2017年12月31日日曜日

今年もお世話になりました


いよいよ大晦日。

外は・・・曇りですね。

ここ最近ずっと晴天続きだったのに、日がささないとさすがに冷えるね。

我が家の窓際にはシクラメンが。

これは頂き物。

あまり水をやらないで厳しめに育てようとしているのだけど、厳し過ぎるとすぐに花柄がダラッと垂れてしまう。

それが思ったよりも早いのだ。

少なくとも1日おき、下手すると毎日水をやらないといけない感じだ。

これはどうも「用土」が少ないことに起因するのではないかと思う。

鉢はかなり大きいのに、全体に軽い。

これはシクラメン農家の方々がこのシクラメンを育てて出荷するにあたり、生育具合や、コストなどによってこうなっているのだろうと想像するが、用土が少なければそれだけ水分を蓄えておける量が減る。

シクラメンは季節モノで、クリスマス~正月の販売が中心。

ちょっと古いデータだけど(2015年11月28日日経新聞・夕刊)
シクラメンの出荷量は1860万鉢
シェアが長野県が15%、愛知県が11%
ということらしい。

自分の感覚では埼玉県あたりの農家さんがシクラメンを多く手がけているように思うのだけど。

意外なところでは都内江戸川区鹿骨(ししぼね)なんてのも花卉生産を盛んにやっている。
鹿骨町は都内では珍しく鉄道駅が無い鉄道空白地域らしい。
そんなノンビリしたところなので。こういう花卉生産なども盛んなのだろうか。

まぁそんなこんなで大晦日。

今年は花咲ブログも書いたり、休んだり。
ネット公衆回線の向こうには楽しみに読んでくれている方もいらっしゃると分かったので、来年も楽しく続けていきたいと思っております。

どうぞ良いお年をお迎えください。

花咲ジジイ

2017年12月29日金曜日

高騰する葉モノ野菜


サラダを作る必要に迫られてレタスを買いに行った。

買いに行って、その値段にタマげた。

レタス1玉550円+税!!

レタス1玉が500円以上もするのか!?

思わずひるんだけど、レタスがなければサラダが成立しないので納得できないが買った。

レタス1玉500円以上・・・と何度も頭のなかでリフレインする。

葉物野菜が高いとは良く耳にするが、ここまでとは。

店員さんによれば、これからもっと高くなるとのことだった。

マジか!?

ハンバーガーなんかにレタスを使っているところは、肉(パテ)よりもレタスのほうが高くなるんじゃないか、なんて思ってしまう。

まぁ、こういう天候不順などの理由によって野菜の値段が高騰したりすることを防ぎ、通年安定してレタスなどを供給(確保)しようというのが「植物工場」の目的なんだろうな。

たかがレタス、でも深く考えさせらたよ。

2017年12月24日日曜日

メリークリスマス


クリスマスイブでしょうか。

歳を取ってくるとあまり気にならないイベントになってしまいました。

子供のころは子供なりに、青年のころは青年なりに、興奮したものではありますが。

それよりも、海外向けのクリスマスカード、年賀状、掃除、整理整頓などなど、年内にスッキリさせておきたいことが山のようにあって大変なんであります。

年が明ければ今度は確定申告でしょ。

一年は本当に早くてイヤになっちゃう。

さて年内の外仕事も概ねカタがつき、落ち着いた感がある。

道具の手入れなどもして気持ちよく新年を迎えたい。

最近は一般家庭でも派手な電飾などをしているのをよく見かける。

これを意図的に町(地域)ぐるみでやって、観光客を集めているところもあるように聞く。

この前テレビを見ていたらばアメリカのある町で派手な電飾をしていたらば、観光バスなどもやってきて大騒動なんだそうだ。

住民の人は「緊急のときに病院にもいけない」と嘆いていたけど、率直な感想としては「それなら電飾をやめれば良いじゃん」ということ。

誰もお願いはしていないと思う。

自分でやって自分の首を絞めるのであれば、やめれば済むこと。

違うだろうか?

この前、近所を歩いていたらばこれもド派手な家をみつけた。

電飾ではない。

植木鉢などを並べて、なんとなくメルヘンチックな雰囲気を醸していたのだ。

ガレージに車があったけど、どうやって出し入れするのだろうか?

