2015年5月31日日曜日

美味いもの


昨日の日帰り大阪出張は地震の影響をモロに受けて大変でした。

新幹線もなかなか動かず、動いたと思えば途中でつっかえたりして。

結局帰宅したのは日付も変わって深夜1:30ころだったかな。

ちょっと疲れました。

さて、まだイギリスの話は続くのです。

大きな幹線道路の脇にはキャンピングカーのような、キャラバンのような、屋台のようなお店を見かけることがあります。

向こうの言い方ではこれは「カフェ」ということになるのですが、トラックの運転手さんや、道路工事の方など、いわゆるガテン系の方が集まる店です。

実は僕はこれが大好き。

最初に立ち寄ったときは、本当に恐る恐るといった感じでへっぴり腰だったことを今でも覚えています。

なぜかというと、ガテン系のやや強面の方々が多いこと、店員の方も含め彼らの英語がいわゆる労働者英語で分かりにくいこと、そしてなんといっても供される飲み物や食べ物が衛生的なのか疑問だったこと。

しかし、ひとたび訪ねてみて、怖いことはないし、食べ物は比較的安いし、そして美味しい。

強面はたしかにそうなんだけど、話しかけてみると気さくて良い人が多いし、英語だって慣れればそれほど問題はない。



以来、運転していて小腹が減るとこの手のカフェを見つけては立ち寄るようにしているのです。

今回頼んだのはベーコンサンドイッチと紅茶。


注文をするとおじさんがジュージューと鉄板でベーコンを焼いてくれて、それをその場でバンズに挟んでくれる。

そして好みのソースをかけて食べる。

ソースだってレッドソース(ケチャップ)、ブラウンソース、BBQソース、チリソース、塩、コショウ、マスタードなど種類が豊富。



紅茶もとても美味しい。

砂糖を入れてかき混ぜる場合は、備え付けのスプーンを使う。

スプーンは水をはったマグカップのなかに一本だけある。

これでかき混ぜたらまたその水のなかに戻す。

なんかこれがとても不衛生な気がして最初はとても抵抗があった。

でも「エイヤっ」と試してみたら、なんてことはなかったし、腹もこわさなかった。

むしろ、本物のイギリス人に近づいた気がして、なんちゅうか一皮剥けた気がしたっけなぁ。

大阪の串カツのソースだって、二度漬け禁止で、やっていることはほぼ同じだものね。

腹持ちも良いし、ホント美味しいから是非お試しを。

何事も勇気をもって初めの一歩ですぞ。

この緑色のマグカップにあるのがスプーン。横の金属の容器に砂糖が入っている。

2015年5月30日土曜日

大阪日帰り出張


講演の仕事で日帰り大阪へ。

暑かった。

昼には、京橋にてうどんで腹ごしらえ。

いわゆる駅ソバは好きなので、似ているなぁとおもったけど、違うのはやはり「つゆ」。

東京のように醤油色をしていない。

味も薄口。

東京の味に慣れた者にとってはやや物足りないかも。

でも健康志向で良いかな、と。

お陰さまで講演には多くの方々にお集まりいただき有難うございました。

帰りには新大阪で串カツで一杯。

さぁ帰ろうかなと思ったら、地震の影響で新幹線が大幅に遅れていた。

仕事も終えたわけだし、焦って帰る理由もなくノンビリ行こうと思えば余裕です。

そんな訳で、現在23:40過ぎたところで、ようやく新横浜まで帰ってきました。

2015年5月29日金曜日

イマイチ F+C


ロンドンでもフィッシュアンドチップス(F+C)を食べてみた。

僕の偏見かもしれないけど、ロンドンを含むイングランド南部では美味しいフィッシュアンドチップスにはありつけない。

でも昨日書いたような「裏切り」もあるし、なんといってもロンドンは訪問頻度が高いので、一軒美味しいお店を抑えておけば安心かな、と。

フィッシュアンドチップスだけのために、ヨークシャー州にまで行くわけにもいかない。

数年前ロンドンのド真ん中にあった、比較的美味しいお店はもうすでになくなってしまったので、新たな出会いを求めて出かけたのがこのお店だった。

正直に告白すると、とある雑誌に紹介されていたのだ。

どんなもんかいな、と地下鉄を乗り換えてわざわざ出かけてみた。

店の雰囲気は悪くない。

でもアメリカンダイナーをイメージさせる内装には一抹の不安が・・・。

で、食べてみた率直な感想。

驚きはまったく無い。

不味くはない、が、美味くもない。

昨日書いたライのような「感動」はかけらもなく、いわばフツーのありがちなフィッシュアンドチップスだった。

なんとなく不完全燃焼のまま、歩いていたらポートベロマーケットに出た。

いつもノッティングヒル・ゲートのほうからトボトボと歩いて、マーケットのドン突きでUターンして帰ってくるのだけど、そのドン突きの先をさらに歩くとこのフィッシュアンドチップス屋さんに出てくることが分かった。

