際にはお昼頃から元気に咲いている。

直径1センチ少々のカワイイ花だけど、この花を見るたびにオオイヌノフグリ Veronica persica と似ているなぁと思う。


最初にユウゲショウを見たときは、オオイヌノフグリの近縁種だと思った。

花のサイズもそうだし、花びらが4枚あるという点も共通している。
しかしユウゲショウはアカバナ科で、オオイヌノフグリはゴマノハグサ科ということで、似て非なる花なのだ。

ユウゲショウは夏に咲くが、オオイヌノフグリが咲くのは春先ね。
でも写真を比べるとよく似てないか?

ということで、街を歩いていて見かける花が自分の記憶にある何かと似ているということはママあることで、それはトランプの神経衰弱をしているような感覚だ。

ユウゲショウを見つけて、オオイヌノフグリのカードをめくったが、生憎マッチングせずに順番が次の人に回ってしまったという感じとでも言えばいいだろうか。

ゴメン、分かりにくい一人遊びで。



2012年9月23日日曜日

秋来る


来た、来た、秋が。
待ってました。

なーんて言っていたが、極端すぎる気がしているのは僕だけだろうか。

今日は東京地方は朝からシッカリと雨が降った。

貯水域にも雨は降っただろうか。
水不足が多少なりとも解消されてくれることを祈りたい。

お日様が顔を出さないせいなのか、気温も上がらず。

やや肌寒いくらいに感じる。

さすがにセミの声はいっさい聞こえなくなった。

なんちゅうか、こう、もうちょっと段階的に秋にソフトランディングしていただきたいものだ。

これまでの暑さを帳消しにしようとしているのかと思うくらい、急速に気温が下がって一気に秋がやってきた。

さて、この前ちょっと良いなぁという風景に出会った。

線路脇の土手などには色んな花が咲いていて結構楽しいものだ。

意図的に植えられている場合もあるけど、自然とそこに生えたものもある。

これは世田谷線といって下高井戸と三軒茶屋を結ぶ昔懐かしいのんびりとした路線だ。

土手の花、線路、住宅街を縫うように走る電車・・・・
なんとも風情があって良いなぁと思う。

そこに咲いていたピンク色の花は ツルバキア Tulbaghia というユリ科の花。

もともとは南アフリカの花ということで外来種ということになる。

なのであまり勢いよく育って、もともとあった日本固有の在来種に影響を及ぼすのは困るけど、「風景」として見た場合は、なかなかよろしいなぁと思った次第。

これからは例えば埼玉県の巾着田のマンジュシャゲなんかも話題になるだろう。

秋を見つけに散歩に出るには良い季節になってきたよ。




2012年9月22日土曜日

美味しそうな罠


おおーーっ、来たねぇ、秋が。

やっと涼しくなった。

これだよ、これ。

今日は麻から部屋にこもって仕事をしていたけど、窓を開ければ爽やかな風が通り抜けて、仕事の効率も1.5倍増しって感じだった。

読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋・・・
何をやっても一番効率が良いのではないかと思われる。

さて一日中部屋にこもっているのも精神衛生上よろしくないので、気晴らしに散歩に出かけた。

とある駐車場の脇に生えていたのが ヨウシュヤマゴボウ Phytolacca americana

そこらじゅうに生えている雑草なので誰でも見たことがあると思う。

今の季節だと、ひとつの株に「つぼみ」「花」「未熟な実」「完熟の実」が一度に付いているので観察するには丁度良い。

花といっても5枚の花びらのように見えるのは、実は花びらではなくてガクであります。


そして、緑色の子房が花の段階からすでにかなり目立っているのが分かる。

雄しべが落ちるころには、緑色の子房(実)が膨れ上がって大きく成長する。


そして濃い紫色の実に変わっていく。


見た感じはブドウのようでとても美味しそうに見える。

ここが要注意なんであります!

ヨウシュヤマゴボウはその美味しそうなネーミングと見てくれに反して、かなり毒性が強い植物なのだ。

誤って食べてしまって中毒を起こす人もいるらしいし、悪くすると命に係わるらしい。


でも赤い実をもぎって指先で潰してみると、どうです?

