2014年1月31日金曜日

割烹着


ここ数日でアッという間に日本中、いや世界中にその名が知れたのが小保方晴子さん。

「30歳」「女性」というあたりと、世界をアッと言わしめる研究成果のギャップがまた話題なんだと思う。

理系女子をリケジョなんていって、女性の理系分野での活躍をさらに喚起しようなんていう動きとピッタリ合っているんだろう。

研究室にこもりっきりというような「暗さ」はまったく感じさせないし、なんといっても白衣ではなく割烹着ってあたりに凄いインパクトがあった。

世界を驚かせる研究成果と割烹着。
このギャップが良いんだろうなぁ。

自分も何かしら、「花咲ジジイさん、意外ね、驚くわ」というギャップがないもんだろうか?

ギャップは滲み出るものであって、奇をてらうのはよろしくない。

この前、オムライスが有名な某老舗洋食店のシェフが日焼けサロンに足繁く通い、さらには番組で奇声を上げているのをたまたま見て、絶対にここで食事はしたくないと思ったもの。

話がかなり逸れてしまったが、その小保方さんの研究が万能細胞というもの。

万能細胞が存在する生物の例として、もちろん植物がある。

例えば、挿木や接木で植物を増やすということは普通の園芸テクニックだけど、これこそが万能細胞の例なんだと思う。

挿し穂を取って、それを土に挿すだけで、根が付いて葉が繁り、植物体そのものが再生する。

挿し穂を取った断面に万能細胞が出来上がって、発根のための細胞に成長するということで挿木が成り立つわけだ。

僕の指を切って、土に挿したところで、僕の別個体ができるかといえば否である。
それは哺乳類の僕の指の切断面には万能細胞ができないから、ということのようだ。

そんなの誰にでも分かることだけど、今回の万能細胞はさらに研究が進んで医療に応用した場合に怪我や病気で失った機能を取り戻す可能性を秘めているというのだから、凄い時代になったものだと思う。

最近自分が試して育てているコダカラベンケイソウだって、この根が生えた小さなコダカラベンケイソウはタネから育てたわけではなく、落ちていた「ムカゴ」という親株の一部を拾ってきて濡れたティッシュの上に置いただけのことだ。

改めて生物学の奥深さについて考えさせられる明るいニュースであります。

2014年1月30日木曜日

つくば市へ


快晴の水曜日。

昨日はつくば市にある独立行政法人種苗管理センターの見学に出かけておりました。

現在、東京理科大学大学院にて「種苗法概論」を非常勤講師として担当していて、その授業の一環として見学にでかけたというわけ。

快晴、無風。
陽だまりにいるとちょっと暑いくらいで、まさに見学日和でした。

理科大での講師業もこれで丸2年を終えることになる。

初年度は産みの苦しみではないが、かなり緊張もしたし、準備に手間どった。

2年目は初年度築いたものに磨きをかけて講義に臨んだのでグレードアップしたのではないかと思う。

履修する学生の数も増えてきて、この輪がちょっとづつ大きくなると良いなぁと思う。

学生は知的財産を専門的に学んでいるわけで、彼らの引き出しに種苗法、育成者権が加わってくれれば頼もしい存在になってくれるに違いない。

彼らは補講期間も試験もレポートもほぼ終えて清清しい顔つきだったけど、僕はこれから成績をつけたり、大学院側に諸々報告したりとやることが多くちょっと大変。

まずは無事に本年度の講義を終えホッとしております。

2014年1月29日水曜日

コダカラその後・・・


散歩していて見かけたコダカラベンケイソウ(子宝弁慶草)の下に落ちていた、ムカゴを拾ってきて、濡れたティッシュの上に置いたんだ、という話をしたのは今月15日、16日のこと。



その後2週間ほど経ったが、拾ってきた彼らがいったいどうなったか?