新たに地理が頭にインプットされたことは収穫だったかな。

飲み物込みのセットで6.80ポンド。1300円くらい。まぁまぁかな。

2015年5月28日木曜日

裏切りのフィッシュアンドチップス


車をかりて南部 East Sussex に繰り出した。

街の名を Rye (ライ)という。

アンティークで有名な街だけど、生憎あまり時間がなかった。

まず街の駐車場に車を停める。

駐車料金が示してあるが、生憎小銭を持ち合わせていなかった。

5ポンド札を持って、駐車場内に同じく停めてある車に乗っている人に両替ができないか聞いてみた。

すると、もう出発するのでこの駐車券をあげるよ、と言う。

ありがたや。

その駐車券であと1時間停められる。

ちょうど良かった。

街を早歩きでザッとめぐり、昼時だったので何か気の効いたものを食べようと思ったが、時間的にパブやレストランで食事をする暇はない。

ここはなんといってもファストフードに頼るのが一番。

ライは海からも近いこともあって、フィッシュアンドチップスがやはり気になる。

そこで勘を頼りに、美味しそうな店を探す。

実は僕はこのあたりに異常なほどのアンテナというか、センサーが働いて、美味しい店を探し出すのは得意なのだ。

偶然見かけて気になった Marino's Fish Bar に行ってみた。

時計を見ると、駐車場のタイムリミットまで20分くらいある。

歩きながら食べて駐車場まで行ったとして余裕である。

そこで small hadock and small chips を注文。

最近は歳のせいか量は食べられない。

全て small で注文するのが最近の流儀だ。

ファストフードのくせに、ぜんぜん出てこないのだ。

店はレストランにもなっていて、店内の注文にも応えている。

時計をチラチラ見ながら、ちょっとハラハラしながら魚が揚がるのを待つ。

こんなところで駐禁なんかとられたくない、絶対に。

表情では平静を装いながら、早くしてよビームを店員に注ぐ。

ようやく出来上がった。

記録の写真を撮り、塩とヴィネガーをワッサワッサとふる。



食べながら歩く暇はない。

せっせと駐車場に向かって早歩きをする。

途中でチップスだけ数本つまむ。

どうにかギリギリで駐車場につく。

幸い交通監視員がいないことを確認してようやく食事にありつく。

食べて、ビックリ。

人をさんざん待たせただけあって、揚げたてだけあって、これがことのほか美味かったのだ。

揚げたてだからだけではない。

コロモがサクサクで、魚がジューシーだったのだ。
そして油っこすぎない。

あまり長々と書けないが、正直フィッシュアンドチップスは英国北部こそ裏切りらない美味しさがあり、南部には裏切り続けられてきたので期待していなかったのだけど、南部にもこんなに美味しいフィッシュアンドチップスがあるなんて!!

