2017年4月18日火曜日

ここにも春


木の実収集癖がある。

今は新緑の季節だけど、秋には下を見ながら「これは!」と思う木の実を拾ってはタッパーなどに入れて保管しているのだ。

ただし気をつけないといけないこともある。

例えば、ドングリ。

ドングリはその造形美も手伝って、各種取り揃えたくなる。

とくにアベマキやクヌギのような大型のドングリにはグッと惹かれるものがある。

でも気をつけないと、そのドングリの中に虫が卵を産みつけている場合があるのだ。

もちろん拾った時点で明らかに虫の食ったあとがあれば、それは対象外としている。

でも彼らは巧妙に卵を産みつけるのだ。

なので、拾ってきたドングリを放置していたらば、気付くとイモムシがウニョウニョと、という事態は大いにありうるのだ。

これを防ぐためにドングリを煮沸せよだの、冷凍せよだの色んなことを言う人がいるのだけど、効果のほどは確かではない。

それによってドングリ本来の質感が損なわれては意味がないのも、躊躇の理由のひとつだ。

このクヌギのドングリも嫌な予感がしたので、しばらくベランダに放置(乾燥)しておいた。

そうしたらばどうだ、イモムシが中から出てきているではないか。

いわんこっちゃない。

イモムシの母としては、卵からかえってすぐに潤沢な食糧に囲まれ、外敵から襲われる心配のないドングリの内部は絶好の産卵場所だ、というのは素晴らしいアイディアではある。



2017年4月17日月曜日

2年目のサフィニア


暖かく良い季節になりました。

園芸にも精がでる季節。

よく、「何を育てているんですか?」と尋ねられる。

もちろん僕の生業を知って何かしらの期待をして聞くのだろう。

さぞや色んなものを育てていると想像しての質問だろうけど、実際はこのサフィニア(ペチュニア)とブラキカムだけ。

ブラキカムは植栽現場で余ってしまって捨てられそうになっていたのを「拾って」きて育てている。

そしてこのサフィニア。

これは昨年一鉢150円のペチュニアと一鉢350円のサフィニアを同時に育ててみて、いったいどのくらい違うのかを比べるために買ったもの。

150円のぺチュニアは2ヶ月ちょっとで「溶けて」なくなってしまったが、サフィニアは秋遅くまでしっかり咲いていた。

その後も切り戻してベランダで様子を見ていたらば、軽々と冬を越して、どんどん茎を伸ばして花芽をつけて数週間前から花を咲かせはじめた。

2年目。

ペチュニアは一般的に一年草という見方をされているけど、管理をうまくするとこうやって2年目でも元気に花を咲かせるのか、と大変勉強になった。

ただ鉢の中心部に葉が少ないでしょ。

これは一度切り戻しをちゃんとすればある程度リカバリーできるのではないかと思う。

でもこれだけせっかく花を咲かせているのに、ざっくりと切り戻しってのもなんだかもったいなくて躊躇しているというわけ。

本に書いてあることだけではない、「なにか」を実際に育ててみると学ぶことができるよね。

実体験に勝るものはない。





2017年4月14日金曜日

吹雪に筏


気温がグングン上がり、この週末は夏日らしい。

サクラもピークは過ぎたものの、まだ花を楽しめるレベル。

風が強いのでまさにサクラ吹雪。

これが素晴らしいのよね~。

ビデオを撮ったりする手もないわけではないけど、これはやはり瞼に焼き付けて楽しみたい。

さらには散ったサクラが川面に浮かび流れてくる花筏。

これも風流。

GWに向かって本当に良い季節になりました。

2017年4月11日火曜日

大人気の弊害

新宿御苑、新宿門前

この前は心無い支柱に締め付けられて「虐待」を受けているサクラについて書いた。

都内のサクラはそろそろ見ごろを終えて下り坂だと思が、この時期、いつも思うことがある。

サクラが咲いて、春が来たとウキウキするのは分かる。

しかし、一極集中というか、サクラに人々が集まりすぎる傾向を見て、それがどれだけサクラやその周辺にダメージを与えているかと考えるのであります。

この前は、小石川後楽園の長い行列をご紹介したけど、上の写真は新宿御苑。

長蛇の列は単純に人が多いことと、アルコール類の持込検査をしているからであります。

とにかく人が多い。

サクラに人が集まるのはいいが、それはサクラの根の上に人々が集まるということ。

一人一人はせいぜい60キロ位かもしれないが、それが何百人となれば・・・
それがある程度の期間続けば、サクラの根の周りの土はすっかり踏みしめられてカチカチ、コチコチに固く締まってしまう。