チョンチョンと手で触れてみると、根を張っているという感触がすでに伝わってきていたので、期待を持って育てていたわけだけど。

ご覧ください。



見事に根を伸ばしている。

葉っぱも気持ち大きくなっているように見える。

どうやら拾得コダカラベンケイソウ育成作戦はまずまず成功しているようだ。

もうしばらく様子を見てみて、頃をはかって植木鉢に植え替えようと思う。

叩き売りされていたサルビア・レウカンサとともに、コダカラベンケイソウも我が家の新メンバーに加わりそうな、そんな雰囲気であります。



2014年1月28日火曜日

手ごわい小学生の理科


受験シーズン到来ですね。

巷ではやれインフルだ、ノロだ、といっていますので、どうぞ体調管理だけは気をつけて。

さて、この前ある人の家で見かけたのがこの本。

「入試に出る植物図鑑」

パラパラとみてみると、なかなか興味深いことが書いてあったので借りてきた。

普段、僕が植物について大人や子供に向けて話していることが、ほぼ網羅されていた。

中学入試ってことは、この内容を小学6年生が理解しているってことでしょ。

うーん、と思わず唸ってしまった。

だってかなり高度なことが書いてあるもの。

カラーイラスト付き、振り仮名付きなので、一瞬易しそうに見えるけど、なかなか手ごわい内容だと思う。

もしこれがちゃんと頭に入ってスラスラと説明ができるのなら、僕の商売は上がったりであります。

ホント。

ここはひとつジックリと一度これを読んで勉強しようかな、と思っている。

何事も基本が大切ね。

2014年1月27日月曜日

所沢市役所の竹


場所は所沢。

所沢市役所をたまたま通り抜けたときに、「!!」と気づいた。

市役所建物周辺の植え込みには木ではなくて竹が植えられていたのである。

しかも一種類だけではなく、数種類、名前プレートを付けられて。

ザッと見ただけでも、マダケ、トウチク、スズコナリヒラ、ホテイチク、クロチク、ハチク、キンメイモウソウチク、モウソウチク、ホウライチク、ナリヒラダケ、と10種類もあった。

時間を掛けてジックリと見て回ったらもっとあるかも。

ここで二つのことを思った。

①斬新だなぁ。
こういったいわゆる外溝部分の植栽は色んなパターンがあるだろうけど、竹一色でおしてくるというのは斬新だと思う。
また、竹について勉強したい人にはうってつけの教材だと思う。
実際に異なる竹を間近に見て比較もできる。
植物園に行かずして、こんなことが出来る場所はそうそうあるもんではない。

②冒険してるなぁ。
竹というのには2種類あって、割とおとなしくて管理が楽なもの、そして手に付けられないくらいに暴れるもの。
暴れるというのは、地下茎がバンバン伸びていって家屋や塀などに損害を与えるようなものをいう。
いったんこういうのがはびこると駆除は難しい。
なので、植栽案を作った人(会社)は、そのあたりを慎重に選んだはずだ。
一歩間違えば大怪我をするという意味で、冒険しているなぁ、と。