これは本当に秀逸の美味さでありました。

また機会があればゆっくり訪れてこの味を再度堪能したいものであります。


フツーの店内

人のそわそわをよそに陽気な店員

2015年5月27日水曜日

アスパラガス


ブログ更新が滞って大変申し訳ない。

日々忙しいのと、時差ボケの影響としか言い訳のしようがない。

仕事を終え、帰宅し、普段ちょうど家での仕事がのってくる時間帯にモーレツに眠気が襲ってくるのだ。

目下はきたる土曜日に大阪で予定している講演会の準備。

せっかく仕入れてきた最新情報を反映すべく、あれこれとやるべきこと、調べることなどが沢山あるのだけど、これがなかなかはかどらないのだ。

焦る。

かといってブログを軽んじているわけでは決してない。

でもしばらくは通常ベースに戻すのはちょっとしんどいので、英国で仕入れてきた小ネタを紹介してみたいと思う。

英国での八百屋さんの店先にはいろんな野菜や果物がならんでいる。

日本でも馴染みのものもあれば、あまり見かけないものもある。

並べられているものを見ていると英国人の趣向というものも見えてくる気がする。

手前に並んでいるのはアスパラガス。

札をよく見てみると「English Asparagus」と書いてあるように英国産。



どうも英国人はかなりのアスパラガス好きとみた。

実際、泊めていただいた友人宅の朝食には、庭の菜園から採れたてのアスパラが食卓にあがった。

クランペット、スクランブルエッグ、そしてアスパラガス。

バターたっぷりでとても美味。


アスパラガスは根元の堅い部分を取り除いて調理したい。

その堅い部分と、柔らかい美味しい部分をどうやって見分けるか。

それはカンタン。

手にアスパラガスを取って、根元近くて折り曲げてポキッと折ってみるといい。

堅いところと、柔らかいところのちょうど境界で折れるので、堅いところは捨てて、柔らかいところを使えば良い。

なーんてことを教わってしきりに頷いた次第。

知っていましたか?



2015年5月25日月曜日

突撃精神


約2週間の英国出張から戻りました。

歳のせいなのか、帰国来時差ボケに悩まされています。

夕方、突然眠気がやってきて瞼をあけていられなくなる。

困ったものですが、たまった仕事も多く、寝ている暇はありません。

力技で時差ボケをねじふせるしかないかんじです。

さて、今回もとても収穫の多い旅となりました。

これまでとまた違った切り口で、新たな境地を拓いたというとちょっと大袈裟でしょうか。

例えば、普段から近所でチェーンソーの音がすると音源を捜してウロウロし、作業を見つめるというような癖がありますが、今回もとある庭を訪ねていた折に庭の外からチェーンソーの音がしてきました。

そこそこに庭を切り上げ音のする方向に車を走らせると、いました木こり集団が。

車を止めて彼らに近づき、

「こんにちは。日本からやってきたのですが、あなたたちの仕事にとても興味があります。もしできたら、仕事の様子をしばらく近くて見せてもらえませんか?」

と話しかけました。

彼らのなかのリーダーである体格の良い青年がそれを快諾してくれて、しばらく彼らの仕事ぶりを眺めたり、木登りの道具を見せてもらったり、樹木管理についてあれこれ尋ねたりしました。


