2017年11月30日木曜日

愛にあふれた内科クリニック



その不思議な植物好きの内科の話。

小さくて可愛いポット苗が置いてあった。

サクラソウ(桜草)苗さしあげます
来春開花です
いくらでもいご自由に1ポット1株
株がだいぶ大きくなりました

と看板に書いてある。

なんちゅう親切さ。

いくらでもご自由に・・・というあたりは、植物好きな人に喜んでもらいたいという気持ちが表れているように思える。

そして最後の「株がだいぶ大きくなりました」というあたりは、精魂こめて育てた苗も皆さんにお裾分けできるくらいに大きくなったんですよ、というような親心が垣間見えた気がした。

こういうのを無償の愛っていうのだろうか。

見てみると、まだまだたくさん小さな株が異なるプランターに育っていた。

愛情を注いで、几帳面に育てているのが良く分かる。

何者?この先生??




2017年11月28日火曜日

医は仁術なり


ときどき通りかかる昭和な雰囲気の漂う門構え。

いつもは門は閉まっている。

そしてプランターが外に幾つか置いてある。

それは知っていた。

でもこの前久しぶりに通りかかったら・・・

門が開いていた。

さらにプランターの数が増えていた。

なんだ、なんだ??

質素な看板が立てかけてあって、それによると内科クリニックらしい。

ええっ、これ病院なのか??

どう見ても普通の民家ですよ。

玄関で靴を脱いであがるのだろうか?
中には受付があったり、看護婦さんがいたりするのだろうか?

まぁそのあたりはいいや。

それよりも気になるのはこのおびただしい数のプランター。

しかもそれぞれに几帳面な文字で何かが書かれている。

例えば一番下の写真を見れば分かるけど、ヒガンバナのことについて詳しく解説してあるのだ。

これはスゴイ。

相当な植物好きなのが分かる。

クリニックとして門が開いていたので、失礼ながら門のなかもちょっとだけ見学させていただいた。

凄かったよ、ホント。

追って詳細をご報告しましょう。

優しいお医者さんなんだろうな、などと勝手な想像をする次第。




2017年11月26日日曜日

落ち葉の絨毯


気がつけば11月ももう終盤。

秋も深まってきた。

山沿いはもちろんだけど、都内を含め平野部の秋も本番かと。

近所の公園を歩いていたら、落ち葉の絨毯が。

赤、黄、茶など落ちたばかりの葉っぱはなんとも美しい。

散りぎわの美しさってやつだろうか。

あと2週間くらいは黄葉、紅葉、そして落ち葉を楽しめることと思う。

改めて一年は早いなぁと思う次第。

2017年11月22日水曜日

庭がなくてもシアワセ


往来にはみ出そうな植木鉢。

ときどきこんな光景を目にするよね。

僕はこういうのを見るたびに、小さな感動を覚えるのだ。

ちょっと大袈裟かな。

でも考えてもみてほしい。

植物を育てたい、でも庭がない。

普通は諦めてしまうでしょ。

でもこういう人たちは不屈の植物愛の持ち主なのだと思う。

庭がなくてもへこたれない。

限られたスペースを最大限に活かしてプランターを並べて季節の花を育てている。

「置く」だけでは飽き足らず、「ぶら下げる」ことでさらなるスペースの有効活用を図っている。

水平に垂直に、まさにMAX。

やっている御本人はもちろん、往来を行き交う人たちも楽しませてくれる。

そりゃ広い庭があればそれに越したことはなかろう。

でも、東京という限られた土地に多くの人がひしめく場所ではそれはなかなかかなわない。

イングリッシュガーデンも確かに素敵だけど、イギリスの人たちはこういう意味においては恵まれている。

日本では表現の場がこんなことになっているだけで、植物愛については負けず劣らず、いやいやかなり勝っていると思うよ。


2017年11月19日日曜日

オトナになろう

もうすでに左のツツジは枯れている・・・
「植栽保護の為前向き駐車にご協力ください」

・・・すなわち、マフラーからでる排ガスが直接植栽にかかると植物たちが傷むことからなのだろう。

「植木保護の為、花壇の上に登らないで下さい」

・・・すなわち、花壇に登ったついでに植物を踏みつける輩がいてのことだろう

いずれも植物愛に満ちているといえば満ちている。

しかしいずれも常識的に振舞えるのであれば、こんな注意書きは不要なはず。

電車のホームでのアナウンスなどもそうだけど、日本って国はどうも未成熟というか、当たり前のことを声高に、ややお節介的にアナウンスしないと収まらない性分であるように思える。