とてもジューシーで鮮やかな色をしているので、思わずヨーグルトなんかに入れたくなるではありませんか。

根、茎、葉、実、それぞれに毒性があるとのことで触らないほうが良い。

食べなくても、皮膚に対しても刺激作用があるようなので実も触らないほうが良い。

皆様の注意を喚起する意味で、実を潰してみたので、良い子は真似をしないように。


実を潰したあと、指の先が真っ赤の良い塩梅に染まってしまった。

昔、駄菓子屋でスモモを食べたあとに舌が真っ赤になったのと似ている。

指は家に帰って念入りに洗えば落ちるけど、洋服なんかに付着すると落ちないのでご用心。

昔は染料としても使われていたらしいが、やはりこの毒性が問題で今はあまり使われていない。

触ったり、潰したりしたい気持ちを抑えつつ、遠巻きに眺めるのがヨロシイ。



2012年9月21日金曜日

痒い話


昨日は植木屋仕事をしていた、というのはブログに書いたとおり。

暑さの中で少々しんどいながらも、こういう身体を動かす仕事は大好きだし、尊敬してやまない植木屋の親方と一緒に仕事をすることが楽しく、そして勉強にもなる。

それはそれで良かったのだが、実はちょっとした落とし穴があった。

その庭にはヒメシャラの木が数本植えてあって、その全てがチャドクガに食害されていたのだった。

サラリーマンを辞めてこの道を選んで10年以上経つが、このチャドクガだけはダメだ。

いつかチャドクガの抗体ができて、筋金入りの強靭な植木屋になれるのでは、なんて思っていたが、そんなことは絶対に起きないと思う。

チャドクガはツバキ、サザンカなどのツバキ科の植物につく。

なので庭仕事をするときには、まずそういったものがないか、あったらばチャドクガはいるか、といったことを事前にチェックして作業に取り掛かる。

親方はその抗体をもっているらしく、「ここはやらなくて良いから・・・」 と気遣ってくれるが、それでも幾らかの影響が身体に出る。

チャドクガの幼虫は、生きている毛虫の状態は言うまでもなく、脱皮した皮に触れただけでもかぶれるし、毛虫の細かい毛が空気中に浮遊しているだけでもかぶれることがある。

今日の写真は、わざとブレたものを選んだ。
毛虫そのものドンズバではちょっと背筋も寒くなろう、という配慮であります。

昨日はもちろん長袖、長ズボンで作業していたし、チャドクガに侵されたヒメシャラからは距離を保っていたはずである。

一日を終えたころは、ちょっと手首のあたりが痒いかなぁ、くらいだった。

一夜明けて、今朝自分の身体を見て驚いた。

手首、首筋、腹、腋、背中、腿など真っ赤にかぶれていたのだった。

そして気がふれそうなくらいに痒い。

触ったり、掻いたりすると余計痒くなるので、なるべく触れないようにするものの、それも辛い。

頭のなかは「痒い、痒い、痒い・・・・」と渦巻いて、仕事にも集中できない。

蚊もやっかいだけど一過性でわりとすぐに落ち着くが、チャドクは数日間はあとをひく。

親方のところにいる、若い職人さんはまったく平気なんだそうで羨ましいというか、カッコ良いなぁ、なんて思ってしまう。

体質の問題もあるんだろうけど、職業柄なるべくならチャドクガOKの体質に生まれたかった。

これからは秋の花粉の季節を迎える。

皆様どうぞご自愛ください。
 ポリポリ・・・・

2012年9月20日木曜日

都内で避暑するならココ!