答えは簡単。

車は現在使われていないのだった。

しばらく動かした気配がなかった。

地域ぐるみではなく、このお宅が自主的にやっているようだったけど、これはこれでchっと特別な感じがした。


2017年12月20日水曜日

青は藍より出でて藍よりも青し


真っ赤な茎が目をひく。

これなーんだ?

すぐに分かった人はなかなかスルドイ。

葉っぱも落ちてしまっているしね、なかなかの難題。

実はこれは染料として使われる「藍」なのであります。

えーっ、こんな姿なの?

それよりもなによりも藍ってことは「青」でしょ、基本。

ところがどこも青くないし、全てが赤い。

これからどうして青い染料がとれるのか。

先人はよく考えたものであります。

さらにこれはタデ科の植物ゆえ、たしかに花の地味さなどもタデらしい。

そういえば受験生のころに覚えた故事
「青は藍より出でて藍よりも青し」
なーんて思い出したよ。

えーっと意味はなんだっけ?
弟子が師匠を超える、って感じの意味だったっけ。

とりあえず茎の赤さがクリスマスっぽいってことで。

地味な花

赤い茎 たしかにタデっぽい

2017年12月13日水曜日

干してみなはれ


渋柿は渋い。

でもひとたび干すと様相は一変する。

甘い。

干し柿の甘さ(糖度)はメロンやブドウよりも高いと言われている。

あんなに渋いのが、干すだけでこれだけ甘くなるというのは本当に不思議。

そしてもっと不思議なのは「最初に干し柿に気付いた人」のこと。

渋い→不味い→廃棄

そんな図式で落着しそうなところを、渋い→不味い→干す、と誰が気付いたのだろう?

誰かが教えてくれたのか?