竹の醸し出す優しさや、涼しさなんかもあって雰囲気は良い。

もし所沢市役所に立ち寄る用事があったらば、是非植栽も見てみて欲しい。


2014年1月26日日曜日

木登り熱さめやらず



木登りの資格を取りに英国に渡ったのは昨年7月。

もう半年近く経とうというのに、いまだ木登り熱はさめやらない。

いまだに思い出したかのようにロープを引っ張り出してきては、結んだりほどいたりしている。

街を歩いていて大きな樹を見かけると、足をとめて木に登ったつもりでイメージトレーニングをしていたりする自分がいる。

これってなかなかスゴイことなのではないだろうか。

興味があって始めたことで、半年経ってもほぼ同じテンションを保ち続けるなんてことはそうそうあることではないと思う。

テンションはほぼ同じなのではなく、むしろ上がっているくらいだ。

海外の通販サイト、木登り団体のサイト、はたまたYouTubeなどを見ては、何か新しい情報がないかとリサーチを怠らない。

そしてそれが楽しいのだ。

できれば、イメージやヴァーチャルな世界はほどほどに、実践を積みたいのだけど・・・。

2014年1月25日土曜日

派手vs地味


派手な人、地味な人。

人それぞれ。

植物の実にも派手な実、地味な実があるし、花にも派手な花、地味な花がある。

派手な場合はたいてい目立つことでその存在を誰かに知って欲しいということ。

派手な花は、花粉を運んでくれるハチたちにアピールするため。

派手な実は、タネを運んでくれる鳥たちにアピールするため。

一方、地味な場合は花粉もタネも風に運んでもらおうとしていることが多い。

ついこの前、赤いピラカンサに群がるムクドリの話を書いた。

同様にこの時期にはナンテン、センリョウ、マンリョウ、アオキ、イイギリ、ガマズミ、サンゴジュ、コブシなど赤い実を良く見かけるが、理屈はすべて同じこと。

地味な実って・・・?

ここでは色合いのこと、あるいはその大きさを言っていて、カエデ、ユリノキ、ボダイジュなどをイメージしていただければ良い。

彼らには翼(よく)があって風をとらえてより遠くまで飛んでいくような工夫がされている。

タンポポなんかはパラシュートを持っているし。

そうやって実の色、形、大きさなんかを気にして歩いてみると案外面白い。

上の写真はソヨゴで赤い色が目立つ。

下の写真はキリの実で、地味な茶色。

そろそろロウバイが咲き始めるころで春はそう遠くないけど、今この時期だから楽しめるものもある。


2014年1月24日金曜日

目指せよ古書店


植物、園芸が好きだとして、本屋さんに行って
「これは良い!」という本に出会えますか?