思いやりと常識を持ち合わせればこんな注意書きは要らない。

そしてこんな注意書きはなんとも興醒めだなぁと思うのは僕だけだろうか。

この花壇のどこに登るのだろうか・・・

2017年11月17日金曜日

余裕は大事


某所にて鉢植えの花を入れ替えようとした。

春からずっと頑張ってきたサフィニアもいよいよ元気がなくなってきたので秋~冬ものに植え替えようというわけ。

鉢にあったサフィニアにはサヨウナラして、問題は土(用土)をどうするか。

これを一般ゴミとして捨てられないのは周知のことと思う。

もちろん再利用、サステナブルな園芸を目指してみることにした。

ふるいに古い用土を入れて、砂利やサフィニアの根を取り除き、できれば天日干しして殺菌などすると良いという考え。

アイディア自体は良いと思う。

でも実際にやってみたら・・・

ふるいの選択ミスが第一にあげられる。

まずふるいのサイズが小さすぎて、少しづつしか用土が入らない。

そしてふるいの目が細かすぎてなかなかふるいを通りこして用土が落ちていかない。

これはひとえに「ケチった」からだ。

大きいサイズとなるともちろん値がはるし、普段からふるいを使うかというと否。

年に何回使うか分からんものにそんなに投資はできない。

こういうことは予め想像がついていたので、それなりに考えて買ったつもりだったけど甘かった。

そしてサフィニアの根はとても細かく、元気に密に張っていたのだった。

これは手間がかかる、時間がかかる。

思案していたところ、鉢底に謎の「卵」がたくさん付着しているのを発見。

この汚染された土を再利用することはかえってマイナスに思えた。

なので、結局この土は花壇の隅に捨てて、新たな用土を使って植え込んだ。

もちろん鉢は水圧を上げたホースで汚れも謎の卵も洗い流して。

こういう作業をするには、余裕が必要だと改めて思った。

時間的な余裕、ふるいのサイズの余裕、作業をするスペースの余裕など。

発想は良いが、それを実践するのはなかなか難しいね。

苗を用意しちゃったので後にはひけない

2017年11月14日火曜日

秋到来


気がつけば早くも11月も半ば。

年賀状は売り出されているし、来年の手帳売り場も盛況だ。

早くも忘年会なんて言葉も聞かれるようになってきた。

一年は本当に早い。

あと何回サクラを拝むことができるだろう、あと何回紅葉狩りができるだろう。

いつでも出来ると思ってはいけない。

人生には限りがあるのだ、と季節が巡るたびに思う。

都内でもぼちぼち紅葉・黄葉がはじまった。

今年もあと50日を切った。

一日一日を大切に。


切り込み隊長


おたくのご近所にこんな空き地を見かけないだろうか。

何か建物が建っていて、それを壊して更地となる。

当初は土むき出しの何の変哲もない空き地が、時間の経過とともに少しづつ緑に覆われていく。

不思議だと思いませんか?

緑はいったいどこからやってくるのか?

沸いてくるわけではない。

それこそ鳥や風がタネを運んでくるのだと思う。

あるいは土のなかにそもそもタネが潜んでいてそれが発芽することも考えられる。

こういう更地があると、そこに何がはえているかを注意深く観察すると面白い。

だいたいどこでも同じようなパターンのはず。

先陣をきってやってくるのはアカメガシワ、アオギリ、ヒナタイノコズチ、セイタカアワダチソウなど。

そして時間の経過とともに少しづつその植生が入れ替わっていくのがまた興味深い。



2017年11月12日日曜日

我々も運び屋なのだ


植物たちがタネを運ぶ件について書いてきた。

これまでご紹介したのは鳥が運ぶ、風が運ぶといったあたり。

もちろんこれら二つは最も代表的な種子散布の方法だ。

でももっともっと方法はバリエーションに富んでいる。

例えばこれ。

コセンダングサ Bidens pilosa 

実の先端が鈎針(かぎばり)状になっていて、人間の洋服や動物の身体に付着する。

種小名の pilosa は「長くて柔らかい毛をもった」という意味があるようだけど、この鈎針のことを指しているのであれば決して柔らかくはない。

下の写真は実を結ぶ前の花のときだけど、長くて柔らかい毛らしきものは見当たらない。

まぁあいい。

秋晴れの気持ち良い日は散歩しながら色んな実に目を向けてみよう。

2017年11月8日水曜日

旅するタネ


赤城の実をご紹介してきたけど、赤城の実に限らず植物たちはせっかくできたタネをより遠くへ運びたいと思っていて、それを風に頼ったり、鳥を含む動物に頼っていたりする。

これを種子散布と呼ぶということはお話ししたとおり。

動物たちは実を食べて、糞をするときに消化されなかったタネが糞に混じっていてタネは動物が実を食べたところから糞をしたところまで旅をしたということになるのだ。

そうやって注意して見ていると、何かの動物の糞が雨に打たれて形は崩れていたものの、中に消化しきれなかったタネが沢山含まれているのが分かる。

白っぽいタネ。

何のタネだろうか?