我ながらかなり大胆。

初対面の強面の彼らに単身切り込んでいったわけですから。

それに対してとてもフレンドリーに対応してもらい有難かったです。

そういえばこの前、東京でケヤキの高木剪定をしていたオジサンに色々と話を聞きたいと思って近づいたら、その無愛想なことに辟易したばかりだったことを思い出しました。

人類皆兄弟。

仲良くありたいものであります。


2015年5月21日木曜日

夢から現実へ


チェルシーフラワーショウはあくまでもショウでありますから、ある意味、現実離れしているとも申せましょう。

ショウは土曜日まで続きますが、もう2日も見たのでお腹が一杯になりました。

そこで今日からは車を借りての庭巡り。
いわば現実の庭ということになりましょうか。

2日しかないのであまり遠くへも行けず。

いわゆる名園と言われながらも、これまで行ったことのない庭や、自分の嗅覚を頼りに新たに探し出した庭などを巡りました。

当初は、そのあたりで一泊しようかと思ったのですが、車で90分程度しか離れていない場所なのでキューに戻ってきました。

明日は早起きをしてもうちょっと遠くまで行ってみるつもりです。

いずれにしても日帰りなので近場で見落としていた庭を巡れればと思っております。

天気はまぁまぁ。

まぁ降りさえしなければ文句は言いません。


2015年5月20日水曜日

晴れときどき雨


チェルシーフラワーショウが始まりました。

昨日がプレスデー、そして今日からが一般公開。

そして今日も昨日も不安定な天気で振り回されました。

晴れていれば暖かく、日差しが眩しく、そして雨となると突然厚い雲が近づいてきてドカーっと降る。

こういっちゃ何だけど、遊びに来ているわけではないので、こういう天気は勘弁願いたい。

でもどうにかこうにか予定していた2日間の取材を無事に終えてホッとしております。

今年は今年なりに新たな動きがあったと思います。

行く人、来る人、ホームランを打った人、三振した人、愛される植物、だんだん敬遠される植物、さらには敬遠されたと思いきや再び愛される植物などなど。

このあたりは、さまざまな講演の機会にお伝えしていきたいと思っています。

さぁ今回の旅もいよいよ終盤。

明日からは車で南方面の庭を見てこようと思っています。

ブログ更新も飛び飛びで申し訳ありません。



2015年5月17日日曜日

下り坂


冷たい雨に降られた日は本当に参りましたが、現在は天候も回復してイギリス南部のハンプシャー州にいます。

週末一杯はこの周辺で過ごして、明日月曜からはいよいよチェルシーフラワーショウが始まります。

しかしながら天気予報では下り坂。

何とかもってくれ!と念じずにはいられません。

2015年5月15日金曜日

祟り雨


昨日、ロンドンは快晴で気温も高く、とても気持ちよかったのです。

ところが今日は一転して、朝から冷たい雨が終日降っていました。

イギリスの雨はいわば「シャワー」のような感じで、降ったと思えばすぐに止み、止んだと思えばまた降るといった感じだと思うのですが今日はシッカリ終日コンスタントに降りました。

大丈夫だろうと、普通の靴を履いてでたら、この雨に返り討ちにあいました。

お陰で靴も靴下もビショビショ。

不快感120%といったところ。

こうなるとスッカリ戦意喪失し、庭巡りなどする気が失せてしまいました。

ということで今日は美術館へ行ったり、気になっていた本屋さんへ行ったりしているうちに一日が終わってしまった感じです。

明日から天気は大丈夫そうなので、この遅れを取り返したいと思っております。


2015年5月13日水曜日

英国へ・・・

昨日の赤城自然園 

現在空港のラウンジにいます。

今日からしばし英国出張です。

昨日は赤木自然園に行っていました。

最近どういうわけか忙しくしていて、旅の準備も昨晩ようやく着手した次第。

案の定、荷造りを終えたのは深夜。

今朝は始発に飛び乗り空港にやってきました。

眠いですが、これで機内で熟睡できるはず。

毎年この時期に渡英するのには理由があります。

そう、チェルシーフラワーショウの取材のためです。

事前リサーチで、ある程度情報は得たので、それを現地で確認しつつ実り多い旅にしたいと思います。

さらには木登技術の更新、道具の補充、庭園巡り、友達と旧交を温め、もちろんパブにも足を運びます。

どの程度、ブログをアップできるか分かりませんが、良い報告ができるよう頑張ってきます。

2015年5月11日月曜日

ギンナン・ベビー


新緑の候は過ぎ、日に日に緑が濃くなっていく。

赤ちゃんの手のように小さかったイチョウの葉も大きくなってスッカリ大人びてきた。

なんかつまらないなぁ。
もうちょっと赤ちゃんの頃の様子をシッカリ見ておきたいのに・・・

こういう感覚は人間と同じなのかも。

このまま可愛い子供でいてくれよ、と思ったらいつの間にか声変わりして、背丈も越されて・・・なーんて良くある話。

イチョウに関しては葉の大きさだけではない。

「花」も見ごろを過ぎてしまった。

例えばこの雌花(メスの花)。

えっ、どこ?どれ?

そう思う人も多いと思うけど、このふたつポッチが突き出ているのが雌花であります。


花といえばチューリップなどが頭に浮かぶ人には、こんな「点」みたいなものが花とは信じられないだろう。

イチョウは裸子植物なので、胚珠が子房に入らずにむき出しになっているのだ。

やがてこの「点」はギンナンになるのだ。

いわばギンナン・ベビー。

こんな姿を見られるのも春の楽しさなのだけど。


2015年5月10日日曜日

心配事


昨日の東京はちょっとだけ雨が降ったけど、最近の天気は良すぎるゾ!