これは僕の個人的な偏見かもしれないけど、どれもあまり魅力的に見えない、残念ながら。

理由はうまく説明できないのだけど、どれもシックリこない感覚なんだなぁ。

しかし、古本屋さんに行くと状況は一変する。

なかなかマニアックなもの、すでに絶版になったもの、昭和の香りのプンプンするもの・・・など強烈な個性を放った本に出会えるのだ。

昭和の香りったって外見的な雰囲気が昭和っぽいってだけではなくて、カビくさいというかなんというか実際に昭和の匂いがする。

これは電子書籍なんかでは絶対に味わえない。

古本屋さんにも色んなタイプがあって、オールラウンドに浅く広くカバーしているお店もあれば、専門分野を持って狭く深く商いをしているお店もある。

ここ2年くらいまえに発見した古本屋さんは、まさに植物、園芸をふんだんに扱っている本屋さんで、たまにフラリと訪れると色んな発見があって面白い。



手にとって眺めたりしているとアッという間に時間が過ぎてしまう。

さらには、自分の仕事と絡めていろんなアイディアが沸いてきたりして。

こういう本屋さん、良いよねぇ。

2014年1月23日木曜日

公園のケヤキ


昨日は都心の街路樹ケヤキの伐採の話。

今日は郊外の公園樹ケヤキの伐採の話。

広い公園を歩いていると、ウィーンというチェーンソーの音が聞こえた。

性(さが)なのかもしれないが、チェーンソーの音が聞こえるとその音源を捜してしまう。

そして、どこの誰が、どういう作業を、どいう道具をつかって、どのようにやっているか観察してしまうのだ。

やっている方は、僕の視線に戸惑いを覚えるかも。

「ジロジロ見てんじゃねぇ!!」
なーんて怒られても不思議はないという自覚もある。

でも禁じえないのだ。

広い公園の一角なので、カラーコーンをポツポツと置いてあるだけで、誘導員なんかがいるわけではない。

木だって切り放題だ。

下に気をつかうこともなく、遠慮なくズバズバと伐採を進めていく。

いたってシンプル。



同じ高木伐採作業でも昨日の神楽坂の例とは月とスッポンなのが分かるでしょ。

もちろん、こんな現場だったら喜んで登りたい。

いつも「仲間に入れてくれんかなぁ・・・」と思って作業を眺めている。

2014年1月22日水曜日

神楽坂のケヤキ


昨日は久しぶりの木登りをして、さらには伐採までやったと書いた。

伐採っていったって、目通り40センチ、樹高4メートルくらいなのでたいしたことないけど。

今日、たまたま神楽坂を自転車で通ったらば、とても興味深い現場に出くわした。

神楽坂に行ったことがある人は分かると思うけど、一方通行の狭い道の両側に結構な大きさのケヤキが植えれている。

樹高は10メールとを超えると思う。

これの伐採をやっていたのだ。

神楽坂は交通量も多いし、人出もかなりある。

そんな場所を通行止めにできるはずもなく、ご覧のようにカラーコーンで最低限の囲いをして、クレーン車にゴンドラをくっつけて作業をしていた。


往来がひっきりなしなので、チェーンソーを使うことが出来ない様子で、「手ノコ」で少しづつ刻みながら枝を下ろしていた。

手ノコとて、おがくずが出るので、これが通行人に降りかからないよう細心の注意をもって作業をしていた。

しかし、神楽坂の通行人が途切れることがあるはずもなく、作業をしていた男の子は手ノコを2~3回引いたら通行人をやり過ごし、またノコを引く・・・ということを繰り返しているので、作業はまったく進まない。



大変だ、こりゃ。

通行人を怪我させたり、通り過ぎる車に傷をつけたりしたらば大問題だし、クレームが入るだけで彼ら、そして発注した役所なんかは矢面にたたされるのだろう。

木に登ってもいいよ、と言われても、こういうのは勘弁願いたい。

2014年1月21日火曜日

燃えた伐採仕事


今日は都内で、さる方からのご依頼をいただいて、高木の剪定と伐採をしていた。

植木屋の親方にも手伝っていただいて、高木の剪定は親方の超絶テクニックのおかげもあって、アッというまに完了。

問題は実生のミズキの伐採。

樹高は5メートルくらいだと思うけど、幹も枝も細くかったので、その横にあった大きなムクノキに「支点」(アンカーポイントという)を設けて、そこから隣の細いミズキに飛び移って伐採作業をした。

川があるほうは歩道があって通行人もいるので、枝一本落とさないように慎重に作業を進めた。



なんだかもっともらしく書いているけど、一度下見をしたときに大体伐採のイメージが頭に出来上がっていた。

難しくはない、むしろ楽しそう、と。

不謹慎なようだけど、木登りを味わいながら、伐採をしていくのにちょうど手ごろなサイズであると思ったのだ。

基本、手ノコでの作業なので、思ったよりも時間が掛かってしまったが親方と御施主さまのご協力があって、なんとか無事に作業を終えた。

程よい疲労感。

楽しかった、そして燃えた!