タネの中には動物の胃を通過する際、強い酸(胃酸)に触れることで発芽が促されるものもあるという。

タネの追っかけも楽しいテーマであります。

2017年11月7日火曜日

赤城の実 ③


赤城の実。

これまでは赤や紫など目立つことで鳥たちに見つけてもらって運んでもらうという話をしてきたが、タネを運ぶのは鳥や動物だけではない。

風だって運ぶのだ。

一番分かりやすい例がタンポポね。

あれは風にのってフワフワと飛んでいって着地した場所で発芽するという仕組み。

今日の写真は知っている人は知っているけど、知らない人は知らない実。

当たり前か。

これはカエデの実。

二枚の翼のようだけど、これは半分にパカッと離れて翼一枚でクルクルとヘリコプターのように回転して飛んでいく。

タネの部分が丁度良い塩梅の重さになっていて、クルクルと回転するようになっているのだけど、これを見るたびに本当に感心する。

こんな絶妙なバランス、作ろうたってなかなかできるもんじゃない。

是非拾って、自分でクルクルしてみていただきたい。

飽きずにしばらくクルクルできるはずだから。

2017年11月6日月曜日

赤城の実 ②

ミズキ

赤城で見かけた実の続編。

手のひらにのっているのはミズキの実。

こうやって枝(花柄)ごと落ちてくる。

この枝の様子がブドウの房の柄に似ていたので、以前「ブドウ科の何か」と案内して恥をかいたことがある。

人間、恥をかいて成長するものである。

こういう積み重ねで自分の知識が蓄積されたり、判別力が強化されるのではないかということで。

そしてたわわになる赤い実はアオハダ。

これも当初分からなくて、遠目にはサクランボのようにも見えたので「サクラの種類」として大恥をかいたことが。

今アオハダということが分かってしまったし、モチノキ科の特徴が見てとれるのでサクラのはずはないじゃないかと思えるけど、サクラも種類が多いのでこのようなサイズの実も結構見かけるというのが言い訳。

でもサクラとは実の付き方が違うし、なんといっても木肌がまったくサクラのそれと異なっていた。

勉強不足。

そして最後は暗がりに浮かび上がるオレンジ色の実。

なにやらオレンジ色のトウモロコシのようだけど、これはマムシグサ。

これらざっとご紹介したわけだけど、もちろんこんなものではない。

もっともっと沢山あるので、この季節散歩をしながらご近所の実を捜してみてはいかがでしょう。

アオハダ

マムシグサ

2017年11月4日土曜日

謎のおじさん


3連休ですか?

僕はあんまり関係ないけど・・・

今朝仕事先に向かう途中で、ノーネクタタイのしわくちゃスーツを着たおじさんが街路樹のハナミズキになっていた赤い実をせっせと摘んでスーツ上着のポケットに突っ込んでいた。

いったいハナミズキの実をどうするつもりなのだろう。

食べるわけでもなかろうに。

朝7時前から赤い実の収穫に精をだすおじさん。

スーツ、おじさん、赤い実・・・ とっても不思議でアンバランスな組み合わせで気になった。

2017年11月1日水曜日

赤城の実①

ガマズミ

そんなわけで先週末は雨の赤城自然園に行っていた。

実りの秋ってことで様々な実が色づいて見ごろを迎えていた。

赤い実、紫色の実、茶色の実・・・

どれもこれもなかなかどうしてキレイだった。

とくに雨に濡れると1.5倍くらいキレイに見える気がする。

こうやってみると目立つことで鳥たちに見つけてもらいやすいのはもちろん、鳥にとって「一口サイズ」で丸呑みしやすく、実の表面もツルツルしていて呑み込みやすいのではないかと思う。

これが大きかったり、ザラザラしていたり、角ばっていたりすると鳥たちは敬遠してしまうだろうなぁ。

つくづく上手くできているなぁ。

ムラサキシキブ

へクソカズラ