天気が良いだけで、そんなに憤ることもあるまいに。

でもこれは結構な問題なんであります。

なぜなら、この好天による「気温の高さ」と「日照時間の長さ」によって、植物たちの開花期が軒並み前倒しになって、早まっているからだ。

この前(4月27日)行った赤城自然園でもシラネアオイがすでに満開で、来週の赤城ではすでに花が終わってしまっているという懸念があり、「シラネアオイ満開の赤城自然園に行こう!」なーんてタイトルのツアーの見直しが迫られてしまうというわけだ。

こればかりは自然の所業なのでいかんともし難いのだけど、なかなか困った問題なのであります。

夏前には梅雨があるので、このまま一本調子で気温が上がり続けることはないとは思うけど、5月になったばかりで「夏日」なんて単語を頻繁に目にすると季節感もなにもあったものではない。

今年の夏はどうなるんだろうか。

心配である・・・。


2015年5月9日土曜日

雑草のごとく


先日書いたフキノトウ。

天ぷらなどの食材になると考えると、何やら高級そうで箱入り娘のようなイメージを抱くかもしれないが、実は雑草のごとく色んなところに気ままに生えているのだ。

例えば、この前行った青森県では高架下のホンの僅かなスペースにご覧のようにフキノトウが群生していた。

良く見れば、ほぼコンクリートの上のようだけど、逞しく生きていた。

もともとは、例のパラシュート状のタネが飛来して、湿り気、日当たりなどから「ここはOK!」として根を張ったものだと思うけど。

かえすがえす大したもんだね。



2015年5月8日金曜日

ウィルソンの夢を追いかけて 完結編


ギリギリ、押し迫ってのご案内で申し訳ございません。

明後日、日曜日にイベント(講演会)を開催いたします。

先だってキューガーデン時代のボスと一緒に北海道、東日本を縦断したときのことを裏話も含めて時系列的にスライドをご覧頂ながら楽しんでいただければと思います。

会場は、多摩センター駅から徒歩10分少々のところ。

お申込み頂いた方に詳細をお知らせします。

まだ席はありますのでご興味のある方は是非どうぞ。

<ウィルソンの夢を追いかけて 2015年完結編>
*日時:2015年5月10日(日)15:00~17:00
*場所:高崎設計室 多摩センター駅徒歩12分
    (お申込みの方に詳細地図をお送りします)
*定員:20名(先着順・定員に達し次第締切り)
*会費:3000円(お茶とお菓子付き)
*お申込・お問合: event@hanasaka-engei.com
*ご参加の場合は事前のお申込みをお願いします。

2015年5月7日木曜日

フキノトウ、その後


春にフキノトウの天ぷらを食べた人もいるでしょう。

春の味覚というか、「ああ、春なんだな」と実感させてくれる料理だ。

フキノトウは食材としても、スーパーやデパートなどでも見たことがあるだろう。

もちろん、野山を歩いていても、結構あちこちに見かけることができる。

しかし、その美味しそうなフキノトウを放っておいたらどうなるだろうか?

フキノトウとは、そもそもフキ Petasities japonicus の花芽。

放っておけば花が咲き、キク科ゆえ、タンポポと同じようなパラシュートを持った実をつける。

美味しそうな花芽からは、とっくに花が咲き、今はご覧のような実を付けている。

これがタンポポのように風にのってフワフワと飛んでいって、テリトリーを広げていくのだ。

身近で良く知っている植物でも、季節によって違う姿を見せられると案外分からなかったりするものだよね。

2015年5月6日水曜日

好き、パッションフルーツ


この黄色いネトネトの果物は何でしょう?

正解はパッションフルーツ。

ジュースやお菓子などにパッションフルーツがあって、食べたことはあっても実際にフルーツを食べたことがある人は案外少ないのでは?

独特の酸味と、黒いタネのプチプチ感が僕は好きなのだけど、これは個人のお好みの問題か。

酸っぱ過ぎ、という人もいるだろうし、あのタネの食感がイマイチ、という人もいるだろう。

パパイヤのボヤッとした曖昧な味にレモンをかけて食べる人がいるでしょ。

僕はレモンの代わりにこのパッションフルーツを提唱したい。

美味しいぞ。

さてパッションフルーツは何でパッションフルーツなのか?

それはパッションフラワーになる実だからだろう。

パッションフラワーは別に情熱的な花であるわけではない。

学名を Passiflora と言い、和名をトケイソウという。

えっ、あのトケイソウの実がこれなの??