実は昨晩から楽しみで楽しみで、午前4時に興奮して目が覚めてしまったほど。

夢のなかでもイメージトレーニングよろしく木に登っていた。

まだまだ反復して精度をあげていく必要があるけど、こんな仕事も増えていくといいな。



2014年1月20日月曜日

まぼろしの鳥


赤い実はなんのために赤い色をしているのか。

それは、鳥たちに実を食べてもらって、実の中にあるタネを遠くへ運んでもらうため・・・とこれまでに何回か書いてきた。

でも近所のピラカンサを見ても、たわわに赤い実はなっているものの、鳥たちに啄ばまれた形跡がほとんどない。

そんな現場を目撃した記憶もあまりない。

理屈ではそういうことなんだろうけど、実際はそれほどでもないのかなぁ、なんて思っていた。



そんな矢先、今日見かけたピラカンサになんと鳥たちが20羽くらいたかっていて、赤い実をムシャムシャと食べていた。

そのピラカンサにはほとんど実が残っていないくらいだった。

鳥もちょっと大きくて、スズメなんてものはなかった。

僕は植物についてはそこそこ詳しいけど、生憎鳥についてはからっきしなんであります。

赤い実を啄ばんでいたその大きめの鳥がいったいなんだったのかは分からない。

でもいったん自転車で通り過ぎて、「あっ、たくさんの鳥がピラカンサの実を食べている!!」とUターンして戻ると、鳥たちはいっせいにパーッと飛んでいってしまった。

せっかく証拠写真をとってこのブログで披露しようと思ったのに・・・。

嘘ではない。

本当に大きめの鳥たちおよそ20羽が群がってピラカンサの実を啄ばんでいたのだ。

信じて欲しい。

2014年1月19日日曜日

行くべし、屋久島


今日は池袋コミカレで講座を受講してきました。

以前、ご紹介したと思いますが屋久島の公認ガイドである渡邉太郎さんと東瑞葉さんのおふたりによる『屋久島に生きる 不便な生活って最高』という講座。

スライドを見ていて、実際に縄文杉を見るために朝4時に起きて歩いたことを鮮明に思い出しました。

また行きたい、と強く思いました。

今度は出来ることなら宮之浦岳に登りたいなぁ。

副題にあるように、屋久島の生活は東京のような便利さはないながらも、人間が人間らしく生きている感じがして良いなぁと。

身体はふたつないので、島の人生と、都会の今の生活をともに歩むことができないのは分かりきったこと。

どちらかを選択するってことでしょうが、都会の暮らしを選択した自分は、都会で自分の役割を全うするしかない。

たまにこういう島に行ってリフレッシュするのは良いよねぇ、なんて思った次第。

行けば分かる屋久島の素晴らしさ。

遠いと思っている方、腰を上げれば分かる屋久島の近さ。

一度行ってみるべし。

2014年1月18日土曜日

英国王立園芸協会(RHS)


英国王立園芸協会をご存知ですか?

英語では The Royal Horticultural Society (略してRHS)という。

かのエリザベス女王が総裁であり、今から200年以上前に設立された園芸を愛する人たちの由緒正しい団体であります。

その海外支部が、世界で唯一日本にある。

その名を英国王立園芸協会日本支部(略してRHSJ)という。

僕も個人的に、英国にて園芸教育を受け、英国園芸の素晴らしさ、楽しさなどを広げたいと思っていたので、RHSJさんとも目指すところが同じということで色々とお仕事をさせていただいています。

特に今年は、日本国内にてRHS、そしてRHSJの活動を知ってもらうための講演などをさせていただくことになっています。

主なテーマはふたつ。

<テーマA>RHS主催のフラワーショウのご紹介
RHS主催のフラワーショウとして有名なのが5月のチェルシーと7月のハンプトン。
この2大フラワーショウの楽しみ方、見方などを分かり易く解説して、その魅力を伝えるというもの。

<テーマB>RHS会報「The Garden」の活用の仕方
RHSの会員になると、毎月会報誌が送られてくる。このThe Gardenという会報誌が素晴らしい。最新の園芸情報に限らず、病害虫、植物、菜園、庭園、書籍などなど網羅される情報が実に充実している。さらに写真が美しい。さらにボリュームもほどほどで手ごろ。
・・・とこんな良いこと尽くしの会報誌なのだけど、十分に活用出来てない人も多いのでは?
もしそこに「英語」という壁が立ちはだかっているからだとすれば、モチロン僕の出番です。

すでに園芸英語講座にて、園芸にまつわる英語を楽しく学ぶことを始めていたので、これをいかにThe Gardenを使いたおすか、というテーマに変えてお話しよう、と。

そんなわけで現在予定が分かっているのが

①名古屋:2月8日(土)13:30~15:30 テーマA
②仙台:2月15日(土)13:00~15:00 テーマB  
③福岡:3月15日(土) テーマB
④札幌:3月30日(日) テーマB