これが根にとって良い訳がない。
根が伸びづらくなる、呼吸ができなくなる、水分や養分が土に少なくなるなどなど様々な弊害がおきて、サクラや周辺の植物を傷めてしまうのだ。

実際、新宿御苑に行った友人の話では、あまりに多くの人が繰り出したので芝生が磨り減ってハゲてしまっていたと言っていた。

この時期は入園料を上げるなどして、ある程度人的ダメージを抑制するのも一考かもしれない。

増えた入園料ぶんをメンテナンスなどの維持活動に充てるのもアイディアであろう。

上野もすさまじかったなぁ。

サクラを愛でる一方で、サクラを傷つけているという皮肉、気付いていましたか?

上野のサクラ

2017年4月7日金曜日

サクラ虐待報告


都内のサクラも今週末がヤマ場で、あとは盛りを過ぎて下り坂だろう。

サクラがなぜこんなにもてはやされているのか、諸説あるけど、パッと咲いてパッと散る、いわば散りぎわの潔さのようなものに、もののあはれを感じたりするのだろう。

連日「サクラ」「花見」の話題がテレビなどでも取り上げられ、天気予報でも花見に触れない日はないくらい。

こんなにちやほやされるサクラなんだから、もっとサクラを大切にしてあげて欲しい。

例えばこのサクラ。

ご覧のとおり太い丸太支柱が櫓型にがっちり組まれている。

シュロ縄で結束した支柱ではなくて、ボルトで締め上げているでしょ。

支柱一本一本がどのくらい深く埋め込まれているかにもよるけど、もうこれはビクともしないはず。

そして当初植えつけたときのサクラの幹はどんどん成長して、支柱の枠よりも大きくなった。

しかし、支柱の枠はビクともしない。

結果、サクラの幹は支柱の枠の形(四角形)になってしまった。

四角いメロンやスイカは最近聞くけど、四角いサクラなんてやめて欲しい。

幹はさらに成長を続け、今度は枠を飲み込まんばかりになっている。

この支柱を今取ったらどうなるか?

たぶんこの支柱のあった場所で早晩ポキッと折れると思う。

じゃあ、このままで良いのか?

それも否だろう。

じゃあどうしたら良いのか?

正直、どうしようもないと思う。

こういう思慮に欠けた支柱を施した人(会社?組織?団体?)が悪い。

見たところ樹齢15年くらい、ここに植えつけて5年くらいだろうか。

これまでのこのサクラの人生はまったく無駄なものになってしまう、残念ながら。

基本、支柱はなるべく最低限に。

人間と同じで厳しめに育てたほうが木のためでもあるのだ。



2017年4月6日木曜日

アマノジャク(天邪鬼)


やはり話題の中心はサクラでしょ、今は。

猫も杓子もサクラ、サクラ、というのでいささか辟易とする部分もある。

なんてったってアマノジャクですから、人々が騒げば騒ぐほど心が離れていく傾向があるのであります。

昨日はイギリス人を連れて新宿御苑に行こうとしたけど、新宿門での行列を見て一気に気持ちが萎えてUターンしてしまった。

その点、ちょいと郊外に足を伸ばせばゆったりのんびりサクラを鑑賞できる場所はいくらだってある。

今日も天気がよかったので、昼休みをちょいと利用してサクラを浴びてきた。

風はちょいと強かったけど、暖かくて、寒からず暑からず。

良い季節になったものであります。

2017年4月5日水曜日

お花見にモノ申す


都内のサクラは満開。

天気も良く、気温も高いので、お花見はしたいよね。

お花見に関しては言いたいことはたくさんある。

マナーの問題、サクラの根周辺を踏圧している問題、そもそも酒飲んで騒いでいるだけで花なんか見てないじゃないか問題などなど。

まぁ人それぞれだから、ここでは言うまい。

かねがね気になっていることが別にあるので今日はそのことを。

花見といって敷くのはもっぱらブルーシートでしょ。

これがいただけない、とかねがね思っているのだ。

日本人はどうもこのブルーシートが好きだよね。

庭の手入れにも使うけど、あらゆる場面で見かける。

それだけ汎用性もあって低価格のスグレモノなんだとは思うけど。

なんていうか色気がないんだよね。

英語で花見ってなんていうのかと思って調べてみると
「Cherry Blossom Viewing」
らしいけど、果たしてそうだろうか?