今日も暑かったねぇ。

明日から気温も下がるでしょう・・・

そんな予報を何回聞いたことだろう。

オオカミ少年かっ! とツッコミたくもなる。

今日は植木屋仕事をしていた。

現場まで自転車で約15キロ。
炎天下で熱中症にならないように注意しつつ肉体労働をこなして、再び自転車に乗る。

最近は植木屋仕事の機会が減っているせいか、自分の肉体が明らかに植木屋さんのそれではなくなってしまったと認めざるえない。

剪定をしばらくやって手を見ればマメができてしまい、いつの間にか柔らかな情けない手になってしまった。

年齢のせいもあると思うが、かつて備えもっていた疲れをしらない子犬のようなアクティブさはなくなってきている。

数年前は自転車で現場に向かい、植木屋仕事をこなして、家に帰る前にわざわざ遠回りになるがクライミングジムに通って一汗流してから、再び自転車に乗って帰宅するということを苦もなくやっていたというのに。

こうやって少しづつ下り坂を下っていくのだろうか。

さて仕事帰りに自転車に乗っていた。

蒸し暑いので汗もかなりかいていた。

ところが新宿御苑の前の道を疾走していたらば、急にそこだけ気温が違うことを肌で感じた。

イヤ、ほんと。

大袈裟でもなんでもない。
本当に御苑内の方から冷気が漂ってきたのだ。

涼しかったぁ。

都会はヒートアイランド現象とかいって、コンクリートやアスファルトに覆われているので気温が高く、さらに日没後もそれらが蓄熱して気温が下がらない。

壁面緑化、屋上緑化、緑のカーテンなどは、こういった問題を和らげようという意図があることは誰でも知っている。

緑豊かな皇居も周辺に比べると気温が低いということを聞いたことがある。

やはり緑の豊かな場所というのは間違いなく涼しいのだ、と身をもって体感した一件だった。

嘘だと思うなら、是非この写真にある新宿御苑前の通りを夕方~夜に散歩してみると良い。

決して大げさではないと分かると思うよ。



2012年9月19日水曜日

木のお菓子


3時にお茶を。

バウムクーヘンを食べた。

最近デパートで長蛇の列ができていると、それはラスクだったり、バウムクーヘンだったりする。

バウムクーヘンってそんなに特別なのだろうか。

小さいころ、フツーに食べていたというか、そんなに有難く感じたことはなかったなぁ。
むしろ口の中の水分がすべてバウムクーヘンに吸収されてしまうような感じがして、牛乳と一緒でなければ食べられなかった気がする。

バウムクーヘンはドイツのお菓子であり、ドイツ語では Baumkuchen となるようだ。

バウム Baum と、クーヘン kuchen に分解することができて、バウムは「木」であり、クーヘンは「菓子」という意味があるとのこと。

御存知のようにバウムクーヘンには年輪のような模様があるため、そういう名前がついたのだと容易に想像される。

年輪は樹木が一年生長するごとに刻む輪のこと。

四季がある国であれば、春になって成長が始まり、夏をピークにスローダウンし、冬に休眠する・・・というような生長速度のメリハリによって年輪はできる。

ゆえに四季のない赤道直下の樹木には目立った年輪はないのだと聞いたことがある。

上野の国立自然博物館に行くと、たしかメタセコイヤだったと思うが、大きな樹木の輪切りが展示してあって、その年輪で年表が作られている。
あれは大人でも楽しめるのでオススメであります。

さて草と木は何が違うのだろうか?

色んな違いはあるが、今日の話になぞらえてひとつ挙げるなら
草は基本的に地上部よりも上が一年で枯れてしまうが、樹木は地上部も枯れることなく年々生長を続けていく、ということがある。

当たり前だが、草には年輪はないのだ。

そんな花咲思考を巡らせながら美味しくバウムクーヘンをいただきました。


2012年9月18日火曜日

花びら何枚?


9月18日。

もう9月も半ばを過ぎたってのに、一向に涼しくなる気配はない。

気温的にはそれほどでもないのだろうが、湿度が高いので、蒸し暑さでイヤになっちゃうんだと思う。

セミも相変わらず鳴いている。
でもセミしぐれってほとではなくて、ややトーンダウンしている気がする。

ちょっと前は夜中でもアブラゼミが鳴いていたが、最近はさすがに夜中は静かだ。

さて、散歩をしても夏の花がまだまだ元気だ。

例えばヒルガオ Calystegia japonica なんかもそうだろう。

昼ごろ咲くのでヒルガオ。
分かりやすい、覚えやすい、親しみやすい。

アサガオはタネをまいて育てるが、ヒルガオは勝手にその辺に咲いている。

そんなことからも、実はこのヒルガオは結構やっかいな雑草であることが分かる。

根のかけらがちょっと土のなかに残っていても、そこから再生してよみがえる。

カワイイ顔して、なかなかエグい花なんであります。

そんなヒルガオの花びらは何枚でしょうか?