お近くの方、ご興味のある方、是非お気軽にご参加下さい。
お問合せ、お申込みは
英国王立園芸協会日本支部(RHSJ) http://www.rhs-japan.org/

皆様にお目にかかれますこと、楽しみしております。

2014年1月17日金曜日

19年・・・


1月17日。

19年前、阪神淡路大震災があった。

僕は直接被災したわけではないけど、当時祖父母が神戸に住んでいたこともあって他人事ではなかった。

「疎開」してきた祖父母。

祖父から
「神戸の家の様子を見てきてくれ」
と頼まれた。

まだ西宮北口までしか電車は走っておらず、その先どうするか思案した結果、自転車で行こうということになった。

そのときに買った自転車を今でもメイン自転車として愛用している。

新幹線で東京から新大阪まで。
さらに新大阪から西宮北口まで輪行して西宮北口で自転車を組み立てて、まだ倒壊した家屋がたくさんあるカオスを祖父母の家のあった御影までペダルを踏んだ。

今も当時の記憶が鮮明に蘇る。

そんな祖父母は他界し、その家も今は別の人の手に渡って全く違う家が建っている。

先週仕事でいった大阪の先に神戸はあり、スッカリ復興したかのように見え、全てが隔世の感がある。

テレビのニュースを見ていると、あの地震の後に生まれたり、後に転入してきたりした人たちが増えて、震災が風化しそうなんだそうだ。

そんなものなのかねぇ。

まぁ、3.11の後、節電だ、物資の不足だ、なんて言っていたけど、実際東京に暮らす我々の生活はほぼ元に戻った気がするものねぇ。

被災地ではまだまだ復興は進まないというし、原発の問題もあるし、まだまだ大変なのは分かるけど、どうにも我々人間は喉もとを過ぎると熱さを忘れてしまうおめでたい生き物なのかなぁ。

あのときに買った自転車、あのときに倒壊した家屋を縫うようにペダルを踏んだ自転車を見ては時折あのときを思い出す。


2014年1月16日木曜日

コダカラベンケイソウその後


昨日のコダカラベンケイソウの続き。

落ちていたコダカラベンケイソウの赤ちゃんを二粒拾ってきた。

1センチにも満たないくらいに小さい。



試しにそれらをちょっと水を含ませたティッシュの上に置いて様子を見てみることにした。

あまり期待しないでいたのだけど、5日くらいたってティッシュの上のコダカラベンケイソウを指先でちょいちょいと触ってみたらば、明らかに根付いている感覚が指先に伝わってきた。


根付いているということは、ここに根を張って水を吸収しているということか。

あまりの健気さに、急にこの二つの赤ちゃんコダカラベンケイソウが愛しくなってきた。

不思議なものである。

愛しくなったとたん、「陽に当ててやらなければ・・・」なんていって、日当たりの良い出窓に置いてやったりして。

おっと赤ちゃんなんだから、冬とはいえ直射日光はキツ過ぎるか、とレースのカーテン越しに陽に当ててやったり。

明らかに成長しているのが分かって、なんだかとても楽しい。

ひょんなことからコダカラベンケイソウを育てることになった。

2014年1月15日水曜日

コダカラベンケイソウ


一見して多肉種とわかるその佇まい。

多肉種といえばベンケイソウ科という科があるくらい、ベンケイソウがスグに頭に浮かぶ。

そんなベンケイソウのなかに、ちょっと変わったのがある。

それがコダカラベンケイソウ。

漢字を充てると「子宝弁慶草」となるだろうか。

なんで子宝なのか?