そうです、そうなんです。

ただし、トケイソウの種類は多くて、ご近所で良く見かけるトケイソウの実は美味しくないと思うけど。

2015年5月5日火曜日

食と緑の空中庭園


連休で混み合うなか、池袋のデパートに用事があって出かけてみた。

たまたま乗ったエスカレーターで
「食と緑の空中庭園」
というポスターが目に入ったのでちょっとだけ寄ってみた。

4月29日にオープンしたばかりの、出来立てホヤホヤ。

空中庭園というと、新宿伊勢丹が屋上に庭園をつくり、これがある意味先駆けとなり大成功を収めた。

2匹目のドジョウを狙った後発のデパートが似たような屋上庭園をつくってきたけど、伊勢丹ほどの成功を収めることはなかった・・・

というのが僕の理解。

最近、池袋はとてもホットなスポットと化してきたので、淡い期待を抱いてどんなものかなと覗いてみたというわけ。

・・・しかし。

不遜なことを承知で申し上げるけど、この屋上庭園はかなり拍子抜けだった。

池袋駅を挟んだお向かいにある東武百貨店の屋上テラスをやや洗練させた程度という印象。

図面から受ける印象は、あれやこれや盛り沢山で、かなり上手いスペースの使い方をしているようにみえるのだけど、実際にはスカスカといった感じを受けた。

図面から受ける印象は良いんだけどね・・・

かつ、店舗がかなり離れていて、「ギュッ」とした感がなくて間が抜けてしまっている気がした。

ガーデニングショップというので、どんな品揃えなんだろうか、とワクワクして行ってみると、大した園芸用品は置いていなくて、観葉植物、日本伝統植物などが数多く置いてある。

これもユニークで良いんだけど、やっぱりまずは王道を極めてから脇へ行って欲しいと思う。

気の効いたガーデニンググッズがここへ来れば全て揃う、というのはありそうでないのだから、ここはチャンスだったと思うのに残念。

なーんてね。

わずか5分少々と時間がなくて駆け足でチラリと見た程度で僭越ではあるけど、第一印象は大切だものね。

ただこの屋上で風に吹かれてビールなんか飲んだら気持ち良いとは思ったよ。

あっ、それじゃビアガーデンか。


2015年5月4日月曜日

葵の御紋


昨日フタバアオイのことを「キワモノ」なんて書いてバチが当たるかな。

東照宮の石柱に刻まれた葵の御紋をご覧あれ。

たしかに、フタバアオイの葉の形をしている。

このへんの繋がりは正直知らなかったなぁ。

まだまだ勉強不足です。



2015年5月3日日曜日

キワモノ


これも赤城山で見かけたキワモノ。

その名もフタバアオイ Asarum caulescens

ウマノスズクサ科ってことだけど、聞いたことがない。

しかしウマノスクズクサ科は Aristolochiaceae と知って、

「ああ、アリストロキアか・・・」と思った。

植物園の温室ではこのアリストロキアというキワモノが度々見られるのだ。

そしてそのニオイが変わっていているし、花の形もかなりキワモノなのだ。

そうやってみると、全てが腑に落ちる。

見てくれ、この変わった花を。

色だって濃い茶色といったところで、特に可愛いわけでもない。

アリストロキアのような強烈なニオイは無い。

葉っぱに隠れてこんなに目立たない花を咲かせるとは一体何が花粉を媒介しているのだろうか。

おそらくアリなどの地面を這うタイプの虫たちではないかと思う。

そしてこの植物に関して述べておかねばならないのは、徳川家の家紋である葵の御紋の元になっているということ。

ついこの前、日光東照宮に出かけたばかりではなかったか。

葵といっても、タチアオイや、フヨウなどのアオイ科とは全くの無縁というあたりがまた混乱を招く。

確かにハート形をした葉は葵の御紋そのもの。

山野草も食わず嫌いせずに、咀嚼すればそれなりに楽しいのかも。

2015年5月2日土曜日

エンレイソウ


これも普段見かけないね。

エンレイソウ Trillium 

園芸的に栽培するものではなく、山の陰地でひっそりと自生する。

因みに名門国立大、北海道大学の校章にもなっている。

その学名が示すように Triは「3」の意味があり、liumは「ユリの」という意味があるが、たしかに葉もガクも花びらも雄しべの数(3×2)も3の倍数で収まっている。

これでユリ科。

ユリ科ってことは「単子葉」なのだけど、この葉はどうです?

葉の幅が太くて、葉脈が網の目状になっている。

普通、単子葉の葉は「細くて先端に向けて尖っていて葉脈は平行脈である」ではなかったか?

となると、これは例外的な存在ということになる。

一筋縄ではいかんなぁ・・・

難しすぎるゾ、山野草。