この質問は子供にしても、大人にしても面白い。

意外と多い答えは 「1枚」 というもの。

確かにロート状になった花びらは何枚と数えられず、一個の花として見える。

それは花びらがサクラの花びらのように一枚一枚が独立しているものという先入観があるからかもしれない。

もし花びらがお隣どうしくっついてしまっていたらば・・・

ヒルガオもアサガオも花びらは実は5枚。
しかしながら、お隣どうしくっついてしまっている(合着)ので、あたかも1枚のように見えるのだ。

このような花を合弁花といっている。

サクラのように花びらが1枚づつ離れているものを離弁花という。

サクラはハラハラと花びらが1枚ずつ舞い落ちるのが風情があって良いんだと思う。

もしもサクラが合弁花で5枚いっぺんに落ちてきたらば、ハラハラではなくてボトボトといったことになって風情もなにもあったものではない。

サクラが離弁花で良かったね。


2012年9月17日月曜日

一本松


陸前高田市の「奇跡の一本松」が切り倒されたのは今月12日だったか。

ちょっとタイムリーと言い難いけど、日本で一番注目されている植物のことなので触れておこうと思う。

言うまでもなく、津波にあったものの流されることなく、7万本のマツの中でたった一本だけが残った。

この松に人々は自分たちの希望も重ねていたのだろう。

しかし、改めて「塩」がいかに植物にとってダメージがあるかということが知れる一件でもあった。

みるみる茶色く枯れ込んでしまった様子をテレビで見てそう思った。

このマツをモニュメントとして保存する作業が行われている。

3つに切り離されて、防腐処理を施して、元あった場所に戻すプロジェクト。

この費用がナント1億円を超えるようなことをどこかで聞いた。

この費用について賛否両論あるのだそうだけど、それはそうだろうなぁ。
マツを一本保存するには随分お高い感じもする。

きれい事をいうつもりもないし、かといって誤解もして頂きたくないが、個人的にはモニュメントのような形として残すことはそれなりに意味はあると思うが、もっと大切なのは人々の心のなかに常に留め置いて風化させないというころではないかと思っている。

いくら素晴らしいモニュメントを作っても人々の心に残らなければ意味はないし、形が残らなくても心に残っていることのほうがもっと重要ではないかと思うんだけど。

お金の使い道、お金の行き渡り方などにも色んな問題があるようではあるけど、本当に必要なところに、本当に必要な人のところに届くのであれば、そちらの方が良いのではないかという気もする。

張本人のマツはなんて言うのかなぁ・・・?




2012年9月16日日曜日

この実なんの実


昨日のブログは別に手抜きではない。

たまたまお寺の前で見かけたのだが、なかなかの箴言であるように思えてご紹介してみた。

さて9月も半ばというのに相変わらずの残暑。
まとまった雨も降らず、取水制限がでている。

しかしながらこの時期は夏と秋が微妙に入り組む時期でもある。

稲穂が頭を垂れていたと書いたが、それ以外にも実を結んでいるものを見つけることができる。

この写真はいったい何の実でしょうか?


割と大きな実がまるでブドウの房のようになっている。

これはこの前、数回にわたって書いたキリの実であります。

まだ熟する過程にあって、これが熟すると茶色くなる。


驚くべきは、この実のなかに沢山のタネが入っていること。

タネには翼があって、実が熟してパカッと割れるとなかから翼のあるタネたちが風にのってヒラヒラと飛んでいく。

数が多いこと、風にのって遠くまで飛ぶこと、そんなことが色んなところでド根性キリを見かける理由なんではなかろうか。

この先、この実がパカッと裂けるところを是非お知らせしたいものだ。

明日は敬老の日ということで3連休の方も多いのかな。
どうぞ楽しい連休を!