それはこの葉っぱを見て欲しい。



葉っぱの縁がノコギリのようにギザギザしているでしょ。

距離をおいて見るとギザギザなんだけど、もっと近くで見ると小さくて丸いものが葉の縁に整列して密生しているのだと分かる。

この小さくて丸いものが、不定芽というもので、簡単にいえば「むかご」のようなものということになる。


これがしばらくするとポロポロとこぼれ落ちて、着地後に根を出して新たなコダカラベンケイソウが生まれるというわけだ。

雄しべの花粉が雌しべに渡って(受粉)、受精しタネができるという、両親の遺伝子が注入されるケースとは異なって、この新たなコダカラベンケイソウは自身の身体の一部がそのまま次の世代に生まれ変わるのだ。

いわゆる「クローン」ということになる。

これが葉の縁にビッシリと。

冷静に考えてみるとなかなかホラーな感じがするのだけど、アナタはどう思われます?

2014年1月14日火曜日

サンシャイン60


今日は仕事の打合せがあって池袋サンシャインビルに行ってきました。

さすが高層ビルの先駆けだけあって、眺望は素晴らしいの一言に尽きます。

とくに池袋周辺にはサンシャインくらいしか高層ビルがないので、周辺一体を見下ろす感じになります。

目に入る範囲ほぼすべて自転車でほぼ走破しているので、地理が完璧に頭に入っています。

そうなると俄然、景色を眺めるのが楽しくなります。

あそこが東京ドームで、日本橋があの辺で、汐留のビル群がアレってことは愛宕があの辺で・・・といった具合。

仕事に行ったんだか、景色を眺めに行ったんだか。

しかしながら毎度のことながら高層ビルに登って景色を眺めると、東京の緑化面積のほどが知れて大変興味深いですね。

多いような、少ないような。

僕個人的には、そこそこ多いという気がしている。


コンクリートジャングルなんて呼ばれる大都会だけど、そこそこ緑地は確保されているのではないかな、と。

自分の住む街をこうやって改めて俯瞰してみるといろいろと気づくことがあるね。

2014年1月13日月曜日

ジンチョウゲ


成人の日。

久しぶりにちょっとだけノンビリした一日だった。

山を越えれば、また新たな峰が見えて、それに向かって踏み出す。

それを越えるとまた・・・

人生ってのはこういうことの繰り返しなんだろうな。

大きくて高い山もあれば、低い丘のような山もあり起伏に富んでいる。

・・・なーんて感慨にちょっとだけ耽ってみた。

それにしても寒いですねぇ。

予報では水曜あたり、都内でも雪が降るかも、なんて言っていた。

まぁ冬なんだから寒いのは当たり前か。

寒いときに寒く、暑いときに暑くないと、それはまた異常ということになってしまう。

寒い寒いと首をすくめて散歩をしていると、ひっそりと春に向けて準備をすすめているやつを見かけた。

ジンチョウゲ。

そう、僕が一番好きな植物のひとつ。

何度も書いているように、その香りをかぐと胸がぎゅーっと締めつけられるような気になる。

多感なころのいろいろな複雑な心境がこの香りとともに鮮明に思い出されるのだ。

そして東日本大震災のあった3月11日にも、このジンチョウゲは咲いていた。

そんなあれやこれやがジンチョウゲの香りに詰まっている。

今彼らは花を咲かせるために、芽からつぼみが出て、それが日々膨らんできている。

たしかに寒いんだけど、春もそう遠くないと知る。


2014年1月12日日曜日

イワシのように・・・


昨日のブログ、結局書けずにお休みしてしまった。

喫緊の他に優先すべき仕事が終わらずに、ブログまで手が回らなかった。

その優先すべき仕事が終わったのも午前3時だった。

そして今日は午前は池袋コミュニティカレッジで恒例の園芸英語。

今年第一回目ということで、楽しくやりました。

さらに午後は別の場所でおよそ3時間に渡って植物の話を。

やはり3時間も話すというのは体力をかなり消耗するね。