干せば甘みが増すなんてものを他に知らない。

コーヒーを最初に飲んだ人も、ビールを最初に飲んだ人も、あんなに苦いものを慣れる前の一発目から「ウマイ!!」と思えたのだろうか。

キノコも食べられるものと、中毒を引き起こすものがある。

マツタケに行き着くまでに何人命を落としたことだろうか。

ある意味、懲りない生き物である、人間というものは。


2017年12月11日月曜日

渋柿


急な寒波の到来。

北海道では大変なことになっているらしいが、イギリスのラジオを聴いているとどうもイギリスほぼ全土が雪化粧らしい。

極端だよねぇ

外仕事をしていても、普通は身体を動かしているとそれなりに暖かく感じるが、最近は底冷えというか、ちっとも暖かくない。

これで雨なんか降った日にゃぁ最悪だ。

頼む、年内は降らないでくれ、と願わずにはいられない。

庭ではカキが美味しそうに、その存在をアピールしていた。

しかし外見に騙されてはいけない。

美味しそうとガブリとやるととんでもなく渋かったりする。

なんなんでしょう、あの渋柿ってのは。

人間でも外見に騙されることが多いけど、カキはその期待を裏切る率の高さではトップクラス。

甘い柿とのギャップが大きい。

口に運ぶときに脳が甘いと期待した信号を流している最中に下に伝わるシブさの信号はインパクトがある。



新クリスマスリースの御提案


めっきり冷え込むようになってすっかり冬であります。

12月、師も走る忙しい月。

この時期は植木屋さんたちは書き入れ時。

年内は休みなしという植木屋さんも多いことと思う。

年末大掃除をして、気分良く新年を迎えたいのと同様、庭もさっぱりしたいというのは、これ日本人のメンタリティだと思う。

そんなわけで僕も植木屋の親方の手伝いで忙しくしております。

でも、ただ忙しいだけでは能がない。

どこかに発見や驚き、大袈裟にいえば感動など、楽しいこともないと。

それはそんなにスペシャルなことでなくてもいいのだ。

例えば、この前は生垣を刈込もうと思ったらつる性の植物が生垣に覆いかぶさっていた。

これをどけてから刈込むのだけど、このつる性の植物はヘクソカズラだった。

こんなに旺盛に育っていたのだなぁとちょっと感慨深い。

そして手に持ってみると、クリスマスリースの素材に使ってもなんら遜色がないように思えた。

だって「つる」で「実」がなっているんだから。

ありきたりの素材でクリスマスリースを作ったって面白くないじゃん。

どうです、ヘクソカズラもちょっと混ぜてみては。

面白いと思うんだけど。




2017年12月6日水曜日

まだイケる


昨日書いたように神宮のいちょう祭りは終わってしまった。

でも、都内の黄葉・紅葉はもうちょっと楽しめるのではないかと思う。

イベントは事前に開催時期を決めねばならない。

それが、今回のように紅葉だとか、花の開花をテーマにした場合、ぴったりとそのピークと開催時期を合わせることができるかというのは、もうほとんどギャンブル。

当たれば万歳だし、外れればドッちらけ。

自然を相手にするだけに予測するのは本当に難しいよね。

イベントはイベントして、個人的に都内を散歩するには楽しい季節だ。

写真は靖国神社。

大きな鳥居の先に黄金色に輝く円錐形のイチョウが並んでいる。

師走で何かと気ぜわしいけど、こういう名所を暇を見て歩いてみてはどうだろう。

2017年12月5日火曜日

機を逸する


先週金曜日。

仕事帰りに自転車で神宮の脇を通った。

絵画館前のイチョウ並木がライトアップされてキレイだった。

そうそう、この時期いちょう祭りが開催されているんだった。

なんだか一年が早いなぁ。

あと何回こんな黄葉をみることができるんだろうか、なんてマジメに思ってしまう。

サクラが咲くのを見るのもそう。

パッと咲いてパッと散る、サッと色づいてサッと散る。

こういう無常感を最近はとくに強く感じてしまうのだ。

年齢のせいか。

見ごたえのあるいちょう祭りをやっていますよ、と知らせようと思ったんだけど、調べたら12月3日(日)で終わっていた。

季節の移り変わりに、時の流れに全然ついていけていないじゃん。

ダメじゃん。

2017年12月1日金曜日

結構なものを有難うございました



植物愛にあふれた内科クリニックのご紹介、いちおう今日でいったん筆をおこう。

いやーそれにしても凄かったなぁ。

買ってきたもの、ではなくて、実生ものなど御自分でイチから育てていて、ここまで増やしてきたというのがスゴイ。

というかこれが真の園芸の姿という気がするけど、なかなかここまでできる人は多くないと思う。

そして几帳面な札。

丁寧な字で、愛情をこめてそれぞれの植物を説明している。

いったい誰に向けての説明なんだろうか?

もちろんこうやって通りかかる人が読むことを想定してのことだと思うけど、誰かをイメージしながらでないとなかなか書けないのではないだろうか。

また折を見て再訪してみたいと思う。

いいものを見せていただきました。

感謝。


門の内側も失礼して

ケヤキの実生 なんと7年目!!

ヤツデだってこのとおり

2017年11月30日木曜日

愛にあふれた内科クリニック



その不思議な植物好きの内科の話。

小さくて可愛いポット苗が置いてあった。

サクラソウ(桜草)苗さしあげます
来春開花です
いくらでもいご自由に1ポット1株
株がだいぶ大きくなりました

と看板に書いてある。

なんちゅう親切さ。

いくらでもご自由に・・・というあたりは、植物好きな人に喜んでもらいたいという気持ちが表れているように思える。

そして最後の「株がだいぶ大きくなりました」というあたりは、精魂こめて育てた苗も皆さんにお裾分けできるくらいに大きくなったんですよ、というような親心が垣間見えた気がした。

こういうのを無償の愛っていうのだろうか。

見てみると、まだまだたくさん小さな株が異なるプランターに育っていた。

愛情を注いで、几帳面に育てているのが良く分かる。

何者?この先生??




2017年11月28日火曜日

医は仁術なり


ときどき通りかかる昭和な雰囲気の漂う門構え。

いつもは門は閉まっている。

そしてプランターが外に幾つか置いてある。

それは知っていた。

でもこの前久しぶりに通りかかったら・・・

門が開いていた。

さらにプランターの数が増えていた。

なんだ、なんだ??

質素な看板が立てかけてあって、それによると内科クリニックらしい。

ええっ、これ病院なのか??

どう見ても普通の民家ですよ。

玄関で靴を脱いであがるのだろうか?
中には受付があったり、看護婦さんがいたりするのだろうか?