ちょっとピンとこない。

むしろ、これは picnic でしょ、どうしたって。

ピクニックであるからして、レジャーシートを敷いて座る。

伝統的な線を追い求めるならせめて「ゴザ」を敷くべき。

イギリス人だったら、ラグであったり、場合によってはバスタオルなんて敷いて座っていたりする。

ゴザもラグもバスタオルもオーガニックな感じがして柔らかさがある。

対してブルーシートはプラスチックで単一的にブルー。
なんとも無機質でそっけない。

このあたりがセンスがないと思うわけ。

せっかくサクラが美しいんだから、その景観を壊すようなブルーシートは敷いては台無しだよ。

そんなことをいつも思うのだけど、アナタはどう思います? 

2017年4月4日火曜日

旅のお誘い

ルーシー・ボストンの庭

6月に英国ツアーを企画しています。

イーストアングリアの庭園を訪ねる旅ということで6月22日~28日の7日間。

イーストアングリアとは聞き慣れないかもしれませんが、イングランド東部の地域で中心地はケンブリッジでしょうか。

ケンブリッジには2年間住んでいましたので、普通のツアーにはない御案内もできるのでは、と。

ケンブリッジには3泊しますが、街のほぼ中心地にあるホテルがとれましたので、夕食後でも元気があれば石畳の街を散策することができます。

ほぼ夏至のころなので、21時過ぎまで明るいはずでふらふらと歩くには最高です。

庭も限られた滞在期間ながら知恵を絞って見ごたえのある庭を選んでみました。

エッセー「イギリスはおいしい」の林望氏が滞在していたというルーシー・ボストンの家も訪れます。
ルーシー・ボストンの孫娘とは友達なので、彼女が詳しく案内してくれるのではないかと思います。

もちろんロンドンにも2泊します。
キューガーデンにも足を運びますよ。

そんな盛りだくさんのベストシーズンの英国ツアー、よろしければ是非ご参加ください。

詳細、お申込、お問合はセブンカルチャーネットワークまで。




2017年4月3日月曜日

サクラ狂騒曲


げっ、もう4月!

げげっ、3月は花咲ブログを3回しか更新していなかった!!

確かにあれこれと忙しくしていたのですが、それよりもブログで書こうと思ったことが結構沢山あって、さらにそれらが結構内容的に濃かったので、どう書こうかなぁ・・・と逡巡しているうちに時間が経ってしまったのでありました。

早くも4月。
東京では靖国神社のサクラ標本木の開花によって開花宣言が出されたのは3月21日ころだったはず。

その後、気温はあがらず寒い日が続いたせいか、開花は足踏み状態。

4月になってようやくサクラが咲いた、といえる感じになってきた。

昨日はイギリスからやってきた客人を連れて都内を散策していた。

小石川後楽園で日本庭園ってやつを見せてやろうじゃないかと飯田橋から歩いて行って園に近づいてたまげた。

なんと壁沿いに長い行列が。



小石川後楽園はちょくちょく行くけど、こんな行列を見たのは初めて。

一応、最後尾を求めて壁づたいに東京ドーム方面に歩いてみた。

長い。

園の角、東京ドームに近いあたりまで列が延びていた。

整理にあたっていたおじさんに尋ねたら、入園までざっと90分くらいでは、ということだった。

気持ちがすっかり萎えて帰ろうかと思ったら、同伴のイギリス人の意思は固かった。

列は結構進んでいる(動いている)ので並んでみよう。せっかくイギリスから来たのだから。

しぶしぶ(?)列に加わってみたら、たしかに思ったよりも進みが早く30分くらいで入園することができた。

なんだよー、おじさん。帰るところだったゾ。

園内では枝垂桜もほぼ満開。

天気もよろしく、都心であるというロケーションもあってか大混雑ではありましたが、大変満足しているイギリス人の様子を見て、よかったな、と。

これからあと10日間くらはサクラが楽しめるかな。

良い季節になりました。