でも伝えたいことがあるわけで、なんとか3時間におさめるべく頑張った。

出し切った感は間違いなくある。

出し切ったお陰で、家に帰ってからしばらく動けなくなってしまった。

さて、今日は何を話したものかと思ったけど、今日を振り返って一番印象にあるのがコレだった気がする。

園芸英語でのことだったけど、色んなイディオムなどもご紹介している。

そこで出てきたのが「pack」という言葉。

パックって「包み」「容器」という名詞、「荷造り」などといった動詞などの意味があるが、他にも「ぎゅうぎゅう詰め」といったようなニュアンスもある。

「packed like sardines」
という言葉があるのをご存知だろうか。

サーディンとはイワシという意味だけど、ここではイワシの缶詰をさしている。

イワシの缶詰はイワシが缶のなかにきれいに並べられて隙なく詰まっている。

転じて「(イワシのように)ぎゅうぎゅう詰め」、つまり「すし詰め」という意味があるのだ。

イギリスにいたときに、庭仕事をやっていると同僚とあれこれぺちゃくちゃ喋りながらやっていたらば、何かの話題のときにそいつがこの言葉を発したのだった。

僕はこの言葉は初めて聞いたけど、「packed」「like」「sardines」それぞれの意味は知っていたので、それらを繋げて考えてみて、その意味が分かった。

イワシが整然としている様子と、彼自身がすし詰め状態になった様子が重なって妙に面白かったので声をあげて笑ったことを覚えている。

彼はそういう例え話を会話にちりばめることの多いやつだったので、てっきり彼が発明した言い回しだと思っていたらば、その後これはありがちな慣用句であることを知った。

そして今日、園芸英語で packed という言葉が出てきたので、そのエピソードと一緒にこの言葉を解説したというわけ。

そんなわけで、園芸英語は今年も楽しく開催中。

毎月第二日曜日、よろしければ池袋に是非お越し下さい。

2014年1月10日金曜日

植物の話


今日は朝5時起きで、大阪に日帰りの仕事でした。

雪の影響で新幹線は米原あたりで徐行となり15分程度の遅れ。

さらに新大阪から大阪へのJRも15分少々の遅れがあって、目的地に到着するのが30分以上も遅れてしまった。

よかった、ちょっと余裕を持って出かけて。

そして10:30~13:30、お昼を挟んで15:00~17:00と合計5時間熱弁をふるってきました。

全てを出し切ったといったところで、ちょっと足にきた感じです。

まぁよくも5時間も話すことがあると感心しないでもない。

長電話も好きではないので要件だけで切ってしまうのに、5時間とは。
女子高生の長電話並みのおしゃべりであります。

喉もカラカラだったので、19:00の新幹線まで新大阪駅の串カツ屋さんで喉を潤し、腹を満たした。

時間に余裕があれば鶴橋あたりまで繰り出したいところだけど、時間がない場合は駅内の飲食店は本当に便利。

さて5時間も何の話をしたかといえば、植物の話であります。

植物の形態、生理、分類などの話と、秋から冬にかけての植物の楽しみ方という異なるふたつの内容でした。

今は冬ド真ん中で、植物観察には不向きと思われている方が多いと思いますが、なんのなんの。

例えば落葉樹はすっかり葉を落としてしまっているので、本来の木の形(樹形)が良く分かります。

これは葉をたくさんつけているときにはなかなか知ることができないもの。

それぞれの木によって枝ぶりが異なるので、そういう特徴を掴むチャンスなわけです。

それ以外にも冬芽だとか、実(タネ)だとか、樹皮だとか、植物たちの冬の過ごし方など、話題に事欠きません。

そんな話をしていたらアッという間に5時間が過ぎていたというわけです。

今週日曜日にも今度は東京で午前は1.5時間園芸英語、午後は場所を変えて植物の話を3時間します。

こういう忙しさウェルカムです!

充実しているし、楽しい!