まぁそのあたりはいいや。

それよりも気になるのはこのおびただしい数のプランター。

しかもそれぞれに几帳面な文字で何かが書かれている。

例えば一番下の写真を見れば分かるけど、ヒガンバナのことについて詳しく解説してあるのだ。

これはスゴイ。

相当な植物好きなのが分かる。

クリニックとして門が開いていたので、失礼ながら門のなかもちょっとだけ見学させていただいた。

凄かったよ、ホント。

追って詳細をご報告しましょう。

優しいお医者さんなんだろうな、などと勝手な想像をする次第。




2017年11月26日日曜日

落ち葉の絨毯


気がつけば11月ももう終盤。

秋も深まってきた。

山沿いはもちろんだけど、都内を含め平野部の秋も本番かと。

近所の公園を歩いていたら、落ち葉の絨毯が。

赤、黄、茶など落ちたばかりの葉っぱはなんとも美しい。

散りぎわの美しさってやつだろうか。

あと2週間くらいは黄葉、紅葉、そして落ち葉を楽しめることと思う。

改めて一年は早いなぁと思う次第。

2017年11月22日水曜日

庭がなくてもシアワセ


往来にはみ出そうな植木鉢。

ときどきこんな光景を目にするよね。

僕はこういうのを見るたびに、小さな感動を覚えるのだ。

ちょっと大袈裟かな。

でも考えてもみてほしい。

植物を育てたい、でも庭がない。

普通は諦めてしまうでしょ。

でもこういう人たちは不屈の植物愛の持ち主なのだと思う。

庭がなくてもへこたれない。

限られたスペースを最大限に活かしてプランターを並べて季節の花を育てている。

「置く」だけでは飽き足らず、「ぶら下げる」ことでさらなるスペースの有効活用を図っている。

水平に垂直に、まさにMAX。

やっている御本人はもちろん、往来を行き交う人たちも楽しませてくれる。

そりゃ広い庭があればそれに越したことはなかろう。

でも、東京という限られた土地に多くの人がひしめく場所ではそれはなかなかかなわない。

イングリッシュガーデンも確かに素敵だけど、イギリスの人たちはこういう意味においては恵まれている。

日本では表現の場がこんなことになっているだけで、植物愛については負けず劣らず、いやいやかなり勝っていると思うよ。


2017年11月19日日曜日

オトナになろう

もうすでに左のツツジは枯れている・・・
「植栽保護の為前向き駐車にご協力ください」

・・・すなわち、マフラーからでる排ガスが直接植栽にかかると植物たちが傷むことからなのだろう。

「植木保護の為、花壇の上に登らないで下さい」

・・・すなわち、花壇に登ったついでに植物を踏みつける輩がいてのことだろう

いずれも植物愛に満ちているといえば満ちている。

しかしいずれも常識的に振舞えるのであれば、こんな注意書きは不要なはず。

電車のホームでのアナウンスなどもそうだけど、日本って国はどうも未成熟というか、当たり前のことを声高に、ややお節介的にアナウンスしないと収まらない性分であるように思える。

思いやりと常識を持ち合わせればこんな注意書きは要らない。

そしてこんな注意書きはなんとも興醒めだなぁと思うのは僕だけだろうか。

この花壇のどこに登るのだろうか・・・

2017年11月17日金曜日

余裕は大事


某所にて鉢植えの花を入れ替えようとした。

春からずっと頑張ってきたサフィニアもいよいよ元気がなくなってきたので秋~冬ものに植え替えようというわけ。

鉢にあったサフィニアにはサヨウナラして、問題は土(用土)をどうするか。

これを一般ゴミとして捨てられないのは周知のことと思う。

もちろん再利用、サステナブルな園芸を目指してみることにした。

ふるいに古い用土を入れて、砂利やサフィニアの根を取り除き、できれば天日干しして殺菌などすると良いという考え。

アイディア自体は良いと思う。

でも実際にやってみたら・・・

ふるいの選択ミスが第一にあげられる。

まずふるいのサイズが小さすぎて、少しづつしか用土が入らない。

そしてふるいの目が細かすぎてなかなかふるいを通りこして用土が落ちていかない。

これはひとえに「ケチった」からだ。

大きいサイズとなるともちろん値がはるし、普段からふるいを使うかというと否。

年に何回使うか分からんものにそんなに投資はできない。

こういうことは予め想像がついていたので、それなりに考えて買ったつもりだったけど甘かった。

そしてサフィニアの根はとても細かく、元気に密に張っていたのだった。

これは手間がかかる、時間がかかる。

思案していたところ、鉢底に謎の「卵」がたくさん付着しているのを発見。

この汚染された土を再利用することはかえってマイナスに思えた。

なので、結局この土は花壇の隅に捨てて、新たな用土を使って植え込んだ。

もちろん鉢は水圧を上げたホースで汚れも謎の卵も洗い流して。

こういう作業をするには、余裕が必要だと改めて思った。

時間的な余裕、ふるいのサイズの余裕、作業をするスペースの余裕など。

発想は良いが、それを実践するのはなかなか難しいね。

苗を用意しちゃったので後にはひけない

2017年11月14日火曜日

秋到来


気がつけば早くも11月も半ば。

年賀状は売り出されているし、来年の手帳売り場も盛況だ。

早くも忘年会なんて言葉も聞かれるようになってきた。

一年は本当に早い。

あと何回サクラを拝むことができるだろう、あと何回紅葉狩りができるだろう。

いつでも出来ると思ってはいけない。

人生には限りがあるのだ、と季節が巡るたびに思う。

都内でもぼちぼち紅葉・黄葉がはじまった。

今年もあと50日を切った。

一日一日を大切に。


切り込み隊長


おたくのご近所にこんな空き地を見かけないだろうか。

何か建物が建っていて、それを壊して更地となる。

当初は土むき出しの何の変哲もない空き地が、時間の経過とともに少しづつ緑に覆われていく。

不思議だと思いませんか?

緑はいったいどこからやってくるのか?

沸いてくるわけではない。

それこそ鳥や風がタネを運んでくるのだと思う。

あるいは土のなかにそもそもタネが潜んでいてそれが発芽することも考えられる。

こういう更地があると、そこに何がはえているかを注意深く観察すると面白い。

だいたいどこでも同じようなパターンのはず。

先陣をきってやってくるのはアカメガシワ、アオギリ、ヒナタイノコズチ、セイタカアワダチソウなど。

そして時間の経過とともに少しづつその植生が入れ替わっていくのがまた興味深い。



2017年11月12日日曜日

我々も運び屋なのだ


植物たちがタネを運ぶ件について書いてきた。

これまでご紹介したのは鳥が運ぶ、風が運ぶといったあたり。

もちろんこれら二つは最も代表的な種子散布の方法だ。

でももっともっと方法はバリエーションに富んでいる。

例えばこれ。

コセンダングサ Bidens pilosa 

実の先端が鈎針(かぎばり)状になっていて、人間の洋服や動物の身体に付着する。

種小名の pilosa は「長くて柔らかい毛をもった」という意味があるようだけど、この鈎針のことを指しているのであれば決して柔らかくはない。

下の写真は実を結ぶ前の花のときだけど、長くて柔らかい毛らしきものは見当たらない。

まぁあいい。

秋晴れの気持ち良い日は散歩しながら色んな実に目を向けてみよう。

2017年11月8日水曜日

旅するタネ


赤城の実をご紹介してきたけど、赤城の実に限らず植物たちはせっかくできたタネをより遠くへ運びたいと思っていて、それを風に頼ったり、鳥を含む動物に頼っていたりする。

これを種子散布と呼ぶということはお話ししたとおり。

動物たちは実を食べて、糞をするときに消化されなかったタネが糞に混じっていてタネは動物が実を食べたところから糞をしたところまで旅をしたということになるのだ。

そうやって注意して見ていると、何かの動物の糞が雨に打たれて形は崩れていたものの、中に消化しきれなかったタネが沢山含まれているのが分かる。

白っぽいタネ。

何のタネだろうか?

タネの中には動物の胃を通過する際、強い酸(胃酸)に触れることで発芽が促されるものもあるという。

タネの追っかけも楽しいテーマであります。

2017年11月7日火曜日

赤城の実 ③


赤城の実。

これまでは赤や紫など目立つことで鳥たちに見つけてもらって運んでもらうという話をしてきたが、タネを運ぶのは鳥や動物だけではない。

風だって運ぶのだ。

一番分かりやすい例がタンポポね。

あれは風にのってフワフワと飛んでいって着地した場所で発芽するという仕組み。

今日の写真は知っている人は知っているけど、知らない人は知らない実。

当たり前か。

これはカエデの実。

二枚の翼のようだけど、これは半分にパカッと離れて翼一枚でクルクルとヘリコプターのように回転して飛んでいく。

タネの部分が丁度良い塩梅の重さになっていて、クルクルと回転するようになっているのだけど、これを見るたびに本当に感心する。

こんな絶妙なバランス、作ろうたってなかなかできるもんじゃない。

是非拾って、自分でクルクルしてみていただきたい。

飽きずにしばらくクルクルできるはずだから。